DYNAFIT VULCAN TF

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この『DYNAFIT VULCAN TF』にしたわけは、もちろん
TLTにバインディングを変更するにあたり、専用の構造を持ったブーツでなければ
装着することさえできないという以上の理由はない。仕方なくと言ってもいい。
(ちなみに上の画像はMARKER TOUR F10に装着してみたところ
 TLT用とはいえ、このブーツは一般的なバインディングでも、このF10のように
 コバ高を調整出来るタイプであればなんとか使えそうだ)

と、仕方ないなりにも数あるTLT対応ブーツの中からこちらを選んだ一番の理由は
何をさておいてもTLTバインディングと同じディナフィット製だということ。
前回も説明したように、ただでさえ特殊なシステムなので、
前提に、というかTLTと同時に開発されたブーツを選ぶことが
どう考えても相性が一番いいに決まっていると思うからだ。
とにかく、まだこのシステムを信用しきれていない私は、
石橋を叩いて渡りたい心境なわけだ。

そんなTLTとの相性の話は横に置いて、このブーツの魅力を紹介してみよう。

ULTRA LOCK SYSTEM
このVULCANのような “AT (Alpine Touring)ブーツ" や “兼用靴" と
呼ばれる滑走と登行を両立させるブーツの中でも特に、
シェルフレックスを130程度まで上げて、より高い滑走性能を追求したモデルの場合、
足首の可動性を確保することはつまり、そのシェル強度を下げる事につながる。
よって、足首のロック/解除機構には、各社毎にそれを実現するための
様々なアイデアがあってとても興味深い部分だ。

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DYNAFITの場合は、アッパーシェルを固定するバックルとロック機構を一体化。
ハイク時はとうぜんこのバックルを外して拘束を緩めるので、
その動作でロック解除を済ませる一石二鳥となる構造だ。
ちなみにこの状態での可動範囲はすでに60°確保されている。

つまり、昔懐かしいリアエントリーブーツのようなものだ。

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GARMONT(現SCOTT)の場合は、このようにアキレス腱に位置するロックを解除し、
金属製のスライダーに沿ってアッパーシェルが起き上がる構造。
較べると可動域が狭く感じるが、基本前屈みに登ることが多く、
足首はさほど立ち上がらないので、これでも特に不具合はなかった。
そういった意味でも、これだけ足首に自由度を与えられたブーツで登ると
どういった効果があるのか、試すのが楽しみだ。

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ときにこのロック機構が組み込まれ若干大型化を余儀なくされたバックルは
解除時は2分割されて折れることで、ブーツに沿うようになっており、
外側に出っ張らず邪魔にならないように配慮されている。
とても細かい気配りが利いている部分だ。

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ソールの硬質プラスチックポイント
ソールは歩行を考えて、もちろんグリップのいいゴム製のブロックソ−ルだが、
つま先と踵の部分4点に、丸い硬質プラスチックのポイントを設けている。
これによりバインディングとの接地部分がより密接になり、より強固に固定される。
ただこれはTLT RADICALに対してはこのポイントが接地するのはヒール側だけで
一番上の画像のようにMARKERのような一般的なバインディングの方が、
その効果は高そうだ。

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ピボット・バックル
足首部分の可動軸になるピボットからロアシェルの上側になるバックルが生えている。
これによりブーツ内での踵の浮き上がりを強力に防いでくれる。

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登山靴のようなロアシェル
ロアシェルをこのように踵を包み込む美しいドーム形状にし、ピボットバックル、
そして熱成形によって処理されるサーモインナーとの組合せによって生み出される
踵のホールド感がとにかくすごい!
ホールドされすぎて、脱ぐ時に踵が簡単には抜けてくれないほどだ・・・

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脱着可能なタングシステム
タングが履いたままでも取り外せるようになっており、
外した状態では、足の甲から足首までの動きを規制する物がなくなるため、
その時の足首の自由度は登山靴以上だ。
これは最後の最後に板を背負って登攀するときのための装備であろう。
不安になるくらい履き心地が気持ち悪いので私は使わないと思う。
外したタングを山の中で無くしそうだしね。

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ケーブル式バックル
軽量化にかなり貢献していると思われるケーブル式のバックルは
見た目は悪いが使い勝手はかなりいい。それと、
バックルを緩めた状態で歩くハイクモードのときに便利な、
滑走時の設定位置からケーブルの脱落を防止するカバーも付く。

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GARMONTの場合はキャッチャーの狭い歯の中にロックが設けられていて
まるで精密機械のようだ。私はこの部分に関してはこのメカメカしさの方が好きだ。

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パワーベルト・ストッパー
緩めたパワーベルトが抜けないようにストッパーが設けられている。
これもまたちょっとした気遣いだが、ベルトが抜けきるとだらしなく
引きずってしまうし、もう一方の足でそれを踏むと危険なので、その効果は大きい。

最後にサイズの話
例によって甲高段広なアジアンフットな私が欧米モノを選ぶ場合、
そのサイズ感はいつも微妙だ。
27.5cmと一緒に28.0cmも取り寄せてもらい、履き較べてはみたものの
どっちもどっちで決め手に欠ける展開に・・・実はこの2サイズで、ソールサイズが
204mmから214mmと1センチも大きが異なるほどシェルが大きくなってしまうので
重量増を考えれば27.5cmの方を選びたいところだが、歩く時のことも考えて
重さよりも快適度を優先し、結局28cmの方を選んだ。

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27.5cmのカタログ公称値は1,590gというかなり軽い部類に入るVULCANだが、
シェルの1サイズアップで公称値よりも214gも重くなってしまった。
それでもGARMONT ARGONよりも169g軽い。

毎度のことながら、スキーブーツのサイズ選びには本当に困らされる。
特にサーモインナーを装備するブーツの場合、そのサーモインナーを熱成形する時に
どれほどの許容範囲があるのか解らないので尚のことだ。
ショップの方にもっとアドバイスを頂きたいところだが、
「話と違うじゃないか!」とあとで責任問題に発展する部分の決定事項には
もちろん一切口を挟んで来てくれない。
厳つい顔したオッサンの客だと尚のこと距離を感じてさみしい。

もちろん、そういったフィッティングの大切さは
ハードシェルのブーツなので尚のこと重要度を増す。
ブーツ・チューンナップはすでに必須項目なので、そのお話しはまた明日!
 

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2013.11.13 | コメント(2) | トラックバック(0) | スキー

コメント

DYNAFITのVALCNは、けっこう幅が狭いんですよね。
でも、アッパーカフのカーボンはカッコいいですね。
やる気にさせるブーツですね!

2013-11-13 水 13:10:41 | URL | sugaya #- [ 編集 ]

sugayaさん
アジア市場向けのシェルを展開していないメーカーのブーツは
幅が狭いことが多いですよね。
ほんとフィッティングにはいつも悩まされます。

カーボンフェチなんで大好きなんですけど
明らかに私の実力とは釣り合ってはいない選択です。

2013-11-13 水 13:43:19 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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