『沈みゆく帝国』を読んで:その1

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いよいよ15時間後(日本時間10日午前2時)に『iPhone6』と、もしかしたら
それに加えて『iWatch』と呼ばれる腕時計型のウエアラブル端末を
発表するかもと噂されるアップル。
たまたまですが、そんなタイムリーなアップルに関連する本を読みました。

といったわけで、私は逃げも隠れもしないアップル信者、
紛れもないMacフリークであるが、だからこそ、
その眩しいばかりの神話と同じくらいに裏側に隠された真実や、
あるのならばその闇の部分も知っておきたいと思う。

それと、こういったビジネス書を読む場合、
自分が興味関心のあるメーカーや業界の話でないと読んでも頭に入ってこないので
たくさん出版されているアップル関連の本は、尚のこと手を出し易い。

この『沈みゆく帝国』に付けられた副題
「スティーブ・ジョブズ亡きあと、
 アップルは偉大な企業でいられるのか」
は、
本文中にもある通り「盛田昭夫亡きあとのソニー」になぞらえているものだ。
そういった常にイノベーティブであることを義務づけられた企業が、
かけ替えのない真のビジョナリーを失ったあと、一体どうなっていくのか、
どのようにしていくのか、という部分が一番に興味を惹く部分であるが、
サムスンとの訴訟問題や、iBook store訴訟など、まだまだ過渡期にあるIT業界が、
これからのスタンダードを決める大事な分水嶺でもあるので、
それ故に起こる様々な衝突に関する話も興味深い。

中でもGALAXYとの特許訴訟つまり「パクリ疑惑」についての話は、
先行したのは確かにiPhoneだし、スマートフォンをあの形状のものとして
爆発的に世に広めたのもまたiPhoneだと思うので、アップル側の言い分もわかる。
でも、四角くて、角が丸くて、全面に液晶画面で、ボタンがひとつで、
という意匠を、特許侵害にするのは確かに無理があるとも思う。

MADAZA_ROADSTER_1.jpg

先日ついに4代目がワールドプレミアされたマツダのNew『ロードスター』。
初代ロードスターの登場は世界に衝撃を与え、その後世界中の多くのメーカーが
我先にとこの市場に新車を投入し、一気に市場を活性化させたことを思い出す。

もちろんそれまでの23年間、世界中から潰えていた
“ライトウェイト オープン2シーター"というパッケージを、マツダが復活させた
ことは確かだが、それ自体そもそもマツダが発明したわけでもなんでもないので、
iPhoneの件と同列には語れないが、でも「目の付け所」を特許とするか?
という意味においては同じだと思う。

実際、PalmにBlackberryはすでに存在していて、タッチ式液晶画面のアクションで
様々な操作を完了するというアイデアじたいもそれ以前からあった概念なので、
アップルが生み出したものではない。

しかもGoogleをはじめとした、世の中はオープンソースの時代を迎えていて
何でも特許侵害で訴訟を起こす、欲の皮を突っ張らかしたようなアップルの態度が
少々鼻につくのも確かだ。
実際この訴訟で知名度を上げたのはむしろサムスンの方。
そして、マツダは高級路線に舵を切って登場してきたフォロワーによって、
逆に“軽量小型"という、自分たちの独自性を際立たせることができたわけだ。

つまりはアップルはもっと余裕のある態度で、
優雅に構えていた方が、結果的には良かったのではないのか。と、
結果論だがそう思う。

まあ、それもこれも「水爆を落としてでも抹殺する」とまで語気を荒げた
自己顕示欲の強すぎる創業者の遺言に、後継者たちが振り回されたようなところも
あるので、アップルとはそもそもそういう遺伝子を持った企業なのであろう。

そして、奇しくもまさに先日、アップルの提供するクラウドサービスである
『iCroud』から有名ハリウッド女優のプライベートフォトがハッキングされ、
SNS等を通じて拡散してしまった事件が発覚したが、
Googleとの仲違いから、ゼロから興した自社製の『マップ』の失敗や、
まだテスト段階であるにもかかわらず、まるでそれを隠すように実装してしまい、
発表当時はまるで使い物にならなかった『Siri』の問題など、
私ののぞき見趣味を満たすスキャンダラスな内容もとても興味深かった。

と、贔屓の引き倒しである私としても、アップルをちょっと俯瞰して
見ることができるようになったという意味では、とても良い本であった。

jobs_books.jpg ベストセラーとなった『スティーブ・ジョブズ』からの
引用も多いので、是非併せてお読みいただきたい。


しかして、
その意地悪な題名のつけ方からも解るとおり、日経BPの出版物にしては、
公明正大とは言いかねる内容で、どちらかというと暴露本に近い内容ではあった。

その暴露ネタをもってアップルはもうお終いだと結論づけるには
あまりにも無理がある。
その兆候が見てとれることは確かだとしても、
あたかも必ずソニーと同じ道を辿ることが前提であるかの如き物言いには、
私の贔屓で曇った色眼鏡を差し引いても少々行きすぎであると言わざるを得ない。

そのイノベーションの速度や成長の速度は、
確かに「在りし日」よりも下がったかもしれない。
でも、私はアナリストでも投資家でもなんでもないので、
この際そういったことはどうでもいい。

それよりもアップルの生み出す製品が、
競合に較べてエレガントであり続けることの方が、私にとってはずっと大切だ。

本作中にも特許侵害として出て来る「ラバーバンド」と呼ばれる
スマホ画面のスクロールの最後に、ゴムで引っ張られたように戻る動きであるとか、
メモリを喰いすぎて、動作に支障が出るにもかかわらず、ジョブズがこだわり倒した
スムースなアウトラインを持つフォント表示であったり、
まるで質量と慣性を感じさせるようなマウスとカーソルの連携動作であったり。
アップルが製品を通してユーザーに提供し続けるユーザー エクスペリエンスに、
創業者を亡くしたあとも一切の妥協や揺らぎは感じられない。

株価の変動や、新製品のプレゼンテーションの内容、
それを見たアナリストの意見から、企業の将来性に関する経営体力や
開発能力を測ることは出来ても、
アップルのもつ深層的な魅力をそこから測ることはできない。
MacやiPhoneにどんなにソックリで、しかもそれらよりも優秀な製品が
目の前に現れようと、アップル製品がエレガントであり続ける限り
私はアップルを支持し続けるだろう。

アップルのエレガントさとは何か?

それを直感で理解できる人々にとって、
アップルがイノベーティブであるか否かは、実はさほどの選択理由ではないと
私は思う。

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と、それもこれも私がアップル信者であるため、
笑って済ませられる程度の内容であった・・・
・・・のですが、これ以外にもとてもショッキングな内容もあり、
私自身思うところがあったので、
それについてはまた改めて、明日お伝えしようと思う。
  

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2014.09.09 | コメント(0) | トラックバック(0) |

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