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谷川岳【2/25】前編

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谷川岳という場所を滑れることは、もちろん前々から知ってはいたが、
「人喰いの山」とまで呼ばれる山域に、
軽はずみに足を踏み入れて良いとは到底思えないでいた。
もちろん気の小ささ故の先入観も強く、
谷川岳のすべてが「人喰い」ではないにせよ、
経験則的に、帰ってくるだけで精一杯になる可能性の高い場所が、
楽しい場所になる可能性は極めて低いと思ってしまう。

谷川岳に限らず、立山や、焼岳のように、
興味はあっても、一定の距離を保ち続けている場所はいくつかある。
でも、もし縁があるならば、いつかその縁は必ず繋がるものだ。
だから、拙速にそこへの道筋を求めるよりも、そうした縁が繋がったときに、
物怖じせずにその縁を掴むことの方が大切だと信じている。

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昨年、芳ヶ平に連れて行っていただいた、Skier's Placeのリュウさんは、
谷川岳のある水上をベースに活動されているガイドさんだ。
芳ヶ平で二日間ご一緒して、ガイディングに対するスタンスや、技術、
何よりリュウさんの人柄に触れて、この人だと思える予感が生まれた。

ガイドにはその場所を楽しませるサービスマンとしての資質と、
無事に連れ帰るメンター(指導者)としての資質とが求められるが、
楽しいサービスマンは厳しい指導者になれないのと同様に、
厳しい指導者にサービスマンが務まるはずがない。

それは何より、向かうべき場所にも観光性と危険性の二面性があるからで、
その双方をいかにバランスさせるか?という部分に、
その場所と、何より自分の力量において、どういった指導者が必要なのか?
どういったサービスマンと肌が合うのか?という判断基準が生まれると、
私は考えている。

そうして、私とリュウさんとが縁として繋がり、それによって
谷川岳という場所が、はじめてイメージできるようになったわけだ。

ちなみに、リュウさんと私を繋げてくれたのは、他ならないOYくんで、
OYくんと私を繋げてくれたのはこのブログだ。
OYくんをはじめ、このブログを通して繋がった方々は数知れないが、
こうして、これまでに様々な場所との縁が生まれてきたのは、
本当に得がたい宝物だと思う。

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そのリュウさんをして「谷川岳のガイドは緊張する」と仰る。
毎年何組かの方に谷川岳のガイドを依頼されるが、
新規のお客さんの場合はまず断るのだそうだ。
それだけ登りの技術、滑走技術が求められ、
参加者の技術レベルを知ってからでないとガイドもできない山なのだ。

実は今回も「できれば2日間のうちのどちらかで、谷川岳を狙いたい」と
お願いはしていたものの、天候を含めて条件が整わなければそれは叶わない、
基本リュウさんにおまかせのツアーでありました。

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そんなツアーに、OYくんとR子さんが付き合ってくれた。
お二人はもう何度も谷川岳を滑っているが、
一日天気が良かった例しがないという。
IKさんにいたっては「谷川岳当てたことないんだよね」と言って断られた。
それだけ、谷川岳で天候と雪の条件を揃えるのは難しいということだ。

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天神平スキー場までロープウェイを使い、
リフトを一本だけ乗って、登山口から天神尾根を伝ってトマの耳を目指す。
上のGoogle Earthの画像に入れたポイント及び、ポイント名は、
間違っているかもしれないので、なんとなくイメージだけ掴んで欲しい。

谷川岳と呼ばれている山は「トマノ耳」「オキノ耳」という双耳の山で、
二つ併せて谷川岳と呼ばれるが、実は別の名前があり、
国土地理院の誤記からここが谷川岳になってしまったのだそうだ。

それと、人喰いの山と言ったが、
それは奥に見える一ノ倉岳の岩壁あたりからの登頂ルートのことだそうで、
今回我々が登った、一般ルートである天神尾根のことではないのだが、
その一ノ倉も併せて「谷川連峰」と呼ばれているので、代表として谷川岳が、
危険な山として認知されたのだと思う。

天神尾根が比較的安全とは言え、それは登山ルートに限った話であって、
複雑な地形であることに加え、中央分水嶺であるこの場所は、滑走者にとって、
天候も急変しがちな「雪崩の山」であることになんら変わりはない。

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急峻な箇所も多く、尾根沿いは風で叩かれて、新雪が着かない硬い部分も多いので、
スノーシューの方が向いていそうな気もしないでもないが、
リュウさんもスキーにシールで登られるので、私もここはスプリットボードだ。
何より、ボードを担がないで済むのはホントにラクだと思えるので、
この際、精神的な保険としてもスプリットボードを選びたい。

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画像を見て解るとおり、最初からクランポンを装着してスタートする。
私はシールが噛むか噛まないかのギリギリくらいの心許ない感触が大嫌いなので、
風に叩かれた硬い斜面を登る場合は尚のこと、
下りでのシール滑走性が落ちることを差し引いても、
足場をしっかりと確保できるクランポンを使う方が好みだ。

もちろん、クランポンで行けると踏んで深追いしすぎると、
ボードを外してツボ足にする足場さえないような場所で立ち往生なんて
笑えないこともあるので、早めの見極めが肝心なのは言うまでもない。

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画像右側の、尾根を伝っていった先に雲がかかっているあたりが、
この日目指すトマノ耳。

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天気はまずまず。しかも風も穏やかだ。
またしても晴れ男の面目躍如!!!!!
オレは天候に関しては確かにモッている!!

とか、調子にのっていたら滑落した・・・・・

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上の画像の場所を、ボードを手に持って恐る恐る下っていたら、
自慢のK2 TTブーツはあっさりとグリップを失ってくれた。
昨シーズンまで、スプリットボードの時は必ず履いていた
DEELUX SPARK SUMMITだったら平気だったか?と問われても、
比較のしようがないが、登行時に活きるブーツ剛性は
SPARKの方がいくぶん高いので、少しは違ったようにも思えてしまう。

言っても5mほど落とされて止まってくれたのですが、
もちろん止まらなければ、谷底に真っ逆さまだ。
次にここを通るときは、面倒でもアイゼンに履き替える事を心に誓う。

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ややこしいのはそこだけで、
そのあともツボ足を余儀なくされる場所もあったが、快調に標高を稼いだ。

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登山口から約2時間半、12時前には肩ノ小屋の上部に到着。

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そのあと、道標から150メートル上部のトマノ耳山頂まで上がるが、
残念ながら頂上付近は雲の中で、絶景はおろか、
向かいのオキノ耳すら見えないほどの視界不良。
とはいえ、目の前はマチガ沢という断崖絶壁なのだそうで、
見えたら見えたで、間違いなく足がすくんでいたことだろう。

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我々のような滑走者はあまりおらず、そのほとんどが登山者たちだ。
しかもこの日はかなり混んでいたらしく、リュウさん曰く「春のよう」。

中には「アイゼン初めて履いちゃった〜〜〜きゃ〜〜」みたいな
黄色い声を上げる山ガールも女性だけのグループで山頂まで来られていた。

それにはさすがに「オレはここまで来たぜ」的な達成感が
はっきりと薄れていくのを感じるが、まあイマドキ、谷川岳と言えども、
そういう場所でもあるわけだ。
ちなみにこの日、ウチのグループにも一人 “山ガール” がいたが、
山ガールはアラスカに遠征には行かないのでこの際除外する。

さて、やはり良い山行の記事は書いているとノッてきてしまい、
ついつい話が長くなってしまう・・・・
紙幅も尽きたので、滑走開始からについてはまた明日!!!
【つづく】

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テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2017.03.06 | コメント(6) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

コメント

谷川は中々に普段の生活には無い緊張する場所ですよね。自分は谷川を滑りたくてBCを始めたのです。 へそ曲りさんが落ちた壁は、よく皆さん滑ってますよ(笑)。
後半戦の晴れ男全開の滑走編も楽しみにしてます。

2017-03-06 月 11:49:43 | URL | Sugaya #- [ 編集 ]

Sugayaさん
アルパインエリア特有のピリピリした感じがいいですよね!
そんな場所に、比較的ラクにアクセス出来てしまうところが
魅力でもありますが、怖さでもあります。

2017-03-06 月 15:49:47 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

谷川

昨年の予告通り、谷川行かれましたね!
自分は4月ののんびり谷川に行きます。
もっとも去年は肩の広場しか滑れずあとはアイゼンでスプリット背負って登りおりで登山のおじさんに邪魔だよ〜とか言われながらの苦行でしたw
芳が平行きます!

2017-03-06 月 18:41:34 | URL | okuことo原 #MS4DxwAY [ 編集 ]

アイゼンを持ってもない自分にはまだ谷川は遠いですね(^_^;)
5mだけでよかったです(^o^)

2017-03-06 月 20:35:38 | URL | SHO #- [ 編集 ]

SHOさん
他の皆さんは何事もなく通過して行かれていたんですけどね・・・
気を付けます〜〜〜〜〜

2017-03-07 火 10:11:13 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

Re: 谷川

okuことo原さん
4月のノンビリ谷川もよさそうですね〜〜〜
確かに、あそこはバックカントリーエリアというよりも、
ガチの山登りのための山なので、滑走中は特に
ちょっとキビシ目の視線をかんじなくもないですね。

うらやましい〜〜芳ヶ平楽しんで来てください!!

2017-03-07 火 10:13:54 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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