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クライミング スキン比較論

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ノーマルのAlpinist skinとの性能差に関しては、試してから再度ご報告する予定だが、
とりあえず見た目でもHIGH TRACTIONとノーマルのAlpinist Skinとを比較してみた。
厚みはご覧のようにほぼ倍あって、その差の全てが毛の長さだ。

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あからさまな剛毛で、見るからにグリップは良さそうだ。
もちろんそのぶん重量も増すはずだが、
ザックに仕舞う時のケースに入れた状態で100g程度の差しかなかった。

もちろん逆に装着したままで迎える下りでの滑りは劣るだろうが
スプリットボードの場合はむしろあまり滑ってくれない方がいいと私は思う。
そんなわけでスキー用もG3なのだが、ノーマルのAlpinist Skinにしている。

spark_aburnner-22.jpg

試しにBlack Diamondのアセンションナイロンも並べて見てみたのだが、
いやいや、想像していた以上に見た目から違う。

毛足の長さはBlack Diamondが一番長く、
少ない力でしなやかに毛が立ち上がる。乾燥も早そうなイメージ。

そのBDと毛足の長さはほぼ同じながら、密度はダントツでHIGH TRACTION。
毛の本数で値段を割ったら一番お得だ。

G3 Alpinist skinは毛が短いぶん、面で立ち上がる印象で刺さる雪に向いていそう。
G3はそろそろクランポンを装着するかどうかの瀬戸際くらいの状況で
少々心許なく感じることがあったので、やはり凍りはじめの刺さらない雪は苦手か。
その代わりすり足の抵抗が少なく感じられてハイクが「速い」印象がある。

グルー面に関しては、以前はBlack Diamondが弱い印象で、剥がしやすいと感じたが
今のものは接着力が強めに変わったように思うので、貼り剥がしに関しては
G3とBDですでに大きな違いはないと思われる。
双方とも登り返しで一旦水分を吸った状況でも変わらない接着力が維持されているし、
何よりその時のためのテールフックなので、そういった心配は不要だろう。

以上はあくまでも、同じ日に同じ場所で直接比較したインプレではないので、
あくまでも参考程度に。

   gecko.jpg
そして、Gecko FREERIDEなど、近ごろグルーではなく素材のもつ吸着効果で
滑走面に貼り付くタイプのクライミングスキンも登場してきており、
それにより糊面同士を貼り付けても問題なく剥がせたり、糊面に水分が着いても
接着力が落ちないなど、急を要する場面で多少手荒に扱っても問題のない
とても気の効いた機能をその謳い文句にしているが、
まだまだ使う人によってその有用性に関しての意見は分かれるようなので、
今はまだ様子見といったところだ。
ちなみにフックをヤモリ(Gecko)の手のかたちにしているのはシャレが効いてるね。

そんな具合に個々に得手不得手の雪質があったり、使い勝手も違うし、
何よりデザインを含めた使い手の好き嫌いもあると思うので
様々な意見をお聞きになって選んでみるといいと思う。


そんなわけで私の場合は、取り回しの良いフックのデザインが、
G3を選ぶ一番の理由と言っていい。
そこにHIGH TRACTIONの強力なグリップ力が加われば尚良し。と、
今回はそういう選択だ。

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2013.11.20 | コメント(4) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

G3 Alpinist HIGH TRACTION Splitboard Climbing skins

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さて、本日はGENTEMCHOPSTICK TT160の準備について。
まずはベースワックスを施す前に済ませておかねばならない
クライミングスキンの準備から。

というのはもちろん、クライミングスキンのグルー(糊)の天敵は
他ならぬ滑走ワックスだからだ。

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SLASHER splitでも使っているG3ながら、その中でもグリップ力に優れる
『HIGH TRACTION』を是が非とも試してみたかった。
ちなみにBlack Diamondには、昔から「ナイロン」「モヘア」「モヘアミックス」と
グリップ力と滑走性能の違いで3種類用意されていたり、
昨シーズンあたりから日本国内でもよく見かけるようになったPOMOCAも
同様にナイロンとモヘアの混紡ながら使い方に応じて5種類も用意されるのだが
G3のクライミングスキンとしては、
このHIGH TRACTIONが初めて登場するバリエーションということになる。

で、TT160の長さに合うのはMサイズであることを確認して、
実はすでに夏のあいだに購入しておいたのだが、
先日いざ施工開始!と実物をボードに当ててみたらビックリ!!

g3_ht_1.jpg

な、長いの〜〜〜〜?

なんとも、思い込みとは恐ろしいものだ。
これは一般的なラウンドツインのボードを想定してサイズ設定がされているため
TT160のトップの細さによって、トップ側のフックが通常のモデルよりも
テール側に来てしまうためだと思われる。
「SLASHER用の同サイズを持ってるんだから予め試しておけよ・・・」
とお思いのあなた。仰るとおり(1)。誠に遺憾であります。

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Sサイズに買い換えようかとも思ったのだが、
できればSLASHERでもこのハイトラクションを共用したいというスケベ心によって、
Mサイズのままテールコネクションベルトを使って長さを調節することにした。
(一旦はオークションに出品までしたが、落札されなかったという事情もある)

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SLASHERとは約6cm長さが異なるので、TT160に装着する際に
できるだけ最大値になるように位置決めする。
ときにSサイズとは14cmほど長さが違うはずなので、M-Lサイズといったところか。

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心を鬼にしてシール部分で約6cmほどカットする。もう引き返せない・・・
(とか言いながら、最後は貼り流しという奥の手もあるのだが)

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ベルトが納まる箇所もカットし、穴空けを施して・・・

g3_ht_5.jpg
    g3_ht_7.jpg

取り付け金具をリベット打ちしてベルトを固定し無事(?)完成。

6cm長いSLASHERでも使えるように、
TT160装着時にギリギリまで長くできる位置にしたのだが、
ベルトの穴一つぶんしか余裕がないので、
もう1cm程度短くする必要があるのかもしれん・・・って、
「SLASHERに合わせて現物確認すればいいのに」
とお思いのあなた。仰るとおり(2)。
でも、そのためだけにSLASHERに塗布されたベースワックスを剥がすのが
ただ単にメンドくさいので今はやらない。

いずれにせよ
SLASHERの方が長さは長いのではあるが、逆にウエスト幅はTT160よりも狭いので、
少なくともSLASHERでこのハイトラクションを使う前に
改めてクライミングスキンのサイドカットをする必要があるので
(実はまだ兼用するか悩んでいるので、コチラは今のところ未だTT160専用だ)
その時にでも併せて調整しよう。

さて、これでやっとTT160のベース作りに移れる・・・

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2013.11.19 | コメント(6) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

DYNAFIT TLT RADICAL ST CRAMPON

dyna_crampon_4.jpg

この週末、立山でシーズンインを迎えた方々の歓喜の声に耳を塞ぎながら
お金がなくて何処にも行けない私は、家でもくもくとギアの準備に明け暮れている。
F1もチャンピオン決定しちゃったし、MotoGPも終わっちゃったし、
『華麗なるギャツビー』はつまんねーし、
繰り返し観すぎてスノームービーにももう飽きてきた・・・・・

泣き言はこれくらいにして、
今回まるっとスキーを替える理由のひとつに、
クランポン(スキーアイゼン)が使えるという、ごくあたりまえのコトが、
なぜか今まで使えなかったという悲しい過去からの脱却がある。

それというのもMARKERのツーリング バインディングに使える
専用のクランポンはウエスト幅128mmまでで、ウエスト幅が130mmに及ぶ
私のバターナイフには使えなかったからだ。
ちなみにDYNAFIT TLT 専用のクランポンはウエスト幅130mmまで用意されている。
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MARKER使っている人でファット履いてる人って、
クランポンが必要な場面ではどうしてるんだろう?
まあ、使えないんだから、必死こいてジグ切るか、
いっそスキー背負ってツボ足で登るかするしかないのか。
逆に、使えないからクランポンを使ったことがない人がいるのだとしたら、
「超使える」ことだけはお知らせしておこう。
人によってはもうツアーのスタートからクランポン填めっぱなしで行っちゃう人も
いるほどなので、その是非はさておき足応えの安心感はとても高いものだ。
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VG_aventura-3.jpg
で、そのTLT専用クランポンがまた良くできていて
このようにハイク中ブーツを外さずに、トゥピースの後側にあるスロットに
クランポンを支持するロッドをスライドさせるだけで装着出来るようにできている。
tle_crampon coler
ときにこのオレンジは100mm幅の色。
80mmから10mm刻みで130mmまでそれぞれ色が違う。
各サイズ色が選べるのなら、ほんとはグリーンが欲しかった。

VG_aventura-4.jpg
で、家に持ち帰ってすぐさま喜び勇んで装着してみたら、
そのスライドさせる部分が引っかかってしまいスルっと填らない・・・
ツアー中はかがみながら、ブラインドとなる足の裏にあるこのクランポンを
操作しないといけないのだから、身体の硬い私には尚のこと、
これでは装着の度にブーツを外すことになってしまいそうだし、
何よりこういった雪山での小さな面倒は精神衛生上よろしくない。

VG_aventura-1.jpg
で、確認してみると、
どうもこのロッドを留めているリベットが引っかかっている様子。
そこで表側だけ、引っかかる部分をひと思いに削ってしまった(右側が削ったあと)。

VG_aventura-2.jpg
あとはKURE CRC 5-56をプシューっとすれば、もうスっと填ル!
ロッドの中央部の窪みでスライドがロックされるので
ここの動きがスムースになっても脱落してしまうことはない。

dyna_crampon_4b.jpg

それと、最初の画像をご覧になってすでにお気づきの方もいらっしゃると思うが、
板に直接固定されるクランポンとは違い、ソールとクランポンの間に
2cmほどの無駄なクリアランスが生まれてしまっている。
つまりこのクランポンは、上から踏み込むことで雪面に歯が噛み込むように
できているので、結果雪に喰い込む歯の長さが短くなってしまう。
しかも上の画像はクライミングサポートを使っていない平坦時の設定なので、
クライミングサポートを使う場面なら尚この距離は開いてしまうと言うわけだ。
もちろん、クランポンが必要になるような場面というのは、
急勾配でサポートを使うことが多いので、このままではあまりにアベコベだ。

        marker_crampon.jpg
この部分、MARKERは上下するフレームに装着するようにできているので
クライミングサポートを効かせるとほとんど歯が刺さらなくなってしまう・・・

dyna_crampon_5.jpg
TLTの中でも滑り止めを装備するRADICALなので、
その滑り止めのぶん1cm近く取り付け位置が嵩上げされてしまっていることも
この無駄なクリアランスを増やしてしまっている要因だ。
RADICAL以前のモデルの場合は、ここのクリアランスが生まれない設計なのだが
特にRADICAL用に措置を施したりはしていないというわけだ。
これについては日本人の中でも特に細かい私はいかがなものかと思う。

dyna_crampon_3.jpg
そこで、細かい私があらためてクランポンを眺めていると、
そこにはあからさまに目的があるやに見せる穴が二つ空けられており、
これはつまり “そういうこと" だろう、と。
そこに高さ2cmほどのボンネットゴムを取り付けてみた。

dyna_crampon_2.jpg
これは2段階あるクライミングサポートを一番高くした状態だが、
このボンネットゴムの高さぶん施工前よりも2cm深く歯を刺せるようになった。
もちろんクライミングサポートを出さない時のブーツとのクリアランスはゼロなので
クランポンの歯の全てを雪面に立たせることが出来る!

ヨッシャーッ!これでスキーは準備完了!
さーて、お次はスプリットボードの準備だーっ!



11/12日の『DYNAFIT TLT RADICAL ST』の記事の中で、
TLTのヒールピースが縦方向に解放しない旨の内容を記載いたしましたが、
改めて確認したところ縦方向にも解放を許容する構造になっているのだそうだ。
で、その場合にもトゥピースは追従して解放してくれるらしい。
ヒールピースの後側を見ると、解放値の設定用のネジが大小2つあり、
目だって大きい下側のモノが横方向、その上にちょこんと存在する
小さい穴の中にいるネジが縦方向の解放値を設定するものなのだそうだ。
そのため、BCエリアなどでの前のめりの転倒に備えて縦方向の解放値を
予め弱めに設定しておくことも可能なのだそうだ。

聞く人によって見解が異なるのもまたこのシステムの不可解なところだ。
お詫びして訂正いたします。

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2013.11.18 | コメント(4) | トラックバック(0) | スキー

ジャッキー コーガン

killingthemsoftly.jpg

『ジャッキー コーガン』観ました。
う〜ん・・・シヴい。ブラッド・ピット カッケェーなあ。

しかして、      outrow2.jpg

トム・クルーズの『JACK REACHER(邦題:アウトロー)』とノリが同じだと誤解して
ブラッド・ピット主役のダークなヒーローモノだと思って観ると痛い目に遭う。

原題は画像にある通り『killing them softly』。
例によって原題の方が目的を持って命名されているぶん、
的確に内容を言い当てている。

内容は
依頼を受けて、会議をして、部下を使って調査して、ちょっと面倒が起きて、
依頼主と調整して、金額交渉して、仕事して、バーに行ってビール飲んで・・・
という、まるでサラリーマンの一日のような「殺し屋の日常」。

なかなか思うとおりには運ばせてはくれない海千山千の男達の中で、
決して焦らず、怒らず、かすかな笑みを湛えながら頑なに流儀を貫く
男の格好良さをストレートに2時間の映像にまとめただけだ。
ただ、女性ファン向けの写真集的なDVDではなく、
男が惚れるヒリヒリするような男臭さを映像化した作品で、言ってみれば
『アウトレイジ』と『パルプフィクション』と『ブリジット・ジョーンズの日記』を
足して4で割ってたような映画だ。

killingthemsoftly2.jpg

そんなわけでスリルやサスペンス要素など、ドラマチックな展開はほとんどない。
ダイ・ハードの中の30分程度の出来事くらいしか内容はなく
異質でありながらどこにでもありそうな「事情」を俯瞰して描く
ロードムービー的なしつらえと言えなくもない。

その昔・・・任侠映画を観終わった男たちが
肩で風切って劇場をあとにしていったものだが、
煙草をやめて、早3年になる私でさえ煙草が吸いたくなってしまうような
男の子が持つ遺伝子レベルのワルへの憧れを刺激する映画だ。

「悪」の放つ抗いがたい刺激が「近頃足りていな・・・」と
お嘆きの貴兄にオススメの作品です。

観終わったあと無口になって遠い目をすること間違いなし。

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2013.11.15 | コメント(4) | トラックバック(0) | 映画

DYNAFIT VULCAN TF スキーブーツ チューンナップ

sidas_2.jpg

ハードシェルブーツの場合は当然チューンナップが必要だ。
否、「必要だ」は語弊があるか。
「出来るのだから、しないとモッタイナイ」が適切な表現かもしれん。

意外とブーツチューンナップはしないという方、というよりも
「プロじゃないんだから、チューンナップなんて必要ない、必要ない」と、
aflacblackawan.jpgAflacのブラックスワンのようなことをおっしゃる方も多い。

スノーボード用のソフトブーツならばまだしも、十人十色、百花繚乱、
有象無象に様々な形の存在する足を、強固に拘束するハードブーツの場合、
いかに5mm毎にサイズが展開されていようとも、ピッタリのものがあろうはずもなく
くるぶしを含め骨に当たったり、時に鬱血させるほどの強い圧迫感は日常茶飯事だ。
スキーをしていて足が痛くなるのは普通のことだと思っている人も実は多く
それが嫌になってスキーをやめてしまう人もいるほどだ。

近頃はそれを防ぐために、熱成型でユーザーの足形に合わせられる
サーモインナーを装備しているブーツも増えては来たが、
まだまだハイエンドな高価なモデルに限られるし、
サーモインナーですべての問題が解決するわけではないこともまた事実だ。

といった、ブーツが足に当たって痛い痛くないの話に加えて、
曲がった膝を持つ私の場合は、腰から下の荷重が膝の部分で股の方に逃げてしまい、
荷重がスキーに真っ直ぐ伝わらずにきちんと踏み込むことも出来ないので
それを補正することはスキーブーツを買う際にはもう絶対条件となる。

で、久しぶりのスキーブーツ購入でしたので、いつもの好奇心から、
新たなチューンナップショップにお願いしようと思い、
ネットでブーツチューンのお店をあちこち調べた結果、
今回お願いした『スキーブーツ チューンナップ ファクトリー エスキモー』
辿り着いた。

    footangle2.jpg

さきほども膝が曲がっていると申し上げましたが、私の場合、
実は曲がっているのは足首の方で、このように「回内足」にあたるようだ。
そこで、これをインソールで修正していただくSIDASのカスタムインソール制作に、
足に当たる箇所のシェル出しに加え、
このブーツに標準で装備されるサーモインナーの熱成形も
買ったショップでは行わずに併せてこちらで施工していただきました。

それと、交通事故で痛めた右脚だけだと思い込んでいたこの症状は、
そもそも事故は関係なく両脚ともこの「回内足」だったようだ。

sidas_1.jpg

カスタムインソールは、もちろん自分の足形に成形されるものだが、
では、そのカスタムインソールの裏側は、これまたメーカー毎、モデル毎に
様々な形状を持つインナーブーツのソール部分に
きちんとはまるような形状になっているのだろうか?つまり、
足形を採った時と同様にきちんと水平を保ったままブーツ内に固定されなければ、
実はあまり意味がなくなってしまうということだ。

で、実際に施工を終えての出来映えですが、
まだ滑ってもいないので、いまはまだ室内履きでの感想ではありますが、
ヒトコト「スゴイ」。

機械的に私のヒザの向きをかえるのではなく、科学的というか医療的な論拠で
荷重方向を制限してくれています。
もちろん当たったり違和感があったりすることもなく、
唯一無二の私専用ブーツに仕上げて頂きました。

ちなみに、昨日の記事でもブーツのサイズ感に関して触れましたが、
こちらの方に伺った話だと、欧米人はブーツ内のつま先の遊びを重要視するらしく
そもそもつま先は余らせるように造られている場合が多いらしい。
つまり、つま先は一切当たらないように幅や甲の高さを設定している可能性が高く、
私の場合、27.5cmだとつま先はカツカツだったので
あくまでも想像ではありますが、28.0cmにして正解だったのかもしれない。

それとついでにサーモインナーの許容範囲の話もしておくと
試し履きしたときの印象と、熱成形後ではサイズ感にまで及ぶような変化は
あまりないと考えて良さそうだ。

話をカスタムフィッティングに戻すと、
やはり興味はフットプリントを採るだけの診断で、
それでどうしてこんなに私にピッタリのインソールを作れるのか?の
その一点に集約されます。

施工頂きながらあれやこれやとお聞きしたところによると、
採取したフットプリント(足形版)から解ることは、実はほとんどないのだという。
技師の方も以前はコンピューターで足形を取る機械を使ったことがあるのだそうだが、
それはあくまでも参考にする程度の情報でしかなく、
それよりも旧態依然とした足形の採り方をしながら、
その際に膝の曲げ伸ばしなど実際に荷重の掛かる足に触れたり
観察するなどの経験から得られる情報を元に制作されるのだそうだ。

私の場合はそうやってまずは「回内足」であることを所見していただき、
インソールで土踏まずの部分を上げることで足首の傾きを抑え、
膝の動きを内側に逃がさず真っ直ぐに曲がるようにしているのだそうだ。
今までは単にシェルのアッパーにスペーサーを噛まして、
ブーツの口を外側に向ける調整をするチューンナップばかりだったので、
この根本的な処方には本当に目から鱗が落ちる思いがした。
これはもう「矯正」ではなく、すでに「治療」の域だ。

もちろんスノーボードブーツのカスタムインソールもお願いすることにした。
これでもうバインディングでのカント調整に頼らなくても良くなるかもしれない。

ショップ購入の場合は、サーモインナーの施工料がブーツの購入代に
インクルードされているので、そのままショップで施工する人がほとんどだと思うが、
こちらはもちろんサーモインナーの施工も経験豊富なので、
まずはサーモインナーの施工からでも相談してみてはいかがだろうか。

少々お値段は張るかもしれないが、自分の足の持っている特徴を把握できるだけでも
十二分にその価値はあると思いますし、
雪上での一日が気分良く過ごせれるようになるのであれば、
それだけで充分モトを取れると思います。心よりオススメいたします!

マジ、グッジョブです!
 

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2013.11.14 | コメント(10) | トラックバック(0) | スキー

DYNAFIT VULCAN TF

VG_aventura-30.jpg

この『DYNAFIT VULCAN TF』にしたわけは、もちろん
TLTにバインディングを変更するにあたり、専用の構造を持ったブーツでなければ
装着することさえできないという以上の理由はない。仕方なくと言ってもいい。
(ちなみに上の画像はMARKER TOUR F10に装着してみたところ
 TLT用とはいえ、このブーツは一般的なバインディングでも、このF10のように
 コバ高を調整出来るタイプであればなんとか使えそうだ)

と、仕方ないなりにも数あるTLT対応ブーツの中からこちらを選んだ一番の理由は
何をさておいてもTLTバインディングと同じディナフィット製だということ。
前回も説明したように、ただでさえ特殊なシステムなので、
前提に、というかTLTと同時に開発されたブーツを選ぶことが
どう考えても相性が一番いいに決まっていると思うからだ。
とにかく、まだこのシステムを信用しきれていない私は、
石橋を叩いて渡りたい心境なわけだ。

そんなTLTとの相性の話は横に置いて、このブーツの魅力を紹介してみよう。

ULTRA LOCK SYSTEM
このVULCANのような “AT (Alpine Touring)ブーツ" や “兼用靴" と
呼ばれる滑走と登行を両立させるブーツの中でも特に、
シェルフレックスを130程度まで上げて、より高い滑走性能を追求したモデルの場合、
足首の可動性を確保することはつまり、そのシェル強度を下げる事につながる。
よって、足首のロック/解除機構には、各社毎にそれを実現するための
様々なアイデアがあってとても興味深い部分だ。

vulcan_2.jpg
VG_aventura-19.jpg
DYNAFITの場合は、アッパーシェルを固定するバックルとロック機構を一体化。
ハイク時はとうぜんこのバックルを外して拘束を緩めるので、
その動作でロック解除を済ませる一石二鳥となる構造だ。
ちなみにこの状態での可動範囲はすでに60°確保されている。

つまり、昔懐かしいリアエントリーブーツのようなものだ。

vulcan_9.jpg
GARMONT(現SCOTT)の場合は、このようにアキレス腱に位置するロックを解除し、
金属製のスライダーに沿ってアッパーシェルが起き上がる構造。
較べると可動域が狭く感じるが、基本前屈みに登ることが多く、
足首はさほど立ち上がらないので、これでも特に不具合はなかった。
そういった意味でも、これだけ足首に自由度を与えられたブーツで登ると
どういった効果があるのか、試すのが楽しみだ。

vulcan_3.jpg
ときにこのロック機構が組み込まれ若干大型化を余儀なくされたバックルは
解除時は2分割されて折れることで、ブーツに沿うようになっており、
外側に出っ張らず邪魔にならないように配慮されている。
とても細かい気配りが利いている部分だ。

vulcan_1.jpg
ソールの硬質プラスチックポイント
ソールは歩行を考えて、もちろんグリップのいいゴム製のブロックソ−ルだが、
つま先と踵の部分4点に、丸い硬質プラスチックのポイントを設けている。
これによりバインディングとの接地部分がより密接になり、より強固に固定される。
ただこれはTLT RADICALに対してはこのポイントが接地するのはヒール側だけで
一番上の画像のようにMARKERのような一般的なバインディングの方が、
その効果は高そうだ。

vulcan_8.jpg
ピボット・バックル
足首部分の可動軸になるピボットからロアシェルの上側になるバックルが生えている。
これによりブーツ内での踵の浮き上がりを強力に防いでくれる。

vulcan_7.jpg
登山靴のようなロアシェル
ロアシェルをこのように踵を包み込む美しいドーム形状にし、ピボットバックル、
そして熱成形によって処理されるサーモインナーとの組合せによって生み出される
踵のホールド感がとにかくすごい!
ホールドされすぎて、脱ぐ時に踵が簡単には抜けてくれないほどだ・・・

vulcan_6.jpg
脱着可能なタングシステム
タングが履いたままでも取り外せるようになっており、
外した状態では、足の甲から足首までの動きを規制する物がなくなるため、
その時の足首の自由度は登山靴以上だ。
これは最後の最後に板を背負って登攀するときのための装備であろう。
不安になるくらい履き心地が気持ち悪いので私は使わないと思う。
外したタングを山の中で無くしそうだしね。

vulcan_4.jpg
ケーブル式バックル
軽量化にかなり貢献していると思われるケーブル式のバックルは
見た目は悪いが使い勝手はかなりいい。それと、
バックルを緩めた状態で歩くハイクモードのときに便利な、
滑走時の設定位置からケーブルの脱落を防止するカバーも付く。

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GARMONTの場合はキャッチャーの狭い歯の中にロックが設けられていて
まるで精密機械のようだ。私はこの部分に関してはこのメカメカしさの方が好きだ。

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パワーベルト・ストッパー
緩めたパワーベルトが抜けないようにストッパーが設けられている。
これもまたちょっとした気遣いだが、ベルトが抜けきるとだらしなく
引きずってしまうし、もう一方の足でそれを踏むと危険なので、その効果は大きい。

最後にサイズの話
例によって甲高段広なアジアンフットな私が欧米モノを選ぶ場合、
そのサイズ感はいつも微妙だ。
27.5cmと一緒に28.0cmも取り寄せてもらい、履き較べてはみたものの
どっちもどっちで決め手に欠ける展開に・・・実はこの2サイズで、ソールサイズが
204mmから214mmと1センチも大きが異なるほどシェルが大きくなってしまうので
重量増を考えれば27.5cmの方を選びたいところだが、歩く時のことも考えて
重さよりも快適度を優先し、結局28cmの方を選んだ。

dynafit_vulcan-2.jpg
dynafit_vulcan-1.jpg
27.5cmのカタログ公称値は1,590gというかなり軽い部類に入るVULCANだが、
シェルの1サイズアップで公称値よりも214gも重くなってしまった。
それでもGARMONT ARGONよりも169g軽い。

毎度のことながら、スキーブーツのサイズ選びには本当に困らされる。
特にサーモインナーを装備するブーツの場合、そのサーモインナーを熱成形する時に
どれほどの許容範囲があるのか解らないので尚のことだ。
ショップの方にもっとアドバイスを頂きたいところだが、
「話と違うじゃないか!」とあとで責任問題に発展する部分の決定事項には
もちろん一切口を挟んで来てくれない。
厳つい顔したオッサンの客だと尚のこと距離を感じてさみしい。

もちろん、そういったフィッティングの大切さは
ハードシェルのブーツなので尚のこと重要度を増す。
ブーツ・チューンナップはすでに必須項目なので、そのお話しはまた明日!
 

テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

2013.11.13 | コメント(2) | トラックバック(0) | スキー

DYNAFIT TLT RADICAL ST (11/18 加筆修正)

VG_aventura-17.jpg

今回は『DYNAFIT TLT RADICAL ST』のお話。
ショップや展示会で何度か実物に触れては来たが、
実際に自分のものとして手にした今でもこのTLTという
スキー・バインディング・システムのことは摩訶不思議なモノに見えている。
そんなわけで、改めてTLT RADICAL STを見回してみようと思う。

VG_aventura-26.jpg
まずはこのTLTを象徴するといっていいトゥピースから。

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つま先にある「穴」と、バインディングにある「爪」の位置を合わせて

VG_aventura-14.jpg
「踏み込む」というよりも、「スイッチを押す」ようにつま先を降ろすと
このように「爪」がブーツのつま先を挟み込むように留められる。
ハイク時はこの爪を支点に踵が浮くようになり歩けるわけだ。

しかして、旧来のスキーバインディングならば、つま先のコバの部分を
あからさまなその溝に突っ込めば、それでつま先側の位置決めは完了するのだが、
TLTの場合は、適切な位置にピンポイントで運び込めないと
この穴と爪の位置を合わせられない。

dynafit_vulcan-3.jpg
そこで考えられたのが穴の後下側に付けられたこの山のような「突起」。
二つ上の画像を今一度ご覧いただけば、この突起とバインディングの爪が当たることで
適切な位置決めを報せていることがお解りになるだろうか。実は最近のモデルまで
この突起がなかったらしく、それ以前は装着が相当に難しかったらしい。

この突起は私の知る限り、DYNAFIT以外ではSCARPAなど数社しか採用していない。
パテントなのかな?

VG_aventura-14b.jpg
そして爪のすぐ下にある「Power Tower (Side Tower)」も
あとから追加された部分で、装着時のその容易な位置決めを補助しながら、
ブーツとの隙間を埋めることで滑走時はもちろんハイク時でも
横方向への荷重を増す働きをする(らしい)。

とはいえ、装着時のつま先の位置決めは、この突起があっても難しい。
踏み固められた雪の上ならいざ知らず、深雪での作業を余儀なくされる
裏山であたふたしたくないので、トレーニングが必要な部分だ。

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で、実はそのトゥピースよりも複雑怪奇なのが、実はこちらのヒールピース。
見ただけではその機構のすべてを想像するのは難しいだろう。

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これはブーツの踵の部分を写したものだが、

VG_aventura-15.jpg
VG_aventura-16.jpg
ヒールピースから生える2本のロッドを、踵にある2本のスロット(溝)の中を走らせて
スロットの上側に位置する金属パーツで囲まれた固定位置までロッドを運び込み
固定される仕組み。
つまり、この2本のロッドが互いに引っ張り合う方向にテンションが掛けられていて
2本のロッドがブーツの踵に金属で設えられた納まるべき位置で固定される仕組みだ。

こちらは仕組みはややこしいが、滑走時はトゥピースを填めてしまえば、
あとは真っ直ぐ踏み込むだけなので装着の最に悩むことは一切ない。ステップイン。
外す時はトゥピースの前側にあるレバーを押して、先にトゥピースを外してから
踵を斜め前方向に回転するように捻るとバインディングからブーツが外れる。

tlt_radical_1.jpg
ハイク時は流れ止めのリフターをブーツで踏んで押さえながら、
ヒールピースを手で100°時計回転させ、2本の固定ピンを踵のスロットから
逃がすことでヒールをフリーにするとても単純な構造。
ではあるが、普通の感性ではヒールピースごと回転させるという発想は出てこない。

ちなみにこの流れ止めは、ワキシングする際に超がつくほど邪魔になるので
流れ止めを仕舞った位置て固定しておくためのバンドが売られているほどだが、
この構造のためワキシングのその一手間が省けてちょっとウレシイ。

VG_aventura-21.jpg
ときにヒールピースは常に時計回転に回さなければならない。
もちろん解放時には左右どちらにも解放されないとまずいので
回そうと思えば時計逆回転にも回せてしまうが、メーカーは構造上不具合の出る
可能性のある時計逆回転でのモードチェンジは避けるように注意している。

tlt_radical_2.jpg

VG_aventura-22.jpg VG_aventura-23.jpg
ヒールピースの上部に備えられているアルミでできたパーツを倒す方向に出すことで
2段階のクライミングサポートが実現する仕組み。


そして最後に、転倒した際だが、
トゥピースが縦方向には自由に回転する構造なのだからあたりまえなのではあるが、
ブーツのコバに切られた2本のスロットを填める時とは逆向きになる縦方向に
ロッドが伝って解放されてしまえば、トゥピースが外れないためとても危険だ。
しかして、縦方向に解放されることはないということだ。
※ 改めて確認したところ、縦方向にも解放されるのだそうだ。
 縦方向に解放しても、トゥピースもそれに追従して解放される仕組みらしい。
 そのため、解放値の設定は横解放と縦解放で2箇所設定箇所が用意されていて
 真っ直ぐに突っ込むような転倒に備えて縦方向の解放値だけを下げて
 使う使い方もできるのだそうだ。(11/18 追記)
つまり、トゥピースが横方向に、ヒールピースが縦方向に解放させることで
幅広い解放を実現している一般的なバインディングとは解放の仕方が大きく異なる。

そしてその時にトゥピースがどうやってそのヒールピースの解放動作に連動して
ブーツを安全に解放するのかもよく解らない。
トゥピースには外れ止めのロック機構が用意されていることからも
ひょっとするとトゥピースは、簡単に解放してしまう構造なのかもしれない。
ときに、トゥピースには解放値を設定する機構はなく
すべての鍵はヒールピースが握っているのだが、正直私はあまり信じ切れてはいない。


どうです?私の説明不足はさておいても、にわかには理解しがたいですよね?
それもこれも、全ては軽量化のためだけに考え出されたリスク承知の機構なわけです。
そんな変態道を突き進むまさに変態のためのツール。
変態の私が使わなくて、一体誰が使うというのか!という
無理矢理な責任感を私に起こさせる逸品なのでございます。

明日は、そんな変態システム用ブーツ
『 DYNAFIT VULCAN TF』をご紹介いたします。

テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

2013.11.12 | コメント(4) | トラックバック(0) | スキー

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埼玉のへそ曲がり

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オートバイと
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