ツイン・ピークス The Return

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『ツイン・ピークス』は1990年から翌91年まで放送されたテレビドラマ。
あの手この手で新作ドラマでの視聴率争いを繰り広げてる当時のアメリカでも、
ツイン・ピークスはかなり奇抜な作品であった。

それもそのはず、製作総指揮は、かのデヴィット・リンチ。

映画監督がテレビドラマのメガホンを執ることじたい稀だったのに、
中でも一番テレビから縁遠いリンチが製作総指揮を務めると言うことで、
それだけでもかなりの話題になった作品だ。

何しろデヴィット・リンチはカルトムービーの第一人者だ。
スティーブン・スピルバーグや、ジョージ・ルーカスといった、
表舞台を真っ直ぐに征く監督たちを向こうに回して、
リンチはクローネンバーグと並び、キューブリックの後を受け継ぐ
(当時の)ニューエイジの旗手的存在であった。

そんな視聴率なんてブッチギリに無関係なところにいる人間に、
誰が言い出したのか、テレビドラマの監督をやらせるというのだから、
テレビ局のお偉いさん達も、かなり勇気の要ったことだったろう。
何より「リンチがよく引き受けたな」と、そちらの方に感心させられる。

しかして、そんな突飛な発想は強烈な化学反応を起こし、
8話限定のパイロット版は、とんでもない視聴率をたたき出す結果となる。
その後セカンドシーズンとして続きが製作されることとなった
ある意味、博打的な作品だとも言える。
もちろん、その大博打に勝って、日本も含めた世界中にその人気は広がり、
当時26歳だったへそ曲がり青年も夢中になって観ていたわけだ。

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そんなツイン・ピークスが、25年の時を経て、
7月22日からWOWOWで
新シリーズが放送されることになった。

こりゃタマラン。

そんなわけで、現在WOWOWでは旧作のテレビシリーズ全30話に加えて、
その前日譚となる劇場公開作品『ローラパーマー最期の7日間』まで
一挙放送中で、私も久しぶりにドハマリしているところだ。

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一応お復習いしておくと、
物語は、全裸のままビニールにくるまれ川岸に漂着した
ローラ・パーマーの死体が発見されるところからはじまる。
これは当時「世界一美しい死体」と評されたほどの名シーン。
事件の捜査のためにFBIのクーパー特別捜査官が
ワシントン州シアトルにほど近い田舎街ツインピークスにやって来る。

検視の結果、ローラはレイプされた挙げ句に殺されていた事が発覚し、
指の爪の間からは、文字の印刷された切れ端が見つかり、
愉快犯による計画的犯行であることがわかる。
ハイスクールの人気者であったローラ・パーマーが、なぜ殺されたのか。
“なぜ殺されなければならなかったのか?"
捜査が進むうちに、ローラの隠された闇の部分が次々と浮かび上がり、
それは同時に、穏やかで静かなはずだったツインピークスに潜む
闇をもさらけ出すことになる。

と、こう書くとどこにでもあるサスペンスなのだが、
さすがのデヴィット・リンチ先生はひと味もふた味も違う。

FBI捜査官が自分の夢で見たことを
捜査の証拠として採用することなどはまだ序の口で、
丸太と会話できる女性や、二重人格者の証言を重要視したりなんてことも
当たり前に行われる。
FBI捜査官のクーパーは、いわゆる “心霊捜査” を積極的に駆使して
犯人捜しを進めるわけだが、そうした一風変わった捜査手法によって
見つかった犯人は、殺されたローラの父、リーランド・パーマーであった・・・
厳密に言うと、真犯人は子供時代にリーランドに憑依した
悪霊のような存在「ボブ」。
ボブはローラと瓜二つの従姉妹であるマデリーンまでをもその毒牙にかけ
殺してしまうが、逮捕時にリーランドは死んでしまい(ボブに殺された?)、
憑依していたボブもいなくなってしまう・・・

と言った具合に、内容的には『X-ファイル』的な超常現象
(ちなみに、モルダー捜査官役のデイヴィッド・ドゥカブニーも出演してます。
 新シリーズにも登場するそうです)なのだが、
そんな超常現象がごく普通の出来事に見えてしまうほど、
ひと癖もふた癖もある登場人物と舞台設定が、
まさにデヴィッド・リンチの世界。

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冒頭から魅せられる美しいツインピークスの景色の中、
クーパー捜査官はいつも美味そうにコーヒーを嗜み、
ツインピークス保安官事務所の面々は、捜査会議中いつもドーナツを食べていたり、
ツインピークスという街の生活様式も独特でいて、とても魅力的だ。

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そして、高校生というにはセクシーすぎる美人揃いの登場人物たちに、
セックスにドラッグと、このドラマが扱う題材は、
当時としては、おおよそテレビドラマらしくない、
放送ガイドラインギリギリの際どい表現で、そんなデヴィット・リンチ独特の
美意識と世界観が随所に散りばめられている。

奇抜なストーリー展開のみならず、
そんなリンチの世界観を更に体験したい衝動にかられてしまう。
週一で1時間だけ魅せられるという、テレビドラマのフォーマットを巧みに利用した、
少々中毒性のある危険なドラマだと言える。

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さておき、私はまったく憶えていなかったのだが、
ローラパーマーが、最終回で「25年後に戻って来る」と、
予告していたらしい・・・

聞くところによると、当のデヴィット・リンチも、
そんなセリフのことなどまったく憶えていなかったのだそうだ。
これまたリンチらしいエピソードだが、
それを憶えていたファンやスタッフたちの後押しもあって、
今回、新シリーズが作られることになったのだそうだ。

いやはや、これは楽しみ。
STAR WARS』『BLADE RUNNER』と、私世代をターゲットにした続編が、
次々に作られているが、そんな波がテレビドラマにも飛び火した格好だ。

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この勢いで『F・R・I・E・N・D・S』の続編も作ってくんねーかな〜
  

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2017.07.13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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