WET DREAM

  

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サーフムービー『WET DREAM』を観ました。
全編8mmフィルムで撮られたかなり粒子の粗い映像は
4Kデジタル全盛のこの時代に良く言えば何処か懐かしさを感じさせ
悪く言えば時代遅れともとれる種類のものだ。

私はフィルム信者ではないので、
フィルムで撮ったものをわざわざ液晶モニターで再生するという
フィルターが何枚も間に挟まっているような表現手法は、
正直に言ってあまり好みではない。

デジタルならではのピシッとフォーカスのきている
エッジの効いた映像で、乗り手の一挙手一投足に目を見はりたい。

私の場合、それはスノームービーに関しても言えることで、
つまり私はこういった映像集を、雰囲気を楽しむという観方に加えて、
スポーツ実況や、ハウツーものとしても観ておきたいという欲求もあるわけだ。

そして、ハイスピード撮影(スーパースロー再生)に代表されるような
水しぶきの一粒一粒、雪の結晶の一粒一粒、
ひいては乗り手の息づかいまでもが伝わってくるような
デジタルならではの臨場感が好きだ。

そんな偏見で目が曇った私にとって、微妙にシャープさのない16mmを通り越して
いっそ8mmで撮られた映像というものは、ハナっから微細な箇所に
目を見はろうとも思わないので、むしろその雰囲気に集中することができた。

8mmなら尚のこと、更に映像を粗く仕上げる方向も選択できたのだろうが
カメラ本体やフィルムの性能よりも、レンズの性能が上回っているような、
オーバーキャパな味わいに好感が持てた。
それに加えて、ここに用いられたほぼ正方形の画角も
下手に視線を拡散させずに、制作者の見せたいもの、伝えたいものを
観るものにきちんと魅せることに一役買っていて、
逆にテレビモニターで鑑賞するのに
ちょうど良い塩梅となって顕れているように思った。

ひょっとするとフィルムで撮影された素材を
16:9の画角にすると、どこか引き延ばされたような
間延び感が増長されてしまうのかもしれないと
今作を見て思いました。

そもそもサーフ系のビデオは(雑誌も)、スノームービー以上に
サーフィンのもつ精神性や、スピリチュアルな部分を伝えるためのメディアとして
機能していることが多い(と思う)。
そして、このWET DREAMは、そんな8mmフィルムの特性を活かして
サーフィンの世界観を描いています。

そう思うと、サーフィンの世界観とは、
こういった少しざらついた手触り感のあるものなのだと改めて思わされる。

スノームービー以上に、この感覚的な世界観が伝わらない人には
一切伝わらないんだろうなあ、とも思う。
サーフィンを始める前は、サーフィンという行為に対して、
どこか閉鎖的な印象を強く感じていたことを思い出す。

外から見ていて壁を感じたのは、
きっとこういう世界観の共有ができなかったからだ。

じゃあそれが何かと問われても、
言葉で説明がつくようなら私も苦労はしない。
流れる水、風、重力、潮の満ち引き、それらが生み出す波という力に
押されるように滑走していく感覚を超えた摂理。

キリスト教で、信者となる時の儀式のことを「洗礼」と言うが、
そんな自然の存在を、一度でもサーフィンを通して感じてしまったならば、
すでに洗礼は済んでいるのだと思う。

WET DREAMは、洗礼後に観るべき一番のサーフ映像かもしれません。
  

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2015.09.02 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

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オートバイと
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