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スプリット(映画の話です)

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『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン脚本/監督作品『スプリット』。
このブログをお読みの方だと、別の「スプリット」と
勘違いされてしまうかもしれないが、これは映画の題名で、
別れるのはスノーボードではなく、精神の方。
つまり精神分裂者のお話で、しかも別れるのは2つにではなく23(+1)分裂。

ストーリーは単純明快。良い意味でも悪い意味でもほとんど予告編にある通り。
「精神分裂症の男に誘拐された女子高生3人は、
 果たして、無事生還することができるのか?」という、
ただひとつの結末に向かって収束していくサスペンス・ホラー作品。

確かに23人格の男は、何をしでかすのか分からない不気味な存在だ。
そんな得体の知れないモンスターに監禁されるなんて、考えただけで背筋が凍る。
でも、23人のビリーミリガンを例に出すまでもなく、
それはすでに雪男の正体と同じレベルの超自然現象なので、
人格が分裂していることや、そうなった原因自体は、すでに謎でも何でもない。

何より、多くのM・ナイト・シャマラン作品が好きな方がそうであるように、
私もそんな分かりきった謎の敷き方をこの監督に望んではいない。

なので、私が知りたいのは「誘拐の理由」に他ならない。
そこに多重人格者なりの歪んだ願望や理由が潜んでいるわけで、
果たして今回はどんな答を用意してくれるのか?
それがラストに明かされるまで、あなたも監禁状態にされるという、
ある意味「誘拐体験型のアトラクション」とも言える作品。

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とか思いながら観始めると、
実は今作には観る者に時限爆弾的に目の前に置かれる、
もうひとつの「謎」があることに気づかされる。
それは、こちらのアニャ・テイラー=ジョイ演じる、
誘拐された女子高生の一人ケイシー。

この娘(こ)がまた、冒頭からただならぬ存在感を放ちまくっていて、それは
『ヴィレッジ』の盲目の少女アイヴィーのような純真なイノセントさではなく、
どこか不穏で、とても不安定な雰囲気を放つ種類の存在感。

なので、「間違いなくこの娘には何かある」ことはすぐに分かるのですが、
精神異常者に監禁されるという究極的に追い詰められた状況で、
それが、脱出成功に導く爆発物なのか、
さらに状況を不穏で気味の悪い方向に運ぶ悪魔的な危険物であるのかが、
さっぱりわからず、むしろ、精神分裂症の男の存在より、
この娘がどっちに転ぶのかに注目が集まってしまう。

予告編の最後で、監督自ら「ラストのことは誰にも話さないでね」とか、
お約束っぽいことを言ってますが、
それはつまり、このケイシーの正体のことだ。

言ったように、私は「誘拐の理由」にこそ、
今作の最大の謎があるとばかり思っていたので、
そのオチのつけ方にはちょっと肩透かしをくってしまったが、
最初からそうだと言われていれば、M・ナイト・シャマランらしい
伏線が張り巡らされていたことに気づけるだろう。
最初からそういう視点で観られた方が、結果的に楽しめると思います。


そして、エンドロールの最後の最後、劇場が明るくなる直前に、
ちょっとしたサプライズな告知が入るので、最後までお見逃しなく。
(といっても、M・ナイト・シャマラン好きでなければ、
 サプライズでもなんでもないレベルの告知ですが・・・)

さて、私が観たい、次のロードショウ作品は本日から公開の『メッセージ』。
来週の金曜にまたレポートする予定です。お楽しみに!
  

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2017.05.19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
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