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Magic in the Moonlight

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ウディ・アレン監督の『マジック・イン・ムーンライト』。
是非とも劇場まで足を運んで観たかったのですが、例によって
全国拡大ロードショウなんて夢のまた夢のウディ・アレン作品でございますので、
私の生活動線上にはない映画館に向かうことを諸般の事情が許さず
結局DVDになるまでお預けとなってしまっておりました。
そんな欲求不満と申し訳なさが相まってレンタルではなくBlu-Layを買うことにした。

予告編を観れば大筋ご理解いただけると思うのではありますが
要は謎の美人占い師(霊媒師)の化けの皮を剥がそうとする人気天才マジシャンが
文字通りミイラ取りがミイラになるというよくあるお話。

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しかして、そこはウディ・アレンでございます。
そんな単純で明解なお話にはしておりません。

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今作の見所はコリン・ファース演じる
良く言えば科学的、悪く言えば融通の利かない頑固者で、
しかも皮肉しか言えないヒネクレ者の天才マジシャン、スタンリーの
空気の「く」の字も読まないほんとんどキテレツと言っていい行動や言動にある。

理論的でないことは全否定の常に一言多い人格破綻者なので、
もちろん『恋』なんて偶発的なものとは一切縁がなく
そもそも非科学的なものなど認めてもいない。
でもなぜか婚約者はいるという摩訶不思議な人物像を
コリン・ファースならではの演技力でたっぷりと魅せてくれます。

magic-in-the-moonlight_2.jpg

そして、そんな人格破綻者がまさに恋というマジックにかかっていく様を通して、
騙されやすい素直な人間と、絶対に騙されないと思っているヒネクレ者の対比を
ウディ・アレン独自の風刺の効きまくった演出で面白おかしく描いています。

恋のロンドン狂想曲』でも、霊媒師にいいようにされる女性が登場しますが、
今作では被害者側にはあまり光が当てられていない。
つまり加害者側と、それを暴こうとするふだんは加害者の話に終始するわけだが、
ウディ・アレン節が一番にスパイスを効かせるのは
やはり誰しもが被害者になり得るような身につまされる話。

それ故かいつもウディ・アレン作品を観たあとに催す
例のキリキリと胃が痛くなるような感覚が少ない。
そんなことを映画に期待している時点でまるでマゾだが、
ウディ・アレン作品では人間の放つ “痛み” を観たいという想いがどこかにある。

でも『マジック・イン・ムーンライト』では、
そんな飄々とドロドロとしたウディ・アレン風味は抑えられて、
良い意味でも悪い意味でもまっすぐなラブ・ロマンスになっているので、
ウディ・アレン党でない人か、もしくはウディ・アレン入門作品として観ると
いいのかもしれません。

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そんなウディ・アレンの次回作は今作でも美人占い師を演じたエマ・ストーンと
ホアキン・フェニックスの主演で贈る『Irrational Man』(原題)。
日本公開は未定ですが、今度こそ劇場で観たいと思っております。
  

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2015.12.04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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