Gentemstick SLASHER Splitトップシート補修

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美しさと軽さの代償として、Gentemstickのトップシートはちょっとした衝撃でも
潔いほどあっさりとカケてくれますが、
スプリットボードならば、滑走時のみならずハイク時もその危険に晒される。
足許のおぼつかないオッサンが使うとなれば、その可能性は更に倍だ。

たまに、傷つけるのが怖くて使えないと仰るGentemstickユーザーの方や、
Gentemstickの脆い部分が許せない(から買わない)と仰る方までいる。
もちろんその仕上げの美しさから生まれる所有欲が大きく存在する
Gentemstickなので、その気持ちも痛いほど分かる。

分かるけれど、
道具は結局のところ使ってナンボなので、私は使い倒すことにしている。

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若干話は逸れるけれども、
Gentemstick同様、BMWのオートバイもとても高価だが、
それもこれも単に高く売るための設えによって高価になっているわけではない。
多少手荒に扱っても簡単には動かなくなったりしない頑丈な造りや、
ボディよりも過酷な状況に置かれるむき出しのエンジン周りには、
永い愛着に応える艶の衰えない塗装が施されていたりと、
“永く使い倒されること" を前提にした作り込みが成されている。
国産のオートバイでも易々と壊れたりしないし、もちろん性能は世界一だ。でも、
“愛される部分" に設定される “寿命" を較べてみれば、明らかに消費材のそれだ。
国産オートバイを長く所有した経験のある者ならば、
その思想の違いに驚かされることばかりだろう。

そういった観点で言うと、Gentemstickは工業製品でありながら、
万人に受け入れられるための耐久性や操作性を持っているわけではなく、
むしろ工芸品にカテゴライズされてもいいほどの特殊性や商品価値を持っている。
そういった意味では、BMWというよりもイタリアのスポーツカーメーカーか、
イギリスのバックヤードビルダーというべき存在なのであるが、
そんな “床の間に飾る級" のモノを、使い倒す快楽という嗜みもまた
抗いがたい中毒性の高い行為なのであります。ミッレミリア。

といったわけで、Gentemstickとは「つき合い方」がある。と思う。
スキー場ではなく、人里離れた山の中なら尚のこと、
たとえGentemstickであっても、
現場でそれを大切にするが故に気を揉まされるなどもっての外。
一切の容赦もなく使い倒したい私なので、その反面、現場を離れてから
道具に対して尊敬の念をもって愛情を注いであげないとならない。
(Gentemstickでなければリペアしようとも思わないのも確かなのだが)


前置きが長くなりましたが、
今回は今季1シーズン私を様々な場所へ連れて行ってくれた
SLASHERのトップシートを補修します。
歩き方が悪いのでしょうが、特にトラバース時に左足で右足に装着したボードを
踏んでしまうため(滑走時の)左側がカケを通り越して傷だらけになってしまいます。
しかも、クランポンを装着している時でもやってしまうので、
クランポンの鋭い歯でエグるような傷が深々とついてしまいます。

方法は毎度のことで、樹脂でふたをする方法。
樹脂というのはとても繊細な素材で、気温や湿度などにもかなり影響されるため、
寒い冬の間はやりたくてもできない。やるなら晩春の今時期がもってこいだ。

それと、硬化剤との混合比がとても微妙。
硬化剤が多すぎても少なすぎてもうまく固まらない。
私の場合はきれいに直したいわけではなく、
心材への水の浸入をふせぎたいだけなので、
カチカチよりもちょっと粘度が残るくらいが好ましく、
尚のこと混合比の管理が必要になってくる。

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今回は0.01gから測れるデジタルスケール(秤)を買ってみた。
1g単位の秤だと、どうしても極少量の混合ができないからだ。
この秤は100gまでしか測れないが、
大量の樹脂が必要になるわけではないのでこれで充分。
手のひらに乗るほど小さいポケットサイズ。
¥1,126 (Amazon)というお手頃価格でありながら
風袋引き(空の容器を乗せた状態で0に設定できる)機能まで装備している。
更に主剤を測った状態で0にして、混入しながら硬化剤だけの正確な分量も測れる。

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SLASHERに合わせて透明グリーンの着色剤を購入。1%混入。

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指定の混合比10:4を正確に測り準備完了。
混合後は30分以内に作業を完了することとあるが、とろ味が出てからの方が
垂れないのでサイド部分など切り立った箇所の作業がし易い。

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問題がなければ24時間程度で硬化完了します。
今回の傷は心材まで入っていたので、樹脂が木材に染み込んで
色が濃くなり、より目立つようになってしまった。
樹脂を入れる前に白色などの下地を入れてからにすれば良かった。
時すでに遅し・・・

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と、済んだことで肩を落とすような感傷的なハートは残念ながら私にはないので、
さっさと表面を平滑にして磨きます。
塗ったまま硬化すると、水滴のように出っ張ったまま固まりますので、
800番のサンドペーパーでその出っ張りがなくなるまで削り、
1,000番で水研ぎしたあと、荒目〜極細〜超極細の順でコンパウンドをかけ
サンドパーパーキズが消えるように磨けばOK。
(コンパウンドのサンドペーパー対応の番手はメーカー毎に違うので
2,000番くらいまで水研ぎが必要になる場合もあります。)

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この画像をご覧いただけば、透明な樹脂で傷が埋まっていることが分かると思います。
(樹脂内に気泡も埋まってしまっておりますが・・・)
二つ上の画像で、一番カケ易いトップシートの際の部分のカケにも、
樹脂が盛られていることもご覧いただけます。

SLASHERは今回初めて補修したのですが、モデルの差か、個体差か、
表面の樹脂層が、たとえばMAGIC38に較べて薄いようで、
磨きすぎで下地が見えてしまった・・・次はもう磨かないか
いっそ再塗装しちまうかしないといけないな、こりゃ。

さておき、平滑になっても傷が消えないこともお分かりかと思います。
でもまあ、この方が苦楽を共にした相棒のようで愛着も湧くし、私は好きです。
 

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2014.05.27 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

コメント

自分も、気に入った道具は使い倒します。

板もストック、ウェアーも傷は勲章みたいな物と思ってます。
修理や修繕などをすると愛着がわきますしね。

2014-05-27 火 16:34:49 | URL | Sugaya #- [ 編集 ]

Sugayaさん
> 傷は勲章
いい言葉ですね〜〜しかもその勲章は自分自身だけのものっていうのが
いいトコロですよね〜!

2014-05-27 火 17:34:37 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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