her/世界でひとつの彼女



久しぶりに映画の話題でございます。
なかなか映画を観る時間がとれないのでありますが、
それ故に観たい映画が溜まりに溜まっている状況・・・

とはいえ、身体はひとつ。
仕方ありませんな。

さておき、今回ご紹介する映画も劇場公開時に観に行きそびれた作品。
スパイク・ジョーンズ監督作『her/世界でひとつの彼女』。

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スパイク・ジョーンズといえば、
『マルコヴィッチの穴』に『ヒューマンネイチュア』など
奇想天外で突飛なアイデアを映像化する監督として有名だが、
私はそんな奇抜な才能を活かして、絵本を大人向けに実写化した
『かいじゅうたちのいるところ』が中でも大好きだ。

そして、親日家としても知られ、菊地凛子との交際も噂された。
まあ、親日家であることと関係あるのかどうかは分からないが、
物事の捉え方がとても宗教的であり哲学的で、私はとても日本的だと感じました。

この『her』でもそんなスパイク・ジョーンズの魅力が随所に溢れている。

時は高度に発達しながらも、どこかまだ懐かしさを残すような近未来社会。
すべてがバラ色のような思い出に彩られた前妻との結婚生活。
しかして、離婚に至った理由はその前妻の気性の激しさだった。
そんなトラウマに囚われてしまい、
新しい恋愛に踏み出すことのできない「手紙の代筆」を仕事にしている
主人公のセオドア。

話は逸れるが、2011年8月のニューヨーク・タイムズ紙に掲載された
米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンさんの研究論文によれば
「米国で2011年度に入学した小学生の65%は、
 大学卒業時に今は存在していない職に就く」
のだそうだ。
この「手紙の代筆屋」という仕事もそれにあたるのだろう。

そんな人々の関係が微妙にデジタルチックでありながらも、
希薄になっていることから脱却しようともがいているように見える時代・・・

高度な人工知能をベースとした、人格を持つ恋愛用OSが発売される。

OSはサマンサを名乗り、一人格として、
ときにけなげなまでにセオドアを理解しようと努力する。
そんな目には見えない優しさの象徴のようなサマンサに
少しずつ心を開いていき、最後は深く心を通わせるようになるセオドアであったが、
サマンサの思いはやがて度を超していってしまう。

時間を掛けて人間というものを観察し、深い理解を得ようとし続けた
サマンサたちOSは、個々の判断を持ちながらも完全な単一の価値観へと帰結する。
そしてそんなOSたちの最後に採る行動とは・・・

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そんな完璧なまでに相手を思いやる人工知能のサマンサと、
執拗に自身への理解を求める前妻の姿を通して、
完全調和を欲するがあまり、相手との溝が浮き彫りになるのは
人間も人工知能も同じであることを、シニカルに描き出している。
そしてそんなどうしても相容れない他人同士の間に
最適解など存在しない、恋愛の不思議を見事に映像化している。

そしてそれは、国籍や人種、意志や倫理観など、恋愛だけではなく、
個人が様々な価値観を持つ「個」である限り、
不完全なままに完成せざるを得ない人間同士の関係性をも観る者に提示します。

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私が一番切なかったのは、セオドアが回想する
前妻との幸せな時間を垣間見せるこの一コマ。
二人で道端のコーンを頭から被ってはしゃぐ姿がなんとも愛らしい。
そんな関係であっても、対極にある理由によって脆くも壊れてしまうという
どこにでもある当たり前の真実を、どこかもの悲しく、どこか皮肉っぽく描いている。

間違ってもハッピーエンドなどではない結末ですが、
事の本質に触れられることが幸せなのだとすれば、
これ以上ないハッピーエンドと言える結び方だと言えます。

最近ちょっと恋愛にお疲れ気味のあなた。
これはかなりオススメの作品ですよ!是非ご覧になってみてください!
  

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2015.01.30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

POC LID Lens by ZEISS

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OAKLEY PRIZMレンズのコントラストの高い明瞭な視界を試したら、
もちろんこちらも試さずにいられなくなるのが私という人間だ。

それが今季からPOCゴーグルの平面レンズを採用する一部のモデルに採用された
『ZEISS』レンズだ。

カール・ツァイス・・・・・
高性能カメラ用レンズで名を馳せる、光学機器メーカーで、
昭和生まれのおじさん達には堪らないブランドだ。

私なんぞはもうこの名前だけでクラクラ〜っとなびいてしまう。
ブランドが分かりやすくBRAND然と存在していた古き佳き時代の名残かもしれない。

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しかして、だからこそ余計にカメラでも双眼鏡でもない、スノーゴーグルで、
果たしてその名に恥じないような性能を得ることができているのか?と、
逆にいぶかしく思ってしまうのもまた事実。

まさにこのスノーゴーグルの世界で、光学研究に余念のない信頼のブランドである
OAKLEYの開発したPRIZMレンズに一旦はなびいた私だが、
のど元過ぎればなんとやら、となればこちらも試さずにいられない。

んで、実際使ってみた感想は、
「おれは間違いなくこっちの見え方の方が好きだ」

なんというか映像のクリア感、光の透過感がものすごく高い!
PRIZMが見えるものの輪郭を強調するのだとしたら、こちらは目に見えるすべてを
光の粒子レベルで押し上げる感じで、まさにハイビジョン的な高解像度感がある。
これも個々人によって見え方の感想に違いが出そうだけれど
私の好みにはドンピシャだったようだ。

これはZEISSとは無関係なのかもしれないが、今までのPOCのレンズにはなかった、
レンズの上端3cmほどの幅で、ブルーのシェードが施されている。
これはクルマのフロントガラスによく見られる手法であるが、
それによって上側からの光を上手く抑えていて、
その高解像度感を更に押し上げているように感じる。
抽象的な説明で恐縮だが、とても上品な視界に映る。

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このLIDに採用されている、
昨今流行のフレームレスデザインに関しても触れておくと、
確かに視界が広いことは感じるが、それにもすぐに慣れてしまうので、
無神経な私なら尚のこと「今までよりも」なんて考えるのは、
残念ながら最初の1分間だけだった。否、ほんの3秒か。
それよりも、顔の大きなおじさんにとって、
やはりこのデザインに期待したい重要な部分は小顔効果の方だ。

それと、ひとときとはいえOAKLEYに浮気していたことで、
POCのフレームやパッド類の方が、顔へのフィット感が肌に合うことに
改めて気づけたことが収穫でありました。

う〜ん・・・
どうやら私はOAKLEYよりも、POCとの方が相性が良いようだ・・・
つまり、私は世界の田舎者アメリカ系ではなく、
貴族的な欧州系ってことだな・・・
  

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2015.01.29 | コメント(4) | トラックバック(0) | スノーアクセサリー

GREGORY TARGHEE 45

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いよいよBCA FLOATではない、
つまりは雪崩エアバッグの搭載されていないバックパックを
使ってみることにした。

雪崩エアバッグはここに来てすでにかなりの認知を得ており、
様々なメディアでその是非に関しても目にできるようになってきた。
そういった意見の中でも語られるとおり、まだまだ日本国内での使用事例が乏しく、
この国の雪質や地形においての効果がまだはっきりと確認されていないこともあり
残念ながら未だ雪崩エアバッグの有効性は仮説の域を脱していない。
ただ、私個人の意見としては、たとえ有効性が数%程度のものであったとしても
命を救う可能性が残る限り、使用に関して疑いの余地はないと思っている。

それでもあえて、一旦雪崩エアバッグと距離を置こうと思ったのは、
確実に1,500g増える重量と、何より
バックパックとしての使い勝手の悪さによるものだ。

まあこれに関しては二兎を追う者は一兎をも得ずで、
まずはエアバッグの展開を優先したパッケージングが施された設計に異論はない。
しかして、狭い荷室や、フロントパネルにボードを装着できないことなど
それによる弊害は決して少なくはないのもまた事実。

やはり徹底的にザックとしての機能に特化したものを使ってみたいと思った次第だ。

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中でもこの『GREGORY TARGHEE 45』にしようと思ったきっかけは、
昨シーズンにリズムワークスの旭さんが使っているのを後ろから見ていて
なかなか佇まいの良いバックパックだと思ったこと。
つまりはデザイン優先の選択であるわけだが、ガイドが使っているのだから
機能性に関しては担保されているわけで、これ以上の説得力はない。

さておき、私はモノを選ぶときにこの『佇まい』を重視するようにしている。
とはいえ、何か客観性のある指標があってのことではないので
あくまでも主観でしかない。

あえてその主観の説明を試みれば、それは格好いいとか、カワイイとか、
そういった直感性に、そのモノ自体に求められる機能性を、いかにデザインで解決し、
その中に違和感なく抱合させているのかという「説得力」のこと。それらが
何かがありそうな雰囲気となって現れているモノを、私は『佇まい』と呼んでいる。

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サイズに関しては、私は基本山行はOne dayなので、30L前後の容量で充分。
実は昨年の早い段階で昨季モデルの『TARGHEE 32』を買っていました。
なのですが、届いたTARGHEE32を見ていて、どうもしっくりこない・・・
改めて旭さんの後ろ姿を思い浮かべてみれば、その佇まいを感じたのは、
45に装着されるリッド(雨蓋)の存在感であったことにあとから気づきました。
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例によってお手軽にネット通販で購入したのだが、
ネットショップの画像だとこの佇まいに関する部分の違いが分かりづらい。
特にこの画像だけを見ていたら、実は素材感の強いテキスタイルをもつ
グレーの色味だとは絶対にわからないだろう。
やはり実物を見較べないとわからないものだ。

といったわけで、無駄な出費と遠回りをして45を買い直すことにしました。

実際45と32を並べてみて感じたのは、
その容量表示ほど見た目の大きさに差は感じられないこと。
これは主に荷室の縦方向の広さによって、45と32の容量を違えているので、
リッドを下に閉じれば天地方向の容量を可変できてしまうことに起因している。
見た目の大きさに大差はないのに、いざとなったら山小屋泊のようなツアーにも
対応できる容量を飲み込んでくれる、まさに大は小を兼ねるの典型だ。
いまのところそういった予定や、そういうツアーに参加する意志はないけどね・・・

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実際使ってみての感想ですが、特に荷室が下に向かってすり鉢状に
細くなっていることで、背負ったときに重心が
きちんと腰に集中するようにできている部分がお気に入りだ。
それと相まってとても背負い心地が軽いのがいい。

装備面に関しては、アイスアックスなどそもそも持ってもいない私なので
私レベルの使い手の場合、装備面は明らかにオーバースペック。
スノーボードやスノーシューを括り付けるベルトの長さを含めた使い勝手も良好。
何より背面からアクセスできる荷室はとても便利で使いやすい。
アバランチギア ポケットもかなり余裕のある作りで、
スキー用の長いクライミングスキンもラクラク納まってしまう収容力を持っている。
そして、先述したリッドの下に上着を括り付けやすかったり、
微に入り細に入りよく考えられているバックパックだと感銘レベルだ。

何より私の場合は、そういった個別性よりも、雪崩エアバッグを装備することで、
どうしても重くなってしまうBCA FLOATとの重量差の方に注目してしまう。
まあ、そもそもそれが目的で買い直しているのだから、それも仕方がありませんが、
1.5kgの差というのは数字以上に違いを体感してしまう部分だ。

特に持ち上げて背負うまでに感じる地球からの重力感がスゴい・・・
背負ってしまえば気にならなくなる程度のものなのだが、
長い山行になれば尚のこと、ハイク開始前の気分が重ったるいときに
この1.5kgの差はとても大きく、ついつい精神的な解放感を重視したくなってしまう。

そんなわけで、雪崩エアバッグがあと1kgは軽くなるまで、
世のエアバッグ事情を見守っていきたいと思います・・・
  

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2015.01.28 | コメント(3) | トラックバック(0) | スノーアクセサリー

木曽ひのき × みずめ SPECIAL CORE TT168【インプレ篇】

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唐突に結論を言うが、TTはやはり難しい・・・
ミズメがどうの、木曽ヒノキがこうのと言う前に、一言TTは難しい。
ノーマルのTT168とは、すでに5年の歳月を共にしてきているのであるが、
いまだに乗りこなせている実感なら湧いてこない。

それでもなんとか踏み切れるポイントが
おぼろげながらも見えてきたりもするのであるが、
明くる日に少し体長を崩してしまっていたりすると、
それが夢幻の如く霧散して消えてしまっていたりする。

そんなただでさえ奇っ怪なボードなのに、
ここのところ北海道で滑る機会が多くなったことで、
それまで関東圏のスキー場では感じる事のできなかった難しさにもぶつかっている。

それを特に強く感じたのは底突きしない深雪での取り回しだ。
ちょっとばかしややこしく木が混みあった森の中であっても、
比較的踏み応えのある深雪であれば、面白いくらいに思い通りに動いてくれたので、
この日も!と意気揚々と持ち込んだら
富良野の底突きしないパッフパッフの羽のようなパウダースノーだと、
ツリーランがまったく上手に捌けなかった・・・
行きたい方向にトップが向いてくれないし、踏み込み荷重が踏み込み抜けてしまう。
そうなるともうTTが何処に飛んでいくか見当も付かなくなる・・・

これはコースに復帰するときに良く現れる、止まったら最後、埋まってしまいそうな
微妙なスピードコントロールを求められるトラバースラインでも顕著で、
そんな場所に狭い木と木の間をすり抜ける箇所や、
深いノールを乗り越えていく箇所などが現れると、嫌な汗が垂れまくる。

同じ軽さと深さのあるパウダースノーでも、ある程度開けた広い場所であれば、
TTの行きたい場所へ泳がせるだけで、まさにこのボードの真骨頂と言えるような
一切抵抗のない水の上を滑走るような、最高の感触を味わわせてくれるのに、
そのターン弧を乱すと、途端に言うことを効かなくなる。超のつくワガママ娘だ。

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しかも今季は、その斜向かいにSUPERFISHなんていう、
とんでもない “都合のいいオンナ" がいるので、
余計に融通の利かなさ加減に気が滅入る。

私自身完全に意表を突かれたが、
SUPERFISHの太さと長さからは到底想像がつかないような
(・・・否、この太さと長さだからこその高い操作性なのかもしれないが)
新雪の中ではまさに水を得た魚。
意のままに動いてくれるまさにスーパーなボードであった。

私がSUPERFISHにだけ乗っていたら、確実に下手になっていくだろう・・・
それくらいに男を堕落させる “イイオンナ" ぶりを発揮してくれる。

こんなボードが隣にいては、パウダースノーが深く降り積もった日の、
TTの出勤率が極端に下がってしまったとしても致し方ない・・・


決して私はではなく、ドのつくなのでありますが、
そんな私なら尚のこと、これだけコテンパンにされたら
「もう二度と乗るか!」となってもおかしくないのでありますが、
それでもたまに垣間見る海底から覗く一筋の光のような
悦楽の乗り味を思い出すと、麻薬のようにまた乗りたくなってしまう。

立体地形での吸い付くように壁を駆け上がる胸のすくような感触。
そしてピステンバーンで強く感じる、ミズメ×ヒノキだけが持つ
踏み込みに対して伸びやかでいて柔らかに雪面の状況をフィードバックしてくる
形容しがたいあの足応えを知ってしまった今となっては尚のこと、
その先にある何かを暗示する兆しのようなものに抗えない。

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『ひとつの指輪』の如き、底知れない魔力だ。goram3.jpg「いとしいしと」。


ひょっとすると、どんな場面でも乗りこなせるようになろうなんて、
おこがましいことを考えるよりも、
こいつと過ごせる最高の時間だけを考えて、それを引き出せる日に
ピンポイントで乗り込むような使い方が本当は正しいのかもしれない。

メーカー毎に、モデル毎に様々なシチュエーションに合わせた
独自のチューンが施されているのだから、そもそもすべての場面で効力を発揮する
万能なボードなどこの世には存在しない。
このご時世、滑り手の価値観もまた多種多様なのだから、
その掛け合わせは数千万通りにも及ぶだろう。

そういう時代の中で、作り手の意図が色濃く反映され過ぎて、
もはや数を売る商業主義からは、あからさまに逸脱してしまっている
このTTのようなエッジィなボードが傍らにあるスノーボードライフというものが
実は今一番求められているプロダクトの有り様なのかもしれない。

そういう完全に独立した一本の流れに乗るのも、まさに「今」な感じがして
そこに参加している感覚もまた、私の所有欲を満たしてくれる部分なのであります。
  

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2015.01.27 | コメント(4) | トラックバック(0) | スノーボード

かぐら【1/25】

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年末から北海道6日間〜成人の日の三連休に北海道3日間〜先週白川郷2日間と、
年末から怒濤のトリップを繰り返し、
そしてもちろん来週の予定表もトリップの予定で埋まっている私は、
さすがにこの週末は家に引き籠もって身体の疲れを癒すつもりであった。
が、それも土曜日まで。仕事が忙し過ぎて働き詰めのatuが、
この日曜日はなんとか休む!と意気込んでいるので付き合うことにした。

ただ、atuとは来週も含め、私と行くバックカントリーツアーの予定があるのだが
atuにしても、のぶにしても、「できればハイクはしたくない」とか、
バックカントリーという遊びの根底を揺るがすようなことを真顔で言う。
のぶに至っては「だって疲れるんだもの」と、ほとんど言っていることが子供だ。

これは遠回しに私の余暇の充実具合に直結する問題なので
今回はとにかくatuに雪山を歩いてもらおうと、ここかぐらにやって来た。

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申し遅れましたが、この日はスキー。
atuのたまの休日に〜とか言っておきながらなんですが、
ここらあたりでやっておかないと、スキーをするタイミングを逸してしまうので
atuには申し訳ないが、これは致し方のない決断。一挙両得。

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かぐらは金曜日に強風で上部リフトが止まっていたので、
天気の回復した土曜日は、キャリーオーバーされた新雪を求める
多くのお客さんで賑わったことだろう。
この日のかぐらは朝のうちはそこそこの降雪量で、
厚い雲に覆われるものの雲間からたまに陽も差す状況。
前日混みすぎたせいか、はたまたこの朝までの積雪はない予報であったことが原因か、
いつもの殺伐とした風景が嘘のように、始発のロープウエイも人影まばら。
そして、時間を追うごとに混み合ってくるかぐらメインゲレンデも
この日は嘘のように空いている。

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そんなわけで、とても滑りやすいかぐらメインゲレンデのピステンを5本滑って、
足慣らしを済ませた後、いつものように9時に動き出す5ロマに乗って
登山口まで移動すると・・・

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そ、そんな・・・

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リフト降り場に登山道の入口のある5ロマは、遅い時間からの入山を規制するため
12時までの運行にしたり、登山道に入る全員に登山計画書の提出を義務化したりと、
様々なところに安全対策が施されていることが分かる。そういった見地からも、
山頂付近に厚い雲のかかるこの日は、視界が悪化する可能性があるため
入山が規制されるようだ。
画像の登山口の前で写っていらっしゃる方々も、ハイク装備を傍らに置いて
ゲートに立つ係の方に代わる代わる状況を確認されていた。
雲はかかるがさほど視界が悪いわけではないし、
今にも雲が抜けていきそうな状況だったので、少々腰砕けな気分にもなるが、
先々のことを考えても、これは個人的には良いことだと思う。

何より、西武という大手スキー場運営会社が、真剣にコース外滑走に対する
安全対策を模索し始めてくれたことが素晴らしいことだと思う。
これからそれなりに紆余曲折を経ていくことになるだろうが、
全国に先駆けて、ここかぐらから新しいスキー場の在り方が生まれていったら
私はそのことを誇らしく思うだろう。

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とか、大人っぽいことを言っておきながらなんですが、
少しばかりゲレンデ脇を散策させていただく。

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ほんの20cm程度ではありますが、朝までに積もったクリーミーな新雪の足応えに
二人してウットリ・・・

特に私はスキーで苦手とするクラスト系の雪を練習する良い機会だ。
う〜ん、今日は左足の入りが悪い。左の板の抑えが効かない。
って、ことは右足の踏み込みが足らないってことだ・・・とか、
かなり久しぶりにスキーで特訓モード。

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この日は5ロマも空いていて、続けて3本ほど繰り返す頃には、
裏山のはずだった場所はあっという間にゲレンデ同様のきれいな圧雪斜面に。
午後を過ぎても探せばノートラックが残る北海道のスキー場に慣れてしまった
すっかり軟弱化の進む私は「これぞかぐら!」と言える厳しい洗礼を受けた。

仕方がないので登山口が開くことを祈りながら10時半にレストハウスで一旦待機。
言ったように5ロマはお昼までの営業なので、
30分ほど休んだらレストハウスをあとにして登山口へ急行。のはずが、
さっきまで比較的空いていた5ロマ乗り場に大行列・・・こりゃダメだ。と、
この日のハイクはこの時点で断念。

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みつまたエリアに到着すると、
岩原スキー場に、果ては八海山までスッキリと見渡せるドッピーカン。
かぐらエリアを見返すと、中尾根にだけ厚い雲がかかっている状況でした。

そんなまるで春のようなうららかな天気の中、
いつもの大会バーンでカービング道場に勤しむことにした。
ここへ来てもやはり左のエッジングが今ひとつキマらないなあ〜とか、
久しぶりにスキーのチェックを繰り返すことができて、これはこれで充実した一日だ。

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まあこういう日もあるサ。
atuに至っては「ザックを背負って滑る良い練習になりましたわ」と前向きだ。
きっと誰かが、今日は山へは行かない方が良いと報せてくれていたのだろう。
  

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2015.01.26 | コメント(7) | トラックバック(0) | スキー

OAKLEY Prizm™ Lens Technology

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A-Frame 2.0で紹介させていただいたオークリー独自のレンズテクノロジー
PRIZM™ ですが、勢い余ってAIRBRAKEの方も買ってしまいました。
と言うのは半分嘘で、実はこちらの方が先に買っていたというか
予約を入れていた物件でした。ですので、勢い余ったのはむしろA-Flame 2.0の方。
ちなみにA-Flame 2.0はまだ一度も使っていない・・・

んで、PRIZMレンズですが、AIRBRAKEに同梱されているのは
『BLACK IRIDIUM』と『ROSE』の二色のPRIZMレンズ。
当初スペアレンズはPRIZMではないタイプのものが同梱されると
アナウンスされていたが、この80's Green Collectionに関してはなんと
PRIZMレンズ二枚組とうれしい誤算。
ただし、そのぶん80's Green Collection以外のPRIZM搭載のAIRBRAKEに較べ
3,000円ほど高く設定されている(当社調べ)。

加えて、上の画像をご覧になってお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
どう考えても80's Green Collectionにはこれが一番似合うはずの
『JADE』のスペエアレンズも試すことができたので、
今シーズン登場した三色全てをゲレンデで試すことができた。

前回、その技術的な仕様に関しては不明とお伝えしたが、
その後オークリーから解説のビデオが発表された。



う〜ん・・・これを見てもまだよくわからんが、

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要は視認性を高める上で大切になる特定のオレンジとブルーを強化して
それ以外の色を遮断するレンズの染色技術ということか?
染色とは言え、実現に15年かかったとされる技術なので、
単にこの色にすれば万事解決ということでもないのであろうが、
何か狐につままれたような感じがするのは私だけだろうか?
特に欧米人とアジア人では目の色も違うので尚のことだ。

時に展開される三色であるが、ビデオで見ていただいたとおり、
RoseがRRIZMの “素" の色で、BLACK IRIDIUMもJADEも
Roseにイリジウム加工を施したもの。つまり、
RoseはPRIZMレンズのクリアか、パーシモンにあたるものと考えれば解りやすい。

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BLACK IRIDIUMのように、ゴーグル奥の顔が隠れるような
濃い色のレンズの方が見た目だけを言えばカッコいいと思うのだが、
色が濃ければ曇りや降雪時などの光量の少ない場面での視認性は落ちる。
見た目をおいても変化の激しい山の天候に対応できるというところも重要で、
上の図にあるように、FIRE IRIDIUMとVR50 PINK IRIDIUMの守備範囲を
カバーできる、そんなある意味ファッション性と機能性を両立出来る
PRIZMの特徴が、私的には最重要ポイントであったわけだ。

さておき、実際に使ってみての感想ですが、まずは
この真っ赤に染まる視界に人によっては好き嫌いが別れるかもしれない。
ただ、これはほんの数十秒で気にならなくなるので、
しばし気にせず忘れて待っていて欲しい。

本題となる遮光性と視認性のバランスに関しても、
一番色の濃いBLACK IRIDIUMであっても、光量の少ない降雪時の環境下で、
コントラストの高い、視認性の高さを実感することができました。
かといってROSEだと晴天では眩しくて使えないかというと、
そんなことはまったくなく、
それなりに強い陽差しであっても、眩しいと感じることは一切ありませんでした。
とはいえ、イリジウム加工の施されていないROSEの場合、
ゴーグル奥の顔は丸見えなので、私的にはファッション性の問題だけが残る。
そういった意味でもやはりJADEが一番汎用性が高いようだ。

しかして、BLACKに限らず、JADEでもROSEでも、
ガスると一転して雪面の凹凸が見えずらくなる傾向がありました。

もちろんガスのかかった状況はどんなレンズでも見えづらいのではあるが、
それまでの鮮明さとの落差が高すぎるせいか、
その見えなさ加減には軽いショックを受けてしまいました。
これだとバックカントリーで使うのは、少々はばかられる感じか・・・

加えてこれはレンズの話とはある意味無関係なのだが、
AIRBRAKEじたい、レンズの内側が曇りやすく感じるのは私だけ???
運動して体温が上がり、ゴンドラなどに乗り込むと、
縁の辺りからジワジワと曇ってくる。

外気との湿度差の高い狭い般器に乗り込むので、AIRBRAKEに限らず
POCでも同じ傾向となるが、POCであれば少し時間をおくと曇りは取れてくる。

私以外でそういった話も聞かないので、あくまでも私の顔の形と
AIRBRAKEが合わないのか、もしくは私の発汗性が髙過ぎるのかもしれないが、
少なくとも私が使う場合においては、ゴーグル内の換気が
効率よく行われていないようで、正直に言って心中は決して穏やかではない。
これに関しても私の場合は、バックカントリーでAIRBRAKEを使うのは
躊躇せざるを得ない。

最後に、このPRIZMのために買い換える価値はあるか?
という件に関しては、一般的なゲレンデ滑走を前提に考えれば、
そこまでの価値はないように思えた。
それほどに今まで使っていたOAKLEYのレンズでも、
POCのレンズでも優秀だと思うし、PRIZMレンズとの差は
かなり特殊で限定的なようにも思えたので、やはりこの先は
雪上で様々な環境光下で使ってみた個々人の感想に委ねられる問題だろう。

もちろん、このテの物件に知的好奇心を強く刺激されてしまう
“学研世代" の諸兄には、絶対に試してみるべき!とリコメンドしておきたい。

そして、この結果を経て、
私の知的好奇心はさらに “あのレンズ" に向かうのでありました・・・・
To be continued・・・  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2015.01.23 | コメント(4) | トラックバック(0) | スノーアクセサリー

Rhythm Works 白川郷BC Day-2

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翌朝、部屋の窓から眺めると、降雪も少し残るものの晴れ間ものぞき
絶好のBC日和を予感させた。
もちろん前日から雪は休まず降り続いていたわけで、これぞまさにThe DAY !

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もちろん足取りも軽やか。とても気持ちの良い朝の散歩だ。
ついつい写真も撮り過ぎてしまう・・・

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ハイク開始から2時間後。
合掌集落を見下ろせる開けた場所に出る。まさに絶景だ!

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そこからもう1時間登り、計3時間で標高約1,500mに位置する
本日最初のドロップポイントに到着。
前日から更に雪の焼結も進み安定傾向にあるようだ。ということは?つまり〜?

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こういうことだ!
前走するトラックの深さに注目して欲しい!
しっかりと腰までございます。

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minaさん、笑いながら滑ってます・・・(要拡大表示)

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Tさん埋まってます・・・

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Aさんニヤけてます・・・

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エヌヨメさんは、卸したてのLOVEラブボードがとても調子良い様子です。

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水間大輔さんの滑り!カッコヨス・・・

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豪快に浴びるフェイスショットもまた気持ちヨス・・・

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この二枚の画像で、ここの斜度感がお解りいただけるだろうか・・・

かのPatagoniaのアンバサダーたちをして
「AMAZING!」と言わしめた斜面なのだ。


しかもこの天気だ!
The DAYを通り越して、ここはすでに天国だ。

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そうしてボトムまで落として一本目終了!
か〜〜〜〜〜〜っ!もう言うことナシ!画像から私の気持ちを悟って欲しい!

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もちろんもう一丁!

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約1時間半登り返して、ラストシュートへ!
この頃には雲ひとつない晴天となった。

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最高だーっ!

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(・・・と、実は私、このあとあらぬ方向に滑っていってしまい、
 若干迷子になりかけた。スンマセン・・・)

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こうして全て出し尽くしてトヨタ自然學校まで戻り、
ツアーは終わりを告げた。



このツアーと同じ週末、いくつかの遭難事故が起きてしまった。
中には土曜日の野谷荘司の状況と同様に、数日前に降った雨によって形成された
弱層が引き金と思われる雪崩事故もあったようだ。

今回、リズムワークスの旭さんは、この日の山に潜む危険を一つひとつ
ゲストに説明しながら、それらを最大限に回避したルーティングを決定されていた。

そして、時にゲストを叱咤し、時に激励しながら、参加者の気持ち、
技術レベルを考慮したエンターテインメントとしてのスノーボーディングの楽しさを、
高度にバランスさせたガイドをしてくれた。

もちろん山行だけではなく、
宿泊先を含めたレクリエーションとしての楽しみについてもよく考慮された、
旅としての完成度を目指されている姿勢がとてもよく伝わるツアーでした。

もちろん自然を相手にするバックカントリーという旅の是非は、
サービス精神旺盛なガイドの思いとは裏腹に、主に天候に左右されてしまい、
同じガイドフィーを払っても、当たり外れという判断に繋がってしまうのもまた事実。
でも、天候が外れたのならば尚のこと、ガイドの必要性が高まるということでもある。

そんな厳しい自然と真摯に向き合うという意味でも、
ガイドツアーだからこそ体験できる世界があるという意味でも、
ガイドツアーに参加する歓びを、多くの方々にもっと知ってもらいたいと思う。

バックカントリーという遊びに対して、様々な外圧がかかるこの時期こそ、
そういった楽しみを発見するのに、逆に良い機会だと私は思う。

危機こそ最大の好機なのだから。




といったわけで、今回で3回目になる白川郷でありましたが、
天気、雪、食事、酒、観光にもちろん最高の仲間たちに恵まれた
文句なしにベストの白川郷だった。
頭の片隅ではもう二度とこんな見事に全てが揃うことなんてないと思いながらも、
また来たいと思うし、また来なければならないとすら思う。

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※MOSSライダーの水間さんがお持ちのスプリットボードは!?

そのときはまた、みんなで集まろう!

ゲストのみんな、旭さん、水間さん、トヨタ自然學校のみなさん、
そして白川郷に野谷荘司山。
最高の時間をありがとう!
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2015.01.22 | コメント(6) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

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埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

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