立山 【Day-2】

tateyama2015-50.jpg

翌28日(日)。
前夜飲み過ぎた割には標高のせいか朝6時にぱっちりお目覚め。
奇跡的に酒も残ってはおらず、朝食も旨いし、とても快適な朝だ。
そして朝飯を食べたらさっさと出発。
朝の山荘に余韻に浸っている時間はない。行動あるのみ。

tateyama2015-51.jpg

この日、まずはIK隊長が狙うのは龍王カール(画像矢印の裏側にある)。
一ノ越の稜線を向かって右方向、西側へと上がるルートだ。
まずは一ノ越の沢筋に取り付くキャットロードまで、
雷鳥荘前からできるだけ一ノ越に近づく方向にトラバースしながら滑り降りる。

tateyama2015-52.jpg

一ノ越までは、雷鳥沢に較べて斜度も緩めで快適ハイクかと思いきや、
結構キツイ。
目覚めは良かったのだが、これはやはり深酒の影響か・・・
なかなか調子が出てこないので、気分もまた上がってはこない。
少々離されながらなんとかみんなに着いて行く。

tateyama2015-54.jpg

一ノ越の手前で休憩。バテバテだ。

tateyama2015-55.jpg
tateyama2015-56.jpg
tateyama2015-57.jpg

しかして、すでに雪のない一ノ越の稜線に走る登山道に出てから、
なぜか急にスイッチが入ってしまった。謎の絶好調。
どういったわけか歩みが止まらない。まだまだ登り足りない気分だ。ゾーン?

そして雷鳥荘から2時間。
龍王岳の下側に位置する富山大の研究施設までなぜか先着で登頂。

tateyama2015-28.jpg

どうやらこの時期の緩んだ雪をシールで登行するよりも、
ツボ足で登った方が私には楽なようだった。
それもあって、今回特に感心したのはこの『DEELUXE SPARK SUMMIT』だ。
ビブラムソールは大小様々な石を確実にグリップし、本革製のシェルは
高い剛性感を維持しながらも、しなやかに足首の動きをサポートしてくれる。
ゴロゴロと転がる石の上に足を載せてもグラつきが抑えられ安心感が高く、
一切緊張させられることもないので、精神的にかなり楽だ。
体力の消耗を抑えることに一番効果があるのは、
間違いなくこのテの精神的なサポート力だと私は思う。これまたプラシーボ。

ただ、これまでは「いくらバックカントリー専用ブーツとはいえ、
ここまでゴツいブーツって果たして私に要るのかね?」と疑心暗鬼であったのだが、
岩場をはじめてこのブーツで歩いてみて、その実用性の高さを実感することができた。
雪の上だけでなく、こういう場面までをも想定したブーツなのだ。こりゃ驚いた。

毎度わざわざ雪山まで足を運んではいるが、関東圏に住む我々にとって、
4WDのクルマがその威力を発揮する場面なんてほんのたまの事だ。
私が行くような場所なら尚のこと、大概の道はFWDで事足りる。
このブーツもそれと同じレベルのことなのだが、
クルマよりも、このブーツの方により有り難みを感じてしまうのは、
滑りやすい登坂でクルマがスタックする心配以上に、
歩いて登ることへの苦手意識の方が格段に高いからだ。

これからは今回の立山での出来事を思い出すだけで、
このブーツを所有する意義を十二分に思い出すことができるだろう。
高い買い物であったが、これですっかり元を取れた気分だ。

tateyama2015-59.jpg
tateyama2015-58.jpg

遠く富山市まで臨むことができるここからの眺めもまた絶景だ。
とにかく観るもの観るものいちいちに感動させられてしまう。
大自然の放つ力は偉大だ。素直に神の存在を感じてしまう。

tateyama2015-87.jpg

そして、龍王カールにドロップ!
この日は朝から晴れ渡り、すでに雪は良い塩梅に緩んでいた。
私とIKさんは、龍王の真下からドロップしたのだが、
入ってすぐの急斜面でボードを食い込ませるように踏み込み、
ターン出口で後ろ足を踏みきってグイグイ切れ上がるように向きを変えるターンが
最高に気持ち良い。ここもまた素晴らしい斜面だ!

tateyama2015-61.jpg

そのあと龍王岳と一ノ越に挟まれた雄山谷の上部で昼飯。
雷鳥荘で用意してもらったおにぎり弁当は、
晴天の山で食べる最高のお弁当かもしれない。旨すぎだ。

昼飯のあとは下の画像の左側の斜面に見える登山道を歩き
ロープウエイの架かっているタンボ平に向かう。

そう、帰りは厄介な乗り換えをせずに黒部ダムまで滑り降りるのだ。

tateyama2015-60b.jpg

しかして、お腹も満たされた我々(というか私)は、
眼前の雄山谷の斜面にすっかり魅入らされてしまい、
誘惑に負けてつい登山道の下まで滑ってしまった。

tateyama2015-63.jpg

「ここを登ってください」と言わんばかりに、登山道に向かって
まるでハシゴのように伸びるハイマツ帯に覗く岩場を登り返していたのだが、
登山道まであと10mほどの最後の雪渓が斜度も厳しく、
ここへ来てまさかのアイゼン登場。
実は私、アイゼンはもうだいぶ前から持ってはいましたが、使うのはこれが初めて。
一見何の変哲もないグリベルのエアテックライトですが、よく見るとちょっと違う。
コチラの話はまた明日。

さておき、ガイドツアーだとこういう先を読んでいないハプニングのような出来事は
基本起こったりはしない。ガイドの方が事前の視察含めて上げ膳据え膳きちんと整えて
効率的で無駄のない、一番安全と思われるルートとペースを考えてくれているからだ。

でも、「あそこ行けるんじゃないか?」「自分なら上がれるんじゃないか?」
「もしだめなら、こっちに迂回してみよう」とか、今までのそういったガイドツアーで
培ったきた経験則に照らして、自分自身でルートファインディングしてみる楽しさが
プライベートでは体験できる。

そうして(もちろん危険のない範囲で)選択を誤ることもまた、
ものすごい経験になるし、何よりガイドツアーの有り難みもまた増すというものだ。

そういった経験に、春山はもってこいだ。

tateyama2015-62.jpg
tateyama2015-66.jpg
tateyama2015-69.jpg
tateyama2015-68.jpg

さらに、春の立山ではこんな壮大なおまけまで付いてくる。
夏山なんてオートバイでしか近寄ったことのない私ですので、
山の遊歩道ですらほとんど歩いたことなどない。
そんな私がいきなり標高2,500mに位置する登山道を歩くわけだ。
何から何まで立山という場所はいちいち本格的だ。一皮むけた気分。
でも、SPARK SUMMITのお陰で岩場の足取りも実に軽やかだ!

逆に、YONEXのTRIPPER ABを履くOYさんは足裏の金具に何かあると
バインディングを填めることが出来なくなることもあり得るので、
岩場はかなり慎重にならざるを得なかったそうだ。

それと、今回の立山行は、IKさんもいるので
実はスキーで来ることも頭をよぎっていたのだが、そのIKさん曰く
スキーブーツで長時間歩くのは、スノーボードブーツで歩くのとは
わけが違って、それなりに苦労されるようだ。止めておいて良かった。
なんて言っていると、いつまで経っても出来るようにならないのだが・・・

tateyama2015-70.jpg

そんな岩場の登山道を30分ほど歩くと東一ノ越に到着。

tateyama2015-72.jpg

見下ろせばここからすでに黒部ダムが見える。
戻って来たって感じだね〜

tateyama2015-88.jpg

ここからタンボ平にドロップするわけだが、ついつい目の前の斜面を
ロープウエイ乗り場に向かって真っ直ぐに落としてしまいそうになるが、
経験豊富なBC姐さんのナイスアドバイスにより、
ライダーズライトの斜面を奥の斜面までハイトラバースするラインを選ぶことにした。

tateyama2015-73.jpg

すると、こんなに巨大で斜度もかなりあるナイス斜面に出て来るわけだ!
画像中央付近を滑っている人影でこの斜面の大きさが分かってもらえると思う。
後から斜面を見上げれば気がつくが、上から覗き込んでもこの斜面は見つけられない。
クゥゥゥゥ〜〜〜〜ッ!姐さんナ〜イス!

tateyama2015-76.jpg
tateyama2015-77.jpg

そして、ロープウエイ乗り場の真下まで戻って来られた。
滑りもさることながら、登山道も含め、トラバースですら楽しくなってくるのは、
間違いなくこの晴天のおかげだ。
天気が悪かったら180度変わって、かなりの苦行となるだろう・・・

時に人数が増えているのは、登山道でBC姐さんのお知り合いの
Mさんチームとたまたま会ったから。
広い立山で知り合いに会うって、どんだけ顔が広いんだ。
IKさんに至っては盛岡駅前の焼き肉屋でたまたま居合わせた
スキーのお仲間に声をかけられていた。やはりこの二人はどうかしている。

tateyama2015-78.jpg
tateyama2015-79.jpg

そして、森を抜けて黒部湖畔の登山道に突き当たり、
これにて滑りの箇所はすべて終了。皆さまお疲れちゃんでした。

tateyama2015-89b.jpg

行動時間約6時間、総移動距離11.8km、登り729m、下り1,522m。
この日もまさに大冒険でありました。山と仲間に感謝!

tateyama2015-81.jpg
tateyama2015-83.jpg
tateyama2015-84.jpg

そして湖畔を10分ほど歩いて行けば黒部ダムに到着だ。
返す返すも観光客で混み合うトロリーバスやら、ロープウエイやら、
ケーブルカーやらに乗り換えながら移動するのは頭が痛い。
そこを滑り降りて来られるなんて、これを幸せと言わずして、何を幸せと言えようか!
これぞ春立山の醍醐味(なのだそうだ)。

tateyama2015-75.jpg

多くのスキーヤーやスノーボーダー達から愛されてきた立山であるが、
私にはこれまでその魅力が今イチ、いや、まったく分からなかった。
もっと近くて、手軽に楽しめる山だってだくさんあるし、
何より私はこの時期はもうゲレンデで充分楽しいと思ってしまっていた。
それらと較べて、ここまでの移動距離や苦労に見合うとは到底思えなかった。
だから「立山行かないんだ・・・」と、どこか不思議そうな顔で私を見つめる方々の
その視線の方が、むしろ私にとっては不思議であった。

でも、今回、そんな謎が一気に解けた。

立山の魅力はもはや破壊的ですらある。
たぶん誰もがここのスケール感や、底の知れないバリエーションの豊富さと
その奥深さに一撃で虜にされることだろう。
経験豊富な人ほど、この場所の魔力に囚われてしまうハズだ。

それほどにここは
心奪われ、囚われ、憧れ、そして志すべき場所なのだ。

その理由について、残念ながら言葉で説明したり、説得することは不可能だ。
もし、今の私が、ここへ来る前の私に出会っても、
決してこの場所へ行くことを勧めたりしないだろう。

この魅力を知ってもらいたい、分かち合いたいと強く願えば願うほど、
それが不可能だという無力感に嘖まれるくらいなら、
最初からここのことは口に出したりしないだろうと思うからだ。

tateyama2015-86.jpg
tateyama2015-85.jpg

何より、経験豊富な仲間たちがいてくれたこと、
そして、そんな仲間たちに「こいつなら連れて行っても大丈夫だ」と、
信じていただけたことに心からお礼を言いたい。

ありがっとうっ!



と、こんな事を書いていたら、立山と同じように “志す場所" でありながら、
喰わず嫌いを続けてしまっている山が、もう一箇所あることに気がついた。
そう、日本一のあの山だ。

今シーズンはもう無理だが、近いうちにチャレンジしてみたいと(今は)思う。
これもきっと分かりやすい立山効果なのだろう。
  
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:バックカントリー - ジャンル:スポーツ

2015.04.30 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

FC2Ad

プロフィール

埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR