アバランチナイト in 東京

avalanche_night-1.jpg

昨日の仕事終わりに、日本雪崩ネットワーク主催の
『アバランチナイト in 東京』に行ってまいりました。

会場は文京区シビックセンター。で、突然話が脱線いたしますが、
このバブルの名残さえ感じさせる地方自治体の税金の無駄遣いの象徴のような場所に、
私が来る日が来ようとは思いもしなかった。
東京都民でもなければ、文京区民でも在勤でもない私に言えた義理ではないのだが。

で、そのバベルの塔の如き立派な小ホールに用意された座席が全て埋まる大盛況。
聞けば開催が告知されてすぐ定員に達してしまい受付を終了してしまったのだそうだ。
解ってはいたが、改めてブームの熱とみなさんの意識の高さを実感する。

しかも今回はUstreamでもこのイベント内容をライブ配信していたので、
ご覧になった方も多かったかと思います。

これはいわゆる「雪崩講習会」というよりも、もっと草の根的な
注意喚起と意識高揚のための啓蒙活動といった位置づけ。
内容も基礎的な内容に終始していて「雪崩リスク低減の手引き」など、
書籍類で勉強されている方には復習といった趣の強い、取っつきやすい内容だ。

ただ、映像を交えながらライブで聞く話は、
やはり読書よりも印象深く記憶に残るものだし、その復習という印象からも
シーズン前のこの時期に、寝ているハートを起こすような警鐘を鳴らすには
もってこいのイベントと言えそうだ。

で、聴講を終えてのあくまでも私の持った感想ではありますが、
結論から言ってしまうと「プロでも結局は100%の判断はできない」という
ミもフタもない話になってしまう。

だかららこそ、「雪崩が起こりやすい場所」や「起きたときに逃げ場のない場所」など
主に「危険な地形」について、まずは自分なりにでも構わないので
きちんと考えを持つことが大切だということを改めて感じさせられた。
その上で、現場で山を観察して、吹きだまりなどから前日の風向きを想定したり、
そういった場所の通過を最短に抑える。雪崩の流下しそうな場所で止まらないなど、
素人の私でもできることを、まずは確実に行うことが大切だ。
もちろん視界の悪い日に地形を判断することはできないということも大前提。

そして、自分の考えに自信がないのなら、
より慎重に考えるというごくごく当たり前の事を今一度肝に銘ずるということだ。

その「危険な地形」に関して、無責任にここに書いたりはしないので、
少しでも思う所があったのなら、書籍に目を通すも良し、ネットで調べてみるも良し。
大切なのは自身の目的意識で考え、行動することだと思います。

そして、ビーコンのこと。

ビーコンはまず、使うことで幸せになれる類のもでもないので欲しくもならいないし、
おまけに高額でもあるせいか、その有用性に関してよく議論にもならないような
話題に上ることが多いように思う。
そんなビーコンに関しても今回改めて考えさせられた。

ビーコンを身につけることで助かる確率も上がるし、助けられる確率も上がる。
でも、そういった「生き様」の問題に加えて、
ビーコンを身につけずに不幸にも雪崩に見舞われ命を落としたとすると、
その広大な遭難現場は、砂浜で一本の針を探すかの如き有様になり、
一人の捜索にかかる時間と労力は途方もないものになる。
そうしてまで探すものは結局「死体」なのだ。
当然、そうなれば自治体にも管轄の警察にも良い印象は与えない。
そうして、いつまで経ってもこの国に文化として根付く日が遠のいていくのだ。

せめて自分の死体は手間なく見つけてもらえるようにしておきたい。

立つ鳥跡を濁さず。
そういった「死に様」に対しても高い意識を持たなければならない。
我々が目指す雪山とはそういった覚悟を必要とする場所なのだ。

もしみんながそういった覚悟を持って行動し、そのことが世間に対しても
広く理解・認知されて、この国に文化としてきちんと根付く日がやって来たら、
国から雪崩の研究に関する多くの助成金が出るようになるかもしれないし、
ソナーやエコーなどを使って積層する雪の奥底に潜む弱層を
すぐに見つけることができる装置を開発してくれるような
優秀な若者が現れる日がやって来るかもしれない。

と、そんなことを税金の無駄遣いの象徴たる場所で、ふと思う・・・


そして最後に、結論めいたことを誤解を恐れずに言わせていただければ、

「雪山には入らない事」だ。

「入るための理由」ではなく、「入らないための理由」を見つけることを基準に
判断ができれば、判断ミスのリスクを減らすことができるのではないだろうか。
という煙に巻くような話で誠に恐縮ではあるが、
そういう考え方がへそ曲がりな私には一番しっくり来るという話なので
私の話はほとんど参考にはならないと思うが、
何かを考える一助にでもなれば幸いだ。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ:バックカントリー - ジャンル:スポーツ

2013.12.11 | コメント(4) | トラックバック(0) | スノーボード

コメント

そですよね。ゲレンデ内でも吹きだまりや、ツリーホールで息絶える方もいらっしゃるし。
ガイドツアーを利用して、なるべくリスクを減らすなど。折角の休みだからと無理をせず、山に上がらない勇気も必要ですよね。
自分はビビりなのであがりませんが。

2013-12-11 水 13:47:39 | URL | Sugaya #- [ 編集 ]

Sugayaさん
今回のアバランチナイトでも話が出ましたが
思う以上に雪の結合って頑丈なんですよ。
だから雪崩が起こるのってよっぽどのことなんだと思います。
なんの知識も装備もなく山に入っても
やすやすと還って来られることの方がほとんどで、
そうなるとマジになっているのがバカバカしくなってしまう、
もしくは恐怖心が麻痺してしまうという
陥りやすい落とし穴こそ注意が必要だってことなんだと思います。
そういう宝くじ級の当選確率の低いとんでもない貧乏くじを引かないためにも
小さな問題点を見逃さない習慣が大切なんですよね。

2013-12-11 水 14:27:25 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

シーズン前のこういうのに参加したいと思いつつ、毎回行けてないですね。

はい、雪山(BC)にあんま入らない人です。
基本ゲレンデとサイドカントリーレベルで楽しんでます。
昔は無知で無謀なことしてましたが、今はウチは嫁も一緒に滑るので...
自分の身は守る判断はできても、嫁の命は保証できないので、
ゲレンデメインですかねー。
前を滑って先導しなきゃならんが、先に行くとあとの面倒が見れない。
かといって先に先行して滑ってもらうスキルも無いしとなると、
ガイドさんにフォローしてもらえるツアーがベストなんですよねー。

僕個人的にはご一緒した八甲田みたいな地形のあるところで
ガンガン落ちて行くのが好きなんです。
オープンバーンは判断が難しくやっぱチョイ怖いですね。

そろそろビーコンも今時の使いやすいのに買い替えたいです。
いつもレンタルしてる嫁のも買わないとなぁ。

2013-12-12 木 10:14:03 | URL | Toshi #- [ 編集 ]

Toshiさん
私もこういったイベントに参加するのは初めてのことでした。
書籍でもなんでも知れば知るほど予見することは
経験豊富なプロのガイドであっても100%不可能だということ
ばかりが理解できてちょっとブルーになります。
それと、仰るとおりにスキー場の管轄内にも
未圧雪ゾーンが用意されたり、遊びのバリエーションは広がっているので
そういった場所を積極的に選んでいくのも良い遊び方ですね。

2013-12-12 木 11:26:47 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

FC2Ad

プロフィール

埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR