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犬ヶ島

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これはいわゆるクレイアニメーション作品。
『ピングー』とか、ご存じですかね?
粘土細工の人形を、ひとコマひとコマ撮影して作るという
考えただけで背筋の凍る根気と、永遠と言ってもいい時間をかけて
作り出されたその世界は、銀河系の彼方でも、
ブラックホールでも、屍になった海賊でも映像化できる
今の世の中にあっても、否、だからこそ、かなり奇抜だし魅力的だ。

特に今作は、環境破壊や動物虐待という重いテーマを
粘土細工の人形で表現しており、それはまるで

「私は、決して物事を真っ直ぐに見たりはしません」

と胸を張って言い切っているようなものなので、
そのへその曲がり方はハッキリと私のツボだ。

悠々自適に生きてきた犬たちと、
運命的に犬を忌み嫌う家系に生まれた人間との抗争をベースに、
支配者となった犬嫌いの陰謀によって愛犬を廃棄処分された主人公が
愛犬を遺棄されたゴミの島へ救出に行向かう。
そんなたった一人の愛犬への強い思いが、やがて人々の気持ちを動かし、
大きなウネリとなって支配者に向かっていく。という物語。

なぜに舞台が近未来の日本なのか?に関しては、
観終わっても特に示唆はない。
かと言って、アチコチで言われているような
ウェス・アンダーソン監督の日本愛みたいなものもあまり感じられず、
日本への理解はそこそこいい加減で底が浅いと言わざるを得ない。

つまり、「この荒唐無稽で奇抜なお話が東洋の島国だったら面白そう」
といった程度の選択だったと思われるし、
実際その目論見は当たっていると思う。

そんなある意味凝った悪いジョークみたいな作品に
ジェフ・ゴールドブラム、ビルマーレイ、エドワード・ノートン、
スカーレット・ヨハンソン、渡辺謙、オノ・ヨーコといった
(日本からも松田龍平など)
大御所俳優を声優に配置するというナンセンスが
とてつもなく高いセンスを生み出している。

そんなグローバルな色眼鏡で見渡した極東の島国のいびつなところを
精神世界として整頓して見せたのがこの『犬ヶ島』だと思う。

なので、これが日本だと思って見るよりも、
どこか遠い異国で起こった出来事だと思って観た方が
きっと今作の核心を観ることができると思う。

そうして観てみれば、コマ撮りでなければ描けないキャラクターの心模様や
細かい葛藤が浮き彫りになり、この奇抜な世界にもすんなり入り込めると思うし、
意外や意外、綿密に織り込まれた脚本による
繊細な物語であることが理解できて楽しめるだろう。

アニメ作品を毛嫌いしている人ほど、観てみると驚く作品だと思います。
(オススメ度:70)

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テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画

2019.05.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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