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スパイダーマン:ホームカミング

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これまで大人の事情で、アベンジャーズへの合流を果たせなかった
スパイダーマンでしたが、『シビルウォー/キャプテンアメリカ』から、
MCJ(マーベル・シネマティック・ユニバース)に合流することになった。
その単独作品の第1弾が『スパイダーマン:ホームカミング』
(第2弾があるのかどうかは怪しいが)。

なので、私としては、アベンジャーズと無関係にその世界観を生み出してきた、
それまでのスパイダーマン、特にサム・ライミ版との比較が、
今作を評価する上での論点となる。

サム・ライミ監督の手がけた三部作と、
マーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン』の二部作と、
5作品作られてきた現代版スパイダーマンの中で、
個人的には『アメイジング・スパイダーマン2』が一番好きだ。

成功した前作を超える使命を帯びてリブートを繰り返す、
こういったシリーズ物の場合、肩に余計な力が入りすぎて良いことはない。
前作との差別化を意識しすぎると失敗する確率は高く、
かといって前作の二番煎じではリブートする意味がなくなってしまう。
そういった意味で『アメイジング・スパイダーマン2』は、
サム・ライミ版のシリアスでダークな世界観を上手く引き継ぎながら、
自身の存在に悩みながらも、現代の若者らしく、ふてぶてしくも、
はつらつと活躍するスパイダーマン、という独自性を示していたと思うからだ。

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そこに来てのこの『スパイダーマン:ホームカミング』なのだが、
言ったように、ほとんど “アベンジャーズ用のスパイダーマン” なので、
それまでの “スパイディ” とはかなり違っている。

決して裕福ではない家庭に育った若者が、特殊な能力を得てしまったことで、
その力を、正しいことにも、金儲けにも使えるという
「力は正義にも悪にもなり得る」こと、そして、その力を行使すれば
少なからず傷つく者が現れ、「力には大きな責任が伴う」という真理と、
自身の欲望との葛藤を描いたのがサム・ライミ版で、
そんな『持たざる者が持ってしまった葛藤』を描くことが、
良くも悪くも、映画版『スパイダーマン』の基礎となっていた。はずだ。

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ところが、今回のピーター・パーカーは、
その特殊な能力の使い道を「アベンジャーズになりたい」という目的に、
完全にフォーカスするという、今までにないノリの軽さを見せる。
コミックヒーロー作品は、大人の視聴を前提にしていた頃から
すでに大きく様変わりして来ているということなのだろう。
かなり悲しい。

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なかなかトニー・スターク(アイアンマン)に認めてもらえないことが、
ピーターにとっての一番大きな葛藤となっていて、
半分バケモノに変異してしまった自身への悩みや葛藤は一切存在しない。
そのため、今回のピーターは高校生という設定で、
まじめなのだが、どこかドジで、間が抜けているなど、
いちいち未熟さをアピールしてくるところが、今までと一番大きな違い。

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貧乏学生が、カッコイイ高価なスパイダーマンのスーツを手に入れるために、
闇プロレスに参加して賞金を稼いだり、ピザ屋のバイトをしたり、
研究所の特待生になるような知性を活かして、
自分の部屋で苦労しながら独自に開発したりなど、
今までは脚本家の苦しい設定でなんとかしのいできたが、
ほとんど超能力すら無用のトニー・スターク謹製のハイテクスーツには
もはやそんな野暮な説明は不要なので、そういった意味でも、
物語は “若者の成長” というシンプルな点に集約されている。

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ちなみにこの新しいスパイダースーツですが、
アイアンマンのジャービスのように、AIがピーターに助言したり、
話しかけてくる設定になっている。
そのAIの声を担当しているのは、なんとジェニファー・コネリー。
ジェニファーのご主人は、ジャービスの声を担当していた(のちのヴィジョン)
ポール・ベタニーなので、夫婦揃ってAIの声を担当したことになる。
こういうところは、ほんと無駄に思えるほど豪華だ。

さておき、そんな未熟さが先走るスパイディに立ちはだかる事件や問題は、
ほとんどが彼自身が功を焦った結果のドタバタ劇でしかなく、
見方によっては、ドリフさながらの、かなりのコメディタッチ。
つまりはアベンジャーズの皮を被った青春喜劇。
かといって『キックアス』のようなクールさもなく、
『ピッチ・パーフェクト』のような爽快感もないところが残念でならない。

というわけで、若者が精神的に成長していく姿に、素直に共感できるか否かに、
この作品への評価が別れそうな気がするのだが、それもこれも、
今までのダークヒーローである「重め」のスパイダーマンを観ているせいだ。
素直に “ご近所ヒーローの冒険活劇” として観ることができれば、
このホームカミングが、一番シンプルで良いバージョンなのかも知れないが、
いちいち過去作品と比較してしまう私には、
どうにも没入することが出来なかった。

なので、私のような「アベンジャーズしばり」の方なら止めないが、
そうでなければレンタルまで待っても問題なしの作品でありました。
残念賞。

オススメ度:40

さてさて、この『スパイダーマン:ホームカミング』を皮切りに、
全米で大ヒットを記録している本日25日から公開の『ワンダーウーマン』
名匠クリストファー・ノーランが描く実話『ダンケルク』(9/9公開)、
この際、問答無用の『エイリアン:コヴェナント』(9/15公開)と、
ここからサマーブレイク向けの超大作が目白押しだ。
こりゃあ忙しくなるぜー
  

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2017.08.25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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