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『ジャスティス・リーグ』幻のスナイダーカット 2021年配信決定!

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マーベル・シネマティック・ユニバースのヒーロー達を集結し、
『アバター』を抜いてついに史上最高の興行成績を記録した
アベンジャーズ エンドゲーム』。
ピンでも相当稼げるヒーローを一堂に会して作られる映画ですので、
ある意味ヒットは約束されているようなもの。
ただ、やや渋滞気味の登場人物達のパーソナリティをまとめ上げるのは、
かなりの力量が必要なようだ。もちろん、制作費もそれ相応にかかるので、
失敗すれば製作側の損失も相当なものとなってしまう。

そのDCコミックス版である『ジャスティス・リーグ』も、
スーパーマン、バットマン、ワンダー・ウーマンなど、DCの誇るヒーロー達を集め、
アベンジャーズ同様のヒットを望まれ製作されたわけだが、
ほとんど惨敗と言っていい結果に終わってしまった。

そんな失敗の反動か、
『ジャスティス・リーグ』の完成間際になって家庭の事情で途中降板した、
ザック・スナイダー監督が元々意図していた方向性と、
実際に公開されたバージョンがまったく違うという噂が
まことしやかに流れはじめた。

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マン・オブ・スティール』をはじめ、
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を監督し、
ワンダーウーマン』、『アクアマン』の製作を担当して、
この世界観をまとめ上げてきた第一人者であるザック・スナイダーですので、
彼の思いの丈がすべて詰め込まれた真の『ジャスティス・リーグ』を
観たいというファンの気持ちも良く分かる。

噂では、公開されたバージョンの内、実際にザック・スナイダーが
監督したシーンは全体の4割にも満たないという。
それに加え、そもそも2部構成で計画が練られていたこともあり、
スナイダー監督が撮影したシーンは
実に4時間以上存在しているというではありませんか。
4時間の内の50分程度しか使われてはおらず、
公開版の6割は後任のジョス・ウェドン監督が再撮影したものだったという。
つまり、まだ多くの未公開シーンが残されているのだそうだ。

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ただ、スナイダーがフルにディレクションしたはずの
『バットマン vs スーパーマン』も興行成績は決して芳しいものではなく、
その結果を受けて2部構成の話は消えたとも言われる。
『ジャスティス・リーグ』の最初のスナイダーカットの
ポスプロダクションを観た米ワーナー・ブラザースの幹部達からは
その時点で大幅な修正要求が出されており、
すでにワーナーとスナイダー監督との関係は悪化していたとの情報もある。
それもあり、家庭の問題で完成間際になって監督を降板したという理由じたいを
懐疑的に見る向きも多かったようだ。

スナイダー降板後に尻ぬぐいを任せられたジョス・ウェドンが
『アベンジャーズ1』を監督していたことも考えると、
ワーナーとしては無理矢理にでもアベンジャーズ方向に持っていきたかった
意図はモロバレでありますので、配給会社がファンの気持ちを無視して
作品を台無しにしたと思われても仕方のないことかもしれない。

一旦公開された作品のボツになった脚本レベルの話ならば、
それがどんなに魅力的な内容であったとしても、
噂になる以上に蒸し返されることは100%あり得ない。
でも、すでに撮影された素材として残っているのであれば、
契約内容などの法的手続きの調整、そして何より、
ワーナーという老舗の大企業が自らの非を認めるという
大きなハードルが残る事は確かだが、やってできないことではない。

ただ、『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』もまた
配給会社の意図にそぐわずに途中で更迭された
コリン・トレボロウ監督の幻の脚本『Duel of the Fates』がリークされたり、
熱狂的なファンが多ければ多いほど、その全てのファンを満足させられる
結末などないわけで、ある意味こういったことは映画業界では良くある話。
なので、この『スナイダー・カット』の存在もまた、
都市伝説レベルでフェードアウトしていくものと思われた。

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しかして、どうにも気持ちのおさまらないコアなファン達の思いは、
スナイダー・カットの公開を求める署名運動に発展し、
「#Release the Snyder Cut」が巷を騒がせるようになる。
公開を求めるためのクラウドファウンディングも行われ、
集まった資金でコミコン会場の近くのビルボードに
公開を求める広告を掲載したりしていたのだそうだ。

その後、出演したキャスト達もSNS上で公開を求める運動に参加しはじめ、
スナイダー・カットの存在がただの妄想ではないことを世の中が知ることとなった。
そしていよいよワーナーの重い腰を持ち上げることにつながり、
2021年に米HBO Maxから配信されることが正式に発表されたわけだ。

監督が交代されなくても、配給会社の要望で
物語に多少の変更を余儀なくされた『ブレード・ランナー』が、
のちに『ディレクターズ・カット』、『ファイナルカット』と称して、
フルバージョンが公開されたりした例もあるにはあったが、
言ってもそれは微細な違い程度の話だ。
今回のように、ほとんどリメイクに近いレベルまで改編されるのは
たぶん初めてのことではないだろうか。
しかも、保管されてきた未使用シーンには、
VFXなどは施されていない状態なのだそうで、
ワーナー・ブラザースは今後2,000万~3,000万ドルという巨費を投じて
それを完成させるつもりなのだという。

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ワーナーの動画配信サービスであるHBO Maxは、
つい5/27日にスタートしたばかりなので、
今回の騒動がそれなりの宣伝効果を上げていることは確かであろうが、
それにしても、よく天下のワーナー・ブラザースが恥を忍んでまで
スナイダー・カットの配信を決めたものだと思う。
これはかなり珍しいケースで、ほとんど事件と言っていいレベルの出来事だ。

それは何より、アベンジャーズの真反対の存在である『ジョーカー』の
想定外の大成功により、アベンジャーズ以外の成功の法則があることが
分かったからではなかろうか。

これに続けとばかりに、同じDCユニバースに属する『スーサイド・スクワッド』も、
幻のディレクターカット(エクステンデッド・エディションとはベツモノ)の
公開を求める署名が行われているらしい。
そう言えば、『スーサイド・スクワッド』にも
思いっきり期待を裏切られたっけな・・・
とにかくワーナーという会社は作品に口を挟む傾向が強いようだ。

というように、スナイダーカットの公開は完全に前例となってしまい、
DCじゃないけど『ハン・ソロ』の続編を求める署名まで始まっているらしいが、
○○カット公開署名運動〜公開っていうのが、
話題づくりのマーケティング手法にならないことを祈るばかりだ。

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『バットマン vs スーパーマン』にも、
30分の未公開シーンを追加したアルティメット・エディションが存在するが、
公開版との違いは微細であったので、
今回も期待のしすぎは禁物だと個人的には思っている。

ただ、撮影はされたが完全にカットされたキャラクターが2〜3いるらしいことや、
撮影中に話題になった「黒いスーツを着たスーパーマン」
(『マン・オブ・スティール』でも黒スーツのシーンはある)
も、気になるところではある。
果たして4時間バージョンとなるのか、数話に分けて配信されるのか、
日本でも観られるのか?観られるならどこでなのか?など、
まだ分かっていないことも多いのですが、
今は素直にこの祭りに乗っかって今後の展開を楽しみに待ちたいと思う。
  

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2020.05.29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

マリッジ・ストーリー

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Netflix オリジナル作品『マリッジ・ストーリー』。

なかなか考えさせられる映画でした。

もちろん私には、今作を観た女性の気持ちは分からないのですが、
男としては、ここで描かれる「あるある」が直撃過ぎて、
正直観ていてかなり「痛い」。

それは例の「勘違い」や「思い込み」ってやつだ。
これが男特有のものなのかどうかは分からないが、
男として観ていると、映画の冒頭から私の勘違いを巧みに誘導してくる。

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離婚を決めた夫婦の物語なのだが、
妻役がスカーレット・ヨハンソンというところも上手い。座布団一枚だ。
良く言えば天真爛漫だが、どちらかと言えば
悪女的な印象の強い彼女を起用していることで、
つい旦那役のアダム・ドライバーに肩入れしてしまう。

「この嫁さんは正しい判断ができていないのだ」と考え、
なぜか嫁さんも、本当は今の自分と同じ気持ちで、
今はそれに気づいていないだけだと思い込んでしまう。

もちろん最初からそれに気づけていれば勘違いを回避できるのであるが、
巧みな演出にハメられて、最後に「あるある」の直撃弾を浴びるわけだ。

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時として男は、地図が読めない女を見下すことがあるが、
男は地図が読めるぶん、女の現実を見極める力を見損なうことがある。
自分の男としての現実を判断されていることに、なかなか気づくことができない。
どうして男ってこうなんでしょうね?

私はガッツリと身につまされました。
良い映画って時に痛いですね。
(オススメ度:80)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ これからの土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
不定期掲載とお伝えしておりましたが、
ひとまずは、月、水、金曜の週3日ポストしていこうと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
    

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2020.05.15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

【あの頃映画特集その2】ジェイコブズ・ラダー

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自主隔離に努めるあなたに送る、懐かしのあの頃映画特集。
第2幕は『ジェイコブズ・ラダー』。

私は今でも「一番好きな映画は何ですか」と訊かれたら
「強いて挙げればジェイコブズ・ラダー」と答えるくらいこの映画が好きです。
ちなみに2位は『タクシー・ドライバー』。

両作とも、社会との距離感を図れず、崩壊していく自我を抑えるために、
その狂気のはけ口を探していく主人公を追った映画なのですが、
両作ともにその衝動が最後に自身の開放へとつながっていく点も似ている。
そして、主人公がベトナム帰還兵であるという点も共通している。

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郵便局で働くジェイコブ・シンガー(ティム・ロビンス)は、
ある日、ベトナムで仲間に追われ銃剣で腹を刺される夢を見る。
それから得体の知れないバケモノを見たり、
様々な幻覚まで見るようになってしまう。

夢は悪夢だけでなく、ベトナムへ征く前の、まだ美しい妻と、
死んだはずの息子と3人で暮らしていた頃の幸せを映す夢もあった。

帰還兵仲間も同じような悪夢にうなされていると言う。
ベトナムで兵士の恐怖感を無くすための
ドラッグが試用されたという噂に辿り着いたジェイコブと仲間たちは、
噂の真相を探りはじめるが、仲間たちが奇っ怪な事故に逢い始め
一人、また一人と死んでいってしまう。

ジェイコブも謎の男達に追われ捕まってしまう。
そして、精神病棟に押し込まれ、恐ろしい処置を施されるのだが、
すでに現実なのか、幻覚なのか、だんだんと境界線が曖昧になってきてしまう。

そうして、ついに「ラダー」と呼ばれる、
兵士の攻撃性を高める興奮剤を調合したモグリの薬剤師に辿り着き、
ベトナムでそのラダーが食事に混ぜられていた事実を知るジェイコブ。

その頃には、帰還兵として郵便局で働く自分と、
ベトナムへ征く前の自分、
そして、ベトナムで戦闘中の自分を夢で繰り返し見るようになってしまい、
だんだんとどれが現実なのか分からなくなってきてしまう。

ただただ、ベトナムへ征く前の幸せな三人家族の生活こそが
現実であって欲しいと願うジェイコブ。
ある日、40℃を超す高熱に見舞われ、熱冷ましのために氷風呂に浸けられる。
ジェイコブはまたもや幻覚に陥るが妻と二人で過ごすベッドで目を覚ます。
何てことのない休日の朝。「職場の女性と同棲している夢を見たよ」と
笑って妻に話すジェイコブ。ゆったりと流れる時間に幸せが溢れている。

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しかし、次の瞬間氷風呂で目を覚ましたジェイコブは、
その時、こここそが現実なのだと思い知る。
もはやあの幸せな時間が幻想だと知ったジェイコブ。

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そんなジェイコブの絶望を悟ったように、
交通事故で死んだはずのジェイコブの息子が手招きをし、
家の階段を上に登ろうと催促する。
そうして、眩しい光に包まれるように消えていく二人・・・

・・・すると、次の瞬間ベトナムの野戦病院に移り、
医師がジェイコブの死亡時間を宣告する。

つまり、ベトナムで、ドラッグによって
錯乱した味方に腹を刺されたシーンこそが現実で、
それ以外はすべて幻想であったことが知らせれて物語は終わる。

三次元的な世界が交互に登場し、
観ている方もどれが現実なのかだんだんと分からなくなってくる。
観る者も、幸せな時間こそ現実であって欲しいと願うようになる。
のちに『サイレントヒル』に影響を与えたと言われる
奇っ怪な姿をしたクリーチャー達のデザインをはじめとした崩壊の姿が、
そういった儚い願いを無残にも打ち砕き、これ以上ない絶望感として伝えてくる。

そういった意味でも今作はホラーやスリラーに分類されるわけなのだが、
その実、最後に死んだ息子が迎えにやって来てくれるという、
幸せのうちに天に召されていくというメタファーが、
むしろ一番の幸せであったのだと観る者に感じさせる、
とても人間味のあるドラマに仕立て上げられているところも秀逸だ。

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主人公の名前がジェイコブで、ベトナムで試用された興奮剤が「ラダー」
と呼ばれているのだが、「ジェイコブのはしご」とは、
旧約聖書の創世記28章10–12節で、ヤコブが夢に見た、
天使が上り下りしている天から地まで至る梯子のことなのだそうだ。



実は今年、今作が新たな解釈でリブートされていたようなのだが、
この予告編を観る限りにおいてはオリジナルを超えていることはなさそう。
正直ホッとするとともに、余計なことをしてくれるな、とも思う。
この気分は『遊星からの物体X』の続編のときに感じた気分とまったく同じだ。

まさに触らぬ神に祟りなし。
傑作の記憶は美しままで保存しておいて欲しいものであります。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
この歴史上類を見ない危機的状況に際し、
すでに様々なメーカーが自身の本業以外での献身的な活動を行っています。
日本の有名なナショナルメーカーのニュースは伝わってきますが、
自分が贔屓しているメーカーやブランドの活動には、
とても胸のすく思いがするものであります。
  

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2020.04.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

アイリッシュマン 〜ついに我家にNetflixがやってきた!〜

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これまで、なんとなくではあるが
「Netflixを契約したら終わりだ」と思ってやって来た。
それは、「いよいよリビングのソファに根が生えてしまうかもしれない」という
危惧感からの切実な思いだったワケなのだが、
こと、#stayhomeな状況に至っては、それも仕方がないことだろう。

これまで
・WOWOW(BS放送)
・Amazon Prime Video(デジタル配信)
・Disney THEATER(デジタル配信)
・フジテレビNEXT(CS放送:F1中継)
の4つの有料チャンネルを契約してきたわけなのだが、
いよいよそこに「Netflix」(デジタル配信)が加わることとなった。
(とはいえ、F1は開幕のメドすらたっていない状況なので、
 フジテレビNEXTは一旦解約した)

地上波を含め、これでいよいよ
我が家のリビングのテレビの液晶が休まる暇はなくなった。

というわけで、いまNetflixを契約して、何はなくとも見なければならないのは
もちろん『アイリッシュマン』であります。

下馬評を覆して本年度アカデミー作品賞に輝いた『パラサイト』の活躍の裏で、
まさにその下馬評の期待を一身に浴びていたのが、
他ならないこの『アイリッシュマン』。

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巨匠マーティン・スコセッシをはじめとして、
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴィー・カイテル
といった大御所俳優達がこぞって参加した超話題作。
しかも、上映時間は圧巻の3時間29分。

その制作費は1億7500万ドルとも言われるが、
アベンジャーズ4の3億ドルと較べればかわいいもの。とはいえ、
いまどき任侠映画にこの額の予算をつぎ込むメジャー配給会社もないようで、
まさにNetflixならではの作品と言えるだろう。

物語は1975年にアメリカで実際に起こった、
最も有名な未解決事件の1つであるジミー・ホッファ失踪事件を軸にして描かれる。

もし鑑賞する予定があるなら、
この失踪事件のアウトラインは調べておいた方がいいかもしれない。

「エルヴィスやビートルズと同じくらい人々を熱狂させた」
と、劇中でも述べられるほどのカリスマ、
全米トラック運転手組合委員長ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)と、
ペンシルバニアのマフィアのボス、ラッセル・ブファリーノ(ジョー・ペシ)、
そして、そんな大者たちの寵愛を受け、腹心として長く仕え続けた
元トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)の3人の半生を、
後日語られたシーランの告白という形で綴っていく、壮大な叙事詩となっている。

ホッファという強大すぎるほどの権力を持った男の存在はアメリカの闇で、
もちろんそのコントラストを描き出すのはジョン・F・ケネディという存在だ。
今作がアメリカの光と闇を描く近代史となっているところも見所。

しかして、200分を超える時間の間中、
私の心を掴んで離さなかったのは、
デニーロ演じるフランク“アイリッシュマン”シーランという男の
深すぎるほどの忠儀心でありました。

登場人物のほとんどが、対抗勢力、ときに身内から、
簡単に殺されていく危うい世界の中で、
83歳という天寿を全うできたのは、ひとえにその忠儀心からによるもの。

尊敬し、約束を守り、多くを語らず、自らの犠牲を厭わない。

そんな嘘偽りも、表も裏もない彼の言動や行動に、
世の大物達は上下の隔たりなく彼を信頼し、ときに友と認める。

フランク・シーランの人生観には心からシビれさせていただきました。

といったスコセッシの脚本、編集の妙技に加え、
シーランを20代から80代までを演じたデ・ニーロの
特殊メイクと、傑出したCG加工技術にも目を見張らされる。

誠にお金の使い方も見事でありました。

私も大好きなMARVEL作品をして「あれは映画ではなくテーマパーク」と
吐き捨てたスコセッシに、これまでは少なからず嫌悪感を抱いておりましたが、
こういった作品には出資せずに、アメコミ作品に巨額の制作費を投じ続ける
メジャースタジオの姿勢に対して、そう言いたい気持ちも今では良く分かる。
これを見せられてしまっては、もはやグウの音も出ない。

スコセッシの次回昨『Killers of the Flower Moon』は、
すでにデ・ニーロとディカプリオの共演が決まっているそうで、
配給権と制作費に関して、現在Netflixに加えて、Appleとも交渉中とのことだ。

『ROMA』を世に出した功績も含め、
Netflixの今後の活動からは一切目が離せなくなった。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
滑れないとき、使っていないときの方が、
道具に施したい改良策が浮かんできてしまう。
今シーズンは一回も使わなかったスプリットボードなのに、
バインディングに改良を加えてしまいました・・・
  

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2020.04.17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

囚われた国家

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地球外生命体の侵略から9年を経た、
人類が和平という名の従属状態に陥った2027年のシカゴが舞台。

といったアウトラインだけ読み解くと、
『インディペンデンス・デイ』のような作品かと思いきやまったく違う。

「統治者」と呼ばれるエイリアン達の目的は地球の天然資源。
それならば全人類を抹殺してしまえば統治も何も要らないではないか。
と思うのはSF映画の観過ぎだ。

圧倒的な火力を誇る統治者達としても、
先住民達との全面戦争においては、少なくない被害を被る。
損失を最小源に抑えながら、その土地の資源を搾取するには、
先住民達を統治しながら資源を奪い尽くすまで共存する方が
何倍もコストがかからない。
そして、統治者と、統治者に遣える人間達に刃向かう
レジスタンスが現れるのもまた道理だ。

今作は『インディペンデンス・デイ』のような一発逆転でエイリアンを殲滅する
ヒーロー活劇ではなく、完全に統治されたエイリアンに抵抗するレジスタンスたちの、
あくまでも局地的なテロ活動に光が当てられる。

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市内スタジアムで開催される、統治者とその賛同者による
「団結集会」爆破計画の全貌を全編追い続ける緊迫のストーリー。

そんな現在の地球上のどこででも起こり得るテロ計画のリアルさに加えて、
その相手が強力でいて高度な科学力を装備する、
得体の知れないエイリアンであるところが、
計画の実行を更に困難にし、計画実行までのスリリングさに拍車をかけている。

もう少しネタバレしておくと、
全体像からある局地的な一点だけを切り取った物語なので、
世界侵略:ロサンゼルス決戦』(2011)のように、
この爆破計画の先には、まだまだ統治者との地球レベルでの
あてのない戦いが待っていることは、これを観る者すべてが理解させられる。

しかして、物語の最後の最後に、
ほとんど絶望的な状況において、この先の希望になるような
この爆破計画の驚くべき真の目的が明かされます。

こういった、映画が終わったあとにもまだ考えさせられる脚本もまた、
フツーのSF作品では決してなく、
それでいて、SFでなければ描けない痛快さを併せ持つ娯楽作品にも
なっています。

様々な新作の公開が延期になる中、
『囚われた国家』が予定通りに公開されたのは、
地球レベルの危機感を打破するのは、そんな局地的でいて、
一人ひとりの努力であるという部分が、
現在の状況と重なるからなのかもしれない。

とか言ったらセンチメンタルに過ぎるか。

ここ最近の映画館では、劇場内での密接を避けるために
一席ずつ席を空けて市松模様に着席させるように指定が制限されているが、
そんな配慮も虚しく、広い劇場内には私を含めて5人。
期せずしてソーシャルディスタンスを達成していた。
意外とシネコンレベルの大型映画館は3密を避ける穴場かも知れない。
ただ、こんな興行を続けていては早晩閉館してしまうだろうけれど・・・

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
いよいよ発令された緊急事態宣言。
法的強制力のない宣言とはいうものの、前例のない事態ですので、
各企業や施設、自治体の対応はまったく読めない。
まさに発令前夜。「行くしかない」と向かった川場スキー場のお話です。
    

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2020.04.10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

【あの頃映画特集 その1】PARIS, TEXAS

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週末の外出自粛が要請され、自宅での軟禁状態が続いている方も多いと思う。
新作の公開も続々と延期され、いよいよこの週末には臨時休業する映画館も多い。
私に至っては、あれだけハードディスクに貯まっていたテレビ番組も
すべて観終わってしまった。
(それにしても『テセウスの船』のラストはひどかったですね・・・)
そんなわけで、今は自身のDVD、Blu-rayコレクションや、
Amazon Prime、AppleTVなどで、様々な作品を観直している状況だ。

そんな、私と同じ穴の貴兄に贈る、お薦めの「あの頃映画」特集。
第1回は“ロードムービー”の草分け的存在で
ヴィム・ベンダース監督作品、『パリ、テキサス』(1984)。
クゥ〜〜〜〜懐かしいっ!

※今回はネタバレまで書くので、気になったら途中で読むのを止めて、
 是非レンタルして観てもらいたい。

「旅」とは、時に日常からの逃避であることも多いが、
全てのことから逃避せざるを得なかった男の物語。

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元いた場所から少しでも遠くに行くことを目的としながら、
自身の根源とも言える場所を目指し、テキサスを彷徨うトラヴィス。
(その場所がテキサス州のパリスという街)
彼はすでに4年ものあいだ失踪していた。

砂漠を歩き続けた挙げ句に、なんとか辿り着いたガソリンスタンドで
行き倒れてしまうトラヴィス。
サイフに残されたカードから弟のウォレスの元に連絡が入り、
兄弟は4年ぶりに再会を果たすのだが、
トラヴィスは失踪の理由は元より、どこにいたのか問われても
一切口を開こうとしない。

ウォレスはなんとか兄を自宅のあるロサンゼルスに連れ戻そうとするが、
飛行機には乗りたがらないトラヴィス。
仕方なくテキサスからロスまで、レンタカーで連れて行くことになる。
ただ、それまで口を閉ざしていたトラヴィスは車で過ごす時間の中で、
少しずつウォレスに心を開きはじめ、
2人はゆっくりと兄弟の絆を確かめ合っていく。

車中での会話から、
トラヴィスがひとり息子のハンターを遺して失踪していたこと、
その子をウォレスと妻のアンの2人が育てていることが明かされる。

自身が赤ん坊のうちに失踪していたトラヴィスを、
直感的に父と認識するハンター。
そんな息子を直感的に自分の分身であると感じるトラヴィス。

ウォレスの家で、まだハンターが赤ん坊の時に撮られた8mmフィルムを
鑑賞するシーンがあり、トラヴィスの失踪後に、
ハンターをアンに預けて同じく失踪してしまった妻のジェーンのこと、
そしてハンターはこの8mmフィルムでしか
両親の姿を観たことがないことが描かれる。

そして、トラヴィスとハンターの2人は、
ジェーンを探すために、ジェーンが毎月仕送りを送金してくる
ヒューストンの銀行を目指して旅立つことを決める。

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その旅の終点で、ここまで隠されてきたトラヴィスとジェーンの
失踪の理由が明かされるのでありますが、
そのシーンが上のポスターにある場面。

冒頭から乾いたテキサスの砂漠を彷徨う、
かなり男臭いトラヴィスを映し出す本作のポスターとしては、
まったくミスマッチに見えてしまう潤いまくったこのポスタービジュアルですが、
実はこれこそが今作の核心と言って良い瞬間。

それがフランスのパリを彷彿とさせる「Paris」に籠められた隠語になっていて、
潤いの対極にある究極的に乾いていて何もない「Texas」と対にされている。

この女性が他ならないジェーン(ナターシャ・キンスキー)なのですが、
なぜにこんな若くて美しい女性が、あのトラヴィスの別れた奥さんなのか?
なぜピンク色の壁の部屋で、ショッキングピンクのワンピースを着ているのか?
これだけ見せられてしまうと、かなり不可思議に感じると思う。

ここはマジックミラーで区切られた狭い空間で、
電話機越しに客の要求に応える風俗店。
ジェーンは失踪後、この風俗店での仕事で生計を立てながら、
息子に仕送りを続けていたのである。

トラヴィスからジェーンは見えるのだが、
ジェーンからトラヴィスは見えない。
そんなガラス一枚隔てた空間で、まるで教会で罪を告白するように、
トラヴィスは問わず語りに自身の後悔をジェーンに語りはじめる。
そして、その告白が他ならない自分に向けられたものであること、
声の主が別れた夫であることを悟る。

冒頭から謎のままにされていた、トラヴィスが4年間も砂漠を彷徨い続けた理由。
ここに至るまでのトラヴィスの苦しみとしてすべて吐露されるこのシーンが、
風俗店のマジックミラー越しという特殊な空間であることが、
2人の関係のメタファーとなっている。

愛が深すぎるが故に、疑い、怒り、最後にはそれを持て余し、
相手だけでなく自身までをも傷つけてしまう。

その贖罪として、トラヴィスはハンターをジェーンに届けることを決意し、
再び姿を消してしまうところで物語は終わる。

息子と再会するジェーンと、責務を果たしたトラヴィス。
3人で新たな道を歩むことを選ばないことが、
それぞれの再生となっていることに、なんとも複雑な気分が拭えないのだが、
それでも人生は未来に向かって続いていくということを、
痛烈に、そして淡々と描き出したヴィム・ベンダースの力量は、
公開から36年を経た今でも、とても刺激的に映る。



YouTubeにラストシーンの動画があったので貼っておく。
一切の言葉もなくお互いを母子と認めるジェーンとハンター。
そして、そんな2人の再会を、離れたカープールの屋上から確認し、
走り去るトラヴィス。そしてライ・クーダーの乾いたギターサウンド・・・
・・・何度でも泣けます。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜日の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
例によってフラッとポチッてしまった『UNION TEAM STRATA』。
しかして、アンクルストラップが、
ノーマルから硬めの『EXO FRAME2.0』に変更されていた。
「どげんかせんといかん」という悪だくみが頭をもたげましてですね・・・
   

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

2020.04.03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

スキャンダル

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公開終了間際になってやっとタイミングが合い、
観ることが叶った。

タイミングが合わないということは、
往々にして良い時間帯にスクリーンを充てられていないということで、
つまり、あまり人気がないということでもある。
ただ、日本と馴染み深い韓国作品の
パラサイト』に話題を持って行かれたことに加えて、
コロナウィルスの影響もあるので、運がなかったとも言えるだろう。

全米4大ネットワークの一つであるニュース専門局FOXニュース。
日本では考えられないが、アメリカでは放送局が政党支持を明確にしていて、
FOXはガッチガチの共和党支持のネットワーク。
物語の舞台は2016年。まさにトランプ共和党候補旋風が巻き起こっていたさなか。

過去のセクハラ発言が取りざたされながらも、
それを飄々とかわし続けるドナルド・トランプでしたが、
各局の女性キャスターたちはそんな彼のことを快く思ってなどない。

FOXニュースの看板女性キャスターである
メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)もまた、
共和党支持のFOXに勤めながらもそこは譲ることができないのだが、
トランプが共和党の候補へと登り詰めると、
局のCEOロジャー・エイルズから彼を追い込むなと釘を刺されてしまう。

もちろん、局の支持政党への姿勢と、
セクハラを繰り返す権力者への姿勢は相容れない。
視聴者の女性の多くがメーガンの態度を注視しており、
メーガンも一歩も引くわけにはいかない。

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という、所属企業の方針と、プロとしての姿勢という狭間で闘う女性像が
描かれていくわけだが、それと平行して「スカートの丈は短くしろ」
女性の「脚をもっと映せ」と、社長室から直接現場スタッフに指示を出す
ロジャー・エイルズCEOのハラスメント行為も描き出される。

そんな局内のセクハラにさらされていた
看板キャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)は、
突然番組を降板させられ、それと同時に解雇されてしまう。そして、
物語はグレッチェンがCEOを不当解雇で告訴するという事態へと進んでいく。

女性をアンカーに起用した先見性など、
良い言い方をすればカリスマ経営者。
悪く言えば支配者。

ほぼ絶対的な権力を手にしているCEOに立ち向かうことは、
キャリアの全てを捨てる覚悟が必要になる。
そんな絶対権力者に打ち勝つには、局内の女性達も声を上げることが不可欠。
もちろん、局のトップキャスターであるメーガンの動向が
事態を左右することは火を見るよりも明らか。

しかして、メーガンと、グレッチェンという2大看板キャスターは、
局内で顔を合わせても会釈をする程度で、ほとんど会話は交わさず、
バッチバチの火花がスクリーンを通して客席に飛んできているように
感じるほどのライバル同士。

そして、メーガンはロジャーのセクハラの実態を把握してはいたが、
自身へのリスペクトを表してくるロジャーに対しては中立の姿勢を保っていた。

果たしてメーガンはグレッチェンの行動に賛同するのか?否か?

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今作で日本人であるカズ・ヒロがメイクアップ&ヘアースタイリング賞で
2度目のオスカーを獲得していたことは知っていたのだが、
だからこそ、微妙にシャーリーズ・セロンの美しさをスポイルしている
メイクアップには疑問が湧いた。

bombshell2.jpg

のですが、調べてみると、シャーリーズ・セロンは
本人であるメーガン・ケリーにかなり寄せているというのだ。
日本人では馴染みがない女性キャスターですが、
日本で言えば滝川クリステルレベルの知名度を持つ方らしく、
知らない人はいないほどの顔らしい。
アメリカ人が二度見するほど本作のシャーリーズはメーガンに激似しているらしい。
北川景子が特殊メイクで滝川クリステルを演じるようなもので、
そういった意味でもかなり話題になったようだ。

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「#Me Too」運動のキッカケとなったハリウッドの超大物プロデューサー、
ハーヴィー・ワインスティーンのセクハラ問題は、
つい先日禁錮23年の実刑判決となった。
それよりも以前に起こっていたこの出来事もまた、
そのムーブメントに大きな影響を与えたことは想像に難くない。



本作の鑑賞にあたっては、是非マイケル・ムーア監督作品
『華氏119』を予習として観ておかれることをお薦めしたい。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ さて来週月曜の土と雪と:は _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
今年はほとんど諦めていた寒の戻りですが、
少雪の今シーズンも、ここのところ続けて見られていた粘り腰の傾向は
維持されていたようで、3月も月末となってまとまった降雪がありました!
これがまた私的には最大降雪量となってしまった!
  

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

2020.03.27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

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