村上龍「逃げる中高年、欲望のない若者たち」

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近ごろ本を読んでいない。
まったく読んでいないわけではないが一時と較べるとかなり減っている。
理由は特にないというか、時間がないというのが理由と言えば理由だけれど
それが一番理由になっていないことも解っているので、あえて言うと要は衰えだ。
とにかく夜はよく眠るようになったので、夜に行われていたことがすべて昼間に移行され
仕事だの遊びだのと本を読む時間がないのである。

そんなわけでほとんどamazon頼り。
ほとんど毎日amazonから送られてくるオススメから選んでしまう。
以前仕事でアイドル(巨乳)の資料を探していたら
以降amazonからのオススメが巨乳と雪山登山ばかりになった時期がある。
どちらも白くてきれいな山であることに変わりはないので一貫性があるといえばあるのだが
そのアイドルにひもづくマーケティングが巨乳しかないってあたりが寂しいぜニッポン!
ってな具合にネット上の行動が監視されていると思うと
近ごろの行動マーケティングとは空恐ろしいことこの上なし。
広告屋としては一番の難敵。味方にするとこれ以上心強いことなし。

ちなみに私は基本いかなる電子化にも反対の姿勢。本は本として読みたい。新聞も。
仕事で依頼されると主義は曲げて引き受けるのでもちろん言ってるだけだ。

それはそうと村上龍である。
正直、私かなりのファンである。本を読まなくなったけれど村上龍は(たぶん)全部読んでいる。
ちょっとがっかりさせられた「歌うクジラ」も読んでいるがもちろんエッセイも読んでいる。

何が好きかって、言うことがいちいち私のツボにはまる。
私の喉の奥につかえたものをずばっと文章化してくれるので、私的翻訳機になっている。
こんなことを言うのもおこがましいが、ものの見方が似ているように思う。
自分の考えを村上龍の言葉で伝えると妙に説得力が出たりするので
私にとってはそこらへんのビジネス書よりも実践的だ。

そんな村上龍の「逃げる中高年、欲望のない若者たち」をamazonに勧められるままに読んだ。
表紙に自分の写真を使うような人だっけかなあ?とは思うが、それはKKベストセラーズのせいだろう。

今回ツボだったのはこの「欲望のない若者たち」の部分。
私も経営者の端くれとして、いわんや憂国のおっさんとして疑問に思う。
もちろん石川遼や田中太一みたいな若者がいることも知っているけれど
「ぼくはどうしてもこれがやりたいんです、というような若者にもう何年も会ってない。」
と村上龍が本書で言う通り、本当に身近で会ってないし本当に欲望がないように感じる。
「自分探し」とかいいながらむしろ欲望探しがモチベーションなのか
たまにその無欲さが羨ましくなることもあるけれど、欲望こそ創造の母だとおもうし
何より欲望が私を動かす原動力なので、なくなるときっと寂しいうさぎのように死んでしまうだろう。

とにかく理由はわからないし、悪いのは「逃げる中高年」かもしれない。
ちなみに私は中年だが逃げてはいない。いや、逃げられない。逃げられるほどもらってない。
実質的に逃げ切ったのはサブプライムなんとかの前に定年を迎えた連中だろう。

というように村上龍は常々若者のことを気にかけているが、決まって最後に
「私にはどうでもいいことだが」と締めくくる。
照れ隠しか、そう見えるよう計算して最後に書き足しているのか分からないけれど
結局は本人たちの問題でしかなく、当人たちがそれを問題として捉えてはじめて道が拓ける話なので
親がよくやる「ふーん。要らないならお母さんがもらっとくね」と同様
おっさんが余裕かますフリしてわざと若者を苛つかせようとしているように感じる。

本当にどうでもいいことなら書いたりしないだろうし、つくづく優しい人なんだなあといつも思う。

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2011.06.06 | コメント(0) | トラックバック(0) |

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