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アド・アストラ

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う〜〜〜ん・・・いきなり点数を付けて恐縮だが、
『アド・アストラ』60点。
いや、期待を裏切られたこのやるせない気分も加味すると40点だ。

謎に包まれたミッションを巡る濃度の高いサスペンスに、
史上最高の宇宙飛行士として語り継がれる父と、
その父の背中を追い続ける息子という分厚い人間ドラマ。
そして、ただでさえ難易度の高い宇宙空間でのミッションに、
月にある鉱物資源を巡る紛争地域でのアクシデントや、
極秘任務のため味方も信用できない状況など、
まさに手に汗握るアクションまでをも網羅した、
どうしたって失敗しそうにないエンターテインメント大作なのであります。

が、

宇宙空間を宇宙服だけで移動することの難しさを描いた『ゼロ・グラビティ』や、
恒星間移動に関する定義を描いた『インターステラー』など、
たとえそれが近未来を描いた空想科学であっても、
その時点で解明されている科学的根拠をある程度踏まえた上で、
宇宙空間という極限状態を描いてきた偉大なる先人たちの足跡を、
いとも簡単に反故にしているところが見るに耐えない。

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バベルの塔を思い起こさせる長大な宇宙アンテナや、
民間機による月面への移動が確立されている、
「そういった諸問題はすでにブレークスルーされた未来のお話です」
とでも言いたいのだろうが、そのくせ宇宙服は博物館レベルの
既視感の高いオールドスクールなもので、
プロメテウス』のスーツが行き過ぎだとしても、せめて
『インターステラー』か『オデッセイ』程度の未来感は
あっても良かったのではなかろうか。

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未来感を高めすぎると、観る者がこの普遍的な哲学を描いた世界観に
感情移入しずらいという配慮なのだろうが、
むしろこの『ファーストマン』的な機密性と運動性の低そうな宇宙服が、
宇宙空間の厳しさを軽んじているように見せていて、
その哲学もまた、志の低いものに感じてしまった。

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ブレードランナー2049』のレプリカント捜査官Kのように、
どんな事態に陥っても動揺せず、常に冷徹な判断に裏打ちされた
正確無比な行動を採る主人公ロイ・マクブライドが、
なぜこのような特技を獲得できたのか?
という人間的な背景が、今回のミッションの最大の謎と絶妙に絡んでいるところや、
そんな難しい役どころを演じたブラッド・ピットの好演技
(それにしてもブラッド・ピット史上最高演技は言い過ぎだろう)など、
観るべきところが多いのは確かなのだが、
宇宙の摂理をアメコミ映画レベルにまで下げて描いた
今作の製作陣の姿勢には耐えられない。

そんな私の偏った趣味嗜好を置いておいても、
観る者にこの哲学的なテーマを重く受け止めさせるためにも、
あと30分足してでも、きちんと宇宙の摂理と、
それによって引き起こされる残酷さを描くべきだったと思う。
なぜこの物語は宇宙空間が舞台でなければならなかったのか?
これでは大航海時代の大海原でも同じだったと思わざるを得ない。

あ〜〜残念でならない。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
台風17号によって、またもグダグダになりかけた秋分の日の三連休に、
これ以上遅らせるともう取れない遅めの夏休みをくっつけて、
グダグダになりながらも泊まりで行って来た茨城の海のお話です。
  

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2019.10.04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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