FURY

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『FURY』観ました。

是が非でもアカデミー賞を獲りたいブラッド・ピットさんですので、
こういった戦争モノなど、社会的なテーマを題材にするのはもう王道中の王道。
スピルバーグでさえ喉から出るほど欲しかったアカデミー賞を、
『シンドラーのリスト』で獲得(最優秀作品賞・監督賞)したのは有名な話。
「前年内に公開された作品であること」というアカデミー賞の
選考基準を満たすため、去年のクリスマスに一部の都市で先行公開するという
裏技を使ってまで今年のアカデミー賞ノミネートにこぎ着けた
クリント・イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』も戦争モノだ。

というように、ブラッド・ピットがなりふり構わず狙いに行った作品なのに、
なぜFURYはアカデミー賞にかすりもしなかったんだろう?と
ずっと思っていたのですが、観てみてちょっと納得・・・・

う〜〜〜〜〜〜ん・・・・残念・・・

Fury2.jpg

なにかこうつかみ所がないのである。
というか、どっちつかずというか。
戦争の悲惨さを表現するのは当然として、

・意欲が旺盛なために時に勇み足を見せる部下達を束ねるリーダーの葛藤
・新入り兵の成長
・戦地で横行する犯罪
・今までほとんど表現されなかった戦車戦の映像

など、ちょっと脱線気味に話が飛び火して、言いたいことが良く見えてこない。
要は散らかり気味だ。
ストーリー的には『プライベート・ライアン』のカーボンコピーだし。
しかも、出来映えとしてまったくそれに及ばないし。
つまり、プロデューサーとしても名を連ねるブラッド・ピットの
“演じ甲斐" みたいな部分を出すために、無理に人間性や、
哲学性をねじ込んでる印象が強い。

Fury1.jpg

ただ一点、CGを使わずに実車によって撮影された
戦車戦の映像化に関しては、まさに一見の価値ありです。
『影武者』で、チャンバラのイメージが180度変わったように、
『プラトーン』で、ベトナム戦争映画の位置づけが変わったように、
今作によって戦車戦に対するイメージを大きく変えることになったと思います。

英雄がバッタバッタと敵兵をなぎ倒して進むシーンばかりを見慣れた目で、
『ブレイブハート』のようなリアルに描かれた騎馬戦や合戦を
はじめて目の当たりにしたときに、
「結局のところ、大人数をかけた一対一の繰り返しなんだ」と、
拍子抜けするような真実にガッカリしながらも、
だからこそ、そこにあるリアルな殺し合いの悲惨さを思い知らされました。

今作でも「ドーン」と大砲を放って「ドカーン」と一発で
戦車が吹っ飛ぶ、みたいな従来の戦争映画にみられたような単純さなどはなく、
なかなか言うことを聞かない鈍重な戦車を手なずけながら戦ったり、
入射角が浅いと大砲の弾が戦車の表面を跳弾したりする様は
はっきりと観たことのない真実の世界でありました。

だから、もっと多くの戦車戦のシーンを観たかったというのが本音であります。
中でもドイツ軍戦車の雄と言えば、言わずもがなの「タイガー」でありますが、
実車での撮影というハードルが高すぎたせいか、大好きな “ティガー" は
残念ながら本劇中一回だけ、たった一両出て来るだけでした・・・

といったわけで、
賞狙いという異物の混入により、大切な何か(私の場合、タイガー戦車)が
軽んじられているように思えてならないとても残念な作品でございました。
  

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2015.03.27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

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