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K2 NISEKO PLEASURES 151

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画像で見かけただけだったのですが、それから気になって仕方がなかった。
それはもちろん、天海 洋くんが生み出したボードである
ということもあるのですが、洋くんの柔らかな滑りの印象を含め、
このシェイプがほとんど記号や言語のように、このボードの意図するところを
受信できてしまったような気がしたことが理由だった。
いわゆる「ピンと来る」と言うやつだ。

今季は151のみが数量限定で先行発売されるということで、
あっという間に市場から消えてしまったわけですが、
156も併せて試乗できる機会が巡って来ることを待つことにして、
とりあえずその場は気持ちを抑えることにした。

ただ、その「ピンと来た」部分が、
どうやら私の中の春雪に対する“気分”に大きく関係しているようで、
シャバシャバの雪や、ストップスノーやらに出くわす度に
ニセコプレレジャーズのシェイプに思いを巡らすことが増えてきてしまった。

それはつまり「春雪は短いのが楽しい」という
至極単純な素人発想によるものだが、
想像を膨らませるキッカケとしては充分以上。
加えて、再三こちらでも報告させていただいているように
『DEELUXE RIN』の足首の入りの良さは滑る度に更新されていき、
ニセコプレレジャーズへの予感がホンモノかどうか、
このブーツだからこそ試してみたいという気持ちが募ってしまった。

なんてことを思い浮かべていると、
そんな私のスケベゴコロはアルゴリズムにあっという間に見透かされ、
「出物アリマス」というアラートとなって私のiPhoneに跳ね返ってくる。
なんともありがた迷惑な世界であります。

というわけで、
3月になろうかというタイミングになって買わせていただきました。

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私の場合『Spoonfish』あたりとカブっていないだろうか、
という不安が大きかったりするのですが、
ありがたいことに、というか、そもそもそれはまったくの勘違いで、
こうして並べて見れば一目瞭然。
短いということ以外、似ているところすらありませんでした。

加えて、以前ちょこっとだけだが試したことのある
K2のCoolBeanに対して硬い印象があったので、
「同じように硬かったらどうしよう?」という心配もあったのですが、
これもまったくの杞憂で、かといって「柔らかい」ということもなく、
私の体重でも充分に支えてくれるほどに芯のしっかりした反発力を
維持してくれていた。

という初見の印象を確認してすぐに、ニセコプレジャーズとの初デートを迎えた。
ありがたいことに、初デートは一本目から新雪となってくれた。
20cmほどの水分多めのクリーミーな新雪だったのですが、
そんな少々厄介な雪質でも、コントロール性は異様なほどに高く、
思わず目から鱗とハートが転げ落ちてきた。

新雪を面で受けたときの感触がボード全体からクッキリと伝わってきて、
それによって感じる安定感がすごい。
言ったように、反力や張力はきちんと確保されていて、
クリーミースノーに足許を取られることも、腰砕けになることもなく、
切り返しを含めた反応もとても速い。

安定しているから積極的にボードを動かそうと思えるし、
その反応の良さから、まるで私の視神経に直結しているかのような
高い機動性が発揮される。

TT(Gentemstick全般)は新雪の上で独特の「間」があって、
それはそれで味わい深いのですが、この電光石火のレスポンスは
乗り手の想像力を試してくる種類の楽しみがある。

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すでに複雑にトラックが刻まれ藪も目立つ斜面の中から、
面ツルポイントを縫うように走らせることが容易にできてしまう。
自分の「したい」を先回りされている気さえした。
というより「自分はこんなにボードを動かしたかったんだ」と、
自身の真相心理に気づかされるほど。

完全な面ツルだけが新雪滑走ではないし、
完全な面ツルなら、機種毎に得られる悦びの種類は違うにしても、
何に乗ってもキモチイイに決まっている。
むしろギトギトに刻まれていく新雪を食い尽くしていく悦びの方が
私には合っている。っていうか関東圏の山では必須の滑り。
TTでは2本、Spoonfishでも4本で終了になってしまうような場面でも
まだまだガッツいてイケる。

新雪のあとから圧雪での乗り味を確認したのですが、
新雪での自由自在な動きとはうって変わって、
トップ付近の太さを強めに感じ
切り返しにスムースさに欠ける印象を感じてしまった。

ただ、これは普段から細いTTに乗っていることに因る印象だと思う。
ある程度想像はしていた、といいますか、BIGFISHなどに乗り換えるときにも
同じように感じてきた印象でもあるので、ある意味想定内。
前足の位置をサイドカーブが始まる位置から離すように下げてからは
かなり調子が良くなった。

ちなみに、ニセコプレジャーズには推奨スタンスが分かりやすく記してある。
私は推奨スタンスより広めのスタンス幅が好みなのだが、
推奨スタンスのセンターから前後に広げるのではなく、
前位置は維持してセットバックさせたセットが当たりだった。

そうした自身へのチューニングを済ませてからが真骨頂。
なので、新雪と圧雪の順番が違っていたら、印象も違っていたかもしれない。
これもラッキー。
やはり、圧雪と新雪とを試してみないと、見つからない良さってきっとある。
所有して自分のペースとフィールドで試してみなければその本質は分からない。

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調整してからは笑っちゃうくらいよく曲がるニセコプレジャーズの持ち味に
ドップリ浸かることができた。
これもあくまでも極端な存在であるTTと較べての印象なので、
そのことは差し引いて聞いてもらいたいのですが、
TTを曲げるためにどれだけ後ろ足を踏み込んでいたのかがよく分かるほど、
ニセコプレジャーズは安楽に、そして素早く曲がっていってくれる。

TTがトップからテールまでのエッジを総動員して曲がっていくことに較べ、
ニセコプレジャーズは後ろ足のつま先と踵を軸にして、
トップがターンの内側に向かって急角度で切れ上がっていく。
キッカケを与えてあげれば「カクっ」と曲がる。
そんな軌道だからこそ身体に伝わって来る独特のG感が病みつきだ。
しかも、ラクだ。実際、一日滑り終えたあとの疲れ方がまったく違う。

言い方が難しいので、誤解を恐れず言わざるを得ないのですが、
良い意味でも悪い意味でも、
Gentemstickには「型がある」。


対してニセコプレジャーズは、そういった
概念や理念に縛られてはおらず、
完全に自由だ。


スキーの話で恐縮なのですが、私が所有してきた
『SHIFT』、『Butterknife』、『Aventura』のVectorglideのスキーは、
いわゆるパウダースノー系のスキーであるにも係わらず、
どれも基礎スキーにも対応できるような“きれいなスキー”が滑れるように
設計されていると感じる。
それと較べてしまうと、今年買った『LINE SAKANA』はそういった縛りから
完全に独立していて、もちろんやる気になればきれいにも滑れるほどに
基礎性能は与えられてはいるが、決してそこへの注力はしていない。

その代わりに、乗り手から別の悦びを引き出すことに集中していて、
そういった新しい価値感に目が醒める思いがした。

Vectorglideのスキーと同じように、Gentemstickにも
どのモデルに乗っても変わらない理念が貫かれているし、
それこそがGentemstickを選ぶ最大の理由だとも言える。

もちろんニセコプレジャーズに理念がないと言っているわけではない。
ただそれは先人達が築いてきた世界観に囚われすぎずに、
自分のしたいことに真っ直ぐに向かう姿勢として顕れている。

グローバルモデルである『SIMPLE PREASURES』がベースだろうから、
そういった海外の自由な空気感も良い意味で内包できているのかもしれない。

まさにENJOYERだ。

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そんなニセコプレジャーズの姿勢を顕著に表しているのが、
このサイドウォールにまで貼られたP-TEX。
これを滑走面として使う使わないは別にして、
そこに籠められたメッセージとしてはとても秀逸だと思う。

Gentemstickが貫く価値感の中には、長く愛せる製品の放つ美しさがある
(Gentemstickのすべてのブランドに美しさがあるわけではない)が、
それと較べてしまうとニセコプレジャーズの商品力は低いと言わざるを得ない。
今回はそれを差し引いてもニセコプレジャーズのシェイプの訴求力、
予感といったものが、私にとってはことのほか高かったということだ。

それに、ニセコプレジャーズの工業製品としての頑丈さや堅牢さは、
華奢で繊細なGentemstickでは決してできない道具との付き合い方を許容し、
それはまた違った意味での魅力として映る。

最近増えているサテン生地のような表面処理は好きではないが、
黒一色のシンプルなカラーリングも、このボードのコンセプトに合っていると思う。
ちなみに私はKORUA SHAPESの白いデッキに赤いソールも大好きだ。
そして、一見黒一色に見えて実は真っ黒ではないという「隠し味」もあって
そういうところも所有欲につながる。

一貫性に対する憧れや信頼も、モノ選びの大切な判断基準であるが、
それらを知った上で、そこへのアンチテーゼとしてのテーゼを感じさせることは、
「新しさ」という分かりやすい価値であると思う。

「歴史」と「革新」は常にベクトルの正対する場所に位置していて、
それは正誤の判断ではなく、選択という決断を迫ってくる。
もちろん私は「どちらか」ではなく、「どちらも」楽しみたいので
遠慮なく両方とも楽しませていただくことにする。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
新型コロナウィルスの影響が日々大きくなっていく中、
様々なスポーツイベントも開催中止を余儀なくされている。
これでは私も経済も元気を出したくても出しようがない。
  

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テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2020.03.16 | コメント(0) | トラックバック(0) | スノーボード

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