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パターソン

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『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のジム・ジャームッシュ監督
最新作『パターソン』。

米ニュージャージー州のパターソン市に暮らすバス運転手のパターソンは、
毎朝6時15〜30分に(目覚ましなしで)起床し、
隣でまだ眠る妻のローラにキスし、
ローラを起こさないように前日に用意しておいた着替えを持ってリビングに移動し、
朝食にシリアルを食べてから歩いて職場に出かける。

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出発前に進行を管理する同僚の世間話を聞いてからバスを発進させ、
毎日同じ路線のバスを定刻に運転し、
同じ時間に歩いて自宅に戻り、
妻と夕食を共にしたあとに愛犬の散歩に出かけ、
散歩の途中にあるバーで必ず一杯生ビールを飲んでから帰宅する。

そんな片田舎で平凡に暮らすパターソンの趣味は詩を書くこと。

毎日ちょっとした空き時間に筆を取り、
秘密のノートに思い立ったことを書き留めていく。

それ以外は特に目立った趣味もなく、
毎日時計で計ったように規律正しい生活を繰り返していく。

そんなどこにでもありそうな日常を切り取っただけの映画なのに、
観終わると、こんな幸せな時間はそうそう得られるものではないと、
誰もが思うであろう、ジム・ジャームッシュ独特の世界観は今作でも健在だ。

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ゴルシフテ・ファラハニ演じる妻のローラは、
パターソンと同様に物静かな性格ながら、
対照的にペイントや音楽や料理などクリエイティブな才能に溢れている。
多彩な才能を無邪気で自由奔放に解放しながらも、
夫への愛情の深さがスクリーンを通して伝わってくる天使のような魅力は
世の男性であれば誰もが羨む事だろうと思う。

もちろん、そういった女性の持つセクシャリティな魅力だけを言いたいのではなく、
パターソン自身もローラを愛すること、愛されることの幸せを充分に理解していて、
ローラから毎日受け取る宝石のような幸福感に包まれていることが
観る者の心にまっすぐ届いてくる。

時計の針のように進む一見変わり映えのない日常を、
執拗なまでに繰り返し描いているからこそ、どんなに小さな出来事であっても、
それが掛け替えのない幸せであることが(異様に思えるほどに)際立ちます。

どこにでもあるような日常に潜む幸せこそ、
奇跡と言えるようなものだということ。
よく言われることですが、幸せとは決して大げさな物ではなく、
何気ない日常にひっそりとあるものだということを、
改めて思い起こさせてくれる、そんな魔法のような映画です。
(オススメ度:80)
  

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テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画

2018.11.02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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