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クワイエット・プレイス

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音をたてると“何か"に襲われて即死する世界で暮らす5人家族の物語。

物語は“何か"が襲来してから89日目、
人類の(大きな音をたてる生物も)ほとんどが
“何か"によって死滅してしまった世界が舞台。

その“何か"が盲目で、その代わりに聴覚が異常に発達しており、
鎧のような外皮に包まれた攻撃性の強い生物で、
どうやら飛来した隕石と関係があること以外、
「いったいなぜ?」、「どこからやって来たのか?」、
そして「何者なのか?」についてはほとんど明かされないまま、
過酷な世界で音をたてずに生き続けるひとつの家族の姿を追っていきます。

と、ネタバレせずに言うと数行で説明が終わってしまうほどの
最近流行のソリッドシチュエーション・ホラー。
登場人物も(ほぼ)この家族のみで、舞台も(ほぼ)この家族の住む農園のみ。

もちろん、説明が簡潔で済めば済むほど“ソリッド"であるわけで
それだけで今作が優良作品であることを示しているとも言える。
そんなソリッドでありながらも複雑で怪奇な究極のサバイバルな世界を、
冒頭のほんの数分だけで、否応なしに観客に納得させてしまう無音の説明が
今作の魅力を端的に顕していると思う。

これほどに複雑な世界観を簡潔に、しかも高い説得力で伝える技術力と、
この理不尽な世界にグングン観客を惹き込み、
“何か"の正体をどうしても知りたくさせてしまう、
結末を知りたくさせてしまう練りに練られた脚本と
それを破綻なく映像化した演出技術はかなりのものだ。

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そして、今作をただのアクション・ホラーに留めていないのは、
これが家族愛を描いている点にある。
つまり、音を出すと即死する世界で行われる究極の「子育て映画」。
予告編にもチラッと映ってしまっているのでもう少しだけ言うと
究極の「子作り映画」。

子供という存在が、いかにノイジーで言うことを聞かない生き物であるかは
ここで説明するまでもないだろう。
子育てに一番向かない世界で、文字通りに必死で子どもを育てていくこの夫婦、
本当は究極の馬鹿なんじゃないのか?と、思えてしまうほど
貫かれる家族愛の姿は一途で、どこまでもまっすぐだ。

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主演は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『ボーダーライン』の
エミリー・ブラント。
エミリー・ブラント演じるエブリンの夫リー役を演じ、
同時に今作の監督も務めるジョン・クラシンスキーは
エミリー・ブラントの実の夫でもある。

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エミリー、ジョン夫妻も実際に二児を持つ夫婦で、
物音が赤ちゃんの天敵であるという
彼らの子育ての経験もこの役にかなり反映されているらしい。

ソリッドシチュエーション・ホラーは、
放っておくとB級に終わってしまう低予算作品を打開する有用なアイデアのひとつ。
だからこそ、そこには最高のアイデアが求められるし、
そのアイデアを確実にものにする演出の高い技術が求められる。
今作はそんな2つの重要な因子が掛け合わされた希有なケースと言えると思う。

上に貼った予告編でも「IT “それ"が見えたら終わり を超えて、大絶賛!!」と
ありますが、巨匠スティーブン・キング原作の『IT イット』は
予算も規模も今作とは比べ物にならない大作だ。
何より私には『IT イット』がそれほど面白い映画だとは感じなかったので、
なんであんなにヒットしたのか理解ができていないのだが、
興行的にも内容的にもこちらの方が優れていたと証明されたのは喜ばしいことだ。

というわけで、私的には『エクス・マキナ』以来に味わう優良な衝撃作でありました。
クワイエット・プレイス』現在絶賛公開中です!
(オススメ度:90)

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2018.10.05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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