インターステラー
毎度徹底した秘密主義で知られるクリストファー・ノーラン監督。
今回もその内容に関しては一切漏れ伝わずに公開となった。
お馴染みのバットマンならいざしらず、オリジナル脚本を秘密にすることに
どれだけの意味があるのか分からないし、何より興行主にとっては
事前に内容を告知して集客を計れないため、正直たまったものではないだろう。
そんなこともあって、
日本ではやたらと親娘の絆を推すような予告CMが流されているが、
まあ確かにそう観るムキもあるだろう。
でも、本質はもう少し違うところにあって、
かといって、それはSF丸出しといった部分でもない。
私にはそれは「時間のもつ残酷さ」と「時間のもつ儚さ」の物語だと思った。
これ以上はネタバレぜずにはどうやっても話せないので止めておく。
『ダークナイト』でも、とにかく実写にこだわり抜いたノーラン監督なので、
今作でも「そこCGで良くね?」っていう描写であっても
手を抜かずに巨大なセットやロケーションでの撮影を敢行していたらしい。
これに関しては “全編顔芸“ だけで、そのほとんどがCGで創られた
『ゼログラビティ』とは対極を成す作品といっていい。
一歩間違うとどう見ても観光写真に見えてしまうような
何処かで見たことのある景色になりかねない方法なのであるが、
その甲斐あって “地球によく似た新惑星" の描写に与えられた
スケール感とリアリティが素晴らしかった。
そして、ここでも再三に渡り賞賛を繰り返している
マシュー・マコノヒーの演技は掛け値なしに素晴らしいの一言!
最初、主人公がマシューだと聞いたときには、まだ内容も知らないのに
何か違和感を感じたほど、ノーラン作品との親和性に疑問を感じたが
観終わってみれば納得しか残らないほど、これはマシューのための作品だ。
それほどにこの役どころには、マシューの持つ、画面から滲み出るような哀愁だったり
それ故底の知れない人間の強さだったりが、必要不可欠だと感じた。
ひょっとすると、マシュー・マコノヒーありきの作品だったのかもしれない。
とはいえ、私がマシューの作品を評すると、いつも「彼にしかできない役だ」
とか言っているので、それは多分に私の思い過ごしが含まれるものと思われるが、
それほどに人間くさい役者が、なぜここまでガチガチのSF作品に必要だったのか
それこそがこの作品の核になっている部分だと言うことは断言できる。
それと今作は、私にとってはじめての3DではないIMAX版だったのだが、
言ったようにCGではなく、実写でなければ描き出せないスケール感を含め
その臨場感はものすごいものであった。マジに5割増し!3D作品よりも、
2DのIMAXの方が現場にいるような飲み込まれる感じが強いように感じました。
絶対にIMAX版を観るべし!
というわけで、この作品もIMAX版の公開中にもう一回劇場で観ておこうと思う。
2014.11.28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画
