ロブスター

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世の中に独身者のいない社会、
独身者は隔離され、最期は動物に変えられてしまう社会。

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注:以下、ネタバレします。
予告編を観て、興味が湧いたら迷わず本作を観て、
観終わってからこの先を読んでください。

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理由が何であれ、離婚してしまい、独身者に戻ると逮捕され、
『ホテル』と呼ばれる更生施設へと送られてしまう。
そこで行われる様々な婚活パーティーを通して、
45日間で新たなパートナーを見つけなければ、その施設を出ることができない。
もし、その45日の間にパートナーを見つけられない場合は、
特殊な“装置"によって、入所時に自身で指定した
「動物」に変えられてしまう。そういう世界。

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その世界では、パートナーとの相性がとても重視されていて、
更生施設では、婚活パーティーの他にも、
パートナーとの関係を深めるためのマナーアップ講座も開催され、
中には、パートナーが食事中に喉に物を詰まらせたときの対処法なども
レクチャーされていたりする。

もちろん中には、45日間でパートナーを得られず、
動物にされることを恐れて脱走する者も現れる。
追っ手を逃れた独身者たちが集まり、
森の中で彼らだけのコミュニティを作り、隠れるように暮らしていた。
しかして、そこでは既婚者の世界とは逆に「恋愛禁止」が徹底されていた。

更生施設に送られた人たちは、麻酔銃を与えられ、
森に潜む独身者達を「狩る」仕事もこなさなければならず、
しかも、一人独身者を捕獲するごとに、
45日間だけだった期限が延長されるルールがある・・・・・という世界。

その施設に収容された、もしもの場合は「ロブスター」に変えられることを
希望するデヴィッド(コリン・ファレル)も、新たなパートナー探しをはじめるが、
そこで選んだ相手は、考えられないような冷血漢で、感情が全くない女性であった。
その女性は、感情のない代わりに、狩りの能力に異常に長けていて、
それまでに多くの独身者を捕獲しており、
すでに125日間の活動猶予を得ているほどだった。

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もちろん、ただ施設を出たいという思惑で、
手短に相手を選んだだけで、そんな感情のない相手とは長く続くはずもなく、
デヴィッドはその相手を「動物に変えて」森の中へと逃げ出してしまう。
そうして独身者だけが暮らすコミュニティで暮らしはじめたデヴィッドであったが、
こともあろうか、そこで運命の相手と言っていい、
「近視の女」(レイチェル・ワイズ)と出会ってしまう。
しかして、そこはもちろん恋愛が禁止された世界。

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二人が愛し合うことを独身者たちにも知られてしまい、
いよいよ居場所を失った二人は果たして・・・・


という、不条理極まりないな世界を舞台にした、かなり奇想天外な物語。

結婚とは何か?社会とは何か?
ほとんど冗談にしか感じられない舞台設定によって、
世の中に存在する「モラル」や、「社会適合性」といった
思想や価値観に波紋を与える、『コンビニ人間』にも通ずる、
強い風刺の効いた物語でありました。

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カンヌでパルムドールを獲得し、アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた
本作のメガホンをとるのは、ギリシャの監督であるヨルゴス・ランティモス。

映画の冒頭で、車から降り立った女性が、草原に佇む黒いポニー(小型馬)を
銃で撃ち殺すシーンからいきなり始まる
(観終わると、その女性はポニーにされた誰かの近親者、ひょっとすると、
 別れた奥さんかもしれないと思い至る)
今作は、そんな舞台設定のみならず、その演出もかなり奇抜だ。

上に書いた私の説明も、観終わってそうだと気づいたもので、
不可解な時代背景や、舞台設定、施設のルールや、この世界のあるべき目的など、
劇中では一切の説明も解説もなされないまま、
観る者はある意味放置されたままで、この迷宮のような物語の中に放り込まれる。

でも、トリセツがなくても使えてしまうiPhoneのように、
そんな極めて理解しがたい設定や、この不条理な世界のルールが、
観ているうちに不思議と理解できるようにできていて、
そういった部分にこの監督の持つ非凡な才能を垣間見ることが出来ます。

奇抜でブラックなコメディ、もしくは下品なB級作品のようでいて、
実はもの凄くしたたかな計算と、
緻密に練り上げられた脚本を持たされた作品でありました。

松本人志が観たら、これはかなり悔しいだろうなあ。と思わずにいられない
そっち方面の良作であります。

オススメ度:70
  

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2017.09.29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

蜂蜜と遠雷



奥田 陸の『蜂蜜と遠雷』を読みました。

内容を一言で言うと、ピアノコンクールを舞台にした「スラムダンク」、
「キャプテン翼」、もしくは「ドカベン」。ひょっとして「美味しんぼ」。

すでにこの世を去った、業界に一家言ある世界的に著名な音楽家が、
彼のコンクールの参加に際して、
まるで遺言のような推薦状を持たせるほどの天才少年、風間 塵(かざま じん)。

かつて天才と謳われその名を世界に轟かせたが、
母親の他界を機に、ピアノへの情熱を失ってしまった、
これまた天才少女、栄伝亜夜(えいでん あや)。

次代を担う世界的な音楽家を師事し、すでに完成された音楽観を持ち、
実績も充分以上に積み上げてきている、
優勝候補筆頭のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。

この実力者三人以外にも、家族を持ち、年齢的にも、
そして環境的にも恵まれているわけではなく、
これが最後のコンクール出場になると決意するピアニスト、高島明石など、
個性豊かな三人の天才と、決して才能に恵まれてはいないが、
情熱を持って音楽に取り組む者たちが織りなす人間ドラマが
この『蜂蜜と遠雷』。

物語は「吉ヶ江国際ピアノコンクール」の、
エントリーから、第一次〜二次〜三次予選、そして本戦までを、
コンクールの進行に沿って描かれていく。
なので、本編のほとんどはコンクール開催期間中の数日の出来事。
それでも、上下二段組みのページレイアウトで500ページに及ぶ大作は、
そのほとんどが演奏中の無意識の意識と、
それを聴く者の感慨や感想で構成されている。

もちろん、文章だけで、実際に聴いているように表現することはできない。
実力者達の演奏を、客席に陣取るライバルたち、審査員らが評することで、
あたかもそれが自分の感想であるかのように読み聞かせながら、
素人には垣間見ることすら出来ない、高度な技術を解説する手法は、
そのまんまスラムダンク。

クラシックなんて1mmも聴かない、
ピアノコンクールなんて、その存在自体知らなかった私にとっても、
まるでスポ根ドラマのような、ライバル達とのしのぎを削る
切磋琢磨の様子と、互いを認め合う、高度な技術と感度を持ち合わせた
好敵手同士だからこそ共鳴し合える世界観には、
読んでいて素直に没入することができました。

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なので、読み進むにつれ、「オレは仙道」「私はゼッタイ流川」
「海南の牧もシブいぞ」「やっぱり花道でしょう!」といった具合に、
おのずとご贔屓の登場人物が決まり、
素直にその人物の活躍やその才能が評価されていく様を、
我が事のように楽しむことができるので、
このコンクールの行方と結果を、ドキドキしながら、
最後まで一気に読み進むことが出来ます。

つまり、かなりストレートな青春活劇と言っていい作品だと思います。
誠に分かりやすい一冊でありました。

ただ、音楽の表現技法や、演奏者の思い入れ、もっと言うと、
作曲家がその曲に籠めた思いや、曲が書かれた時代背景に、
情景描写などを説明する文章は、私にはあまりに詩的に過ぎ、
少々過剰表現に感じられてしまう部分もありました。
気持ち胃もたれ。よってナナメ読み。

逆に、そういった詩的な文章表現がお好きな方なら
尚楽しめる作品ではないでしょうか。

ふだん本を読まない方にも、とても読みやすい一冊だと思います。
  

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

2017.09.28 | コメント(0) | トラックバック(0) |

R1200GS - フロントディスクローター 再交換

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フロントのディスクローターを交換したのは昨年の8月のこと。
上の画像はそのときの交換前の使い古したローター(上)と、
中古ながらもまだ新しいローター(下)の画像。

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それからちょうど10,000kmを走った時点の画像がこちら。
新車で乗り始めてから10万キロを超したディスクローターと較べれば、
かなり速い速度で偏減りしていることがわかる。
でも、たった1万キロ走っただけで、またフロントのディスクローターを
交換しようと思ったのは、そんな目視での問題ではなく、フロントブレーキが、
神経に障るような高周波で「キーキー」と鳴くようになってしまったからだ。

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減ってしまったブレーキパッドの方を先に疑って、
すぐにパッドを交換したわけだが、それでもブレーキ鳴きは収まらなかった。
そしていよいよディスクローターを疑いだしたわけだ。

もちろんそれにも伏線はあって、それは、
前の記事にも書いたが、交換したローターが中古であることに加え、
BMWのどのモデル用であるのかが分からないという点だ。

私の知る限り、外径305mmの5穴のディスクローターは、
04〜のR1200GSと、R1200Cが採用していて、
それまで使っていた外したローターのドリルホールとも、
明らかにそのデザインが違っており、だとするとR1200C用であるらしかった。

R1200Cはハーレーを彷彿とさせる、大陸的なツーリングモデルで、
間違ってもスポーティーモデルではない。
その乗り味に大きく影響を及ぼすディスクローターの素材が、
R1200GSとは違う可能性は高く、だとすれば、
推奨されるブレーキパッドの素材もオーガニック系である可能性が高い。

私はそれまでと変わらずに、
シンタードメタルのブレーキパッドを使っていたので、
想定以上にディスクローターの減りが早かったのかもしれない・・・
・・・という疑念がずっと残っていた。

疑いだしたら、その疑いを晴らすまで、その悩みは片付かない。
もちろん、ブレーキ鳴きの話だけで、制動力自体に不満はなかったので、
オーガニック系のブレーキパッドを試してみるのも一興ではあるのだが、
ダブルディスクのフロントブレーキパッドの価格もバカにならないので、
無駄な寄り道はせずに、ディスクローターの交換に踏み切ることにした。

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もちろん、事の真偽を確かめるためにも、
得体の知れない中古パーツはもう使えない。
とはいえ、高価な純正パーツを新品で買う金ならないので、
新品ではあるが、とても怪しいノーブランドの中国製にしてみた。

怪しいのではありますが、「GB 2Cr13」というステンレス鋼であることが、
きちんと明記されていたことが、これに決めたポイント。
「GB 2Cr13」とは、JIS規格のSUS 420J1に該当する、
中国の国家規格「GB」による製品らしい。
送料を入れても1.3万円ほど。しかも2枚セットの値段だ。
安いは安いが、得体の知れなさ加減では、
中古部品よりも更に上を行っているかもしれない・・・
事がコトなだけに、正直チャイナ製に手を出すのはかなり気が引けたが、
この際、これもネタだと思って人柱になってみる。

んで、すでにチャイナ製ローターに交換してから1,000km以上が経過した。
交換直後は、通常走行からの信号や一時停止のときに、
速度が40km/h程度まで下がったあたりで、
わずかながらジャダーのような振動が発生していたが、今はそれもなくなった。

もちろんブレーキ鳴きも収まり、
ブレーキタッチにしても、まさに新品ローターのそれで、とても良好だ。
ABSの作動も滑らかだし、今のところ制動距離を含めて性能に不満はない。

耐久性も含め、
もう少し様子を見てまた何かあれば報告いたします。
  

テーマ:バイク用品 - ジャンル:車・バイク

2017.09.27 | コメント(0) | トラックバック(0) | R1200GS

芽育 Baked Hill 2号機

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近ごろスケートボードが(も)楽しくて仕方がない話は、
昨日もチラっとさせていただきましたが、
そんな気分を加速させている、もしくは起点となっているのは、
もちろんお買い物であったりする。

芽育のスケートボードデッキ『Baked Hill』を、またもや手に入れてしまった。
ちなみに7ply - 32 inch x 8.75 inchと、サイズまで同一・・・

要るのか?要らないのか?と問われれば、
もちろん、同じモノを2台も要らないに決まっている。
でも、欲しいのだからこの際仕方がない。
他人に厳しく、自分に甘い私の場合、自身の欲望には極端に素直だ。

そしてその欲望とは、こちらでも再三に渡って申し上げているとおり、
モノとしての佇まいや存在感、それ故の説得力の高さに他ならない。

さておき、今回は1号機のために買ってみて、
とても調子の良かった芽育のホイールも併せて欲しかったので、
デッキだけ買うのではなく、いっそLADEさんの組んだ
コンプリートを買ってみることにした。

こういう機会、というか、こういうアホなこともなかなかないと思うので、
新旧2つ並べて記念撮影をしてみた。
すると、意外や意外、同じモデルと言いながら、細々と違いがある事が興味深い。

一番上の画像でも分かるように、まずトップ付近のシェイプが違う。
まあ、サーフボードやスノーボードと違って、この部分の差違によって、
滑走感に違いが出るわけはないので、これは単に好みの問題でしかない。
むしろ、シェイパーが一台一台、手作業で生み出しているということが、
実感として伝わって来ることの方が何倍も嬉しいし、
ハンドメイド故に「まったく同じ物はない」という真実は、
こういうアホな買い物にとって、大きな大義となる。

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クラフト的な部分以外にも違いはあって、
前後のホイールベース(軸距)は、取り付け穴ベースで、
新しい方が4cmほど長くなる設定に変えられていた。

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これはデッキの問題ではないが、今回コンプリートとして組まれてきた、
LADEさんセレクトのACEのトラック(22)は、
1号機のINDEPENDENTのトラック(109)のトレッド幅よりも1cmほど狭い。
いずれにしても、乗り味に何か違いが生まれるような差ではない(とは思う)。

『SATORI x MAKE コラボWheel』は、
Baked Hill -1号機を手に入れたときにはまだなくて、
しばらくダウンチルホイールで乗った頃にあとから発売された(と思う)。
ブランドの統一感に無駄に敏感な私が、見た目だけで購入したモノであったが、
デザインに一貫性が生まれるということだけに留まらず、
私には、この63mm/80aの芽育ホイールの方が、
下り坂でのコントロールが抜群にしやすく、
以来お気に入りになっているホイールだ。

デッキとホイールの相性なのか、単なる好みの問題なのかはわからないが、
私がイメージするターン弧と、実際のターン弧にズレがなく、
しかも、そのターン弧が、ダウンチルホイールの描くものよりも小さいので、
まだまだスピードコントロールに難のある私には、
驚くほど操作性が高くなったように感じた。

なので、今回2号機を購入するにあたり、
このホイールが手に入ることが大前提でもあり、
消耗品でもあるホイールを、もう一セット持っておけることも
今回のこのアホな買い物の目的のひとつでもありました。

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デッキの特性とは何の関係もないが、
今回コンプリートで組んでいただいたことで、一番に驚いたのが、
後側のトラックの下に着けるアングルの付けられたライザーパッドの向きが、
一般的な方向とは前後逆に装着されて届いたことだ。

以前、SNSで見かけたBaked Hillのライザーパッドが、
同じように逆向きにセッティングされているのを見たことがあって、
真似したこともあったのですが、その頃の私にはピンと来ず、
一般的な前後互い違いになる向きのセッティングに直してしまっていた。

せっかくなので、新旧のBaked Hillで、
ライザーパッドの向きが違うセッティングのままで乗り較べてみた・・・
・・・・のですが、双方の違いを一番に感じるのは、
やはりブッシュの硬さの違いで、それ以外のことは、ワシにはよーわからん。

そんなわけで、ブッシュの違いしかお話できないが、一応しておく。

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グラつきを抑えるためにブッシュを硬くすると、今度は曲げづらくなるので、
そこから一段ずつ柔らかくして、結果的に一番柔らかいものに落ち着く〜〜
という素人丸出しのパターンを経て、私は今に至るが、
今回組まれてきたブッシュはACEのトラックに標準で装備される、
感触的にはミディアム程度以上の硬さのもの。

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上の画像をご覧いただければお分かりのように、
ビビリな私は、スピードが出ないように、かなりの小回りをさせている。
いつものソフトのつもりで、このミディアム以上ある硬さのブッシュを踏むと、
トラックへの入力が遅れるぶん、スケートがタテに落ちていってしまうので、
スピードは乗る傾向になり、やはりこれだと怖い。
ただ、これくらい硬いと、コンベックスされたデッキのソリッドな反応が、
より明瞭になってくるので、そういう意味ではこのセッティングも楽しい。

道幅があと50cmほど広いか、斜度がもう10°ほど緩くなれば、
私でもこのセッティングで楽しめると思う。
ブッシュセッティングは奥が深いので、これを機にもう少し探ってみようかと思う。

といったわけで、案の定、私には見た目の違い以外に、
足回りの違う2つのスケートの持つ、乗り味の違いまでは分からなかったが、
それでも、ほんの少しだけ違うイイモノを、
2つも手にできた満足感はとても高い。

設計意図や乗り味、性能と言った価値観に限らず、
デザインや工作技法に、こういった温もりすら感じさせる処理方法など、
作り手の気持ちやセンスが色濃く反映されたプロダクトを手にしたい。
そして、そんなお気に入りだからこそ、乗れるようになろうと思えることも、
何事にも腰の重い私には大切な要素だ。

というわけで、この一見無駄な二台持ちはこの際、
ヨコノリライフの必要経費ということで一件落着とさせていただこうと思う。
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2017.09.26 | コメント(2) | トラックバック(0) | スノーボード

さえない三連休と、超絶にダサい車検シールの話

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敬老の日の三連休は、完全に台風18号に持って行かれた。
なにも連休の真ん中に関東に最接近しなくてもいいのに。
もちろん最接近していなくても、
台風がいるだけで天候はかなり不安定になるので、結局、海も山も行けず終い。

ただ、そういうときこそスケートだ。
家を出た瞬間から遊べるスケートは、
こういときにこそ、その威力を発揮してくれる。
またも近所の坂に繰り出して、膝が笑うほど滑り倒した。

滑り倒すと言っても、坂を歩いて登るのに疲れるだけで、
滑って疲れているわけではない。
勾配5%ほどの100m弱の坂を10往復もすると、そこそこヘバる。
つまり、やっても1時間程度が関の山なのだが、
それでも楽しくて仕方がない。

私の場合、何かトリックめいたものをしているわけでもなく、
単に坂をジグザクにターンしながら下っているだけで、
ハタ目には、何が楽しいのか、さっぱり分からないかもしれない。

でも、ブレーキのないスケートで、
幅5mほどの道を、速度を一定に抑えながら滑り降りるのは、
仮にもブレーキをかけることのできるスノーボードで
斜面を滑り降りるよりも難しい。あくまでも私にとっては、だが。

一回でもターンをサボると、すぐに制御不能に陥り、
そのあとに恐ろしい結末が待っているので、
最後まで気が抜けないのだが、近ごろやっと、
ある程度気を抜いて、鼻歌交じりでも降りてこられるようになった。
進歩と成長を実感できると、その遊びは俄然面白くなってくる。

もちろん道具に対する理解もそこには含まれるが、
そのあたりの話はまた今度。

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そんなわけで、雨が降らなかった、台風が到達する前の土曜の午前中と、
過ぎ去った後の月曜日にスケートした他は、
車検に向けたR1200GSのメンテナンスと点検に勤しんだ以外、
日曜丸ごと一日を含め、家から一歩も出ずに終わってしまった。

おかげで大量の映画を観られたが、
なんとも締まらない三連休となってしまいました。

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んで、
連休明けの火曜日に、例によって出社前のエクストリーム車検。
書類の記入に一番時間と手間をとられるほど、もう手慣れたものだ。
特に、ほとんど毎日乗っているR1200GSならば、
自信を持って臨めるので、そのあとすぐに会議の予定を入れていても、
何の問題もない。サクサクと終えられる。

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そんなサクッと済む話、ここで繰り返ししていても仕方がないのですが、
今回したかったのはこの車検シールの話。

クルマはフロントウィンドウ、
オートバイはナンバープレートに貼ることが義務づけられている、
車検の期限を示すこのシール、実は今年から変更されていたのを
ご存知だろうか?

私は知らなかったので、検査に合格して、
車検証と一緒にこのシールを手渡されたときにはちょっと面食らった。

何しろデカい。
最初は何かの間違いかと思ったほどデカくなった。

そして、何よりダサい。
この際、そもそもこの国のナンバープレートがダサいって話は止めておくが、
そのナンバープレートよりもセンスが悪いのだから始末に負えない。

視認性の向上が、何より一番の変更の目的だったのだそうだが、
それにしたって、この国のお役所関係の人間には、
「デザイン」という概念すらないのか????正直泣けてくる。

大切な愛車に、デザイナーや技術者が丹精籠めて作り上げたマシンに、
これを強制的に貼らされるなんて、はっきり言ってハラスメントだと思う。
  

テーマ:バイクの修理・整備 - ジャンル:車・バイク

2017.09.25 | コメント(0) | トラックバック(0) | R1200GS

エイリアン:コヴェナント

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このブログをご覧の皆さまの中に、
どれだけ、エイリアンと、リドリー・スコット好きがいるのかは分かりませんが、
もしいるとしたら、その皆さん全員と祝杯をあげたい。
そう思えるほど、『エイリアン:コヴェナント』は、
エイリアン・シリーズの信仰者にとっては、まさに金字塔となる作品です。

ご存じのように、『エイリアン』は第一作のみでリドリー・スコットの手を離れ、
『タイタニック』『アバター』のジェームズ・キャメロンによる
『エイリアン2』を経てからは、vsプレデター二作品まで、
どちらかというと「SFパニックアクション」という娯楽路線へ突っ走って来ました。
それはそれで、面白く観させていただいてきたのですが、
『エイリアン』の原点である「SFホラー」という位置づけに、
いよいよリドリー・スコット本人の手によって立ち返ることとなりました。

そんな原点回帰への期待を抱いていたところに、
『人類の起源』とか、かなりどうでもいいことを謳い文句にして登場した
前作『プロメテウス』に、そこそこガッカリさせられたあなたも、
ご安心ください。今回は『エイリアンの起源』であります。
やっとエイリアンフリークの期待通りの世界観に戻ってまいりました。

そもそもエイリアンの前日譚でありながら、
なぜに人類の起源を描こうとしたのか?
いかにリドリー・スコット好きであっても、少々理解ができませんでした。
そんな不満やら疑問やらを抱えて今作の鑑賞に臨めば、
そんな疑念もスッキリ爽やか、便秘の後の爽快感に似た、
晴れやかな気分になれることと存じます。

んで、これは私の想像なのですが、
『プロメテウス』制作中に、今作のアイデアが浮かんでしまったのでは?
というのが、私の推察です。
『プロメテウス』公開前にすでに続編の制作が決定していたことからも、
途中で大きく脚本を修正したように思えてなりません。
そもそも一本だったものを2つに別けたのか、
一本だったものに、あとから続編を追加するようにオチを書き換えたのかは
分かりませんが、それで、“あの” 歯切れの悪さに至ったのではないか?と。

いずれにせよ、『プロメテウス』と、『エイリアン:コヴェナント』、
両方観てはじめて一本に繋がる物語になっております。
制作サイドの意図と、興行側の思惑が、妙なところで一致してしまう
このテの2個セット、最近多いですね。

というわけで、エイリアン好きにとっては、
そんな消化不良が改善されることに加えて、
エイリアン誕生の秘密が解き明かされることになるので、
言ったような、格別の爽快感が得られるのですが、
そもそもエイリアンのルーツに興味のない方には「それがどうした」と、
思われても仕方がありません。

前作が人類の起源という、壮大な謎(に挑戦して負けてましたが)を
描こうとしていましたが、それは今作にも地続きで描かれており、
本作で明らかとなる、
「エイリアンという生物兵器が、如何にして生まれたのか?」
という疑問への答の中には、
知恵と知識を得た者のもつ、傲慢なエゴと、
それによって行われる神への冒涜への、強い批判が含まれています。

『プロメテウス』の中で「なぜあなた方は、私を作ったのですか?」と、
アンドロイドのデヴィットが乗組員に質問するシーンで、
「単にできたから」と、その乗組員は冗談で返しますが、
冗談を解さないアンドロイドは、
「その台詞をあなた方の創造主が、
 あなた方に言ったら傷つきませんか?」と真顔で返します。
この台詞の真の意味について、今作では「これでもか」というほど残酷な、
これ以上ない絶望として描かれており、
そういった部分は、エイリアン好きでなくても、
観る者すべてを心底まで考えさせるようにできています。

突然ですが、正直私は、昨今よく耳にする、「AI」なるものが嫌いです。

良い悪いではなく、嫌いです。
クローン人間が嫌いなのと同じ意味で、私はAIが嫌いです。
核爆弾と同様に、できるからと言って
作ってはいけない事、物のように思っています。
きっと、リドリー・スコットも同じように思っているではないかと感じて、
少し嬉しかったです。

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さておき、エイリアン好きからの素の感想をさせていただきますと、
まず、今作のエイリアンの動きは、まさにキレッキレであります。
一作目で、俳優が着ぐるみを着て演技していた事を思うと、
これは涙なくして語れません。

ただ、ほとんどアートと言って良いH.R.ギーガーが創造したクリーチャーは、
撮影技術的な理由から「見せたくてもあまり見せられない」という
葛藤を生み出し、それが逆に、絶妙な「寸止め感」「チラ見せ感」となり、
恐怖感を更に増幅させる結果となっておりました。
そんな恐怖感を、「全部見せ」の状態でも達成できるのですから
まさにCGさまさまであります。これぞ技術の進歩。
ある意味『ダンケルク』とは真逆の世界観。

いずれにせよ、そんな時代を経てきたエイリアン・シリーズだからこそ、
常に新しい衝撃の有り様を、見せ続ける責任があるのだと、
製作陣の強い意志を感じさせるところも、ファンとしては感激です。

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今作の主役はキャサリン・ウォーターストン演じるジャネット。

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キャサリン・ウォーターストンといえば、
近作では『ファンタスティック・ビースト』のティナ役が思い起こされますが、
それ故、この配役にも私はかなりの疑問を感じておりました。

しかし!

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観終わってみれば、誰もがシガニー・ウィーバーを思い起こすこと請け合い!
そう言えばシガニーも、当時は可愛い子ちゃんタイプでありました。
さすがはリドリー・スコット。初志貫徹。

そんな今作の “回帰” と “持続” の意思の顕れは、
例の、アトランダムに一画づつ表れる「AILIEN」独自の
冒頭のタイトル表示にも貫かれていて、
これもまた懐かしさと共に、あのタイトル表示が醸し出す、
第一作目を観たときの刷り込みのような深い記憶が蘇ります。

それと、今作でもリドリー・スコットさんは贅沢に、
否、豪華にシーンをカットしております。
毎作、DVDを買ってリドリーさんの解説付きで観直すと、
必ずお約束のように「テンポが悪い」とか、「物語の流れが淀む」とか言って、
公開版ではかなりのシーンをカットしていたことが分かります。

『ブレードランナー』では、「長すぎる」という配給側の意向で、
公開版を泣く泣くカットしたリドリー・スコットでしたが、その結果、
『ディレクターズカット』や、『ファイナルカット』版の登場という、
伝説を生み出すことになりました。
今では、こだわるが故に撮り過ぎてしまうシーンを、
自らカットするようになったわけで、時間というのは、
頑固な人の考えや意志まで変えるんですね〜〜これまた興味深い。

もちろん今作でも、そんなリドリー節は炸裂していて、
すでに劇場公開前からカットされたシーンが公開されています。



ちなみに、こちらの動画で「船長」と呼ばれているのは、
ご存じジェームズ・フランコさんですが、
なんと、本編にはほとんど出てきません・・・・ごっそりカットされてます。
有名俳優の登場シーンをこれほど大胆にカットしてしまうとは、
ケンカでもしたんじゃないのか?と心配になるほど、アッサリ逝かれてます。
リドリーさん、さすがっす!



こちらの動画は新型アンドロイドのテレビCM風を装っておりますが、
そういう意図で撮られたシーンでないことは、本編を観れば一目瞭然。
もっと別の深い意図で撮られていたことが分かります。
このシーンは入れておいても良かったのではないかと、
私は思うのですが。

というわけで、エイリアン好きなら絶対観るべし!ですが、
一般の方の場合 オススメ度:70
  

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

2017.09.22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

炭焼ハンバーグ戦争?ブロンコビリー参戦!

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先日掲載した『爆弾ハンバーグと、げんこつハンバーグお話』は、
おかげさまで内外から反響があり、
世のハンバーグ好きの多さを実感することとなった。

前回、atuが「さわやか推し」だと書いたが、
実は愛知県出身のatuのイチオシは『ブロンコビリー』なのだという。

そんなatuに後押しされて、Tくんもブロンコビリーに行ったそうなのだが、
宇都宮出身のTくんをして、地元のハンバーグの星『爆ハン』よりも、
こちらの『極み 炭焼き がんこハンバーグ』の方が、数段美味しいというのだ!

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これはもう放っては置けない事件だ!真相を確かめるため、
特派員はすぐさま『ブロンコビリー南浦和円正寺店』に向かった!

まず驚かされるのは、店内がキレイ。っていうかカッコイイ。
ブロンコビリーでは、厨房が客席から丸見えのオープンキッチンを採用していて、
それを中心に据えた店内の設えが、そのセンスと同じコンセプトで貫かれており、
ファミレス然とした『フライングガーデン』、『さわやか』に較べると、
かなり垢抜けていると感じざるを得ない。一枚も二枚も都会的な印象だ。
しかも、オープンキッチン化することによって、
食材や、調理方法への、自らの自信をゲストに感じさせる効果もかなり高い。

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もちろん噂の『極み 炭焼き がんこハンバーグ』を頼んだ。
『爆ハン』も、『げんこつ』も、丸い団子型だったのに対して、
こちらの『がんこ』は細長いソーセージ型。
カタチは違うが半分に割って、チンチンに熱せられた鉄板で、
その内側を焼くのは同じだ。

ただ、『爆ハン』と『げんこつ』との、最大の違いは、
炭焼きハンバーグの旨味を最大限に活かす、凝ったソースをかけるのではなく、
「岩塩のみで食べるのがオススメ」だという点だ!!!!!
鉄板に刻まれたシェフの白髭が岩塩。
さておき、なんという素材への自信なのだろうか!!!!

んで、実際に塩だけで食べて美味いのだから恐れ入る!!!!!
そして、

「ブロンコビリーは

 サラダバーが超美味いもんで」


とatuが言うので、いわゆるセットコースにしたのだが、
このサラダが本当にメチャ美味い!!!!
もちろん、サラダの美味さとはズバリ言って新鮮さに他ならない。
以前、美味いサラダバーを食べたくて『シズラー』に行っていた時期があったが、
それと肩を並べるほどの美味さで、しかも値段は高額なシズラーとは違い、
ファミレスレベルに留まっているから驚きだ。

そして、ごはんが茶碗(どんぶり)でサーブされるのも変わっているところ。
魚沼産コシヒカリを使用しているそうで、
しかも「大かまど」で炊きあげているのだそうだ。
とにかく、そのいちいちのこだわりが、説明なしに伝わって来る演出がスゴい。
そして、
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「コーヒーゼリーは

 ゼッタイ食べなきゃだめなもんで!」


と言うので、そちらも食べてみれば、これもまた美味い!!!!!
しかも、単品の別メニューではなく、サラダバーのカウンターに並ぶ、
これも食べ放題のメニューなのだから困ったものだ!

いやはや、マジに恐れ入りました。
結論を言えば、ハンバーグだけとってみれば、どちらも甲乙つけがたく、
三者三様にどれも美味しいのですが、
店の雰囲気も含め、総合的に判断すると、間違いなく『ブロンコビリー』一択だ。

しかもだ。
私が寄った時間が中途半端だったので、空いていたこともあるのかもしれないが、
帰りの際には、従業員がドアを開けて見送ってくれた。
なんというホスピタリティの高さだろうか!
隠し事のできないオープンキッチンにするということは、
かなり従業員教育が徹底されていないとならないはずだが、
奇しくもそれを証明することとなった。

これを負かすのは容易なことではないぞ〜〜〜〜と、
爆ハンの身内の気分の私は、勝手に思うのでありました・・・・・・
  

テーマ:こんな店に行ってきました - ジャンル:グルメ

2017.09.21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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