アリスのままで(と、エージェント・ウルトラの話も少々)

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痴呆症や認知症、アルツハイマーといった病気は、
ある意味ガンなどよりもずっと残酷な病だ。

そして若年性のアルツハイマーは、頭の良い人ほど進行が速い。

主人公アリスはコロンビア大学で言語学を教え、
多くの著書を世に出してきた知識人。
同じ教授を務め、仕事への理解もある優しい夫や、
すでにそれぞれに独立した、真面目な三人の子どもたちにも恵まれた幸せな女性だ。

そんな言語学者がある日突然に、若くしてアルツハイマーを患い、
すこしずつ言葉を失っていく様を、ある意味残酷に描き出した作品です。

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主演を務めたジュリアン・ムーアは今作でアカデミー主演女優賞を獲得し、
まさに彼女の代表作となったが、今作で見せたその演技はまさに圧倒的だ。

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自身がアルツハイマーだと分かったその日。
アリスは愛用のMacに “その時が来た自分” 宛にビデオレターを残し、
それを後の自分が観るシーンがあるのだが、
スクリーンに映るアリスと、それを眺めるアリスは、
同じ人間が演じているとは思えないほどの違いようで、
果たして記憶を失ったあとでも、人はその人として生きられるのか?という
本作の投げかける大きな問題を象徴しているシーンでした。

(上の画像でジュリアンがかけている、私も愛用のトム・フォードの眼鏡が、
 とても似合っていて、それもまた素敵でありました)

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次女のリディアは、ロスでひとり暮らしをしながら役者を目指していて、
他の兄弟とは違った言ってみれば変わり者。
そんな距離も時間も離れた母娘が、
最後には寄り添っていくようになる家族の物語でもある。
そんなリディアを演じたクリステン・スチュワートもなかなかの好演を魅せていた。

「トワイライト・サーガ」で一気にスターダムに駆け上がった彼女ですが、
『オン・ザ・ロード』ではなかなかの汚れ役に挑戦していて、
かわいこちゃんタイプに見えて、その実、とても役者魂にあふれる女優さんだ。

ここでも一人、画面の中での存在感が抜きんでていて、
今作でアカデミー主演女優賞を受賞した、主演のジュリアン・ムーアを
喰ってしまうような魅力を放ってもいた。
今後がとても楽しみな女優さんでもあります。

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そんなクリステン・スチュワートの、日本で観られる最新作(ビデオ)
『エージェント・ウルトラ』ですが、正直・・・な印象でありました。

ジェシー・アイゼンバーグ演じるマイクは、
実はCIAが巨費を投じて造り上げた人間兵器。
計画の中止とともに記憶を消され、一般市民として生活していたが、
ある日、秘密の露呈を恐れたCIAが、マイクの暗殺を企てて・・・というお話。
要は『ボーン・アイデンティティー』の悪ノリ作品なのですが、
いかに「うだつの上がらないコンビニ店員が、実は最強のエージェントでした」
という出オチ感の高い設定であっても、
見るからに “帰宅部” にしか見えないジェシー・アイゼンバーグに、
屈強な戦士を表現するための、過酷なアクション・シーンを求めるのは
はっきりと酷というものだろう。というわけで、この作品に関して、
クリステン・スチュワートに、一切の非はないのであるが、
かなりの残念賞でありました・・・
  

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2016.07.22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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