FC2ブログ

ジョジョ・ラビット

jojorabbit1_.jpg



日本での公開日は1月17日からだったので、
コロナ騒ぎの前に公開されていたのですが、
なんだかんだで観に行くことができなかった『ジョジョ・ラビット』。
先日レンタル配信が開始されたので早速観ておいた。

第二次世界大戦中のドイツを舞台にしたコメディ作品。
と言うだけで、その不謹慎さが伝わって来るだろう。
でも、ときには批判やら炎上やらを覚悟の上で、
それをすることでしか表現できないこと、
伝わらないことに真っ直ぐ向き合うべきときがある。

jojorabbit2_.jpg

戦時下のナチス・ドイツの有り様を、
とにかくアメリカンに揶揄しまくることで、
ナチスの冷徹さや残酷さを滑稽に見せまくる。
ホロコーストを含めて、歴史の授業で習った
ナチスの恐ろしさを知っているからこそ、その滑稽さのエッジさ加減、
笑えなさ加減が、逆に観る者の心を強く揺さぶってくる。

jojorabbit4_.jpg

恐怖で統治し、党員に恩恵を与える
アメとムチという子供でもわかる社会システムを、
子供社会の中で落ちこぼれてしまった10歳のジョジョの目線で描くことで、
単純だからこそ手強くて、だからこそ強力に抗わなければならない
恐怖政治のもつ真の恐ろしさ、そして、
人間の持つ真のやさしさを浮き彫りにしてくれます。

jojorabbit5_.jpg

自身は反ナチの活動家でありながらも、ジョジョにそれを押しつけることをせず、
ナチスに傾倒する息子の価値感を認めながら、
ノビノビとその個性を伸ばそうとする
ジョジョの若く美しい母親ロージーをスカーレット・ヨハンソンが演じている。

マリッジ・ストーリー』でも、持ち前の存在感と、その(意外な)演技力とが
キャスティングの妙として見事に顕れていましたが、
同時期に撮られていた今作でも、彼女でなければ成立しない
ロージーという一人のたくましくも美しい女性像を見事に演じきっていた。

人気先行のカワイコチャンかとばかり思っていたが、
今年のアカデミー賞では、マリッジ・ストーリーで主演女優賞、
今作で助演女優賞にダブルノミネートされ、
すっかり実力派女優の仲間入りを果たしておりました。
なんだか女優さんの方が男優さんよりもずっと野心的な気がする。
そして、良い意味で身替わりが早い。

こういう存在感のある女優さんが、ヘタに際立つこともなく、
監督の意図した世界観を定着させる重要なピースとして機能している
作品というのは、本当に良い作品だと感じられる。

jojorabbit3_.jpg

監督は『マイティ・ソー/バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。
俳優でもある彼は、今作ではジョジョの想像上の友人である
「アドルフ」役として登場していて、俳優としての力量の高さも魅せてくれている。
今作でももちろん脚本も手がけており、マルチな才能を遺憾なく発揮することで、
作品に一本ビシッと貫かれる骨格を生み出している。
今年のアカデミー賞でも作品賞にノミネートされ、見事、脚本賞に輝いている。

jojorabbit7_.jpg

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の一員でもあるワイティティですが、
同じディズニー傘下となったスター・ウォーズ・ユニバースでも、
アイアンマン』を生み出したジョン・ファブローが総監督を務めた
ザ・マンダロリアン』の最終回を監督しており、かなりの高評価を得ていた。
(ちなみにロボット賞金稼ぎIG-11の声もワイティティが担当している)

jojorabbit6_.jpg

現在『マイティ・ソー/ラブ・アンド・サンダー』の製作に取りかかっている
(コロナの影響で現在は撮影はストップしているが、2021年公開予定)
ワイティティ監督ですが、
2024年公開予定の新たな劇場版「スター・ウォーズ」作品の
監督を務めることもすでに決定している。
今や大作に引っ張りだこの人気監督であります。

そんな人気監督が、心から作りたかったオリジナル脚本作品ですので、
人気大作映画ではなかなかできない、伸び伸びと描かれた
清々しい世界観を堪能していただきたい。
(オススメ度:80)
  

関連記事
スポンサーサイト



テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

2020.06.12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR