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マザー!

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ちょっとばかり、ショッキングな映像が下に入りますので、
ホラーとか、スプラッターとか苦手な方は見ない方が良いかもしれません。
念のため。

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人気女優ジェニファー・ローレンス、
有名個性派俳優のハビエル・バルデム主演で、
ミシェル・ファイファー、エド・ハリス共演、
しかも、監督は『ブラックスワン』の ダーレン・アロノフスキーという
これだけ豪華な顔ぶれが揃った作品が、日本で公開“禁止”になるなんて、
いったいどんな映画なのか???と興味が沸いてしまうのは私だけではあるまい。

オールド・タイマーの私としては、
デビット・リンチの『ブルーベルベット』や、
デビット・クローネンバーグの『裸のランチ』が、
当時醸し出していた問題作具合を思い出してしまい、
尚のこと観たくて仕方がなかった。

のですが、コイツは間違いなく悪い意味で「問題作」でありました。

我が家を楽園のようにしたいと願う妻(ジェニファー・ローレンス)と、
スランプの詩人の夫(ハビエル・バルデム)。
ある日、夫のファンだという男が訪ねて来て、
酔いつぶれた男は泊まっていき、翌朝、
断りもなく彼の妻を家に呼びよせてしまう。
それを聞きつけた息子二人もやって来て、
突然、夫婦の家で遺産相続の件で揉め始めてしまう。
そうしてもみ合いになった挙げ句、弟が兄を撲殺してしまい、
どういったわけか、夫婦の家で葬儀が行われ始め、
次から次へと弔問客が家に上がり込み、勝手に過ごし始めてしまう。

まだリフォーム中の家が、赤の他人たちによって踏み荒らされていくことに
我慢ならない妻であったが、夫は、そんな隣人たちにも
惜しみなく分け与えることを妻に懇願(強要)し、
妻はストレスを抱えながらも隣人たちをもてなそうと奔走する・・・

・・・・と、ここまであらすじを書いてはみたが、
これ以上書いても意味がないと思い直したのでここでやめる。
やはり、この物語にほとんど意味などないのだ。

最初の30分程度は、不穏ながらも
現実と受け止められるような物語が進行しますが、
途中からあからさまに世界観が非現実方向に歪みはじめ、
一旦の平穏を経て、最後の30分は、更に不可解で不愉快な、
見る者を単に刺激するだけの場面がジェットコースターばり連続する。

しかもそれらが「夢オチ」や「クスリでトンだ状態」などでないことだけは
観る者にはっきりと伝わって来るので、
まったくもって「救い」がないことが余計に嫌な感覚を増幅する。

監督は「これは環境破壊へのメタファーだ」とかなんとか
仰っているようなのですが、
とにかく全編メタファーやら、シンボルやらのオンパレードで、
これでもかと象徴世界を見せ続ける。

んで、ネタバレするつもりで書くと、
どうやらこれは旧約聖書を下敷きにした物語のようで、
妻は地球(世界)で、夫は神、隣人たちは人類のシンボル。
神は隣人を愛せと説くが、人間たちはそれを良いように解釈して、
次々に楽園を破壊してゆき、しまいには神の子さえも殺してしまう。

そうした世界を、現実世界、しかも一軒の家の中だけで表現した、
ある意味ソリッドシチュエーション・ホラーでもある。

上のポスター画像は日本用のものだが、
これは実はトリミングされていて、

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こちらが実際に本国で使われたポスター・・・
母なる地球は、自らの心臓を神に捧げてまで、
人間たちを勝手気ままに生かそうとする様を描いている(ようだ)。

こんな意図で撮られた作品なので「公開禁止」ではなく、
(「公開できなかった」でも言い過ぎ)
単館上映では元が取れないほど版権が高く、
商業的に「公開しなかった」くらいが正しい表現だと思う。
同業者としても「公開禁止」は言い過ぎだと思う。ヘタすりゃ詐欺だ。

「賛否両論」とか言えばそりゃそうなんでしょうけど、
たとえ賛成1:9反対であってもそう言えてしまうので、
これは「物も言いよう」ってやつだ。

実際アメリカでも大コケしたらしい。

ジェニファー・ローレンス主演で日本劇場未公開作品の『JOY』は、
なんで公開しなかったの?と言いたくなるほどの良作だったので、
ちょっと、いやかなり期待していた自分もいたのですが、
今回は完全にやられました。レンタル代返せレベルでした。
(怖い物見たさの方にだけオススメ度:10)
  

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2018.03.23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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