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天気の子

天気の子5



全国で1,900万人を動員した『君の名は。』の新海 誠監督作品『天気の子』。

ちなみに、日本映画史上最高の観客動員数を記録したのは
『千と千尋の神隠し』の2,350万人。
2位が『アナと雪の女王』で2,003万人。
こう書くとアニメ映画のランキングに見えるかもしれないが
これは洋画も含めた日本国内での公開ランキングで、
1,900万人という数字は『タイタニック』の1,683万人をも超えている。

そんな異例とも言える大ヒット作の直後の作品だけに、
諸々のプレッシャーやら気負いに縛られたことだろう。と、
はじめは思っていた。

上に貼ったスペシャル版の予告編にもあるように、
新海 誠という人はデビュー作でまぐれ当たりを飛ばしたわけではなく、
すでに多くの作品を世に送り出してきている人なので、
むしろ、『君の名は。』が突然変異であったというだけ。
なので重圧はあったにせよ、今作に関してもいつも通りにやるだけ
だったのではなかろうか。

と、勝手ながらそう思う。

そんな自説を解読するためというわけではないが、
Amazon Prime Videoで配信されていた新海 誠監督作品
『言の葉の庭』と『秒速5センチメートル』、
『雲のむこう、約束の場所』、『星を追う子ども』の4作品は
先に観ておいた。

4本観ただけなのだけれど、それでも新海ワールドにあっての
『君の名は。』は、やはり特異な存在であることを感じる事ができた。

それはアニメというか、アニメという言葉が担保している
隔絶された価値感に『君の名は。』が頼っていなかったということだと思う。

『星を追う子ども』は、『君の名は。』に次いで一般人が違和感なく
観られる作品なのだが、その内容は『千と千尋の天空の城』といった風情で、
二番煎じの既視感バリバリの作品なので、あえてここでは省く。

それ以外の3作品に関して共通して言えるのは、
務めて一般的な人間にとって「大切なこと」を敢えて明示せず
「それはそういうもの」という、とあるコミュニティでの暗黙の了解が
作り手と観る側のあいだにあるように思えてならなかった。
つまり一般人は蚊帳の外に置かれているような疎外感がつきまとう。
それと比較すると『君の名は。』にその手の暗黙の了解は存在しない。

天気の子4

新海監督のインタビュー記事を眺めると、
それはどうやら「アニメファン」ではなく、
「10代」の人たちと握られた暗黙の了解のようなのだが、
10代のなかでもある程度セグメントされた特殊層であると
イヤミでも何でもなくそう思う。

『君の名は。』では、起こるべき大きな自然災害を前に、
未来人からの警告を受信できる巫女という空想科学が存在したが、
多くの日本人にとってはそもそも巫女とはそういう存在であるし、
言っても未来人との交信と言った程度の特殊能力であったので、
そこへの説明が省かれても蚊帳の外に置かれることはなく、
特殊層でない人間にも充分な説得力があったのだと思う。

その上で、世の中の多くの人々が思う地方と都市部の情報格差、
運命と呼べるような恋愛対象への喪失感といった「10代の壁」が
破綻なく描かれ、そこに観る者の多くが共感できたという事なのだろう。

そういう意味でも、
『天気の子』は『君の名は。』以前のいつも通りの新海 誠作品に
きちんと戻っているとも言え、また少し蚊帳の外へ戻された感は残されている。
私はコンサバで夢のない世界に暮らすこちら側の50代なので、
やはり『君の名は。』の方が好きだ。

天気の子3
天気の子2

とはいえ、『天気の子』は公開34日間で観客動員数750万人、
興行成績は100億円を突破するなど、堂々たる成績を収めており、
埼玉の片田舎に暮らすオッサンの言い分なんぞ忘れて、
安心して劇場に足を運んで欲しい。

さて、
ハリウッドがリメイクすることが決定している『君の名は。』ですが、
スターウォーズ:フォースの覚醒』の
J.J.エイブラムスがプロデュースすることに加えて、
私も大好きな『500日のサマー』、『アメイジング・スパイダーマン』、
gifted:ギフテッド』、『さよなら僕のマンハッタン』の
マーク・ウェブがメガホンを執ることが決定した!!!

伝え聞く噂話だと、ハリウッド版では巫女さんではなく、
ネイティブアメリカンの少女に特殊な能力が発動するらしいです。
さておき、マーク・ウェブの新作ってだけでも楽しみなのに、
それが『君の名は。』だなんて!問答無用に超楽しみであります!

最後に『天気の子』のネタバレをちょっとだけしておくと、
劇中にイースターエッグというかカメオ的に
『君の名は。』の瀧と三葉も登場するので探してみるのも良いかと思う。
それはつまり、『君の名は。』と『天気の子』が、
同じ世界観を共有しているということでもある。

両作とも自然災害を題材にしていることもあるし、
とある女の子が自然と人間とを結ぶ触媒になってしまうところも共有している。
ひょっとしてこの2作は連作の関係にあるのかもしれないが、
だとすると『天気の子』はそのダークサイドを描いているとも言える。
ってことは、『ジェダイの帰還』のように、
すべてを包括するようなエンディングとなる3作目があるってことか?
(オススメ度:60)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
お盆休み後半の土曜日に、せめてもの夏休み気分を求めて
一人向かった伊豆のお話です。お楽しみに。
  

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2019.08.30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

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