DIGGIN'MAGAZINE

snowmagazines2013.jpg

『DIGGIN'MAGAZINE』お読みになりましたか?
まあ「読む」とは言っても、端から端まで目を皿にして読んでも
1日で読み終わってしまうほど、文字数はそのページ数に対してはっきりと少なめで
どちらかと言えば「見る」「感じる」「考える」といった風情の読み物だ。

『LastFrontier』は月刊スキージャーナルのブックインブックという
タテ/ヨコ乗りの違いも含め「まさに情報誌」という
良い意味でも悪い意味でもとても見慣れた出版物なので
奇しくもほぼ同時に刊行されたこの2冊の読み比べは興味深いものがあった。

『Snowstyle』は私だけかもしれないが、読むと出版界華々しき頃の
『流行通信』や『Studiovoice』を思い出す。
客観情報を伝えるだけではなく「意見」や「発見」という主観を伝えるという
雑誌が雑誌らしかった名残を感じさせる一冊だ。
そして、スノーボード自体がすっかり若年化しつつある昨今に
数少ない大人の購読に耐えるスノボ誌とも言えよう。

そしてこのこの『DIGGIN'MAGAZINE』からは、
「スノー」や「ボーダー」といったワードを廃して代わりに「探求」という
これまた哲学的なワードをわざわざ配置しているそのネーミングが想起させるとおり、
その『Snowstyle』からも更にエッジィで、ツッコんだ世界観の訴求を試みる
実験的でいて挑戦的(というよりも野心的?)なビジョンを感じる。

digginmagazine.jpg

そして、まるで美術館の企画展示用パンフレットのような
そのレイアウトもまた、そんな挑戦的な部分を強く伺わせている。

好き嫌いはもちろん個々人であるだろうが、デザイン畑の人間から言わせてもらうと
やりたくてもなかなか許可が下りないデザインに敢えて挑戦している。
例えば余白を多くとりそっけないくらい文字に色を使わない文字レイアウトと、
裁ち落としではなく枠を回す写真レイアウトなどがそれだ。
文字に限らずレイアウトに利き色を差すのはアテンションを惹きたいからだが
それをせずに文字の大小だけで情報にプライオリティの差をつけてている。
風景写真は裁ち落としで拡がり感を強調するのがひとつのセオリーなのだが
それも敢えて廃していたりと文字通りに挑戦的だ。

ただ、勘違いして欲しくないのは挑戦することがいつも正しくて、
保守的であることが悪いことでは決してなく、むしろ“保ち守りたいもの"とは、
先人達が積み上げてきたナレッジの集積でもあるので
その守るべきものとは得てして正しい場合が多いということだ。

つまり、カッコはいいけど少々読みづらい。
私がアートディレクターだったら寄稿してくれているライターさんに申し訳なくて
こういったレイアウトは採用できない。
せめてフォントサイズはあと5%程度大きくしたってバチは当たらんだろうと
近ごろ老眼が入ってきたオッサンはついついそんなふうに思ってしまう。

でも、そんなこんなをすべて受けて立つ気概がなければ、
いつの時代も挑戦なんぞ成り立ちはしない。
このデザインだからこそ伝わる「コト」があると信じる力が挑戦を生むのだ。
その気概や良し。オッサンなんて気にするな(でも少しだけ気にして欲しい)。

そんなビジョンを世に問うには、今は価値観が細分化されすぎていて
立ちはだかる現実と、ビジョンはなかなかに同じ方向を向いてはくれぬが、
出版不況と言われるこの時代にあってもまだ、
スノーボードの中でも更にラディカルでスローな、スノーサーフなんていう
その細分化の一端を担うニッチで狭義な世界だからこそ、
こういった冒険の余地が残されているのかもしれないと思うととても痛快だ。

この冒険の成功を心から祈りたい。

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テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2013.10.17 | コメント(6) | トラックバック(0) | スノーボード

コメント

「DIGGIN ‘ MAGAZINE 」
確かに字が小さかったですね~(*_*)
自分には字数の少ない記事のお陰か最後まで全て読破できました。
雑誌でこれは人生初なので、ちょっとビックリ(^o^;)
元がとれた感アリアリと内容がモロにツボだったので、次も買っちゃいますね。
次がこの雑誌の勝負のような気がします...

2013-10-17 木 19:43:45 | URL | サトゥー #- [ 編集 ]

サトゥーさん
様々な読者を想定せずに
最初から最後までテーマがスノーサーフひとつで貫かれていて
そのぶんブレがなくて良かったですね。
次のテーマはもうスノーサーフじゃあないんでしょうねえ。残念。

2013-10-17 木 22:57:32 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

久々にチャレンジャーだけど良い本でしたね。
ノイズが少ないから読んでて気が散らない。
広告も少ないし、トーンが統一されてるような。
今までも結構自己満足的な写真集的なヤツ出てましたけど
意外と何も感じなかったんですけど、これはすんなり入れて
良かったです。
写真もその瞬間やその後の出来事を想像できる写真ばかりでしたね。
僕的には人物写真はちょい弱かった気がしますが。
カッコいい大人がいっぱい載ってて良いですね。

でもでもこれは湾岸ミッドナイトだなと。
わかるヤツにはわかる、オレはもうわかるヤツの車しか...的なw

2013-10-18 金 14:47:28 | URL | Toshi #- [ 編集 ]

Toshiさん

> でもでもこれは湾岸ミッドナイトだなと。
> わかるヤツにはわかる、オレはもうわかるヤツの車しか...的なw

確かにそうですね。そう言われてみて思ったのは、
結局のところサーフライクだろうがスケートライクだろうが
入り口とか呼び方とか結構どうでもよくて、
たとえば私とToshiさんみたいにまったく接点ないのに出会えちゃうのって
やっぱり雪の上では同じコトを狙ってたりするからなのかなあ、と。
そんな「同じコト」に関してアレコレ書いてある雑誌なのではないか、と。

まさに湾岸ミッドナイトでそんなセリフがあったような・・・

2013-10-18 金 15:08:52 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

もう今までの内容では同じような内容になってしまうからでしょうかね。
ただ、あまり前衛的?になってしまっても底辺が広がらない、というか業界自体が衰退してしまうし、ジレンマですね。

ところで、私、お金もないのに新しい板を予約してしまいました。burtonのcloudsplitterです。フリーランのカタログ号で竹内正則さんの開発話に惹かれました。
あとは自分のスキルをなんとかしないと(^-^;

2013-10-19 土 14:18:58 | URL | tetsu #7Vwe54W6 [ 編集 ]

tetsuさん

> もう今までの内容では同じような内容になってしまうからでしょうかね。

ただの情報はみなさんネットで収集してしまっているので
お金払ってまで雑誌を買わないんですよねえ・・・
ですから雑誌でしか読めないコトを業界みんなで探してる最中なんですよ。

おお〜っと!Cloudsplitterですか!いいじゃないですか!
ハリのある生き方をしている人には
お金はあとから付いてきますから!大丈夫!

2013-10-19 土 20:35:16 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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