TTSS BIG FISH OC 【2nd. impression:Powder Snow Ride】

DSC02240.jpg

クリスマスの丸沼でのBIG FISHとROCKET FISHの乗り較べの前に、かぐらの深雪でBIG FISHに乗れたときの話から先にしたいと思う。

なんだかんだ言っても、やはりこいつの本籍は深雪だ。
ポインティノーズで新雪をかき分け、切り裂くように推進するボード達とは違い、こいつは足許の雪をぐんぐんボードの下に吸い込んで行く感じで、雪を「切る」のではなく雪に「乗り上がっていく」感じだ。
それも辺りの雪を残さずかき集めてその上にずんずん乗り上げていくようなイメージ。まるでダイソン・ルートサイクロン・テクノロジー。ふかふかの粉雪だってあれだけ集められれば足応えが充分に生まれる。よって左足(前足)にもガンガン乗っていける。というよりも前後荷重を意識する必要は一切ないほど。

今にして思えば「ただの棒か?」と思えるほど細い板に乗っていたオールドスクールのスキーヤーにはわかると思うが、深雪では埋まることがそのまま命取りになると教えられ、とにかくトップを雪面から出していなければと必死になった、あのトラウマは今でも脳裏に焼き付いて離れない。当時の私にとって、パウダースノーは越えるべき障害物以外の何者でもなかった。
その後、乗り物が横乗りに変わってもそのトラウマはやはり残っていて、いかに幅の広いロッカーの効いたボードに乗ろうとも後足を踏みつけ続けなければいけないというその強迫観念に近い呪縛から逃れることはできなかった。

それがどうだ。気がつくとそんなことがあったことすら忘れるほどのショック療法ですぐに無我夢中になれた。

とはいえ、こいつはそんな曲がった恐怖心を修復するための治療器具ではない。こいつが目的とするのは「後ろ足荷重から解放されたその先」にある。

またも誤解を恐れずに断言しよう。
それはパウダー カーヴィングだ。

目を閉じて思い出してみて欲しい。はじめて新雪の上を滑ったあのふわふわとした浮遊感と、それまでいかに自分が雪面に食い付くエッジだけを頼りにボードの向きを替えていたのかを思い知らされたあの不自由感を。
そして、それが逆にとんでもない自由の入口だと気づくのに時間はかからなかったはずだ。ただ、その自由と引き替えにできなくなったことがあったはずだ。

私にとって言わせてもらえば、それはカーヴィングだ。

深雪の中でキレのあるカーヴィングができたなら・・・
後ろ足を起点にしたピボットなターンではなくて、前足から乗り込んで深く回すイメージのカーヴィングだ。

私のつたない技術と経験ではあるが、あえて言わせていただくと、もちろんMAGIC38でも深雪の中でキレのあるカーヴィングはできる。でも底突きしない乾雪の上の場合、最低でもその名前の由来でもある斜度38度を超すようなスティープな斜面が必要だ。それくらいボードに推進力を与えてやらないとグッと踏み込んだカーヴィングはできない。少なくとも私には。
加えて言わせていただくと、最低でも500メートルは滑走距離が欲しい。場合によってはそれでやっと5ターンくらいか?

昨今、いかに非圧雪コースが増えたとはいえ、関東圏から気楽に行けるスキー場でそんな新雪の乗ったスティ−プな斜面にはなかなかお目にかかれない。

今一度目を閉じて想像してみて欲しい、どこにでもあるような中・上級者用コース程度の斜度の深雪で、自由落下的な放物線を描くような、止まってしまわずに推進することを前提にしたときにそこで曲げる以外に選択肢のないようなカーヴィングではなく、自在のカーヴィングをする姿を。

もちろんそれは加速したMAGIC38と同じようなカーヴィングではない。もっとメロゥで、自らの意志によって描く慈しむようなターンだ。

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で、その乗り味を解りやすくひと言で言うと、さしずめHovercraftといったところだが、それだと他社製品になってしまうので・・・

flyingarpet.jpg

Flying Carpetということか。
とにかくその「滑っている」と「飛んでいる」の中間にある、まさに滑走感がものすごい。まさに官能発生機だ。
次は是非上から下まで膝まで埋まるような深雪のノートラック斜面で乗ってみたい。できればパウパウっに乾いた新雪だ。そのときにやっとSnowsurfの本質に触れることができるのではないか?と、今はそんな予感に包まれている。

DSC02233.jpg
jyosetusya.jpg

それと、食べ散らかされトラックで荒らされたパウダー斜面では、今度は豪腕なブルドーザーのようになる。
縦横無尽に深くクロス状にトラックが入ったパウダー斜面は我々中級者にとって実に厄介だ。でも、BIG FISH OCならそんな斜面でもいつも通りのターン弧でまったく問題ない。決してトラックには填らずに、表面に数センチの幅で残った新雪の上を渡るように突き進んで行ってしまう。これもまたBIG FISH OCのすごいところだ。

まとめると、思いっきり嗜好性に振られたボードなのだが、実は中級者クラスの人間にはその安定感の高さ故に、様々な乗りやすさという特典が付いてくるマジックボード。
私にとってすべてが規格外の存在でいい意味で目が醒めた。この感覚を残してBIG FISHに較べればはるかに細くありながら、Snowsurfという同じ目線で創られているフラットキャンバーのTT168といつもの斜面で乗り較べてみたい。きっと何か発見があるはずだ。

それと、先述の膝丈ノートラック斜面を味わうためには、こいつと北海道に行くか、もしくはバックカントリーに出なくてはならないだろう。いつものかぐらも、ウッズセクションはまだ細かい藪が埋まってはいない状況(12/20時点)なので、もう少し積もるであろう年を越した頃にぜひ裏山に連れ出したいと思っている。

と、今シーズンはスプリットよりもスノーシューでハイクする機会の方が多くなってしまいそうだ。そんなわけで、Slasher Splitの出番は一体いつ来るのだろうか・・・・
我ながら心配になってきた年の瀬である。

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テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2012.12.27 | コメント(6) | トラックバック(0) | スノーボード

コメント

>できればパウパウっに乾いた新雪だ

来ますか?来ますか?
北海道に!

待ってますよ!

こんなの見てると、オレももう一本欲しい...

2012-12-27 木 17:44:39 | URL | nob #- [ 編集 ]

nobさん

行きたいです、北の大地・・・・
突然「明日からっ!」みたいな感じで突撃するかもです。
そのときはよろしく!

2012-12-27 木 17:52:16 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

Only Sufer know the feeling

こんにちは。
いつも楽しく拝見させて 頂いております。特に山のギア関係は大変参考にさせて頂いております。

自分は波乗りに関しては20年間毎週末皆勤賞のサーフジャンキーですが、山は子供の誕生をきっかけに離れてしまい、山デビューした一昨年まで5年強のブランクがあります。そもそも99%サーファー1%スノーボーダー程度の者です。
ただ、五年ぶりの山でゲレンデパウダーに当たってしまったこと、サーフフィーリングのスノーボードが選びやすくなっていることもあり、再び山熱が上がっている次第です。
東京在中のぎり30代です。

ゲンテンさんのspoonfishを購入にした際、こちらのブログを参考にさせて頂きました。そんなわけで、今はspoonfishに乗っています。

さて、ゲンテンさんのBIG FISHのインプレを拝見致しました。自分はBIG FISH にもMAGIC 38にも乗ったことがないのですが、筆者様が感じられたフィーリングこそ、ショートボードサーファーが常に得ているフィーリングです。
Only Sufer Know The feeling ! という言葉があります。

ショートボードサーフィンではカービングすることで(サーフィンではレールを入れるという表現をします)、与えた力の反作用として、波から凄まじい浮力をもらいます。これをドライブ感と称します。抜重すれば、カッ飛んで行けます。(スノーボードではボードのたわみに対する反発力がこれにあたりますね)。これに加えて波自体が与えてくれる押力があります。これらの作用によって、波の縦横をドライブとフローを感じながら滑る最高のフィーリングが得られます。
そういう意味では今やSnow Sufer know the feeling too!なのだと思いました。

ショートサーフボードの世界でも、以前は、細く薄いハイパフォーマンスなボードが主流でしたが、バーティカルな大きなラインを描くコンペスタイルのサーフスタイルのためのものなので、良い波を捕まえて、波の良いポジションを常にキープしないと、気持ちの良いサーフィンに繋がらないてというコンデションが限定される類いのものでした。
そんな中、カリフォルニアでは10年前、日本では5年くらい前に、fishと呼ばれるサーフボードのムーブメントが再燃しました(再燃とは、70年代にあったデザインを掘り起こされたためです。)
fish は短く分厚く幅広く奇妙な形をしたボードに見えましたが、極限までパフォーマンスにシェイプされたボードしか乗らなかったショートボーダーにとっては、レングスの短さから来る操作感のイージーさと、オバーフローの感覚が、コンペ思考のサーフスタイルから、どんな波でも楽しめるファンサーフのスタイルへと簡単に変えてくれる目から鱗のサーフボードだったのです。
※元々、fishテイルは全長の短いボードに少しでも長いレイルライン(エッジ)を持たせるためと、テイルの浮力を減らし、踏み込みやすくさせるためのデザインなので、パウダーの用途に合うのかは今一つ疑問。

TTモデルやMAGIC 38がハイパフォーマンスショートサーフボードだとしたら、Rocketfish はまさにFish サーフボードなのです。
玉井さんもサーファーで、このFish ムーブメントをまさにに経験されています。ご自身の作製されたフィルムのBGMにfishムーブメントを牽引したサーフフィルムのBGM を採用されている辺りにも影響は色濃く出ていると思います。
ただ、現在のサーフシーンでは、fish ではやはりコンペスタイルのサーフィンが出来ないということで、その流行は去り、ハイパフォーマンスショートにfish のファンの部分だけを盛り込んだデザインになってきているので、今後のスノーボードのデザインもこの辺りのハイブリッドデザインになる予感がします。TT160はまさにその辺りか?

長くなりましたが、まさにスノーボードの原点とは何かと考えれば、それは雪上でサーフィン。サーフィンはスノーサーフという原点回帰スタイルのスノーシーンでデザインされたボードの理解を助けてくれます。

そんな訳でアホみたいに長文になりましたが、これからもブログを楽しみにしております。

山にバンバン雪が降っていますが、良い波が立っている以上、海に通ってしまう1%スノーボーダーでした。

2012-12-31 月 21:57:33 | URL | kyon #- [ 編集 ]

Re: Only Sufer know the feeling

kyonさん

明けましておめでとうございます。
詳細なコメントありがとうございます。
冬でも海は週末皆勤賞とのこと、誠に頭が下がります・・・・尊敬。

そうなんですよねえ。
私も波乗り始めてから解ることが多く、
正直ここまでSurfとSnowsurfに類似性があるとは思いませんでした。
雪の上でもサーフィンをしようということが純粋な出発点で
それで今のGentemstickやその他のSnowstickがあるのだとするならば
とんでもない執念というか怨念というか・・・

しかして、初心者の私でもウスウス感じることは
波乗りの感覚は波の上でしか得られないこともまた事実だということ。
あくまでも擬似的なサーフ感であり、やはり似て非なるものなんですよね。

それにしても波乗りの時に感じる得体の知れない何かに背中を押されるような
あのスピリチュアルな感覚っていったいなんなんでしょうね?
雪の上ではあんまり感じられないんですよねえ・・・

では、これからもコメントよろしくです!

2013-01-02 水 18:16:31 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

feeling

コメントへの返信ありがとうございます。
元々は筆者様のインプレを読んでいて、サーフボードでは似たような感覚を体験していたので、分かるわかる!ってサーフィンでの体験を書こうとしていたのですが、何だか読み返してみると話しがどんどん分岐して訳のわからない内容になっていましたね。すみませんでした。

ちなみにサーフィンとスノーサーフは似て非なるものというのは確かに、そうかもしれませんね。擬似的なものに過ぎないかもしれません。
ただ、ショートボードでサーフィンすること、波の上下をボトムターンとトップターンで繋いで滑れるようになることで、そのギャップは少しは狭まるかなと思います。
ロングボードでは浮力と重量が有りすぎて、ターンでの加重に対する波からの反発力による加速感をダイレクトに感じ取りにくいのも事実です。
またショートボードに乗ったとしてもターン時にしっかりとレイルを入れてテイルを踏むことが出来ないとターンは単なる方向転換となり加速ではなくむしろ減速になります。
パウダーでのスノーボードも直下りしても楽しさ半減、ドリフトターンは単なる方向転換と減速というのと同じかなと思います。ある技術レベル以上でターンしないとあの浮遊感は味わえないの同じだと思います。
そういう意味では、ある意味サーフィンで5年かけて体感出来る感覚をスノーボードでは2年でやれてしまうのかなとも思いました。

それから、サーフィンにあるスピリチュアルな何かは、良く論じられるものですね。それが何かは分かりませんが、サーフィンはライフスタイルと言われるように、調子良くサーフィンし続けるためには日常生活まで自己コントロールする必要のあるものが沢山あります。どんな波でもパドルし続けることができる体力、仮にリーシュが切れても岸まで泳いで戻れる泳力、ボードの浮力やウェットのサイズを適性に保ち続けるための摂生による体重維持など、日常レベルで意識しないといけないことが沢山あります。そんな精神レベルへの訴求が多いのでそういう論議になりやすいのかなとも思います。

って、また長く意味不明なことを沢山書いてしまいました。すみません。

さて、本日ようやく、ドカ降りの中、今シーズン初滑りをしてきました。最高でした(笑)。山も良いものですね。
ロケットフィッシュHPほしくなりましたが、来シーズン辺りにTT160とロケットフィッシュの中間的なボードが出ないかななんて期待して今シーズンもspoonfishに乗ります。
(サーフボードは年2本くらいオーダーしちゃいますが(笑))

では、これからもブログ楽しみにしてます。

2013-01-04 金 21:50:37 | URL | kyon #- [ 編集 ]

Re: feeling

kyonさん
あけましておめでとうございます。
またも詳細にご返答いただき重ねてありがとうございます。

ショートボードもやってみたいのですが・・・
ロングは浮力も推進力もボードが勝手に生んでくれるので
ショートのそれを生み出す過程にSnowsurfに通じる部分があるのかもしれませんね。

> どんな波でもパドルし続けることができる体力、仮にリーシュが切れても岸まで泳いで戻れる泳力、ボードの浮力やウェットのサイズを適性に保ち続けるための摂生による体重維持など、

うわ〜〜耳が痛いです。いずれも持ち合わせてません・・・

> ロケットフィッシュHPほしくなりましたが、来シーズン辺りにTT160とロケットフィッシュの中間的なボードが出ないかななんて期待して今シーズンもspoonfishに乗ります。

まさにTTの各モデルはボトムで回して壁を駆け上ってターン
なんていう一連の動作が淀みなく出来るので
尚のことショートボードの感覚があるのかもしれません。
では、
今年もよろしくお願いいたします。

2013-01-05 土 09:39:53 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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