ゴースト・イン・ザ・シェル

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『GHOST IN THE SHELL』観てまいりました。

「やってくれた!」という、ほとんど感謝に近い気持ちの方が強いので、
この際、良いか悪いかは二の次くらいの気持ちで観て参りましたが、
率直に申し上げて良かったです!

こういった、すでにオリジナルが完成されているリブートものの場合、
オリジナルをどこまで尊重するのか?は、
その成功を左右する大きな鍵となる。

ゴジラのように、同じものを見ていても、
「観点がまったく違う」ことで、良い悪いは別として、
結果、似て非なるものになることも多い。

もちろん似ていたらいたで、それはまた問題でもある。
アニメーションと実写版という “違い” は自動的に生まれるにしても、
それだけで、まったく同じものを創っても、
それはただの贅沢な焼き直しにしかならない。

そういった意味で、今作の「守るべきこと」と、
「変えるべきもの」のバランスは、とても考え抜かれていて、
リスペクトと、クリエイティブの最高の結実点であると私は思う。

そんな我々信者の気持ちを分かっているからこそ、
昨年からティーザーで流されていた予告編には、
あえて、オリジナル(アニメーション劇場版)を、かなり忠実に、
そして詳細に再現したシーンを並べることを選んだのだろうと思う。
(オリジナルをご覧になった方なら分かるだろうが、逆に
 贅沢な焼き直しを危惧させるほどに、精巧に“復元”されている)

それはつまり「私たちも『ゴースト・イン・ザ・シェル』の信者です」
という製作陣からのメッセージが、そこには籠められていたように思う。
「だから安心して、楽しみに待っていてください。」と。

なので、私が今作を観に行く上で一番に興味があったのは、
どのようにオリジナルに変更を加えるのか?という部分に絞られたわけだが、
かなり慎重に、それでいて良い意味で狡猾に “新章” として組み直されていた。



もしオリジナル版をご覧になっていなくても、
ハリウッド実写版を観てから。オリジナルアニメ版の方を観ても面白いと思う。
というか、むしろ、あとからオリジナルを観た方が、今回の実写版製作にあたり、
どれだけオリジナルに対するリスペクトがあったのかが分かって、
更に面白いと思う。
日本人が誇りに思えるレベルのリスペクトを感じられるだろう。



_ _ _ _ _ _ _ _ 注意◎ 以下、若干のネタバレあり ◎注意 _ _ _ _ _ _ _ _

オリジナルの核心部分であった
「脳ミソがあるというだけで、ゴーストとプログラムに、そもそも違いがあるのか?」
「所詮、人間の感情とは、デジタル信号と何も変わらない電気信号でしかない。」
という、究極的な自身の存在理由への探求の末に、不自由で脆弱な肉体を捨て、
より優秀な義体(サイボーグ)化を進める未来社会において、
「自身という存在のオリジナリティに悩み葛藤する主人公」という本作のテーゼは、
AIが当時よりさらに現実味(限界感)を増した価値基準を背景にしていることで、
「プログラムとも、AIとも、人間とも違う、それらを凌駕した存在」として、
義体化の是非が設定され、描かれ直されていた。

中にはそんな、「そうせざるを得なかった」部分もあって、
核心部に完全な共通点はないのだが、だからこそ、
そこから派生する哲学的な葛藤を、別のカタチで表現しており、
その結実点こそ、今回の尊敬と挑戦を、見事にクリエイトした核心だと思う。

「さて、どこに行こうかしら。ネットは広大だわ」

というセリフで終わるオリジナルでは、
主人公の草薙素子は、いよいよサイボーグ化した身体自体をも不必要とした、
「意志のある電気信号としての生命体」という進化を遂げて終わる。
主人公不在という異例の “カタチ” で続編(『イノセンス』)を産み出したが、
今作ではアニメシリーズ版のように、観る者に素直に続編を期待させるような、
物語の結び方を選んでいた。

そもそも『攻殻機動隊』という特殊機動警察の活躍を描いたアニメシリーズで、
「心とプログラムの相違点」という哲学的な発想は、劇場版からはじまったので、
私的にはこの実写版の方が、そもそも論的にも本流のような気がする。
このままハリウッド実写版を、素直に公安9課の活躍するシリーズ化に
してくれると嬉しいのだが、果たしてどうなるのか、見守るしかない。



すでに舞台裏を見せる動画も配信されており、
これを観ると「え!?あそこまで実写で作り込んでるの????と、
全編CG合成の映像が、いかに安っぽくなるのか?という事実を、
垣間見せてくる。

ここまでやってくれる人たちにこの作品が選ばれたことを
何より感謝しないといけないだろう。
  

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2017.04.14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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