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X-MEN ダークフェニックス

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ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリン亡きあとの、
前作『X-MENアポカリプス』からガクッと面白みに欠けはじめたX-MEN。

それもあったので今作を観に行くかどうかはまあまあ悩んだ。
いつもなら「ビデオが出るまで待とう」となりそうなものなのに、
それでも劇場まで足を運ぶべきか悩んだのは、
近頃観たい映画がなかったことも関係している。

ちなみに私はほぼ同時期に公開された『MIB』は観に行くつもりがない。
そう言うとおおよその方が「『X-MEN』と『MIB』とでどこが違うんだ?」
と思われるとだろうが、そこに違いなんてありません。
強いて言えば長くシリーズを観てきたことへのお付き合い程度の話でしかない。
いずれにせよ期待薄。つまりは消極的選択。

でも、「期待していなくて観たら、なんと大当たり!」なんてことも、
たまにだがあったりするのでついつい観に行ってしまう。

話は関係ないけど『カメラを止めるな』はテレビで観ましたが
サッパリ面白くなかった。もしも噂にノセられて劇場に観に行っていたら、
暴れていたか、酒浸りになっていたと思う。

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上の画像は『X-MEN』旧三部作でジーン・グレイを演じたファムケ・ヤンセンと、
新シリーズで同じくジーンを演じているソフィー・ターナーの
レッドカーペットでの2ショットなのですが、
なんで今回出演してもいないファムケ・ヤンセンが
プレミアに現れたのかというと、『ダークフェニックス』は
『X-MEN 3』でも描かれた、最強のミュータントである
ジーンが暴走する話だからだ。

実は『ダークフェニックス』の方が原作に忠実な物語らしいのだが、
すでに『X-MEN 3』で同様の物語を観てしまっている私には既視感たっぷり。

マグニートーは金属しか動かす事ができないが、
ジーンは金属に限らずなんでも動かせるし、
しかも人の考えまで読むことができてしまう。
つまりジーンは、親玉ミュータントであるプロフェッサーXとマ
グニートーを足してさらに2を掛けたような最強の存在。

『X-MEN 3』ではそんな最強の中の最強である彼女を止められるのは、
再生能力を持ったウルヴァリンしかいない、
というところがミソだったわけで、私としては
ウルヴァリンがいない世界でどのようにジーンを止めるのか?が、
良い意味でも悪い意味でも今作の見所となった。

んで、結論を言うと・・・・・

- - - - - - - - - - - 注意:この先ネタバレアリ - - - - - - - - - - - -



ジーンが吸収してしまった宇宙エネルギーを悪用して
人類を滅ぼそうと企むエイリアンの攻撃も重なり、
X-MENはジーンの説得とエイリアンの攻撃の板挟みなってしまう。

個々の能力を組合わせることによって打開策を見いだすという
タッグチームであることがX-MENの面白いところなのですが、
協力し合うことで最強のジーンを抑え込むとかいったこともなく、
結局、裏切られたと思っていた彼女の改心というか、
誤解が解けたことによって正気を取り戻し、
あとはジーン一人でいとも簡単にエイリアンを蹴散らすというオチで、
正直「なんじゃそりゃ?」な気分。

しかも、特に分かりやすく誤解が解けるくだりがあるでもなく、
突然ジーンは改心する。
それができるなら最初からキチンと話し合おうよ。

それと、今までこのシリーズにエイリアンが出てきたことなどなかったわけで、
そのあたりも違和感が拭えない。一貫性に欠ける。

ウォルト・ディズニー・カンパニーと20世紀フォックスの事業統合によって、
今後はX-MENもアベンジャースを抱える
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に合流することになるので、
これが7作続いた20世紀フォックス版最後のX-MEN。
なので、余計にこの後味の悪さはいただけない。

今作で地球を攻撃してくるエイリアンは、
キャプテン・マーベル』に出てきたスクラル人との噂。

マーベル・コミックスは様々なヒーローを描くコンテンツが
「マーベル・ユニバース」というひとつの世界の中で同時進行しているので、
登場人物たちは往々にしてクロスオーバーする。

キャプテン・マーベルではスクラル人は良いエイリアンとして描かれていたので、
先に撮影されていた『ダークフェニックス』は、キャプテン・マーベル公開後に
脚本が諸々書き換えられたらしい。
これもアッチコッチにライセンスが散らばっていることの弊害と言えるだろう。

MCU版X-MENの登場はしばらく先になるとのことなので、
そういう意味でも、私が今作を観るのはご祝儀的な意味合いも大きい。
そんなご祝儀気分のある方なら劇場まで観に行ってもいいかもしれないが、
正直ビデオのレンタル開始を待ってもいいように思う・・・
(そんなわけで、オススメ度:40)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
結局二週続けて海に行かなかった週末に、
近所を自転車で走ってみて気づいた、子どもの頃から暮らしてきた場所の
変わらないところや、変わったことについて書いてみようと思います。
お楽しみに。

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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

2019.06.28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

ユートピア

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他人の不幸は蜜の味。

とはよく言ったもので、他人を下げることで安心感を得てしまうことは、
悪いと知りながらでも自己防衛としてついしてしまう小さな罪のひとつだろう。

SNSなんてない時代から、
人は多かれ少なかれ噂話や誹謗中傷などを踏み絵やリトマス試験紙に使って、
コミュニティの中での自身の立ち位置や属性など、
周りの人々とのバランスをとってきたのだと思う。

出身地や、住んでいるエリア、世帯収入に至るまで、
コミュニティのレベルを逸脱したりすれば、
それは妬みや嫉みの対象となってしまう。

大手食品加工メーカーの工場があり、
そのメーカーの存在によって成り立つ地方の町が今作の舞台。

先祖代々の昔からその場所と共に生きてき来た人。
食品メーカーの転勤でよそからやって来た人。
そして、この町の海沿いの美しい景観に魅入られ、
ここを芸術の町として発展させようと考えた芸術家たち。
そんな3つの、立場や美意識、哲学の違う人々が、
町の中心にあるユートピア商店街で、
混ざるともなく交わっていく姿が描かれる。

昔あった未解決の殺人事件なんて、
サスペンスとしてのエッセンスもあるにはあるが、
それ以外は商店街で起こるちょっとした事故や事件がほとんどで、
得体の知れないバケモノや、政府の陰謀、
町にサイコパスが潜んでいたり、なんてことは一切ない。

どこにでもありそうな商店街の裏側でやり取りされる、
噂話という膨大な情報だけで物語が形成される。

その情報は特に脚色されているわけでも、
大げさに語られたりするわけでもなんでもない。
他愛のないただの噂話でしかないのに、
どうしてこれほどまでに読む者を魅了するのか。

それは、噂話を生み出す人間の想像力の逞しさと、その力の持つ恐ろしさを、
湊かなえという人は猛烈に肯定しているだからだと思う。

登行時の子供の列にクルマが突っ込み、
子供の一人が歩けなくなってしまう心的外傷後ストレス障害を
追ってしまうのだが、その子にだけ補償が出たことに関して、
「うちの子だって怖い思いをしたのに、あの子の家だけズルい」といった
噂話が語られる。

ただの僻みや日頃の鬱憤晴らし目的でされた、ただの軽口であるのだろうが、
その子供の親の立場に立って考えてみれば、
その噂話の方が事故自体よりもよっぽど恐ろしいことであることに気づける。

他愛もない狭い世間の噂話に少なからず苦しめられる登場人物、
そして、噂された人間もまた、誰かのことを悪く解釈してしまう。
人間のもつ負の想像力が小さなコミュニティの中で
次から次へと伝染していく様が描かれます。

そして、
美大卒の芸術という数値で顕せないことをやっている自分に酔って、
美術や芸術に疎い人間を見下す習性については
私にも思い当たるところがないでもない。
そんな表だっては肯定されないが、
意識の奥底で知らず知らずに周りと分断していく様子も披露され、
これがまた辛辣であったりする。

いつか町を離れていく人。
離れたくても一生この町から離れられない人。
ここを終の棲家と決めて、町を盛り立てようとする人。

そんな経済活動やプライドといった因子も絡みながら分断されていく親たち、
そして、分断されていく大人たちを見つめるその子どもたち。

四者の希望と絶望が、小さな田舎町で緩やかに激突していき、
舞台裏で進行していた無邪気な悪意によって、
物語は思いもよらないような結末を迎えます。

そんな、どこにでもあるような「理想郷」と呼ぶにはほど遠い町の片隅で起こる、
どこにでもあるような「他愛もない悪意」を集めた物語。

それなのにその事から目が離せなくなるのは、
やはりこの物語が、読む者の日常と絶妙にリンクするからだろう。

間違いなく傍観者なのに、なぜか当事者のように身につまされてしまう。
否応なく読む者を物語に引きずり込む巧妙な仕掛けが、
この小説のあちらこちらに仕掛けられています。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
20世紀FOX版としてはこれが最後となる『X-MEN ダークフェニックス』の
感想をお届けしたいと思います。お楽しみに。
  

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

2019.06.27 | コメント(0) | トラックバック(0) |

フィン選びは楽しい

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正直に言って、PAVELじゃなかったら絶対にピンクのボードは買わない。
でも、「パベルだ」と思えば、「良い色じゃん」とか思えてしまうところが
私のゲンキンでミーハーなところだ。

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ちなみにですが、私の好きな色はマンゴーイエロー。
はいそうです。
中古で売られていた『DIAMOND TWINZER』に飛びついたのは、
この色であったことも私の背中を押した理由のひとつ。

そもそもオレンジは好きな色でしたが、
その昔、横浜の占い師に「オレンジと紫色を身につけよ」と
開運のアドバイスを受けてからすっかりこの色が好きになった。

なので、もしサーフボードをオーダーするなんていう、
リッチでセレブな買い物ができるのであれば、
迷わずマンゴーイエローでオーダーする。

さておき、サーフでもスノーでもスケートでも、
ボード(デッキ及びホイール)の色は自身の個性を主張する
重要な部分であります(風水的な意味合いでも)。

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そんなわけで、
本来はパフォーマンスに大きな影響を及ぼす機能部品であるフィンにも、
シェイプや素材、工法に、それらによるフレックスの違いはもちろんのこと、
そこに様々なカラーやデザインの施されたものが星の数ほど存在する。

乗り味に大きな違いを生み出すので、
一粒で二度も三度も美味しい的に、様々なフィンセットを試すことができるのも
取り外しのできるFCSフィンやFutureフィンのメリットですが、
私的にはカラーコーディネートができることも大きな楽しみのひとつであります。

そう考えると、このピンク色のボードというのも、
とても挑戦し甲斐のある色だと思えてくる。

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10インチ弱で、ベースは太目、そこからレイク強めで
トップ付近まで細長く絞られていく、コンサバでありながらも、
比較的ボードを動かしやすくしてくれそうなシェイプから、
赤系のものを探してこちらのフィン行き着いた。

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いっそピンクのフィンにしてみようかとも思ったが、
林家ぺー・パー子か志茂田景樹的になりそうだったので止めておいた。
(でもいつか出物があったら手を出してしまうかもしれないが)

ちなみに私の買ったフィンは多くのショップに並ぶような有名なブランドではなく、
フィンシェイパーさんがこじんまりと売られているもので、
有名ブランドのものと較べて約半額。つまり何だかんだ言って最後はお金。
もちろんフィンであっても、つい有名どころに目が行ってしまう
ミーハーな私ですが、構造的にも製造過程を考えても
ボードのグラッシングほどには有名無名に品質の差は出ないだろうと思うので、
フィンだとこういう冒険もし易い。

クルマのホイール(タイヤ付)を1万円を切る価格で交換できると言えば、
クルマ好きにならその手軽なイメチェン気分が分かってもらえるだろうか?

それくらい、このフィンというパーツが趣味の時間に与える影響は、
パフォーマンスの面でも見た目の面でも大きいというわけであります。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
湊かなえの『ユートピア』を読んだお話です。お楽しみに。
  

テーマ:サーフィン・ボディボード - ジャンル:スポーツ

2019.06.26 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

OJ SUPER JUICE WHEELS などなど〜〜

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大のお気に入りであります芽育の『Baked Hill』のホイールを変えてみた。
ホイールは小さい方がスピードコントロールがし易い。
というか、スピードが抑えめになる。
という話を聞いて是非試してみたかったのが『OJ SUPER JUICE』。
芽育×SATORI WHEELが63mm(80a)、こちらは60mm(78a)と
3mmだけだが外径が小さく、幅はほぼ同じなのだが、
OJ SUPER JUICEの方が角が丸められていることも見た目に感じる違いだ。

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組み付けに関して、一番困ったというか悩んだのが、
サイドウォールにプリントされているロゴの向きが違うこと。

ホイールのセンターはオフセットされているが、
OJの方はオフセットの浅い方にロゴがプリントされていて、
ロゴを見えるように外側にするとホイールはトラック側へ引っ込むことになり、
つまりトレッド幅が狭くなる。

5mm程度だが左右で10mmトレッドが変わる。
トレッド幅はあった方がコントロールしやすいように思うのだが
そうするとプリントされたロゴはトラック側に隠れてしまう。
メーカーもそういった意図でロゴをプリントしているとも思う反面、
敢えて隠してしまうのもカッコイイ気もする。
うーむ。これは悩ましい。

んで結局、外側に向ける(トレッドを狭くする)方向で取り付けてみた。

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それと、これは前々からやりたかったコトなのだが、
黒いACEのマグネシウム製トラックに合わせて、
手持ちのトラックも黒く塗装したかったので、
ホイールを交換するついでにやっつけた。
黒い塗装、特に艶消しの塗装はカンタンなので思いついたらすぐにできる。

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そしてそして、これまた気まぐれに手に入れてしまった
チタン製のキングナットに交換。2g(前後で4g)の軽量化に一喜一憂(幸)。

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というわけで、モディファイ完了!
マグネシウムのトラックベースに組合わせていたカッパー色のトラックは、
ご覧のようにそもそもコンプリートで手に入れたときの状態に戻しました。

トラックはどちらもACEの22。
ホイールの彫りの深い方を内側に向けると、
見た目にもこれだけトレッド幅が変わる。

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肝心の乗り味ですが、ホールの幅の違いも、トレッド幅の違いも、
多少舵角がキツく小回りになるかな?といった程度の違いでしかなく、
私にはそれがデメリットにもメリットにもならなかった。

ただ、いつもの坂のアスファルトとの相性もあるのかもしれないが、
OJの方が芽育×SATORIよりも粘つくようにグリップが高く感じ、
そちらの方がむしろ好感触。

芽育×SATORIを組んだ方にも同時に乗ってみたが、
こちらの方が横方向にドリフトしやすい。
もちろん私はドリフトさせるような乗り方はできないので、
ガッツリとしたグリップ走行がしやすいOJの方が好みだ。

それと、これは前にも書いたのだが、マグネシウム製のトラックの方が、
足裏に感じる路面のツブツブが滑らかで乗り心地が非常に良く感じる。
こういった直接の性能とは無関係ながら、
質感が上がるような違いを楽しむなら、
マグネシウム製の軽量トラックは超オススメのアイテムだ。

さておき、なんで男の子はこういうカスタム遊びが好きなんでしょうか。
あ〜〜〜楽しい〜〜〜〜小さな幸せ。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
思いがけず(?)手に入れたロングボードによって、
またもや火が着いたフィン選びのお話です。
お楽しみに。
  

テーマ:スケートボード - ジャンル:スポーツ

2019.06.25 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

電動スケートボード Team Gee H8

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梅雨入り前の隙を突くように晴れ渡った土曜日。
季節の変わり目のせいか、湿度のせいか知らんが体調が優れない。
ここのところ波乗りも、調子が良かったおかげでやり過ぎるほどにやったし、
なんだかんだと仕事のストレスも溜まり気味だったので、
この週末は海にも行かずに家で過ごすことにした。

いや。正確には“家の近くで”だ。

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前々から欲しいと思っていた電動スケートボードを手に入れてしまった。
コトの発端はクラウドファウンディング。
よせばいいのにクラウドファウンディングからの
プッシュメールを受け取る設定にしており、
幸か不幸かこの『Team Gee』が開発されていることを知ってしまった。

ちなみに、私はこのテのプッシュメールにいとも簡単に惹かれてしまうので、
登録するときも、通知メールの類のチェックボックスは、
目を皿のようにして探し出して外すようにしていたのだが、
これに関しては見落としていたらしい。

電動スケートボードなるものが存在していたことは知っていたし、
それなりに興味もあったのだが、いかんせん胡散臭さは特級品。
得体の知れなさ加減ではドローンが出たての頃と肩を並べる。

実際の使い心地がどんなものかは
Youtubeあたりでも観られるようになってきたが、
どれも海外からの並行輸入品ばかりで、
国産はもちろん、日本国内に正規の代理店をもつブランドも
存在していないので、なかなか手を出しづらかった。

このテのモノに手を出す場合、アフターサービスなどに
期待していけないことは、すでに暗黙のルールではあるが、
それにしたってどこまで配慮されているのか、
せめて企業姿勢とか哲学とか、印象論であっても安心材料は欲しい。

そういうとき、開発段階からプレゼンテーションされる
クラウドファウンディングの説得力は高い。
あくまでも私の場合は。だが。

しかも、早期投資限定の特別価格が設定されており、
実売価格8万円とされるものが、数量限定ながら半額に設定されていた。
・・・のですが、
ウジウジと悩んでいるうちにそのクラウドファウンディングは終了してしまい、
結局その時は買えず終い。
もちろん半額で買える機会を逸したのに、正価で買うような負け戦はできない。
とはいえ、こういったキワモノの類は
「買ってはみたもののやっぱり要らない」という、私のような変態とは違った、
いたってまともな判断をされる方が出て来るのもまた世の常。
その後も一応捜査態勢は敷いておいた。

すると案の定、デリバリーが開始された頃にその網に出物がかかりはじめ、
結局クラウドファインディングの時と同程度の値段で
中古を手に入れることになってしまった。後悔先に立たず。

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というわけで、『Team Gee H8』はいよいよ私の元にやって来た。

すでに多くのブランドから電動のスケートボードは登場しているのですが、
この『Team Gee』をはじめ、比較的新しいモデルは、
一見しただけでは、それとは知れないくらい、さりげな〜〜く電化されている。
10plyのカナダメイプル材+グラス材1plyのデッキの中に、
薄型のバッテリーがきれいに収められていてとてもスマート。

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そして、インホイール・タイプのDCブラシレスモーターを
採用していることも最新モデルの傾向だ。
(電子制御)ギアは3段階。最高速は25km/h。航続距離最大16km。
モーターは片側だけの一輪駆動だが、15°程度までの坂なら登れてしまう。
インホイールなので、取って付けたような付属物が少なく見た目がとてもスマート。

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上の画像は『STARY』という競合製品。
同様にインホイールタイプなのだが、このようにケーブル類が剥き出し。
せっかくのインホイールなのに台無しだと思うのは私だけだろうか?

このブラシレスモーターはほとんど駆動音がしないところもスマートなのだが、
ホイールがアスファルトを叩く音はやはりするので、
普通のスケートボードを走らせる程度の走行音はする。
なので無音で背後から迫るプリウスのようにハッとさせられることはないが、
漕ぎもせずに平地や登り坂を進む姿にいぶかしげな視線を送られることもしばしばだ。

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重さは約5kg。
普通のスケートボードだと思って抱えると重いと感じるが、それは最初だけ。
一度乗ってその安楽性を知ってしまうと、むしろ軽いと感じるレベル。

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操作は充電式の無線コントローラーのダイヤルで行う。
ダイヤルを押す方向に回せば発進しそのまま加速する。
ダイヤルは正立位置で固定されるようにできており、
そこから引く方向に回せば後進するのかと思いきや、
そうではなくダイヤルを引くとブレーキが効く。

下り坂などでこのブレーキを効かせると電力が回生(充電)されるところもミソ。
ちなみに別のスイッチ操作で後進もするがあまり使う機会はないように思う。

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発進はデッキに乗ったところからでもできるが、
まあまあ元気よく飛び出すのでゼロ発進だと怖い。
電源が入っていなくても、普通にプッシュして走らせることができるので、
プッシュしてある程度スピードに乗せてから
コントローラーのダイヤルを押して駆動力を与えた方が安定するし、
何よりいつも通りの感覚で乗れるので違和感がない。

インホイールモーターのためだと思われる大径ホイールに加え、
時速25kmを受け止めるべく設定されたワイドなトラック、
そしてかなり硬めのブッシュにより、
いつものスケートボードのようにスラロームしてダウンヒルを楽しむには、
いつもの倍以上の道幅が必要になってしまうが、回生ブレーキがあるので、
むしろ道幅の狭い下り坂であっても難なく降りて来ることができるのはメリット。

もちろん平地であっても完全停止までのブレーキ操作を受け付けてくれるが、
スノーボードでストップスノーに乗ったときのように足を引っぱられるので、
最初だけだが慣れは必要。
とはいえブレーキはあれば何よりも便利な装備であることは言うまでもない。

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『H9』というデュアルモーター(二輪駆動)で最高速度45km/hを誇る
ハイパワーモデルもあるが、正直そこまでのスピードは要らない・・・
・・・と、ずっと信じてきたのですが、
残念ながら25km/hにはすぐに慣れてしまった。
やはりスピードには毒性がある。
なので、いつもスケートを楽しんでいるスピード操作に免疫のある人なら、
迷わずハイパワーのモデルを選ぶことをお薦めする。

いつものスケートボードに乗って、
ダウンヒルでターンを楽しむことも止められないが、
下り坂がなくても、電気があればスケートでするターンが
気軽に楽しめてしまうのは、それはそれですごいことだと思う。

スノーボードにスキー場のリフトがあるのと同じ、
とも言えるスケートボードの電化だが、
違うのは家を出てすぐにそれを享受できてしまうところだ。
(もちろん公道は走れないことは言うまでもないが・・・)
あとはスクリューで自走し、波の小さな日でも乗れる
電動サーフボードの登場を待つしかない。

そして、こういう遊び道具で遊ぶ場所に事欠かない埼玉もまた、
改めて最高だと思う今日のこの頃であります。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
電動スケートの話をしておいてなんですが、
“人力スケート”の方も細々いじっています。というお話。
お楽しみに。
  

テーマ:サーフィン・ボディボード - ジャンル:スポーツ

2019.06.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

聖杯たちの騎士(2015)

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前作『トゥ・ザ・ワンダー』に続き、テレンス・マリックの描く、
映画というよりも美しい詩のような映像集と言った方が適切な作品。

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脚本家として成功した男が、
成功したが故に浮き足立つ自身と、
地に足を着けたいと願う自身とのあいだで迷いつづけていく姿を
カメラはただ淡々と追い続けていく。

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その迷いの旅路の果てに、
6人の美しい女性たちと出会い、
運命という答のない、実像のないものへの問いかけが、
女性たちを通し、繰り返し綴られていく。

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映画らしい物語もセリフらしいセリフもなく、
今作の意図するところも、これを観る者の視聴意欲ともなる目的すら
一切提示しないテレンス・マリックの独特な作風は
今作でも変わるところがない。

それなのに彼の抱える心の傷や葛藤が、
痛いほど伝わって来るのはなぜなのだろう。

ときに「聖杯」に喩えられるように、美しくも儚い女性たちを守る騎士として、
ときに母に赦しを請う息子として、自身の迷いの答と、自身の行いに赦しを求めながら、
互いに与え、そして奪い合う男女の様は説明が要らないほどシンプルで重厚だ。

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「Don't think. Feel.」
とでも言いたげな、情緒的な世界観だけが2時間のあいだ流れ続ける。

だからといって、これが退屈かというと決してそんなことはなく、
意外と2時間きっちり観続けることができてしまう。
もちろん、好き嫌いのはっきり出る作品だし、
好きであったとしても、観るときの情緒にも大いに関係してしまうであろうが、
だからこそハマったらかなりヤバい中毒性の高い作品だ。

そもそもこれだけ実験的な作品がYoutubeなどではなく、
有料コンテンツとして劇場配給されてしまうこと自体がほとんど奇跡だが、
そんな作品にクリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、
ナタリー・ポートマンなど一流の俳優陣が揃ってしまうあたりに
テレンス・マリックのカリスマ性が垣間見える。

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当初『トゥ・ザ・ワンダー』の主役はクリスチャン・ベールで
企画が進行していたが、スケジュールの関係で
ベン・アフレックに交代してしまったらしく、
私は是非クリスチャン・ベールの方が観たかったと書いたが、
図らずも今作でその希望は叶った。

やはりクリスチャン・ベールの憂鬱な繊細さは
テレンス・マリックの作風に合っていると私は強く思う。
ベン・アフレックはテレンス・マリックの映像に出るには健康的に過ぎる。
病的なほどに不均衡な精神性が必要なのだ。

美しい映像だけでも癒やし効果抜群。
海をテーマにしているのか、
単にテレンス・マリックが海が好きなだけのかはわかりませんが、
この『聖杯たちの騎士』でも全編美しい海の情景が並び、
海好きにはたまらない映像集にもなっています。

まるで音楽のない2時間のミュージックビデオのような映画です。
優しい気持ちになったときに、ゆったりとした気持ちで観ると
尚良いと思います。
(私は大好きですが、言ったように好き嫌いの激しく出る作品なので、
 オススメ度:50)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
海をサボってでも楽しみたかった新しい玩具のお話です。
お楽しみに。  

テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画

2019.06.21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

物語のおわり

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大きな街へ行くには山を越えて行かなければならないような山間部の小さな町。
そこで暮らす中学生の絵美は、山の向こうにひろがる世界を空想しながら、
ノートに小説のまねごとを書きためていた。

実家の小さなパン屋を手伝っていた絵美は、
昼食のサンドイッチを買いに来ていた高校生の公一郎、
“ハムさん”と出会い、いつしか付き合うようになっていった。

取るに足らないような毎日を過ごしながら、
二人は親の公認をとりつけ、ハムさんと婚約を済ませていた。
そんなある日、街へ出て行った友人から、
有名小説家の弟子になる誘いを受ける絵美。
その誘いに乗るにはハムさんとの関係は断つ必要があり、
地元の町での堅実な生活を選ぶか、自身の夢を選ぶかの狭間で揺れる。

そして、町を出る決意をした絵美は、一人バスに乗って駅に向かうが、
そこには事を察したハムさんが待っていた・・・

というところで終わるコピー用紙に書かれまとめられた
私信のような小説『空の彼方』を、北海道へ向かうフェリーで、
萌という少女から受け取った智子。

智子は父親をがんで亡くしており、
智子自身も妊娠後にがんが発覚していた。
それでも子供を産むと決意した智子は、
思い出の地である北海道へと、フェリーで向かっている途中であった。

その唐突な物語の終わり方が、果たして意図された表現なのか、
もしくは書きかけなのかも不明な『空の彼方』であったが、
「現実を生きるか、夢に挑むか」という誰しもに訪れる
究極の選択で終わることに、智子はこの物語の伝えようとする意図を汲み取る。

そうして智子は、この物語の主人公の絵美が、
駅で待っていたハムさんに説得され、その場は一旦家に戻るが、
きちんとハムさんを説得して改めて夢に挑んでいく絵美を想像し、
それが『空の彼方』の結末であると想像する。

プロカメラマンになる夢を諦め、家業を継ぐことに決めた拓真は、
富良野のラベンダー畑で観光中の身重の女性にカメラのシャッターを頼まれる。
そのあとその身重の女性と、周辺のラベンダー畑を
自身の車に乗せて回ることとなった拓真は、その女性に
夢との決別を誓って訪れたのが今回の北海道旅行であることを告げる。

その身重の女性が前章の智子で、
別れ際に智子は『空の彼方』を拓真に託すことにする。
拓真は、芸術を志す者は夢を追う前にまず自身と向き合う必要があると
その未完の物語から答を得る・・・

そうして『空の彼方』は、
映像制作会社に内定が決まり、北海道に輪行に来ていた綾子、
学生時代に付き合っていた彼女が妊娠し、そのまま学生結婚して
苦労しながらも一人娘を育て、
久しぶりにオートバイで北海道にツーリングに来ていた木水、
少女時代に憧れた年上の男性への思いを、急激に冷めてしまうように無くし、
以後40才を過ぎるまで脇目も振らずにキャリアに没頭してきた
あかねの手に渡っていく。

そうして様々な人々に気づきを与える『空の彼方』を最後に受け取ったのは、
ハムさんこと、公一郎であった・・・
公一郎は実在しており、そしてこの物語は実話であったのだ。

そして、『空の彼方』には実はつづきがあることが知らされる。

というお話。

個々の登場人物の『空の彼方』への感想が、
それこそその人生ごとに違い、そのどれもに共感できてしまう。
それほどに、退屈にも思える変哲のない毎日が地続きのような人生と、
「夢」という不確かなものへの羨望という2つの人生の岐路は、
それを掴んでも、そこから逃げても、どちらにしても
その人生に意義をもたらすものだと、読む者に伝えてくる。

もちろん、最後に明かされる『空の彼方』の本当の結末にも
グッとさせられるとても良い話です。

湊かなえという作者の懐の深さを、
またしても痛烈に知らされた快作でありました。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて明日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
2015年公開、鬼才テレンス・マリック監督作『聖杯の騎士』の感想です。
お楽しみに。  

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

2019.06.20 | コメント(0) | トラックバック(0) |

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埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

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