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1917 命をかけた伝令

1914_1_.jpg



実は先週『パラサイト』を観に行く予定はなく、
こちらの『1917』を観に行こうと思っていたのですが、
そのタイミングで飛び込んで来たアカデミー作品賞獲得のニュースを受け、
急遽予定を変更。
そんなわけで、一週間遅れでの鑑賞となった。

全編ワンカット撮影ということばかりが
先行してしまっているように感じていたので、ちょっと心配でありました。
こういったギミックは目的ではなく、あくまでも方法でしかない。
なので、何を達成するためにその方法が採られたのかの方が肝心であります。

多くの仲間の命を犠牲にしないための作戦中止の重要な伝令を
たった2人で敵の中央を突破して行かねばならない
という究極のミッションを緊張感を維持したまま魅せるために
ワンカット撮影は採用されている。

つまり、物語を紡ぐのではなく、緊迫の現場にいるかのような
臨場感を生み出し観客を目撃者として
“見せ続ける”ドキュメンタリー的な意味合いの作品であります。
そうした部分をどう評価するのかによって、
観終わったあとの感想は変わると思う。

といった部分を確認すべく鑑賞に臨んだわけですが、
さすがはサム・メンデス監督。
臨場感だけの映画かと思いきや、不条理の極みである戦場という空間を
儚くも美しい世界として描いて魅せている。

特に曳光弾に照らされ、暗闇から浮かび上がる瓦礫の街並みは
どこからドイツ兵が出て来るやも知れない緊迫感の中で、
ついうっとりと魅入ってしまう、まさに息を飲む美しさでありました。

そして、友人と2人で命がけの作戦に挑む主人公のもつ
誠実なメンタリティは、『彼らは生きている』でも描かれていた部分でもある。
そうした仲間の命を救うというまっすぐな気持ちで
緊迫の戦場を走り抜けた先に待っていた出来事に胸を打たれます。

ただ、なにせワンカットですから、瞬きもできないような
手に汗握る緊迫のシーンがもっと連続するものと想像しておりましたが、
特に前半は意外なほどロードムービー的にノンビリ〜〜〜としていて、
「いつ敵が襲って来るのか」と、緊張感だけが引っ張られてしまい、
物語のペースにこっちの呼吸が合うのに時間がかかってしまった。
最初から肩の力を抜いて観ていれば良かった。

これも話題先行の作品を観る際の分かりやすい注意点。
やはり監督推しで見ると決めたら、
できる限り前情報なしで観るに越したことはない。
(オススメ度:60)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
雨で一週休みを挟んだ天皇誕生日の三連休。
いかに少雪とはいえ二週続けてオフにするのは心苦しいのですが、
すっかり重くなった腰はなかなか上がらない。しかして、
想定外の幸運というものは歯を食いしばって遊んだときにこそ訪れるものだ。
  

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2020.02.28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

パラサイト 半地下の家族

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アジア圏初どころか、英語以外の作品が作品賞を獲った初めての作品として、
大きく報道もされたので、皆さんもすでにご存じかと思うが、
『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞主要4部門で
見事にオスカーを獲得してしまった。

アカデミー賞効果は日本でも明らかで、
公開6週目にして週末の観客動員数1位に輝いた。
私が観た回もほとんど満席で、その話題ぶりを肌で感じる事ができた。

今年のアカデミー賞は、確かにいつにも増して本命不在でありましたが、
それでも韓国作品の『パラサイト 半地下の家族』が
国際映画賞(昨年までの外国語映画賞)のみならず、
作品賞、監督賞にまでノミネートされたことは大きなニュースであった。

そんな中、やっぱりスコセッシの『アイリッシュマン』なのか?
ひょっとして『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』??、
まさかの『ジョーカー』???
と、なかなか賞レースの行方が盛り上がったことは確か。

私も毎年アカデミー賞授賞式はWOWOWで観ているのですが、
『パラサイト』が前半で発表される国際映画賞を
受賞した時点で、「これで『パラサイト』の作品賞はなくなったな」とか
思っていたのですが、まさかまさか脚本賞に監督賞まで受賞し、
「おいおい、こりゃあまさかもあり得るぞ!」となり、
そして授賞式の最後に発表される作品賞まで受賞してしまった。

もちろんアカデミー賞がすべての映画の価値基準ではない。
アカデミー賞にノミネートされなくても素晴らしい映画は山ほどある。
とはいえ、韓国にしても日本にしても、年間にあれだけの数の
作品を輩出していながら、長編アニメや外国語映画という枠でしか
評価されていないのはおかしい。
毎年1〜2本くらいは、作品賞ノミネートの可能性くらい噂されても
おかしくないと思うし、それを目指す作品がないのはおかしいとさえ思う。

今回の「事件」によって、真剣にアカデミー賞を狙う作品が
日本からも出て欲しいと心から思う。

ということで、私にとっても『パラサイト』は、
映画館で観るほとんど「初の」韓国映画となった。
ちなみに今まで映画館で見た韓国映画は20年前に観た『シュリ』のみ。

勘違いして欲しくないのだが、けっして韓国映画が嫌いなわけではない。
ハリウッド作品以外はフランスだろうとイタリアだろうとあまり観ない
というだけだ。

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多くの貧困家庭が住む貧民街の中でも
更にランクの低い半地下の家に住む無職の4人家族。
貧しくても勉強はできる長男が、友人の紹介ではじめた金持ち家庭の
長女の英語の家庭教師を皮切りに、妹が8歳(くらい)の長男の美術教師、
父が運転手、母が家政婦と、家族全員が金持ちの家に「寄生」しはじめるお話。

見事に家族ごと寄生することに成功したところから、
珍客の来訪を境にして物語は思いもよらない方向に転がりはじめます・・・

前半はコメディ、後半はシリアスなサスペンスと、
大きく二つの流れが盛り込まれており、観る者を飽きさせない。
確かによく練られた脚本だし、とても面白い作品なのですが、
アカデミー賞作品賞を受賞するほどかと言われれば「?」だ。
これはたぶん隣国としてすでに韓国に慣れ親しんでいる
日本人だからなのだろうと思う。
昨年の作品賞を受賞した『ローマ』はメキシコが舞台で全編スペイン語
でしたが、ハリウッドの住民にはその『ローマ』と同じように、
韓国の格差社会を描いた本作が、特別な世界に見えたのかもしれない。

いや、ほんとに面白いので観てもゼッタイに損はない作品なんですよ。
でも、アカデミー作品賞を獲ったと言われますと・・・
昨今、「多様性」を強めに打ち出すアカデミーが、
女性監督をノミネートしなかったり、
主演男優賞に黒人俳優がノミネートされず「白すぎる」などと
批判された反動もあったのか・・・とか、
やっかみも含めて少々意地悪な見方をせずにいられない。

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あまり観ない韓国映画なのですが、
今作に加えて『魔女 The Witch』『新 感染ファイナルエクスプレス』
私がここ最近観た韓国映画3作品すべてに出演しているのがチェ・ウシク。
たまたまでしかないのだが、
青田刈り的な私の審美眼が認められたみたいでちょっとウレシイ。
(オススメ度:80)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週火曜の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
DEELUXE RINを手に入れてから(なんちゃって)覚醒している私ですが、
その効果が一番に出ているのはやはりTTであります。
中でもミズメヒノキは、その乗り味の気持ち良さを引き出すために
まあまあ苦労してきたので、そのヨロコビもひとしおであります。
  

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2020.02.21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

Amazon Primeオリジナル CIA分析官 ジャック・ライアン

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Amazonプライムのオリジナル連続ドラマシリーズ
『ジャックライアン』。
なんとなく観ないでいたんですけど、
いよいよ観るものなくなって観てみたら、やっぱりおもしろかった。
というオチも何もないお話で恐縮です。

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オールドファンならご存じの通り、ジャックライアンと言えば
『レッド・オクトーバーを追え』(1990)
『パトリオット・ゲーム』(1992)
『今そこにある危機』(1994)
『トータル・フィアーズ』(2004)
『エージェント:ライアン』(2014)
と、すでに5作品も映画化されているトム・クランシー原作の人気シリーズ。

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アレック・ボールドウィン、ハリソン・フォード、、ベン・アフレック、クリス・パインと
そうそうたるメンバーが演じてきたジャック・ライアンを、今回演じるのは
クワイエット・プレイス』で、主役家族の夫役と監督を務めたジョン・クラシンスキー。
エミリー・ブラントの旦那さんと言った方が分かりやすいか。

内容はといえばトム・クランシーシリーズ全般で踏襲される
テッパン中のテッパンのスパイアクション。
しかして、同じジャックでも「ジャック・バウアー」と違うのは、
彼がCIAの分析官であるということ。

本来、事務方であるジャック・ライアンが、
いろいろあって現場に出なければならないというところが、
現場たたき上げのジャック・バウワーとは180度違うところ。
もちろん筋肉馬鹿ではなく頭脳派であることろも大きく違うし、
そこがこのドラマの見所でもある。

のですが、そんな前フリはシーズン1の冒頭2話くらいで、
こちらのジャック・ライアンはアフガニスタンに駐留経験のある海兵隊員でもあり、
「デスクにかじりっついてる青二才だと思うと痛い目に遭うわよ!」的な
遠山の金さんのような豹変ぶりで、ひと度拳銃を握ると
そこからは現場にズッポシ腰を据えて闘ってしまうあたりはほとんどバウワー。
しかも、相手がテロリストとなれば尚のことだ。

そんな既視感タップリの見え見えの二番煎じなのですが、
『24』あたりよりもよっぽどお金がかけられているところが
『ジャック・ライアン』を似て非なるものにしている。

とにかくスケールがデカいんである。

こういったところはNetflixをはじめとして、
テレビ局よりも配信サービスの方が数百倍単位で
予算が潤沢であるという時流の通りの状況であります。

しかも、そんな壮大なアクション大作が、
会員なら全編タダで観られてしまうのですから
良い時代になったものだ。っていうか観ないと損ですね。

8話完結というフォーマットも、やはり緊張感が持続していい!
まとめ観に最適であります。
というわけで、2シーズン16話一気観してしまいました。
Amazonプライム会員ならゼッタイ観るべし!
(オススメ度:70)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
なんと二週続けて週末に寒波が。
しかも今季最強寒波、その名も「立春寒波」!(笑)
「これが最後の寒波だったら」とは、近年は毎年思うことだが、
今年は輪をかけてそんな危機感が募る。行かない手はないっ!
    

テーマ:Amazonプライムビデオ - ジャンル:映画

2020.02.14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

They shall not grow old

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イギリスの歴史博物館・帝国戦争博物館に保存されていた
第一次世界大戦に関する膨大な記録映像と、
貴重な帰還兵たちのインタビューを元に構成されたドキュメンタリー映画。
『They shall not grow old』。

劣化の激しいモノクロフィルムを、最新技術によって修復し、
更に立体的に見えるように着色を施す作業は400人がかりで行われたという。

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撮影スピードの異なるカメラで撮られた映像を
現代の映画フォーマットに合わせるために足りないフレームを追加。
プロの読唇術によって兵士の言葉を読み取り、
効果音と共に無音映像に追加している。

そんな気の遠くなるような作業によって、
100年前の出来事が、観る者の前に生き活きと蘇る。

監督は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン。
ちなみに、ピータージャクソンは現在、
ビートルズがLET IT BEの録音の時に特別番組用に撮っていた
55時間分の未公開映像と、140時間分の音源を使った
ドキュメンタリー映画を制作している!!!!!!

国が兵士を集めるために流布したプロバガンダ。
16、17歳という若さで、心の底からの愛国心を以て
「国のために」と出征を決意していく様子。

文字通り泥沼化する戦局の最前線で日々命を落としていく様子。
そして最後は600人中100人しか生還できなかった
決死の突撃を敢行する様子を、
どこかおとぎ話のように、それでいて生々しく映し出していきます。

何より、映し出される兵士達全員が実際の戦場にいた人々、
これがリアルな戦場の映像であるという嘘のような本当の事実からは
一時たりとも目が離せなくなります。

どこか遠い別の星での出来事のように思えてしまう
第一次世界大戦という戦争を、
現代でも充分に起こり得る「愚かしくも滑稽な」出来事として伝えています。

邦題『彼らは生きていた』は1月25日(土)より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中です。

お忙しい方はAppleTV、Amazon Prime Videoでも配信されていますので、是非!

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
やっとこちらの山に!しかも週末に!まとまった降雪が!!!!!
やっとパウダースノー滑りましたよ〜〜〜〜
  

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

2020.02.07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

スター・ウォーズ 『ザ・マンダロリアン』

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スター・ウォーズ初の実写ドラマの配信が、
ついにここ日本でもスタートした。

アメリカでは11月12日(現地時間)より新たに配信開始となった
ウォルト ディズニー カンパニーの動画配信サービス
「Disney+(ディズニープラス)」の目玉コンテンツとして登場した
『ザ・マンダロリアン』ですが、
すでに“全米で最も人気の高いドラマ”に選ばれ、
早くもシーズン2の製作も決定したという。

この「Disney+」ですが、スター・ウォーズ以外にも、
MCU作品、つまり『アベンジャーズ』関係のスピンオフドラマも
多数企画されており、NETFLIXには二の足を踏む私であっても、
こちらは是が非でも加入しなければならない大注目のコンテンツサービスであります。

MCU (MARVEL CINEMATIC UNIVERSE)の方は
「Disney+」で公開されるドラマシリーズが、
今後の劇場公開作品とリンクすると発表されており、
世界観が完全に地続きとなるので、私的にはゼッタイに見逃せない。

しかして、日本では「Disney+」の配信時期が決定しておらず、
かなりヤキモキとさせられていたところ、すでに日本でも配信されている
『Disney DELUXE』で、この『ザ・マンダロリアン』を配信すると発表された!

今後MCU作品の方がどうなるのか今時点では分からないが、まずは一安心。

ちなみにアメリカでは「Disney+」と「Disney DELUXE」はコンテツも別けられ
別料金設定なので、これはある意味おトク。
(とはいえ、私はディズニー・アニメの方は観ませんが)

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というわけで、
12月26日から待望の『ザ・マンダロリアン』の第一話が
日本でも観られるようになった!

スター・ウォーズには劇場公開された各エピソード以外にも
アニメを含め多くのスピンオフの物語が存在しており、
スター・ウォーズ好きを公言しておきながら何ですが、
私も細かいところまではよく知らない・・・

なので、最初この「マンダロリアン」が何を指すのか、
サッパリ分からなかったのですが、「マンダロリアン」とは、
この見た目からもお分かりの通り、ジャンゴ及び、ボバ・フェットと同じく
多くの傭兵や賞金稼ぎを排出する惑星マンダロアを中心として活動する
戦士部族の呼称でありました。

ですんで、残念ながら主人公はボバ・フェットではありません。

そんなマンダロア出身の賞金稼ぎが、
『スター・ウォーズ/エピソード6(ジェダイの帰還)』から数年後、
『スター・ウォーズ/エピソード7(フォースの覚醒)』の25年前の
銀河帝国の崩壊で混乱が続く辺境宙域を舞台に活躍する
冒険活劇であります。

そういえば、ボバ・フェットを主人公にした
劇場版のスピンオフが制作されるとか言っていたが???
『スター・ウォーズ・ストーリーズ ハン・ソロ』 が大失敗に終わり、
諸々計画を修正したと言われているが、その煽りを受けているのでしょう。



ちなみに、同じように計画されていた『オビ・ワン』も「Disney+」のドラマとして
制作されることが発表されています。

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毎週金曜日に一話30分程度のエピソードが
全8話配信されていくわけですが、
(この記事がポストされる時点で第6話が配信されている)
「それはほとんど反則技ですよ」と言いたくなるような、
ベイビー・ヨーダも登場して、もうほとんど子連れ狼!!!!

制作総指揮、脚本は『アイアンマン』を手がけたジョン・ファブロー。
つまらないはずがない!
マーベルとスターウォーズを抱えるディズニーならではの
スタッフィングであります。

ちなみに、ドコモの「ギガホ」または「ギガライト」を
契約している方であれば、「Disney DELUXE」をご契約すれば、
月々のご利用料金から700円(税抜)を12か月間割り引かれる
「『ギガホ』『ギガライト』&『ディズニーデラックス』セット割」キャンペーン
実施中です!

今日申し込めば7話分一気に観られますよ!
それはそれでウラヤマシー!

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
雪が少ないのなんのと言いながらも、
何だかんだで3週連続で雪山に向かってる!エラいぞ!オレ!
   

テーマ:スターウォーズ - ジャンル:映画

2020.01.31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

フォード vs フェラーリ

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ル・マンの絶対的王者フェラーリに挑んだフォードの物語。
であるわけなのだが、
カーレースは主にヨーロッパの貴族主義が生み出したものでもあるので、
「世界の田舎者」呼ばわりされていたアメリカを代表するカーメーカーである
フォードは、そこそこ子供扱いされていた。そんな時代のお話。

生産台数では当時世界一であったフォードですが、
本場欧州の、その中でも取り分け優勝することが困難である
ル・マン24時間レースに勝てるレースカーを生み出すことができるような
技術的に秀でたメーカーでは決してなかった。
元より、当時のアメリカは、欧州でのレースの戦績が
売り上げに直結するような市場の土壌もなく、
尚のこと商売第一のフォードが本場欧州のレースに参戦する
気概などありもしない。そんな時代。

「バカにされたから復讐を誓う」という、
何とも単純でありながらもピュアな理由で、
フォードが意地とプライドを賭けて王者フェラーリに挑む姿は、
男なら誰でも一度は経験のある「流れ」ではなかろうか。
なので、超がつくほど単純で不純な動機は、
それはそれでなんとも愛らしくもあるし、説得力もあったりする。

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ただ、この物語の核心は、
『フォード vs フェラーリ』という題名のとおりではない。

むしろ、本当の敵は身内にいて、
その実「会社の利益 vs レース屋の誇り」、
もしくは「金を出す方 vs 金を遣う方」といった対決の図式が
この映画の実際のところだ。

こういった世界観も、パトロンとしてアーティストを育てる文化を持つ
ヨーロッパとアメリカの対比でもあったりするわけだ。

なので、クルマ好きでなくても充分楽しめるし、
この時代のレースのこと、フェラーリのことをよく知らなくても、
この映画は楽しめると思う。

もちろん、知っているなら尚のこと楽しめる・・・
と言いたいところなのだが、
意外と、というか、敢えてなのか分からないが、
残念ながらクルマ好きするような部分にはあまり光が当たっていない。

スポ根ものにしたかったからなのか、
エンジニアリング的な対決軸よりも、
あくまでも人間ドラマの部分を軸にして描かれている。

いちクルマ好きとしては、なぜフォードがル・マンで勝てたのか?について、
もう少しで良いので技術的な観点からも深掘りして欲しかったと思う。

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私個人としてはクリスチャン・ベイル演じる天才ドライバー(であり
天才エンジニア)であるケン・マイルズの妻、
モリーを演じたカトリーナ・バルフが出色、というか要注目。

以前紹介した『マネーモンスター』でも
「一目惚れした」と公言させていただいておりますが、
久しぶりにスクリーンで拝見するカトリーナ様は相変わらずお綺麗でありました。

そこに加えて、レースを愛する旦那への理解のある献身的な行動もまた、
世の旦那衆のハートを掴んで離さないことでありましょう。

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シェルビーとケンが家の前で取っ組み合いのケンカをするのを、
ビーチチェアに座って雑誌片手に観戦するシーンが特にステキでありました。
嫁にするなら間違いなくこんな女性でありますな。の典型例。
こういった古き佳きアメリカの描き方も秀逸です。
(オススメ度:70)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
成人の日の三連休の日曜にかぐらまで滑りに行ってきたお話です。
辛抱たまらずに虎の子のスピードマスターを出してしまいました・・・
  

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

2020.01.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

スター・ウォーズ 〜スカイウォーカーの夜明け〜

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令和2年最初の映画ネタは、
何はなくともこれを書かずにはいられない『STAR WARS』のお話です。
特に荒れた私の年末にあって、『スカイウォーカーの夜明け』は
2019年に残された最後の楽しみと言っても過言ではありませんでした。

そして、そんな荒んだ私の気持ちを知ってか知らずか、
私の勝手な期待にスター・ウォーズはきっちりと応えてくれたのであります。

その他方で、スター・ウォーズという壮大な物語の終わり方として、
「果たしてこれでいいのか?」と、疑問をお持ちの方が少なくないことも
理解しているつもりであります。
それでも敢えて「これでいいのだ」とバカボンのパパ的に即答したい。

はっきり言って、『最後のジェダイ』は失敗作であったと思う。
『THE RISE OF SKYWALKER』という原題に籠められた思いは、
あからさまな『THE LAST JEDI』への反証になっているとさえ思う。

偉大なオリジナルを引き継ぐという意味において、
エピソード1〜3のプリクエル・トリロジーも失敗であったと私は思う。
それでも、アナキンが暗黒面に落ちていくという、
アンハッピーエンドが待っていることは、
誰もが分かった上での鑑賞だったので、
そういう大局的な面でも破綻は起こりづらかったと思う。

何より、ジョージ・ルーカスという大きな背骨が一本通っていたので、
物語に一貫性があった。
『帝国の逆襲』からスピルバーグに監督を打診したが、
「君が監督するべきだ」と言って断られた話は有名だが、
良い意味でも悪い意味でも、これがルーカスの物語であることは間違いない。
でも、エピソード7からのシークエル・トリロジー三部作に
もうジョージ・ルーカスはいないのだ。

この三部作に、最初から大きな物語の骨格が存在していたのかどうかは
分からないが、様々なインタビューの断片を読み解けば
物語がリレー形式で紡がれていたことに疑いの余地はない。
つまりはトリロジーの流れを一作ずつ別の監督に委ねるという手法が
失敗であったことは、この際火を見るよりも明らかだ。

J.Jエイブラムスは否定しているが、
彼自身も『最後のジェダイ』が間違った方向に行ってしまったこと、
間違いでなかったとしても、それらの回り道を回収するために、
無駄な労力と時間を強要されたことは察して余りある。
ひょっとすると
ジョージ・ルーカスは『最後のジェダイ』を正解と判断するかもしれないが、
やはりあれは我々の望むスター・ウォーズではなかったと思う。

確かに、悪の親玉であるはずのスノークが、
2話目であっさり死んでしまうことには驚いた。
レイの出生に関して何ら特別なことがないということも
アナキンだって特別な子供ではなかったわけなのだから、
それもまた良いアイデアだと私も思った。
その先の展開にも確かに期待させられたが、
きっとそこから発展する物語にスター・ウォーズらしさはなかったのだろうと思う。

そこからの軌道修正の難しさは想像を絶した作業だったと思われる。
レイアを演じるキャリー・フィッシャーの急死も大きな痛手であった。
その結果、パルパティーンという、すでに埃をかぶったヴィランを、
わざわざ物置から引っ張り出すハメに陥ってしまったし、
ルークに「私が間違っていた」とまで言わせてしまうなど
多くの回り道の痕跡が散見される。
それでも何でも、あれだけの大団円に持ち込んだ
J.J・エイブラムスの手腕を、私は最大の賛辞で称えたい。

あれだけ強力で強大な敵なのに、なぜか小さいながらも必ず弱点があって、
反乱軍は毎回毎回ゲリラ的にそこを突いて勝利を収めるという
ほとんどお約束のような展開が繰り広げられるところなど、
現代における映画の物語の構成としては少々古臭いと、
さすがのスターウォーズ贔屓の私も思う。
結局エピソード4の焼き直しでしかなく、
観る人によっては、そこに革新性が足らないと考えられることも分かる。
そして、ライアン・ジョンソンが『最後のジェダイ』で
スター・ウォーズの革新に挑戦したこともまたよく分かる。
分かるけれども、スター・ウォーズがピュアなクラシック作品で、
古典として定形のある映画であることを考えれば、
古かろうと何であろうと、あれこそが『スター・ウォーズ』であったのだと私は思う。

そして、人々が心の底から楽しめる大活劇と、
心の底から喜べるハッピーエンドのカタチに、
時代も革新もへったくれもないことも
『スカイウォーカーの夜明け』は改めて知らせてくれたと思う。
歌舞伎でも落語でも同じだ。革新だけでは成立しない世界観もあるのだ。

没落したやに見えたスカイウォーカーが、
如何にして再興(夜明け)を迎えるのか。
まだご覧になっていなければ、是非それを確認しに劇場に足を運んで欲しい。
ホントにこういう終わり方をしてくれて良かった。感無量であります。
(オススメ度:80)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
やっぱりですね。人間苦しいときほど前向きに買い物しないとなりません。
という、ダメ人間にありがちな自分にだけ都合の良い悪の信念に基づき、
またもやっちまったお話です。お楽しみに。
  

テーマ:スターウォーズ - ジャンル:映画

2020.01.17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
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近ごろ波乗り。

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