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JOKER

この度の台風19号による被害を受けられた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
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Joker-poster.jpg



アベンジャーズ・エンドゲーム』が、
『アバター』を抜き歴代世界興行成績のトップとなったその裏側で、
二匹目のドジョウを狙い肝いりで企画がスタートした
DC版『エベンジャーズ』である『ジャスティスリーグ』が大失敗に終わり、
数々のヒーローたちを一つの画面の中で共闘させるというシンプルなアイデアが、
いかに難しいことであるのかを身をもって知ることとなったDC。

ただ、『バットマン』、『スーパーマン』をはじめ、
ワンダーウーマン』、『アクアマン』、『シャザム』など、
単独作品ではヒットを飛ばしており、コンテンツの強さでは
MARVELに一切引けを取らないことは、すでに証明されている。

そこでDCは、ユニバース化することで
個々のコンテンツの世界観を狭めてしまうのではなく、
それぞれの独立した世界観を貫くことで、
個々の強みを生かす方向に大きく舵を切り直した。

その新たなDCを方向付ける旗頭として、
『JOKER』は生み出されました。

『バットマン・ビギンズ』と同様に、
バットマン最高のヴィランであるジョーカーが如何にして生まれたのかを描く、
バットマンの前日譚となっているわけなのですが、
これをユニバースの中で片付けようとすると、
宇宙から飛来した超人も存在する世界との整合性を求められてしまうが、
この『JOKER』にはそういった縛りは一切存在していない。

何より、ゴッサムにバットマンが現れる以前の話でもあるし、
犯罪率の低下を促し、街を正そうとしているはずの大富豪のウェイン家も
ジョーカーの視点から描かれており、
善と悪の基準すらそれまでの展開から切り離されている。

そこに超常的な力が存在するような非日常性はまったく存在してはおらず、
もちろん派手なアクションシーンもCGもほとんどなく、
おおよそアメコミ作品らしくない、
ごくごく日常的な世界の中で物語は進行していくところもかなり異質だ。

格差社会が限界にまで達したディストピア、ゴッサムシティで、
貧困と精神的な難病を抱えながら生きていくアーサー・フレックが、
とある事件をキッカケに、多くの貧困層から注目される存在となり、
自身の居場所を見つけていくという、ある意味においては
「悪のサクセスストーリー」にもなっている。

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生まれながらの悪人はいない。

という性善説に基づいているわけなのだが、
だからといって殺人が許されるはずもない。
ひどく歪んだ社会の様は、あくまでもアメコミの世界なのですが、
でも、アーサーがジョーカーになってしまうのも仕方がないことだ
と思わせるほどに、現実的で悲しみに満ちた世界が展開される。

今という時代は、個々人の見る角度によって、事の善悪が乖離してしまうことがある。
そういった世界において、とある個人が悪へ走ってしまう原因が、
他人の無関心にあるのかもしれない、という重い警鐘ともなっている。

ある程度、まとも(もしくは一般的で中庸)なものの考え方、
捉え方を維持できていないと、善悪が反転してしまう恐れがあります。
それほどに危険な映画になっています。

『冗談ではありません。
 『ジョーカー』がR指定になっているのは相応の理由があります。
 とんでもなく乱暴な言葉がどっさり出てきますし、暴力シーンもキワドイです。
 そして全体的に鬱です。ギラギラしてて、暗くて、それでいて現実的です。
 『タクシードライバー』みたいな、
 ひとりの男性が狂気に追い込まれていく過程を描いた作品です。
 子供向けではありません。というか、子供は好きじゃありません。
 (バットマンは出てきません。)』


という文章を、
アメリカの大手映画館チェーンがFacebookに投稿して話題になりましたが、
その投稿の意図も良く分かります。

joker3.jpg

「こんな境遇の人が悪に手を染めても仕方がない」と、
観る者に共感まで呼び起こさせてしまいそうな、
ホアキン・フェニックスの鬼気迫る怪演をはじめとして、
『JOKER』はアメコミ作品としてはじめて
アカデミー賞の主要部門に輝くとも評されています。

そして、ご覧になった方なら分かると思いますが、
物語の多くの場面で現実と虚構(アーサーの想像)が入り交じり、
それはまるで「喜劇とはそういうものだ」と言わんばかりの演出がなされている。
そのため、物語も観客が見たままではなく、すべてが想像の中の話である
との見方も出てきているほど。
つまり、アーサーがジョーカーかどうかは、さしたる問題ではなく、
前日譚とは言ったものの、この悲劇のような喜劇は、
今後公開が予定されている『新バットマン』にも
『スーサイド・スクワッド2』にも、
一切どこにも繋がっては行かない完全に独立した世界なのである。

確かに有名なヴィランの物語であることは確かだが、
言ったように内容的にはかなりのマイナー調で、
ほぼ単館上映作品の領域と言っていい『JOKER』ですが、
私が観た回もほぼ満席(しかもIMAX)の大盛況ぶりであった。
実際、10月13日時点での全世界累計興行収入は5億4,392万8,787ドルと
世界的に興行成績も好調のようで、これは意外を通り越して驚きの現象だ。

先日、マーティン・スコセッシ
マーベル作品について批判的なコメントをして映画界をザワつかせましたが、
スコセッシに限らない映画界のお歴々たちが、暗くて重厚な内容の作品を好み、
軽薄で子供じみた作品を嫌う傾向にあることは言わずもがなの事実。

そんな軽薄方向の王様であるマーベルの親会社であるディズニーは、
『エンドゲーム』を含めたマーベル作品での受賞を目指し、
大々的なロビー活動を展開していると言われています。
もしこのアメコミ作品にして重厚なテーマを描く『JOKER』が、
アカデミー賞を獲得することがあれば、それは“戦隊モノ”では大敗したDCが、
映画の中心で評価されることで、MARVELに一泡吹かせることにもなるでしょう。

分かりやすく派手なアクションやCGだけではない、
DCの、否、アメコミ作品の新たな活路となるのか?
私も注目していきたいと思います。
(オススメ度:70 但し、鑑賞にあたっては精神的な安定が不可欠)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週水曜の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
(来週火曜日の国民の祝日に挟まれた月曜日はお休みいたします)
またまた姪っ子が波乗りに付き合ってくれた。なんていい子なんでしょう〜〜
という、単にデレデレしていただけの週末のお話。
予告からすでにお粗末ですみません。
  

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2019.10.18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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