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ブレードランナー2049 ネタバレしてでも語りたいのでもう一度

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『ブレードランナー2049』
もうご覧になりましたでしょうか。

案の定、私はあのあとも2D版でもう一回観ました。

遅れて発売されたサウンドトラックも早速購入し、
かなりのヘビロテで、ほとんど毎日聴いております。

『ブレードランナー』のサウンドトラックは、
作曲家のヴァンゲリスがこの前作に楽曲を担当した
『炎のランナー』が成功し過ぎたため、
世間からの “映画音楽家であるかの印象”を避けるため、とか、
“音楽的整合性の違い” とかで、オリジナル音源での
サウンドトラックの発売を認めなかったのだという。
そのため、実はサウンドトラック用に改めて録り直されたもの。
オリジナルとかけ離れたそれは、聴いていてもどこか違和感があった。

でも『ブレードランナー 2049』のサウンドトラックは、
ハンス・ジマーとベンジャミン・ウォルフィッシュの2人による
完全なオリジナル版だ。思いっきり没入できる。

特に、海に向かう夜明け前の首都高から眺める都心部は、
車窓がミュージックビデオのように
ブレードランナーの世界にピッタリとはまるので尚更だ。

さておき、『ブレードランナー 2049』については
すでに様々な所でネタバレを含む解説がされておりますが、
そこはやはりブレードランナー。
単なる物語の解説に留まらず、
その難解とも言える物語の解釈を巡り、
様々な意見やら見方やらが出回っております。

私もいいかげん吐き出したくてウズウズしておりましたので、
ここらへんで発散させていただこうと思います。

(※以下、元も子もないくらいにネタバレしますのでご注意ください)



さすがに鑑賞も2回目ともなると、
「子供を産めるアンドロイド」という今作最大の秘密への驚きは薄れ、
冷静に俯瞰して観られるようになっておりました。

そうして見えてくるのは、捜査官Kのやるせないほどの悲しみです。

人間がやりたくない仕事は全部レプリカントに押しつけておいて、
そのくせ「Skin job !(人間もどき)」と蔑まれ、
しかも、ネクサスシリーズへの反省から、
人間への絶対服従をインプットされているため反抗もできない。

だからこそ、人間以上に純粋な心を持ち合わせているという、
なんとも皮肉の籠もった設定になっている。

というように、今作の主役は、
レプリカントに生活圏を脅かされる人間の方ではなく、
そんな迫害を受け続けるレプリカントの物語になっている。

捜査官Kは、自身もレプリカントでありながら、
旧型とは言え、同じレプリカントを「解任」する役目を負わされた上に、
レプリカントにとっての奇跡である、
レプリカントから生まれたただ一人の子供である重荷まで背負わされ、
挙げ句それは人間へ仕掛けられた罠(嘘)だったと知らされる。

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実体のないホログラムの「AI 恋人」ジョイとだけ心を通わせ、
デッカードに名前を聞かれたときには、
自身の製造番号に由来する「K」ではなく、
ジョイに付けられた名前「ジョー」だと名乗る。そんなジョイも、
ジョーを追うレプリカント、ラヴに殺され(壊され)てしまう。

そうして想像を絶する精神的な苦痛の奈落へ、
ジョーもまた人間同様に「生まれ出づる悩み」を抱えたまま
追い詰められていってしまう。

逃走したデッカードとレイチェルの間に生まれた
唯一のレプリカントの子供を隠している、旧型レプリカントの残党達の
長である女性レプリカントは、傷つき果てたジョーに
「大義のために死ぬことはより人間らしい」と
レプリカントの子供の出生の秘密を知るデッカードの暗殺を命じる。

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そうして、一番上に貼った画像の
ジョーがデッカードの元へ向かう道すがらのシーンにつながるわけだが、
やはり、このシーンが一番悲しいし切ない。と私は思う。

広告用の巨大ホログラムとして、
通りすがりのジョーに請け売りな宣伝文句を言うのは、
他ならぬ愛玩製品としてのジョイ。

つまり、ジョーはここで、あれほど愛したジョイもまた、
自分の願望を反映させるようにプログラムされた仮想現実でしかないこと、
そしてそれは、人間への服従をインプットされた
自分もまた同じであることを悟る。

そしてここまで鬱積した悲しみや怒りの矛先を、
「デッカードを彼の娘に会わせる」という、
人間のためでも、レプリカントのためでもない、
純粋な自身の願いのために、自身の命を使うことを決意する。

「大義」のためでなく、小さな他人の希望のために命を投げ打つ。
そうすることが自分がレプリカントとして生まれこの世に存在した証、
つまり「自分にも魂がある」のだと示し、
より人間らしく死ぬために・・・・


後半の解釈は私の独自のものなので、本当は違うのかもしれない。
特に、断末魔に「愛してる・・・」とジョーに告げるジョイが、
果たしてプログラムなのか、「感情」なのかは、
観る人毎に意見が分かれるところかもしれない。

でも、私にはこういう残酷な解釈ができてしまいました。

遺伝子レベルまで遡っても、ほとんど人間と変わらないのに、
それでも、人間達に自身の魂の存在を認めてもらえない悲しみ。
この世界の中の“人間たち”のなんと残酷なことか。

でも今作は、観る者に「人間のお腹」からでも、「工場」からでも、
たとえどこから生まれ出ても同じ人間」であること、
そしてレプリカントに向けられた感情が、
単なる迫害であることが、痛いほど分かるような作りになっている。
そういう意味で今作は、
黒人達への迫害や圧政を描いた多くの作品達と同じなのかもしれない。

もしこれに続編があるとしたら、『ターミネーター』のように
ここから人間とレプリカントの全面戦争に発展していくのが
自然な展開なのかもしれませんが、
それはすでに『ブレードランナー』ではないだろう。

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さておき、登場人物で私が一番惹かれたのは、
ジョイ役のアナ・デ・アルマスでも、
ラヴ役のシルヴィア・フークスでもなく、
デッカードとレイチェルの娘、アナ・ステリン役のカーラ・ジュリ。

アナ博士はレプリカントの精神を安定させるための記憶を[製造」する
仕事に従事する研究員で、ジョーは彼女に自身の記憶が本物かどうか
確かめさせる。
つまり、アナはこのとき、ジョーには自分の記憶が埋め込まれている事を
知るわけだが、彼女はその理由をどのように解釈したのだろう。
彼女は自らがレプリカントから生まれた
“奇跡の子"だと知っていたのだろうか。
だからジョーが、自分を隠すための
目くらまし役を担っていることを悟ったのか?
あの涙のワケが、かなり気になります。

さておき、カーラ・ジュリのイノセントな存在感が
「感染症をもち無菌室から出られないレプリカントの子供」
という役どころにバッチリフィットしておりました。
本当にハリソン・フォードとショーン・ヤングの間に生まれた娘
だと言われても疑わないであろうナイスキャスティングであります。

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3月2日のBlu-layの発売がすでに待ち遠しい。
ブラスター付きの特別バージョンのBlu-lay BOXセット
¥25,920はすでに完売だ・・・
また劇場に観に行っちゃおうかなーまだどこかでやってるのかなー?
  

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2017.12.22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
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