VITORA デジタルアイロン

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ほとんどワキシングは後悔先に立たずのゲン担ぎのようなもので、
しておかないと気が気でないレベルの行為だ。

週末限定のレクリエーションボーダーの場合、
たまの休日をフイにしたくはない一心で、仕事から帰ってから眠い目を擦って
ワキシングしてから雪山に向かうわけだが、毎週行く場所も違うし、
同じ場所であっても、一週間前とは雪の状態も変わってしまうので、
ワックスが合っているのか、合っていないのかは永遠の謎のままだ。

それ以前に、ワックスしなかったらどうだったのか?
簡単に施工できるインスタントワックスならどうなのか?
元より比較検証などできない。

だからこそ、(繰り返し言わせてもらうが)ワキシングはほとんど宗教だ。
信じていないと効果を感じられないし、
信じていれば、たとえワキシングをし忘れていても効果を感じられる。
プラシーボ効果、もしくは「信じる者は救われる」ってやつだ。

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コンマ一秒を競っているわけではない「心の平安」を求める種類のモノなので、
そもそも「すること」が一番大切で、ワックスの種類にこだわる以前に、
「仕方」の方にこそ信仰心が顕れやすい。
単細胞の私の場合は、特にだ。

ワックスとは滑走面の上に皮膜のように貼り付くだけのものではなく、
滑走面の内部へ浸透させることで、ベースと滑走ワックスの結合力を高め、
機能をより持続させ、発揮させるものなので、科学的な根拠はさておき、
気分的にはワックスをサラサラに溶かしたくなる。
加えて、滑走面を温めることで、より分子間の隙間を広げた方が、
より浸透度は向上する(はずだ)。
しかして、熱量が大き過ぎると滑走面を痛めてしまうし、
熱量は足らなければ、固形のワックスが染み込む(ように見える)程度まで
溶けてはくれない。

そういう背に腹に痛し痒しな相互関係の中で、
アイロンの温度設定が重要になるわけだ。
何より、ワックス毎に使用温度が指定されていることも多いので、
できればそれに従いたいのだが、ダイヤル式の温度設定の通りに
アイロンのかけ面の温度が出ているなんて、信じている人いないと思う。
なので、必然的に作業効率優先で、温度設定の目盛りを合わせるわけだが、
そうすると120℃を越すこともしばしば。正直気が気でなくなる。

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疑り深い私は、それまで非接触式の測温計を使って
かけ面の温度管理をしていたのですが、
使う前、途中、使用後と、計測値のバラつきが激しく、
何よりリアルタイムに計測できないので、これまた頼りにはならなかった。

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そこで、ワックスアイロンをデジタルで温度調節できる
『VITORA デジタルアイロン』に新調してみた。

出力も800Wで、今まで使っていたTOKOのものと同じ。
もちろんワキシング作業は基本寒い時期に行うものだし、
アイロンの性能は、作業環境の気温に左右されてしまうので
ワックスアイロンは出力の大きなモノの方が、
作業場所の気温に影響をより受けずに熱量を安定させられるわけだが、
室内で使うのならこれで充分だと思う。
逆にこれ以下だと、関東圏であっても、
室内で暖房を入れていない状態だと出力が足らないと思う。
現場でワキシングを行うサービスマンなどは
1,200Wくらいのアイロンを使うという話だ。

ちなみに、TOKOの1,200Wクラスのデジタルアイロンだと2万円以上する。
このVITORAは、出力も800Wと抑えられ、何よりデザインが野暮ったいが、
実売価格で¥8,000程度と、かなりのお値打ち価格だ。

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最低使用温度は80℃。
ちなみに今年使いはじめたKashiwaxは
「65℃〜」とパッケージには記載されている。
さておき、ひとたび温度を設定したら、液晶は0℃から温度の上昇に合わせて
その時のかけ面の温度がリアルタイムで表示される。

つまり、設定温度ではなく、作業する場所の外気温からの影響を含めて、
その時のかけ面の温度を報せてくれるので、目分量ではなくなるわけだ。

実際使ってみると、かけ面の温度低下は思った以上に激しく、
滑走面に当てて、ワックスを30cmも移動させると、
保管されていた滑走面の温度によっては10℃くらいすぐに奪われる。
なので、特に滑走面が冷えている状態だと、
かけ面が設定温度を維持しているのは最初の30cmほどで、
その後温度は下がっていく一方であった。

温度が下がるとサーモスタットが「カチッ」と音をたてて加温をはじめるが、
デジタルだとかなり頻繁に電源の切り替えを繰り返して、
設定温度の維持を図っていることがよく分かる。
これに較べてしまうと、同じ800Wのアイロンであっても、
アナログだと、サーモスタットの反応がひどく遅く、
そこからのリカバリーも遅かった事が分かった。

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この『VITORA デジタルアイロン』のアイロンプレートの裏側は、
上の画像の右側にある「M字熱線」を採用していて、
左の一般的なV字のものよりムラが少ないらしい。
実際、110℃程度なら、0℃から30秒ほどで準備完了になる。
ちなみにそれまで使っていたTOKOでは、同じ800Wであっても、
スタンバイのグリーンのランプが点灯するのに倍以上の時間がかかっていた。
反応の良いデジタルサーモスタットと併せて、
温度のリカバリーがより速くなるよう設計されているわけだ。

さておき、室温20℃程度で、ワキシングペーパーを使う私が、
硬めのワックスであっても、気持ち良くワキシング作業を進めるには、
最低でも115℃程度の設定が必要であることがわかった。
言ったように、これまで使っていたアイロンの場合、
115℃を維持できている時間が短く、結果的に、
滑走面にダメージを与えかねない温度設定が必要になってしまっていた。

というわけで、このデジタルアイロンにして良かったと思えるのは
デジタルならではの温度低下からのリカバリーの速さによって、
常に温度管理ができることで、滑走面を痛める心配を減らして作業が行えることと、
何より、そういった事実を知れたことに他ならない。

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このデジタルアイロンを手に入れて、
ワキシング作業にも熱が入ってまいりましたが、
いかに施工のし易いKashiwaxでも、下地処理用の「KWX-3」あたりの
硬いものになってくると、なかなかワックスが滑走面に入って行かなくなる。

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そうなるとやはりペネトレーション・ヒーターの出番だ。
硬いワックスもスルスルに染み込んで行ってしまう(ように見受けられる)。
もちろんこれを使えばアイロンの温度設定は更に下げられるし、
かけ面の温度低下も緩やかになったりと、良いこと尽くめだ。

どれもこれもお金のかかる代物ばかりで恐縮ですが、
早く買えば買っただけ、使えば使っただけ、減価償却も早い。と、
思うようにしている。
まあお布施のようなものだ。

とはいえ、なくても知恵と努力と忍耐でなんとかなるものばかり
ではありますがね・・・・

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ 注意 _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
以上のワキシングに関する方法や考え方は、あくまでも個人的な解釈と見解になります。したがいまして、こちらで紹介している情報やアイテムの内容には、噂話レベルの話から、一人のモノ好きとしての勝手な思い入れや希望的観測など、独自見解が含まれている可能性がございます。こちらを見て気になられた情報やアイテムの詳細に関しましては、個々にメーカー等へご確認いただきますようお願い申し上げます。
  

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2016.11.14 | コメント(4) | トラックバック(0) | スノーアクセサリー

コメント

こんにちは。いつもブログ読ませてもらってます。

先日柏崎さんに聞いた話では、WAX吸収時に連結が途切れるので、厚めに塗った方が好い)と云われました。薄い方がスクレーピングは楽なんですけどね。

あと吸収される液体状態を低温なので高温のWAXより長く維持出来るのは利点だと思います。

2016-11-14 月 12:27:58 | URL | すしてん #- [ 編集 ]

すしてんさん
確かにワックスは固まる行程では、樹脂と一緒で痩せるんでしょうね〜
厚塗りはセコい自分はなかなか思い切ってできないですが、
気を付けてやるようにします。

確かにKashiwaxはワキシング時の「できてる感」が
他メーカーのモノよりも高くて、そこが素敵でありますな。

2016-11-14 月 14:26:06 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

このブログを見ていつもワキシングを勉強しています。
ベースバーンて言葉をボード歴10年目で初めて知りました(^_^;)
次のボード記事を楽しみにしています!

2016-11-15 火 12:37:29 | URL | SHO #- [ 編集 ]

SHOさん
このブログで勉強は危険です!

2016-11-15 火 14:26:40 | URL | 埼玉のへそ曲がり #- [ 編集 ]

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