SURF & CAMP 2016 #1

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さあ今年もやりますよ!サーフ&キャンプ!!!
くどいようですが、数あるスポーツの中でも
サーフィンほどキャンプと相性の良い遊びが他にありますでしょうか!???

ありませんっ!

そしていよいよ今年初めて茨城県まで北上してまいりました。
やはり寒いのは嫌いですんで冬にはなかなか茨城には来られませんが
そろそろ水温も上がってきたことでしょう!

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土曜日の大貫ポイントは朝のうち曇り。
駐車場でブーツをお履きの方々を多くお見かけして、
それを見てつい5mmのウェットスーツを着てしまいましたが
ほんの最初だけ足と手にかじかむような水の冷たさを感じただけで、
2〜3回パドルでファイトするればすぐに汗をかくほど。
さすがにウェットなしだと凍えるでしょうから海水浴はまだ無理ですが
サーファー達にとっては茨城にももう夏到来であります。

無風で朝の7時頃はトロいながらも
セットでコシくらいはサイズがあったのでそこそこ楽しめた。
そこから時間を追うごとにサイズも波数も減っていってしまったが
面はきれいでパドルもしやすいし、オジサンは大好きですこの感じ。

今回は大量のキャンプ用品を満載して来ていたので
ボードはミッドレングスの1本のみ。
ルーフキャリアに積んでくればロングも持って来られなくもないのですが
先週ミッドレングスでコテンパンに伸されて、
正直今回はロングに逃げ込みたい気分でしたので
尚のこと自分で自分の尻を叩いて文字通りの背水の陣。

んで、結果的にそれが良かった。
ロングボードから見たときに感じていた
「短いからもう少しホレてる方が・・・」といった印象はとんだ勘違いであった。

さすがはミッドレングス、トロい波でもきっちり捕まえられる。
今さらながら選ぶ波はロングボードと被ることが解った。
ロングでも乗りやすい波で、ミッドレングスなりの機動力を
どう楽しむかがロングとミッドレンジの使い分けになるというわけだ。
そんなわけで、この日はここ二週の内に起きた
まるで呪縛のような悪夢から解放されるように何本も波に乗ることができた。

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あまりに楽しくてなんと5時間近く潮漬けになっていて
気がついたらインサイドは多くの潮干狩リストたちで賑わっていた。

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昼過ぎにキャンプ場に移動してビール片手にキャンプめし開始!!!!
今回は atu、OYくん、ユウタくん、ミナちゃん、テッちゃん、ハルちゃん、
チコちゃんに、TくんとTくんの奥さんのミキちゃん、
そしてお二人のBABYちゃんも来てくれた。

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今回の料理主任はatuが買って出てくれた。
私は一切料理はやらんのでおんぶにだっこ。
シェフのオススメを黙っていただく。atuゴチソーサン!

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そしてもちろん夕方になれば腹ごなしのサンセットライド!
今回はTくんがキャンプサイトから望遠で撮影してくれた。

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ユウタくん

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テッちゃん

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OYくん

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ハルちゃん(久しぶりのサーフィンですでにこのチョーシだ)

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私。
やっとこさミッドレングスに乗れてきた。
でも、先々週の和田でボヨつきながらもまさにサイズは2倍くらいあって、
そこからぐわっとホレ上がる波の合間に偶然乗れてしまったときに感じた
恐ろしいほどレールが面を噛んで回り込んでいった印象を考えれば
きっとこいつが本領を発揮するのは、この2倍くらいのサイズで
フェイスがばっちり張りながら長いこと割れないような
厚めの速い波のときのはずだ。

まあそんなときはどんなボードであっても楽しいのだろうが、
このボードだったら、速くもなく、遅くもなく、決して急かされることなく
かといってゆったりともしない独特な操作感が味わえることだろう。
いつかそんなパーフェクト・ウェーブで乗ってみたい。

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私とユウタくん、ミナちゃんを除き、みんな日帰り。
夜は夜で三人でBBQで盛り上がった。これまた旨しっ!

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料理はできるが、主婦のようなお買い物感覚はないatuが買い出しに行ったので
昼間の食材が大量に余っていたのだが、ニンニクだって全部食べちゃうぜ。

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もちろん今回も『横乗り映画祭』も併催だ。
加えて、三人ともスターウォーズ好きなので『フォースの覚醒』も観てしまった。

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そして翌朝は5時起床。
「撤収前に海に入ってそれから朝飯」なんて言ってはみたものの
予想ほど波も良くなかった。という言い訳のもと朝飯が先。

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結局入水したのは8時過ぎ。
曇りがちだった土曜とは違って日曜日は朝から陽差しが強くつまり暑い。
3mmのジャージフルで充分の気温だ。

土曜の夕方と同じくモモ〜コシ、セットでムネくらいの良波が
大貫らしく広い場所で割れているためサーファーも分散して
良い塩梅にみんなでシェアできている。

そんなハッピーアワーも1時間くらいで終わってしまい
だんだんと波の力も衰え始め、なかなかアウトで割れなくなった頃に
時を同じくして私も電池切れ。腕もう回らんし。

それでも良く乗ったわ〜〜〜幸せ〜〜〜

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やっぱりみんなが揃うとキャンプの醍醐味2.5倍くらい楽しくなるわ。
今回はハルちゃんがサーフィンを始めてくれたが、
すでにウェットスーツを購入されたミキちゃんに、
チコちゃんもその後に続いてくれるって話なので、
FUNウェー部、急速増殖中でありますっ!

今回は来られなかったFUNウェー部の仲間もまだまだいるし、
次回は更に大所帯になるものと思われます!!!
そのときはすでにキャンプ通り越して、フェスか祭りの様相でありましょう!
楽しみであります!!!!
  

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2016.05.31 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

真摯さについて

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もう二年ほど前になるが、いつもBMWのオートバイでお世話になっている
原サイクルの原 豪志さんが、ご自身のブログかSNSで、
ベクターグライドの秋庭将之さんと一緒に
ツーリングに出かけている投稿をお見かけした。

ほどなくメンテナンスで原サイクルにお邪魔した際にそのことを聞いてみると
原さんはまったくスキーをされないのでスキー事情には疎く
「秋庭さんって、業界ではそんなにスゴい方なんですか?
 まったく知らないんで申し訳なくて・・・」と
逆に秋庭さんに関して取材されたりしていた。
そのときに私がベクターグライドや秋庭さんに関して、
「言ったら平 忠彦みたいな人ですよっ!」とか、
あまりに熱弁をふるっていたことにかなり驚かれたようで、
「秋庭さんのGSをピックアップに行くついでに
 食事をすることになったんですけど、へそ曲がりさんもいかがですか?」
とお誘いをいただいてしまった。

原さんも、BMW、ハスクバーナ、国産4メーカーを扱われる
ディーラーの社長さんでありながらモンゴルラリーへの参加をはじめ、
メディアに多く登場するほどその筋ではかなり名の通ったプロ級のライダーで、
僭越ながら私が師範代と仰ぐお方だ。

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そして秋庭さんも私と同じR1200GSにお乗りになっている
オートバイ乗りでもあり、
しかも先日、MOTO NAVIの企画でオートバイ乗りなら
誰しもが一度は乗ってみたいと願うであろう『ホンダ RC213V-S』に
なんと茂木サーキットでお乗りになっておられるわけで、
そんな濃い目の方々からお誘いを受けて断る理由など私にあろうはずもなく
図々しくもお邪魔させていただくことにした。

スキーの話はもちろんのこと、オートバイのこと、そして
秋庭さんはモノ作りのプロデューサーというお立場、
原さんは販売会社の社長というお立場での仕事の話など、
とても興味深い話をたくさんお聞かせいただくことができた。

もちろんここには書けないような話も含め、
そのすべてをお話しすることはできないが、
何も書かないとただの自慢話に終わってしまうので
主に秋庭さんとのやり取りからいくつか披露しようと思う。

中でも私の印象に残っているのは、
「ベクターグライドと他のブランドとの差別化って、何か考えているんですか?」
と私が聞いたときのこと。

秋庭さんはそもそも「差別化」の意味が分からないといった表情で
明らかに私の質問の意図が読み取れない様子であった。
そこで「ベクターグライドの特徴って何ですか?」と質問を変えたところ
「私の思う“走る”スキーのこと」
要約するとそういった答を返してくれた。

つまり、一切の比較論のうえにベクターは存在していないという意味だ。

「アソコがそこを狙っているから、私はソッチ」みたいなマーケティング的な
他ブランドとの相互関係にはなく、あくまでも秋庭さんの思い描くスキーを創ることが
すべての目的の根幹にあるわけで「他にない」という観点では意識はするものの
どれかに似ているとか、どのカテゴライズに入るのだとかに
ほとんど意識は向いていないというわけだ。

マーケティング手法によって、多くの人々にそのブランドの意志を伝えたり
ブランドの価値を高めたりするのが私の仕事であるわけなので、
すぐにそのモノ自体をマーケティング的に計ろうとして
「違うものであること」という差別化の作業や、
「そこが市場に求められているから」といったニーズが
いつも発想の出発点になってしまう。
(よって「スノーサーフ」という差別化の定義を置くことで
 自らの特徴を標榜する手法は良く解るわけだ)

それだけに純粋に「自分の創りたいモノを創る」という何者にも不可侵で
シンプルな思いの凄さに圧倒されてしまった。素直にスゴいことだと思った。

それと、バターナイフとジーニアスが実は同時に開発がスタートされていて
ジーニアスの試作品のロッカーを含むボトムのラインが
秋庭さんの思い描く通りにできず、高価な金型を一旦捨ててまで
発売を一年遅らせたという話の中で聞いた、
どのようにして想像をカタチにするのかという話。

秋庭さんは競技時代に、フランス、オーストリアなど
多くのスキーメーカーとの協業を繰り返された経験から、
自然とシェイプとフレックスに関しての知識を蓄積されてきたのだそうで
スキーのシェイプを見て、そのフレックスを自らの手で確認できれば
乗らなくてもどんな板なのかはすぐに解るのだそうだ。

そんな秋庭さんの頭の中にはいつも複数のシェイプやフレックスが
それこそ無限大に浮かんでいて、時流に流されたり、トレンドを追うことなく
その中から「こう走るスキーがあったら面白い」と
秋庭さん自身が信じる組合わせを適切なタイミングで引き出して、
カタチにしていくのだそうだ。

どのメーカーにだって同じようなプロフェッショナルがいて
同じように想像から新たなスキーを生み出しているのかというと
そういった手法は必ずしもどのメーカーでも行われているわけではなく、
秋庭さんによると、企画、設計、テスト評価、フィードバックが
分業されてしまっており、誰か一人の想像を起点としながら、
分業された各パートにおいて価値観の一貫した製品づくりは
なされてはいないのではないかとのことだった。

つまり、それこそが「滑り手が作り手」である事の最大のメリットであるわけで、
最初に申し上げた「私の思う“走る”スキー」の具現化に他ならないわけだ。

それと、
知らなかったのは私だけかもしれないが、
ベクターグライドのスキーはすべてのエッジが
そのスキーの想定される滑りを実現する状態に最適化されてから
出荷されているのだそうだ。
つまりエッジチューンは基本的に必要ではない。

もちろんそれらはすべて手作業ということになるわけで
「ぶっちゃけ採算あってるんですか?」
という私の質問に秋庭さんはただ苦笑いを浮かべられていたが、

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例の20本限定のMastiffを生み出すためにその倍以上が廃棄されているという
お話を聞くに、そのこだわり方は言わば偏執的ですらあり、私の心象だと
どのモデルもかなりのバーゲンプライスにされているように感じました。
ちなみにそのMastiffのリミテッドエディションですが、
「もう二度とできないと思う」とのことでしたんで、
お持ちの方は絶対に手放されませんように!
(やむなく手放される場合はこちらまでご一報ください!)


そして話は自然とスキーやオートバイの
「これから」に関してのものになっていった。

実はスキー業界もオートバイ業界も、似たような先細りの状況にある。
市場を存続させるためには、スキーを楽しめるスキー場の在り方や、
スキーの楽しみ方を伝える教え方のベースになるものを考える必要がある。

昨今の都市部の若者は四輪の免許すら取らないような時代の中で、
オートバイもまた厳しい局面を向かえつつある。
ちなみに原さんによると日本での新車オートバイ購入者の平均年齢は
50歳を超えているのだそうだ。

あるとき秋庭さんがとあるスキー場のスキースクールで、
子供を叱りつける教え方をするインストラクターを見て、
「それではもうその子はスキーをやらなくなってしまう」と、
いつもは温厚な秋庭さんもそのときばかりは怒ったのだそうだ。

同じように原さんが経験したのは、
とあるライディングスクールを受けて帰って来たお客さんが
「私にはこのオートバイで教わったような乗り方は無理なのでもう手放したい」と
仰った例もあったのだそうだ。

その話のなかで秋庭さんが
「もっと真摯に向き合えればいい」
仰っていたのがとても印象的だった。

真摯。
それは何よりも相手のことを慮(おもんぱか)る姿勢のことだと思う。

やはり人は「上手くなりたい」の前に「楽しみをみつけたい」と思っているはずだ。
だからそのことに真摯に向き合えれば
人ぞれぞれの「楽しみ」を見つける手助けができるはずだし、
スキーもオートバイも多くの人に楽しみを与える存在になれるはずだ。


・・・と言った具合に話はどんどん深度を深め
6時過ぎからはじまった会は11時になってやっとお開きとなった。
実は秋庭さんはアルコールを一切口にされない方で、
原さんもトランポで秋庭さんのオートバイを引き揚げに来るとのことだったので
それならばと私もオートバイで馳せ参じていたことから
三人ともにシラフであったにもかかわらず妙に盛り上がってしまった。

もちろんここに書いた話以外にも、秋庭さんにはAventuraの乗り方を
原さんにはHP2 Enduroの乗り方をじっくり教わったことは言うまでもない。
役得でありましたが、何よりものずごい刺激をいただいたことが
最大の収穫でありました。

そんな貴重な時間をいただいた二人には、心からお感謝を申し上げたい。
ありがとうございました!
また是非ご一緒させてください!
  

テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

2016.05.30 | コメント(2) | トラックバック(0) | スキー

蜩ノ記(ひぐらしのき)

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邦画はあまり観ない洋物かぶれの私ではありますが、
時代劇は別枠でありまして、気になる作品があれば極力観るようにしている。

中でも現代社会が失ってしまった忠義心や礼節を描いた物語が好きで
そんな良い時代劇に出会うととてもうれしくなってしまう。

とはいえ、時代劇と言えども当たり外れはもちろんあって、
ハリウッド製の娯楽大作への期待から生じる外れたときの落胆ほどには
大きくはないにせよ、当たりの作品に出会う確率はそれ相応に高くはない。
なので、この『蜩ノ記』のような良作に巡り会うと、
ハリウッド作品以上にその歓びは大きくなる。


藩主の側室との不義密通の罪に問われ、切腹を言い渡された戸田秋谷(役所広司)が、
学問に精通していた逸材であったことから10年の猶予を与えられ、
その間に家譜の編纂を命じられとある僻村に幽閉されていた。
その猶予が残り三年となった時、城内での抜刀による傷害事件を起こしてしまった
檀野庄三郎(岡田准一)は、その罪の減刑の代わりに戸田の監視を言い渡される。

そうして檀野は戸田の幽閉されている屋敷で
戸田の妻、織江と、17〜8歳の娘、薫に、10歳の息子、郁太郎と
三年間の共同生活を始めることになる・・・

檀野にはとても戸田が不義密通をするような男には見えず、
そもそも正義感の強い檀野は、その三年間のうちに
家譜の編纂を理由に7年前の事件の真相に迫る。

そして、その事件と無関係ではない自身の藩の行っていた汚職や、
領民へのきつい年貢の取り立てなどに気づかされながら、
やがて戸田に着せられた罪状が、完全なえん罪であることを知る。

しかし、それが明るみに出てもなお、切腹への意志を曲げない戸田には、
先代の大殿とのあいだに、嘘偽りない家譜の編纂によって、
二度とお家を危機に陥れるようなことのないよう、
藩に正しい道筋をつける『武家の鑑』を作り出すという
硬い契りがあったことが語られる・・・

戸田は余命10年のそんな日々を、家譜とは別に、自身の日記として記し続けたのが
夏の去り際に、秋の到来を悲しげな鳴き声で告げる蜩に喩えた『蜩ノ記」であった。


簡単に説明するとそういうお話。
本来ならばここで予告編の動画をご覧いただくのが話が早くて良いのですが、
今作の内容の重さにそぐわない昼ドラの予告編のような安っぽいデキなので
敢えてここには貼らないでおきます。

過去の事件の真相が露わになるというサスペンスでもあるのですが、
お家(組織)のために自身の命を捧げる一人の侍の姿を通して、
お上への忠誠と同様に、近隣に暮らす人々の幸せを守る、
人としてのやさしさと忠義心の間で悩んだり、信じるべき答を出しながら
真義とは何か。人間の存在意義とは何かを問う重厚な人間ドラマになっております。

ネタバレになりますが、中でも好きなシーンは、

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同年代の農民の子 源吉と友情を育んでいた長男の郁太郎であったが、
目付らのきつい締め付けの果てに源吉を殺されてしまう。
それに憤慨した郁太郎は家老に一太刀浴びせるため屋敷に行くと言い出す。
それを聞いた檀野は、それを止めるわけでもなく、
自身の思いとして郁太郎と共に家老の屋敷へと向かう。

郁太郎は家老に対峙し事の真相を直訴するが、
家老の立場上その場では聞き入れられず、
それでも気の済まない郁太郎は家老に一太刀浴びせるため更に前に出る。
それを止めようと立ちはだかった家老の部下を檀野は見事な剣捌きで足止めし
郁太郎に「存分におやりなさい!」と告げる。

もちろん家臣に楯突けば死罪は免れない。
それでも直訴を止めない二人のそうした覚悟を見た家老は、
気持ちは解るとした上で、それでももし自分に刃が向けられれば、
家族や村人にも裁きが下りると郁太郎を鎮める。
それを聞いた郁太郎は「卑怯な・・・」とつぶやき
刀の柄で奉行の腹を鋭く突き悶絶させる。

そのとき檀野は郁太郎の一連の動きを見て「お見事!」と叫び
その場で二人とも刀を置き自分たちの目的が果たされたことを示す。

死を覚悟した上で友人への忠義に尽くすその心意気が素晴らしい。
そしてこの一連の流れのテンポがとても良く、
所作も美しい映像となっておりました。

個人の利益を優先せず、家族や友人、
そして主君に対しての忠義を果たす人間の姿は、
いまやそのほとんどが失われたと言っていいかもしれません。
「昔はよかった」ほど最低な言い訳はないとは思いますが、
こういった清々しいほど純粋な精神に価値のある時代は
観ていて心から羨ましいと思えてなりません。
(まあ、だからこそ映画になっているわけだし、
 実際あの時代がどうだったのかを確認する術もありませんが)


とかなんとか。
自分で言うのもなんですが、なかなか上手いことネタバレせずに
話が出来ました。
これを読んでも尚、観れば楽しんでいただける作品だと思います。
興味が湧きましたらぜひぜひ観てみてください!本当に素晴らしい映画です。
  

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

2016.05.27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

GREGORY TARGHEE 45 を一年ぶりに使った話

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今季は『PLUS ONE WORKS Shumari 35』を買ったこともあって
『GREGORY TARGHEE 45』の出番はすっかり減ってしまった。

45Lのバックパックが活躍するのは、山で一泊するときなど
荷物が増えるときが真っ先に想定されるのですが、
35Lというその数値以上にShumariが多くの荷物を飲み込んでくれたため
ヒュッテに一泊した芳ヶ平BCでも35LのShumariで済んでしまっていた。

それでもTARGHEEを手放さずに持っていたのはもちろん
アイゼンを含め、更に装備の増える立山行きが念頭にあるからに他ならない。
そんなわけで、シーズンもラストの立山に至って、真打ちTARGHEEの登場だ。

・スコップ
・ゾンデ
・ポール
・クライミング シール
・クランポン(クトー)
・ゴーグル
・予備ゴーグル
・滑走用グローブ
・ハイク用グローブ
・インナーグローブ
・アウターミトングローブ
・予備ミッドレイヤー ダウンジャケット
・サングラス
・帽子
・バラクラバ
・スキーストラップ2個
・工具
・SPARK R&D バインディング 予備パーツ
・行動食

・眼鏡
・RICOH GR
・Gopro HERO3+
・iPhone6 Plus
・ティッシュ等 小物

・携帯滑走ワックスセット(生塗りワックス ブラシ二種 スクレパー)
・ヘルメット
・アイゼン
・ファーストエイドキット
・エマージェンシーヴィヴィ
・ヘッドランプ
・ボードケース

・着替え タオル大/小 歯磨き
・日本酒720ml
・飲み水1L

これでもまだ装備、携行品は足りないくらいなのではあるが、
荷造りするとTARGHEEの重量は軽く11kgを超えた・・・ちなみに
ヘルメットも中積していてもまだまだTAGHEEには入る余地が残っていて、
これで45のうちの42程度と言った印象だ。

もちろんこのすべてが常にザックの中に入っているわけではないのだが
立山で言えば、少なくとも扇沢の駐車場から雷鳥荘までは
これらを背負っていることになる。
余分な荷物をデポしたあとも滑走時に10kg近い重さになるわけだ。
詰め終わって試しに背負ってみたときはかなりブルーになった・・・

・・・のですが、
現場では気持ちが高揚していることもあってか
登りの時でも滑りの時でも、意外とその重さを意識することはなかった。

それもすべてTARGHEEの背負い易さのおかげだと思う。
背中へのフィット感は元より、ウェストハーネスで支える荷重のバランスが良く、
身体から重量物が離れないように感じられ、身体との一体感がとても高いので
一旦背負ってしまうと存在感が薄れるように感じる。
私の身体とShumariとの相性に較べ、TARGHEEの背負いやすさは
数段以上優れていると思いました。

おかげでちょっと目が醒めた感じだ。
バックパックって、人間工学なんだな〜。
餅は餅屋で、歴史を含め、専業メーカーの信頼性には一目置く必要があると
改めて思いました。
見た目も大事だけど、山の道具に第一に求められるのは
やっぱり使い勝手だね。

しかして、わたしの歪んだ色眼鏡に適う
見た目と使い勝手の両方を兼ね備えたモノが
なかなか表れないことが、とにもかくにも残念であります・・・

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アウトドアリサーチとHOLDENのダブルネームのミトングローブ
『Classic Modular MITTS』のように、
デザインはShumariで、製造はGregoryとかできないのかな〜
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2016.05.26 | コメント(0) | トラックバック(0) | スノーアクセサリー

サーフィン@千葉 5/22

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日曜日は千葉へ波乗り。
atu、OYくん、イノッチと部原で6時に待ち合わせなので3時半起きの4時出発。
確かに早起きは辛いけど、ふだんテッペン過ぎまでは起きているので
夜の10時、11時ではなかなか寝つけず、むしろ早寝の方が辛い。

アクアラインを通って千葉に行く場合、近ごろは板橋JCTから
山手トンネルで大橋まで抜けて行くルートを通っていましたが、
その日の板橋JCT手前の電光掲示板には
「羽田空港まで
 山手トンネル45分
 都心環状線50分」

とご丁寧にも表示していてくれたので、
気まぐれに環状線〜レインボーブリッジ経由のルートにしてみた。

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確かに10km以上の距離を穴蔵で過ごさないとならないトンネルルートよりも
色づき始めるメトロポリスを眺めながら走る方が何倍も気持ちが良い。

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海ほたるでちょうど日の出。
ちなみにこの時間ですでに気温17度。もう夏だ。

そして、圏央道の市原鶴舞IC.経由で、埼玉から御宿の辺りまで、
高速1時間、下道30分の計1時間半で着いてしまう。アクアライン便利だ。

と、その頃に先に着いていたOYくんから
「部原、波なし、駐車場なし、マルキに向かいます」の一報が来て
一週間前のデジャブのようにこの日も128号線を延々と南下。
ほどなく「マルキ入水0人、さらに南下します」と来て、
結局一週間前と同じ和田まで下ってきてしまった。

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そうして7時前にJ's前で入水。
サイズはハラ〜ムネとなかなかなものだったものの、
つながっていきなりド〜〜ンと来るなかなかのパンチウェーブ。
襲い来る白波に行く手を阻まれアウトするのに結構苦労するが
アウトに出たら出たで肝心の波を捕まえられない修行系。
なんとかテイクオフしてもそのまま谷底に突き落とされ
揉みくちゃにされたあとに、白波に襲われながらまた沖に出ていく繰り返し。
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そんな突き落とされ感ですが、
サーフィンをされない方には分からないと思うので
ちょっとおおげさですが図解するとこんな感じ。
このまま下に向かってたたき落とされるイメージです。まじ怖いっす・・・

テイクオフの瞬間は進行方向に視線を向けなければならないとは
知りながらも恐怖心のあまりテイクオフの刹那についつい谷底を見てしまう。
そうしてそのまま視線の先に飲み込まれる・・・

先週かなり掴んだと思ったのに、また振り出しに戻った感じだ。
確かにこの日の波は先の尖った細目で軽いボードが合っているようで、
私の太いミッドレングスでは捕まえきれない難しい波ではありましたが、
それにしてもこの三歩進んで二歩下がる感じがなんとも悩ましい。

とうわけで、いそいそと9時頃にポイント移動を決意。

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更に南下して花籠まで来たが、状況はあまり好転せず・・・
11時過ぎまで格闘したが、まともに乗れなかった。ガックシ。
なんという徒労感。

そのあと鴨川でイノッチお薦めのお店で昼飯食べて、
身も心もすでにヘロヘロになっていた私はここで帰ることにしたが、
OYくんとイノッチはまた御宿まで戻ってみるという。元気だし前向きだ。
atuも付き合うというのでみんなとはここで別れた。

そのあと、さんざん便利だと褒めたばかりのアクアラインが
海ほたる手前で事故渋滞。木更津から渋滞7kmを抜けるのに40分の表示・・・・
まだまだ伸びそうだったのでアクアラインには向かわず、
館山道を北上し京葉道路経由に切り換えた。
言ってもアクアラインルートよりもプラス20km30分増えるだけで、
この時間は渋滞もほとんどなくスムースに帰って来られはしたが、
東京湾を半周すると思うと精神的に堪える。

何よりぜんぜん波に乗れなかった精神的ダメージに追い打ちをかけられ
そのことの方が辛い。


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話は前後するが、この前日の土曜日には
家の近所に素敵な坂を見つけたのでスケートに勤しんだ。
いい歳こいたオッサンが、全身プロテクターでスケートを練習する姿は
間違ってもご近所の皆さま方には見せられないが、
すぐに我を忘れて没頭してしまった。すんごい楽しい。

日曜日の海からの帰りも、海での喪失感を補うべく
そんな「オレの坂」に寄って30分ほどスケートしてから帰った。

雪山も近いし、オートバイで走る場所にも事欠かないし、
ダウンチルな坂道も見つかるし、埼玉の田舎感ってやっぱ抜群だわ〜〜
  

テーマ:サーフィン・ボディボード - ジャンル:スポーツ

2016.05.25 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーフィン

GENTEMSTICKについて 15〜16シーズン まとめ【後編】

Spoonfish 152 Bamboo topsheet

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前編に引き続いて、そして最後にご紹介するのはThe Snowsurf Spoonfish。

短いので平地でも立体地形でも取り回しに苦労しないし、
それでいてトップは長く太いので、
深雪でも160cm級のボードと変わらないような浮力があって、
ターン後半の伸びは長さなりでありながらも充分に踏めるカービングもできる、
ピステン、新雪、悪雪、ツリーランと何でも来い!な
オールマイティさが魅力のSpoonfish。
誤解を恐れずに申し上げれば、私にとっては
何をどう考えてもこのSpoonfishが、GETEMSTICKで一番「良いボード」だ。

TTはもちろん、MAGIC38にも、BIG FISHにも
それぞれに「良い」部分があるのではありますが、
だからこそ一般的に使われる広義に「良い」という称号を与えられるボードは、
私の所有したボードの中ではSpoonfishだけだと思う。

はっきり言うけどこれが一本あったらGENTEMSTICKはアガリでいいと思う。
それほどに、特に素人の私にとっては滑走性や浮力を含めた
扱いやすいコントロール性を高次元でまとめたボードだと言え
すべてのGENTEMSTICKの要素が
この一本にほぼ集約されていると言っても過言ではないと思う。

言ったように、GENTEMSTICKの志しをそのままカタチにしたような姿に
惹かれたことでドツボにハマった私にとって、
The Snowsurfシリーズの廉価版丸出しの見た目だけがどうにも許せず
いっそTTSSか、GENTEMSTICKのラインナップに
格上げしてくれやしないか、と思っていたほど、
その安っぽさをまったくと言っていいほど愛せませんでした。
しかして、
ことこのBamboo Topsheetに至っては、もうこれで買わない理由がないと
思えるほどすでに高級感さえも併せ持っており、実際にニセコのショウルームで
一目惚れしてそのまま買って帰ったほどでありました。

そもそもGENTEMSTICKの個々のモデルに割り当てられた個性を
乗りやすく、汎用性を持たせるために、ある意味デチューンすることで、
ブランドの間口を広げることを意図された(と思われる)
The Snowsurfシリーズであるので、
本家GENTEMSTICKに較べれば個性は薄味であることは否めない。

しかして、このメーカーの真面目なところがある意味災いして、
重箱の隅的に増殖してきたモデルラインナップの本質的な部分が、
廉価版の開発に際して再解釈された上で再構築されることになり、
ほとんどその世界観においての “万能” と言って差し支えない
特殊性を持たされてしまったモデルがSpoonfishなのだと思っている。

そんなSpoonfishが1本あれば、GENTEMSTICKで享受できることの
ほとんどすべてを網羅できるのに、そこからわざわざ偏った個性を
個々に抽出して楽しみたいと思ってしまうところに、
良い意味でも悪い意味でもGENTEMSTICKの存在意義があると、
Spoonfishを通して逆説的に理解するに至ってしまった。

そして、そうした狭い隙間を埋めるが如く並べられた
GENTEMSTICKの個々のモデルバリエーションが
単なる商業主義に見えなくもないし、実際あまりにニッチすぎて、
そう疑われても仕方のないような曖昧に映るモデルも存在する。
そういった隙間モデルの存在が
私のGENTEMSTICKへの理解を遠ざけていたこともまた確かだ。

だからこそ、TTという太い幹に立ち返って、本来あるべき姿を確認すれば、
そこからSpoonfishとの間に点在する、
楽しむべき個性と方向性に気づくことができたのだと思う。

その方向性とはつまり、

「低抵抗な滑空感」

を如何にして得るのか。すべてはそこに尽きると私は思うに至った。

ご存じの通り、私が所有しているGENTEMSTICKは
今回ここで紹介したモデル以外にもまだ数本あるが、
それらは言ってみればさらに些末な趣味性で成り立っていて、
もちろんこの答に辿り着く上でとても重要な役割を担ってくれたし、
何よりそれでしか得られない滑走感があることは間違いないので
これからも大切に乗って行きたいとは思うが、
誤解を恐れずにキッパリと申し上げれば、
そちら方面に私の出口はない、と、そういうことだ。

そして、この考えや思いに至った一番重要なアイテムというかアプリケーションは、
間違いなく「北海道」であるということ。
北海道という場所だからこそ存在し得るコースレイアウトと、
そこを滑ることで洗練されてきた人々の滑りを目の当たりにすることで
一気に答を得られた気がした。

「ここを滑ることを前提に作られたんだな」

という、それは至極単純で、ステレオタイプな考えでしかないのではあるが、
私にとっては目の醒めるようなとても分かりやすい考え方でありました。


道まだ半ばではありますが、
かなり、と言うか、ほとんど絞られてきた事は確かだ。
でも、
それはつまりTTに乗れるようにならないといけない事を指すわけだから
逆に言えばここからの方が道程は長いとも言える・・・
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2016.05.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | スノーボード

GENTEMSTICKについて 15〜16シーズン まとめ【前編】

2016_0206-6.jpg

スノーボード選びに関しては、
さんざん寄り道やら浮気やらを繰り返してきた私であったが、
今シーズンはそんな無駄遣いの螺旋にようやく出口が見えた気がしたので
ここで改めて私に訪れたそんな “出口感” についてまとめてみたいと思う。

そもそもGETEMSTICKに惹かれたのは、乗り味でも乗った方のインプレでもなく、
見た目にハッキリと伝わって来る、その製品に垣間見える志の高さからでありました。

オートバイをはじめ、サーフボードでも、キャンプ道具でも、
趣味性が高い道具ほど、機能性に加えて
作り手の込めた想いや哲学がそのカタチに顕れやすいものだと思うが、
GETEMSTICKを初めて見たときから、
作り手のこだわりがはっきりとプロダクトの存在感となって顕れていると感じた。

そういう「本物」は、乗らなくても良い物であることがワカルわけだが、
明らかに良い物であるのに、それを自分のチカラではまともに扱いきれない場合、
その製品のせいにはできないので、間違っているのは自分であることが明白になる。
つまりは自らが認めたモノに拒絶されるという、
ちょっとした自己矛盾に陥ることになるわけだ。

かといって、GENTEMSTICKというブランドの場合、
そもそもの存在理由に使い方、肝心の乗り方に至るまで、カタログの文章や、
店頭での説明も、まるで雲を掴むような曖昧で客観性のない話ばかり。
それが逆にミステリアスな魅力にもつながってはいるのではあるが、
それならば相手にしないでさっさと放り出すのもひとつの手でもある。

なのに「このままではあまりに寝覚めが悪い」というへそ曲がりな性分が災いし
教えてもらえないのなら「自分で答を見つけるほかない」と思い立ったことが
GETEMSTICKにのめり込むそもそもの発端だ。
人はそれを「ドツボにハマる」と言うが、
好奇心に素直に従うのはへそ曲がり家の家訓なので仕方がない。

それから数年が経過しても、いまだにそこに「解」を持てずにいた
私の「GENTEMSTICK探し」の旅に、
今シーズンいよいよおぼろげながらもゴールが見えてきた気がした。
もちろんそれはただの蜃気楼なのかもしれないが、たとえ幻でも
そう思えるようなことすらなかったので、少なくともこれは前進には違いない。

例によって前置きが長くなった。
推論や仮説に従って結論を導き出すのは世の習いであるわけですので、
私の推論が外れていれば、他人様には何の役にも立たない結論ではありますが、
都度都度こちらに書いてきたことのまとめと防備録の意味も含めて、
そんな私の出口への気づきについて、
前・後編に分けて書き留めておこうと思う。


TT168 ミズメ/ヒノキ

2016_0118-11.jpg

といったわけで、いきなり結論から話をはじめさせていただきますが、
なんだかんだ言っても結局のトコロはやはり

GENTEMSTICKはTTに始まりTTに終わる

といった単純明快な思いを今シーズンは新たにしたと言っていいだろう。
ほとんどそれがすべてかもしれない。

まさに雲を掴まされる類の代表と言っていいTTですが、
最初はそれを理解したくて、仕方なく乗っていたようなところもあったのですが、
雪との接点が発生する抵抗のほとんどすべてを削減しようとする
その目的の意図のようなものに気づいてからは、
“抵抗” によって操作するそれまで乗ってきた
スノーボードたちに対しての見方が180°変わって見えはじめた。

抵抗があった方が、減速させるときでも、
曲がり始めのキッカケづくりでも扱いやすくなるのはもちろんなのですが、
抵抗感が低減されたボードが雪面を滑っていくときの
得も言われぬ “滑空感” は、まさに水の上を板状のもので滑っていく時の感覚を
擬似的にであっても再現しようと試みた結果なのだと思う。

そうしてあくまでも副次的にあのややこしい操作方法が必要となったわけで、
あの操作方法を採ることが目的で生み出されたわけではない。
ということに気がつけると、TTは元より、GENTEMSTICKへの見方が
ガラりと変わり、そこから私の出口感が一気に高まったわけだ。

だから、あの支離滅裂な操作感に答を見つけようとせずに、
ただ純粋にあの低抵抗な浮遊感にも似た滑空感を得ることを目的に据えて
GENTEMSTICKに乗ってみることが最初の一歩になるのだと思う。

それを知るにはTTは避けては通れない文字通りの登竜門になると思う。
だから「TTか、それ以外か」といったモデル選択や考察ではなく、
「すべての道はTTに通ず」と考えた方が答は出やすい。と、
私は思う。

ただし、最初からTTに対して何の違和感も持たれない
アムロ・レイかララァ・スンのような方もいらっしゃる。
そういった方の場合、私のインプレはほとんど参考にならないので
以降は読み飛ばしていただいて構わない。


MAGIC38 Split

2016_0313-22.jpg

浮遊感と抵抗感のバランスの中に個々のラインナップが点在すると仮定して
ラインナップを見渡すと、そのバランスが比較的それまでのスノーボードに
近いところまで抵抗感が与えられているのが
MAGIC38やSPEED MASTERということになると私は思う。

ただし、誤解のないように言っておくと、それでもまだかなり抵抗感は薄目で
一般的なスノーボードを10としたら5〜6程度。TTなら3もないかもしれない。
それでいて滑空感や浮遊感は倍以上高く発生するように設計されていて、
他ブランドからの乗り換えに際して、比較的取っつきやすいMAGIC38でもまだ、
はじめて乗ったときには操作性の低さが頼りなく感じるほどだ。

しかして、その頼りなさに自由に動かせる操作性を感じられるようになると、
食い付くようなエッジングとは真逆の、糸を引くような独自のカービングの
“粘り” を感じられるようになり、それまでに感じたことのないような、
踏めているのか浮いているのかの絶妙な雪面とのコンタクト感を、
TTよりもずっと容易に引き出すことができるようになるわけだ。


BIG FISH Outline core

2016_0209-34.jpg

そうしたMAGIC38の乗り味に加えて、深雪での浮遊感を強力にするために
これでもかと太くされたBIG FISHは、面で捉える場面では
多くの抵抗感を生み出すので、ターンでもカービングでもキッカケが得やすい。
反面、サイドカーブは浅めに設定されているので、
雪面を線で捉えるような場面では抵抗感が低く、
TTのような低抵抗な滑走感を生み出すこともできる、ある意味二面性が特徴だ。

面と線とを出したり引っ込めたりすることができればコントローラブルだが、
それを楽しめないとデッキの太さによる、足首への負担だけが大きい
融通の利かない印象だけが残ってしまい
TT以上に意味不明になりかねないボードでもある。

線の部分を引き出せれば、MAGICのような糸を引くカービングも可能になり、
面の強さを引き出せれば、速度が遅くなることとトレードオフにはなるが
深雪での圧倒的な浮力が得られ、まさに “スノーサーフ” な感覚が味わえる。
そして速度が抑えられることは決して悪いことばかりではなく、
荒れた雪面での走破性を高めることにもつながり、
意外にも遊び方の引き出しが多いのがBIGFISHの特徴でもあるわけだ。

それと、SUPER、BIG、ROCKETとあるTTSSの3本のFISHは、
サイズ違いの兄弟のように思われるかもしれないが、どれもまったく違う。
なので、この印象はあくまでもBIG FISHに関してのみの話であって、
3本とも試した私の出口は中でもよりTT的な滑空感を得られる
BIG FISHにあったというわけだ。

そして、BIG FISHにはこのOutline coreとノーマルとがあるが
乗り味の違いに関しては、ノーマルを所有したことがない私には分からない。
でも、少しばかり重くなってしまうのが難点だが、
何をどう考えてもアウトラインコアの方がカッコいいことだけは確かだろう。

機能性はデザインに顕れるが、
機能の伴わない、見られたい姿を顕すためのデザインというものもある。
機能一辺倒の頭でっかちに見えるGENTEMSTICKにも
そういった自己主張のために描かれた機能的には無駄と思える
デザインのためのデザインだってある。
だから「どれの機能が自分に合っているのか?」と頭で悩むより、
ミーハーに見た目の好みでGENTEMSTICKを選んでみることも
とても大切なことだと私は思う。


FLYFISK

2015_0217-0.jpg

そんなBIG FISHとテールの設え以外ほとんど同じアピアランスを与えられている
FLYFISKは、浮遊感や走破性はそのままに、
良く言えばBIG FISHのテールの抵抗感を減らし、
よりTT的に扱えるテール周辺の自由度を増していて、悪く言えばBIG FISHから
糸を引くようなカービング性能を取り除いたようなモデルだ。
なので、基本出番はBIG FISHと被るのであるが、ツリーランを含めた
小回りを期待するときにBIG FISHではなくFLYFISKを持ち出したくなる。
そして、私のFLYFISKはその後バンブーデッキに
クリアコートが施されるようになる以前のモデルなので、
軽量さもBIG FISH Outline coreとの差別化ポイントとも言える。
実際私のFLYFISKは、あの広大なデッキには似つかないほど軽快感がとても高い。

2016_0226-3.jpg

そんなFLYFISKなので、ツリーランを含めたセイフティさと
深雪が期待できるBCに出るのときにうってつけだ。
そういう意味でFLYFISKとスプリットボードの相性はとてもいいと思う。

今シーズンはそんな自由度の高いFLYFISKと、
大きなオープンバーンを好きなだけガービングさせられるMAGIC38の
両スプリットにトドメを刺され、FLYFISKと同様の持ち味を持つ
SLASHER Splitの出番はなくなってしまった。


SLASHER

2016_0325-8.jpg

だからといって、捉えどころのないフラットキャンバーに、
ある程度深めのサイドカーブを与えて抵抗感を増すことで
TTに対して5倍以上(当社比)のコントロール性を与えられた
SLASHERの良さが損なわれているわけでも何でもない。

持ち味が近しいとは言え、
FLYFISKよりもずっと速さを持たされた滑走性は言うに及ばず、
自然地形をより楽しめるBCエリアにおいて、
フラットキャンバーならではの機動性が何よりの魅力だ。

そして、TTへと続く階段を理解するための
重要な参考書の役割を果たしてくれたのが
他でもないSLASHERだと言える。

もしもTTに試乗してみて苦手意識を持ってしまったならば、
試しにSLASHERに乗ってみて欲しい。
フラットキャンバーのもつ自由の入口を垣間見ることができるかもしれない。

それからTTに向かっても遅くはないはずだし、
最初から無理してTTに向かっていくよりも、SLASHERへの寄り道が
私のようにより深くTTを理解するキッカケになるかもしれない。

だからこそSLASHERは、ある意味においては
フラットキャンバーの完成型、もしくは
フラットキャンバーの別の可能性だと考えることも出来るわけだ。

そしてその可能性とは、何はさておき独特な “滑空感” であると私は思う。

【後編へつづく】
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2016.05.23 | コメント(5) | トラックバック(0) | スノーボード

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