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寝ても覚めても

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2018年に公開されその年のカンヌ映画祭でパルムドールに出品された
東出昌大、唐田えりか主演作品『寝ても覚めても』。
この作品の共演をきっかけとした不倫が今年発覚し、
2年後にまた脚光を浴びてしまっている今作。
当時他の映画の感想を書きたくてパスしておりましたが、
良い機会なので改めて感想を書いてみようと思う。

改めて書こうとか思うくらいなので良い映画なのですが、
正直に後味の悪さが一級品。という種類の「良さ」。

恋愛とホラーは紙一重だと常ずね思って来たが、
そんな思いを急角度の歪んだ視点で描いたのが『寝ても覚めても』だ。

予告編だけ観るとよくある恋愛モノに見えるかもしれないが、
まったく違う。

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朝子はある日、不思議な魅力に溢れた男、麦と出会う。
ひと目見たときから恋に落ちた朝子にとって、
それはまさに運命と言えるような出会いであった。

自由と言えば聞こえは良いが、それはほとんど無軌道で無責任。
喜怒哀楽の表現も少なく、つかみ所がないため、
本当なら相手を不安にしかしないはずなのに、
その儚さすら感じさせる存在感が、朝子にとって唯一無二の恋愛になっていく。

そしてある日。靄のように覆っていた不安や予感が突然姿を現すように、
麦は買い物に出たまま朝子の前からパッタリとその姿を消してしまう。

8年後、東京の会社に就職した朝子は、
麦と瓜二つの顔を持つ亮平と出会ってしまう。

当然のように、(亮平にとっては運命のように)付き合い始める2人だったが、
時を同じくして、朝子は蒸発した麦がタレントとして活躍していることを知ってしまう。

過去の、一生に一度の恋愛に落ちたダメ男と、
見た目はその男と瓜二つでも、性格は正反対のまじめで真っ直ぐな男。
同じ姿をした2人の男の間で揺れ動く女性の心の葛藤を描く作品・・・・・

・・・・では、残念ながらない。

(ここから先はあくまでも私の主観でありますが)
最後になって、実は狂っていたのはこの女の方であったことが
浮き彫りになる。

朝子はナント、亮平と食事をしていたレストランに突然現れた麦と、
亮平の目の前から2人で逃げていってしまうのであった。

隠れてこそこそではなく、付き合っている男の目の前から、
手を繋いで消えてしまうのであった。
これをホラーと言わずして何というのか。

そうして始まった逃避行でしたが、もちろん麦は思いつきだけで、
その行動に特に理由などない。
自身も抑えきれない衝動に従っただけであったことで、
そこに来てやっと麦という人間の、そして鏡のようにそこに映る
自分自身のパーソナリティを垣間見る。

一般人にはとても信じられないような残酷な行動を経てやっと、
運命というものの本質に気づくことになった朝子。
逃げ出したレストランからあてもなく走り続けた麦のクルマは、
朝には震災の傷跡の残る東北のとある街に着く。
そこでやっと亮平の大切さ、運命の意味に気づき、
朝子は亮平の元に引き返すと言い出す。

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言っていることはごもっともなのですが、
通常、「どのツラ下げて」となる行動を、真っ直ぐな目をして言い放つ
この女の狂気こそがこの映画の最大の見所だ。

こういった役どころというのは、
演出や編集だけで描ききることは不可能だ。
真剣さと狂気という表裏一体の人間性は
天使と悪魔なんて言うレベルで演じていては決して顕しきれない。

この唐田えりかという女優の天性と言わざるを得ない狂気の才能を
是非堪能して欲しい。

この至宝と言っても過言ではない女優さんが、
今回のゴシップくらいで潰れて欲しくないと心底思う。
次回作がとても待ち遠しい女優らしい女優だ。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
ゲンテンバカの目を覚まさせるような新しい価値感に触れてしまった・・・
・・・かもしれない、私にとって新機軸となるようなボードとの出会いの話。
  

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2020.03.13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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