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ミッション:インポッシブル/フォールアウト

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ノンストップ・アクション・エンターテインメント。
とか、宣伝文句として言うのは簡単だ。
全編アクションだけでは物語が成立するはずがないし、
お金のかかるアクションシーンが増えれば増えるほど
天文学的に制作費が増えるので、何処かで息抜き的なシーンが
どうしても必要になる。
なので、ノンストップというのは常識的にはあり得ないはずなのだが、
そんな映画界の常識を覆す『不可能なミッション』に、
馬鹿みたいに真剣に、真っ向から取り組んでいるのが、
『ミッション:インポッシブル』という作品なのだと思う。

さすがに「息つく暇がない」は言い過ぎだが、上映開始から147分間、
冗談抜きに「息抜き」「箸置き」なしで一気に駆け抜ける。
全編アクションというほとんど夢みたいな定義にこだわりまくっているというか、
すでにその目的に呪われていると言っても過言ではない執着の仕方だ。

そんな本当の意味のノンストップ・アクション・エンターテインメントが、
CG合成で生み出された虚構の映像ばかりでは達成できないことを
主役であり、プロデューサーでもあるトム・クルーズ自身が
一番解っているのだと思う。

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前作では本物の貨物機にしがみついて見せたトムさんは、
今回はヘリコプターにしがみついていたり、

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相変わらずノーヘルで市街地を逆走するバイクスタントに挑戦してみたり、
極力スタントを使わずに自分自身でアクションシーンも演じている。

ちなみに、今回もBMWとのコラボによって、
トムさんはBMWのクルマやオートバイで疾走している。
上の画像のオートバイは以前こちらでも紹介した
R nine T Scrambler』。
BMW好きとしては余計に観ていて楽しい部分。



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そして、極めつけは前代未聞のヘリコプター操縦シーン。
詳しくは貼り付けた動画を観てもらいたいが、
実際にトムさんが操縦してアクションシーンを撮影している。

トム・クルーズ自身の努力ももちろんだが、
主役がアクションシーンを安全にこなすための万全の体制での
スタッフの準備や撮影の方法など、
スタントを使ってCGで合成する撮影の何十倍も余計に
手間やお金ががかかっていることは言うまでもない。
そこまでやるか?感がハンパない。

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今回、ビルを飛び越えるシーンでトム・クルーズが足を骨折したこと
(実際に足を引きずるシーンが使われています)が大きな話題になったが、
まさに彼自身が骨身を削るような努力によって生み出された臨場感に、
どれほどの観客が気づけるのかは私には分からないが、
それを確認しに行くだけでも
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を観に行く価値は
あるように思う。

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アクション映画に限ったことではないが、
やはり色恋沙汰は映画の重要なスパイス。
特にスパイ映画にとって女性の主要キャストはすでにマストだ。

今回、『M:I:3』でイーサン・ハントと結婚していたジュリアも登場し、
『ゴースト・プロトコル』でお互いのことを考え別れたことが
うっすらと示唆されたが、あれからどうしてたんですか?
と言った感じで彼女の “その後” も描かれています。

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それもこれも前作で登場したイギリス情報部MI6所属の女性工作員イルサと、
イーサンを恋仲にしようとするシナリオのためだと思われる。
ジュリアは一般人だったので、イーサン・ハントの足手まといに
他ならなかったのですが、腕利きの女性工作員なら相性もバッチリだ。
今後は夫婦(めおと)スパイの活躍が観られるかもしれない。

といった具合に、良質なアクションが最大限に活かされるシナリオも
用意されていて、ツッコミどころがないわけではもちろんないが、
これはこれで破綻はないし、そんなことをアレコレと考えている間尺は
観客には与えられないので問題なし。
むしろよくここまで作り込んだな。と関心させられる脚本をもつ
真の娯楽超大作に仕上がっている。

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そんな「不可能」のハードルを回を追う毎に上げ続ける
ミッション:インポッシブルでありますので、
続編が観られるのかどうかは、
御年56歳のトムさんがどれだけ頑張るのか?にかかっている。

つい他人の私まで心配になってしまいますが、
いつまでもお元気でアクション映画の王道を突っ走ってもらいたいと
願うばかりだ。

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そんなトムさんの次回作は来年公開の
TOP GUN 2

「なにそれ?」と若い方々は思うことだろうが、
MA-1などミリタリー・ファッションにKAWASAKI GPZ900R Ninjaなど、
若かりし日のオジサンたちに多大な影響を与えたコンテンツだ。
よくぞ掘り起こしてくれたものだと拍手せずにはいられない・・・
トムさんいつもありがとう。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ お知らせ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

さて、本ブログは明日から2週間ほど夏休みをいただきます。
猛暑に豪雨など、いつも以上に異常さが際立つ今夏ではありますが、
皆さまもお身体には充分に気を付けてお過ごしください!

  

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2018.08.10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

今後公開予定の極私的話題作セレクト



スパイダーマンの人気ヴィランでサム・ライミ版『スパイダーマン3』にも
黒いスパイダーマンとして登場している『ヴェノム』の単独作品。
人気コミックに登場する悪役をダークヒーローとして主役に据える手法は
スーサイド・スクワッド』と同じだが、
ヴェノムは単独で映画が作られるほどの人気悪役。
実はヴェノム以外にも韓国系女性のスパイダーマン『シルク』など、
SONYピクチャーズは更にスパイダーマンの世界を拡張させるつもりらしい。
ディズニー系『アベンジャーズ』に“出稼ぎ" 中のスパイダーマンとの関連はなく
完全に独立した世界観で描かれるとの噂。
11月2日、全国ロードショー。



伝説的ロックバンドQueenのリード・ボーカリスト、
フレディ・マーキュリーの自伝的映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
ドキュメンタリーに見紛うほどのソックリ具合にまずは驚かされるが
楽曲の音源は全てオリジナルに吹き替えられているとのこと。
それを聞いて一安心。
11月9日、全国ロードショー。



ボーダーライン』の続編『ボーダーライン/ソルジャーズデイ』。
残念ながら監督はドゥニ・ビルヌーブではありませんし、
エミリー・ブラントも出演しませんが、影の主演と言っていい
ベニチオ・デル・トロは続投していますので問題なし。
噂では更にハードな設定と過激な描写で麻薬カルテルとの仁義なき戦いを
描くということで、これまた非常に楽しみです。
11月全国ロードショー。



木城ゆきとのSF漫画『銃夢』を『タイタニック』『アバター』の
ジェームズ・キャメロンが心底惚れ込み、
すでに2000年には映画化権を取得していたと伝えられる
『アリータ:バトル・エンジェル』。
キャメロンは製作と脚本を担当。
監督は『シン・シティ』のロバート・ロドリゲス。
12月21日、全国ロードショー。



ジャスティス・リーグ』のスピンオフ。というか
DCコミックの新シリーズ『アクアマン』。

『アベンジャーズ』を大ヒットさせたマーベルコミックスとは裏腹に
ヒーローが集合するとなぜか面白さが減ってしまうという
DCコミックスにおいて、『ワンダーウーマン』と同様に、
単独作でのヒットを目指す。本国では12月公開予定。

『ワンダーウーマン2』ベン・アフレック版『バットマン』は製作中。
そして『フラッシュ』も製作が決定している。



『シックス・センス』M・ナイト・シャマラン監督の新作『グラス』。
2000年公開の『アンブレイカブル』と前作『スプリット』の
世界観が激突する!来年1月全米公開予定。



ドラゴンタトゥーの女』の続編、
ミレニアムシリーズ最新作『蜘蛛の巣を払う女』。
こちらも残念ながら監督はデヴィット・フィンチャーではなく、
ダニエル・クレイグもルーニー・マーラも出ないのですが、
予告編を観る限りは前作の世界観が色濃く残っているように見えるので
ちょっと嫌な予感がする・・・

それ以前に原作はミレニアム三部作の故スティーグ・ラーソンではなく、
ダヴィド・ラーゲルクランツという別の作家。
かといって映画のための書き下ろし脚本ではなく、
原作の小説じたいがオリジナルの作家の死後に書き上げられたという
なかなか他に類をみない異色作。
出版元が小説の版権を持っていたと言うことか????
2018年11月全米公開。日本公開は2019年とだけ発表されている。



宇宙飛行士であるニール・アームストロングの同名の著書を元にした、
月面着陸までの伝説のミッションを
ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と
ライアン・ゴズリングが再びタッグを組んで映画化した『ファースト・マン』。
2019年2月、全国ロードショー。



キングコング 髑髏島の巨神』のエンドロールで、
キングコングとゴジラの世界が融合されること、
そして、モスラやキングギドラもハリウッド版ゴジラに登場することが
示唆されたが、そんな冗談みたいな企画が冗談抜きで公開される。
それが『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。
映画界はアベンジャーズ方式、もしくは
『九州じゃんがららーめん』で言うところ『全部入り』が大流行だ。
こちらは来年5月に全米公開予定。



最後は、なんと2020年公開予定の『シン・エヴァンゲリオン劇場版 :II』。
2007年『序』、2009年『破』、2012年『Q』と2年おきに公開されてきて、
庵野秀明が『シン・ゴジラ』に浮気したりしながら、
すっかり放置状態だったシン・エヴァンゲリオンですが、
なんと2020年に完結編である『:II』の公開が発表された・・・

確かに楽しみではありますが、
それはドキドキワクワクというよりもすでに「腐れ縁」的な気分。
『バガボンド』の新刊を待つ気持ちとはまったく違う。
さっさと終わらせてもらいたいのに無用に引っ張られるのは
あまり気分の良いことではない。
  

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2018.08.09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

男と女の観覧車

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ウディ・アレンの最新作『男と女の観覧車』。

その視点はどこか斜に構えていて、
描かれるのは誰にでもあるようなバツの悪いところや間の悪さ。
そんな意地の悪い視点で描かれる人間の惨めさは、
とても滑稽だし笑えてしまうのだけれど、
だからこそ、それらは自分とは無関係な場所で起こる
対岸の花火や別の宇宙の出来事ではなく、
観る人誰もが身につまされてしまうようなコトばかりだ。

そんなウディ・アレンのシニカルな視点は今作でも遺憾なく発揮されている。
この人はどうしてこんなにも鮮明に、
人の「性(さが)」のようなものが見えるのでしょうか?
まさに天賦の才と言うほかない。

そんな人が精力的に一年に一本作品を生み出してくれるのだから
感謝しないといけないと心の底から思う。

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子連れで再婚した今年40才になるジニー(ケイト・ウィンスレット)は、
元女優で、今は海辺の遊園地にあるレストランでウェイトレスをしている。
遊園地の回転木馬の操縦係をいているジニーの夫ハンプティ(ジム・ベルーシ)は
酒を飲んではジニーに暴力をふるうDV男で、今は禁酒中。
加えて連れ子のリッチーは不登校と火遊び(ほとんど放火)を止めず
ジニーは来る日も来る日も家族たちに頭を悩まされていた。

そんなジニーの元に、ハンプティの前妻との間の娘
キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れる。

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キャロライナはギャングと結婚しハンプティとは長く絶縁していたのだが、
ギャングの情報を警察に流して組織から追われ
ハンプティの元に逃げて来たのであった。

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連れ子の火遊びだけでも頭が痛いのに、
ギャングに追われる夫の娘まで現れ、極度のストレスに悩まされるジニーは
大学生で夏の間だけ海岸の監視員のアルバイトをしているミッキー
(ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫関係を続けており
ミッキーと過ごす時間だけが現実から逃避できる生きがいのようになっていた。

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そんなこととは知らないキャロライナもミッキーに恋心を抱いてしまい
義理の母娘を同時に愛してしまうプレイボーイとの三角関係は、
やがて意外な方向へと転がり出します・・・

要は義理の娘と義理の母が、
プレイボーイのイケメンを取り合うという複雑ではありながらも
男と女という視点ではよくあると言えばよくあるお話。
なのですが、
「母親」の部分を火遊びを繰り返す息子が、
「妻」の部分を酒を飲むと暴力に走る夫が、
それぞれジニーの中の役割を破裂させてしまう。
そんな中で唯一の安らぎだった若い男との不倫関係も
突如逃げ込んできた義理の娘によって破壊されてしまい
最後に残ったジニーの「女」の部分が一気に肥大して
いよいよ暴走を始めてしまいます。

一見特殊なようでいて、実はどこにでもありそうな
見慣れた情景だからこそ吐き出される
一人の人間が思い描く夢や希望や、嫉妬や失望や執念など、
人間の可愛らしさと浅ましさを見事にフィルムに定着させています。

ウディ・アレン作品はどれでもそうなのですが、
ネタはいつだって単純明快。
だからネタバレしていても全然問題なし。
肝心なのは登場人物の心理描写に集約される。
笑っちゃうくらいの不幸(だいたい自分でまいた種)に見舞われた
人間がとってしまう行動や言動の描き方に
ウディ・アレンの腕前の全てが集約されていると言っても過言ではない。

そんなウディ・アレンの演出を支えたのは、
家族を大切にしようと努力する献身的な母親像と、
20歳も年下のイケメンをたらしこむ妖艶さがあるからこそ、
どこか身勝手で自己完結的な発想をしてしまう40歳なりの面倒くささを
二重人格に見せずにきちんと演じ別けていた
ケイト・ウィンスレットの熱演に他ならない。

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そして今作で良かったのは、モノトーンやコントラストのあまりない画を好む
ウディ・アレン作品では珍しい色鮮やかな背景。
海辺の遊園地が舞台であることも関係しているのでしょうが、
ビビッドな色づかいが演者の心理描写ともリンクするように使われており、
物語をとてもカラフルに魅せている。
(オススメ度:80)
  

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2018.08.03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

ジュラシック・ワールド/炎の大国

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もう説明は不要だろう。
遺伝子組み換えによって現代に蘇った恐竜たちが現代で暴れ回る
あの『ジュラシック・パーク』シリーズの最新作だ。

恐竜をリアルに再現するという
夢のような技術は最新作ごとに迫力を増しており、
CGだけでなく実物大の恐竜をリアルに動かすロボット技術である
アニマトロニクスも含めて、もうSFであることすら忘れて観ていられる。
特にIMAX3Dと恐竜との相性の良さはすでに限界点と言ってもよいレベルで
普通に動物園を歩いているような感覚に没入できる。
これは本当にスゴイ。

日本での興行成績も好調のようで
本年度のNo.1映画になる勢いなのだとか。
ただ、全米での成績は前作を大きく下回っているようで
評価は大きく二分されているということです。
(そのあたりに関しては以下のネタバレで私見をお話しします)

ネタバレしない範囲でざくっと内容を説明しますと
前作『ジュラシック・ワールド』の3年後が舞台。
パークのあったイスラ・ヌブラル島の火山が噴火の予兆を示し
パーク廃業後もそこに生息を続ける恐竜たちを保護するか否かで
世論は真っ二つに分かれてしまう。

恐竜の保護団体の代表を務めるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は
ニック(クリス・プラット)にも恐竜の捕獲作戦に同行してもらおうと
相談を持ちかけ、二人は再びあの島へ向かうが
そこには巨大な陰謀が隠されていた・・・というお話。

なので、注目は誰しもが思うであろう

「保護するって、一体どこに????」
という素朴な疑問点に集約される・・・・・



_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ ※以下ちょっとネタバレ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
観る予定なら読まない方が賢明です・・・

「保護する場所ってまさか・・・」
そのとても素朴でありながら
この物語を愛する一人としては嫌な予感しかしない残酷な想像は
一旦安心させてから一気に暗転し、結果見事に的中してしまう・・・・・

悲しいまでに『ロスト・ワールド』での失敗の教訓が
活かされていない。

前作『ジュラシック・ワールド』が良かったのは
良い意味でも悪い意味でもスピルバーグが監督した
第一作目『ジュラシック・パーク』の意志を、
インスパイアという意味でもリスペクトという意味でも
きちんと模倣していたからだ。

まだ開業前だった『パーク』に対して
『ワールド』の方は毎日2万人を超える来場数を誇る規模になっており、
恐竜が柵を越えて引き起こされるパニックの度合いを
犠牲者の数に比例してパワーアップさせていた。

でも、あくまでも恐怖たちは島の中に足止めされていたことで、
人間の愚かさへの贖罪としての主人公たちの存在が
パニックムービーらしい規模感の増幅との間で
ギリギリの折り合いを付けていて、
素直に主人公たちを応援できたことが
大ヒットにつながった要因であったと私は思う。

先日、WOWOWでエイリアン・シリーズを一気放送していて
それを観ていて余計に思ったのですが、
究極の殺人兵器であるエイリアンを
地球に密輸しようと企む儲け主義の大企業と、
それを命がけで阻もうとするリプリー(シガニー・ウィーバー)との
激しい攻防が『エイリアン』を「人を食べる」地球外生命体との遭遇
というホラー映画に留めない重要なポイントなのだと改めて思った。

とにかくリプリーはエイリアンが地球に届いてしまうことを
全力で阻止しようとする。
「エイリアンだって命が守られるべき尊い生命体のひとつだ」と
言われようが、誰かが傷つこうが自分が死のうが
リプリーはその考えを絶対に曲げたりはしない。

それに較べてこちらの主人公たちは
自分たちが脱出するために安易にも囚われた恐竜を放してしまったり、
その行動はあまりに軽率にすぎた。
たまたまだろうが、行きがかり上だろうがなんだろうが、
多くの人々の生活や命を預かる立場になった主人公たちが
最後に採ってしまう浅はかな行動には
本気で苛立ちすら感じてしまった。

大好きな主人公たちだからこそ、
そんな無責任なところを観たくない。
脚本が完全にファンの気持ちを見誤っている。

聞けば今作は三部作の真ん中に位置する作品なのだそうだ。
さて、主人公たちは自分たちが引き起こした
この社会問題にどうケジメをつけるのか、最後にどう後始末をするのか、
別の意味で楽しみになった。
(オススメ度:50)

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2018.07.27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

RAW 少女のめざめ

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芸術と普通の境界線はかなり曖昧だ。

なんでもかんでも芸術性で捉えようとすることに私は反対だが
もしかすると今の世の中に普通なんてものないのかもしれない。

最初に「ベジタリアンの少女が生肉の味に目ざめてしまう」
という話だと聞いたときには「なかなかおもしろい視点だな」と、
芸術性を感じた。
それはカンヌ映画祭での評価が高かったという前評判が
外国かぶれの私にまあまあ刷り込まれていたこともあっただろう。
できれば映画館に観に行きたかったほど
この映画には興味があったのですが、単館上映だったこともあり、
都合が合わず劇場には観に行けなかったので
配信開始とともに飛びつくように急いで観たのだが、
結果的には映画館に行かなくて正解でありました。

「人喰い趣味」と「カニバリズム」とで同じ事を言っていても
外来語に弱い日本人には伝わり方がまあまあ違うわけだが、
私には「人喰い趣味」の方、ただのホラー映画にしか見えなかった。

お肉って美味しいんだね、知らなかった・・・
を一気に通り越して人肉が美味そうに見えてしまうという
急激な少女の目ざめ方についていけない。
あっという間に人喰い人間になってしまうことには
後から明かされる理由があるにはあるのですが
それにしてもあっという間で私の共感が追いつかない。

『RAW』とはRAW画像と同じRAWのことで
「生」という意味に加えて「未加工」というニュアンスもある。
つまり「生肉好き」という意味だと思わせておいて
「まだこの子は未加工」という「めざめ」という
最後のオチへの布石でもあるのですが、
それにしても、もうちょっと時間を使って
葛藤とか心理変異を追って欲しかった。

画作りとか、間の取り方とか、確かにお上品なフランス映画っぽい。
観る者を驚かせたり不快にする意図で撮られていない作品だということは
よく分かるのですが、このモチーフによって伝えようとする意図が何なのか。
焦点はかなりぼやけてしまっている。

そういったあえて答を観る者に委ねてしまう
人を煙に巻いたような手法を
芸術と定義できるのかも知れませんが、
私には粗っぽい編集にしか見えなかった。
B級グルメ(カニバなだけに)。

これがアートなら
「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」いっそ「ゾンビ」もアートだ。

というわけで、面白いかどうかと問われれば、
決して面白い映画ではないのですが、
怖い物見たさ、もしくは芸術論に興味があれば観て欲しい。
ビミョーさもまたアートなのかも知れません。とか、
スノッブなバーでワケ知り顔で語るネタとしてはアリかもしれない。
(オススメ度:30)

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2018.07.20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

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私も週に一度は食べているマクドナルド。
今や全世界に3万店以上の店舗を構えるレストランチェーンだが、
ファストフードという概念を生み出した時代の先を行く先進企業でもある。

この『ファウンダー』は、マクドナルドを世界中に広げた立役者の男と、
ファストフードという新しい概念を生み出した兄弟の因縁と怨念の物語・・・


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ ※注意※以下ネタバレします _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

シェイク用のマシンの販売員だったレイ・クロックは
ある日、カリフォルニアでドライブインから6台のもの受注を承ける。
ただでさえあまり売れ行きのよくない商品を一度に6台も注文してきたことに
疑問を持ったクロックはルート66をひた走り大陸を縦断して現地へと向かった。

「マクドナルド」というドライブインにはウェイトレスもおらず、
お皿もなく、トレーもなく、
メニューもハンバーガー、フライドポテト、ドリンクの3種類のみ。
当時は他に類をみない袋入りのハンバーガーを30秒で提供するという、
徹底した効率化を果たしながらも、味と店の内外の清潔さにも
こだわる姿勢が功を奏して、もの凄い盛況を博していたのであった。

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すぐさまフランチャイズ化を申し出るクロックであったが、
レストランを営むマクドナルド兄弟は
「品質が維持できるのは3店舗が限界だ」と言って譲らない。

そんなマクドナルド兄弟をなんとか説得し、
クロックはフランチャイズ権を取得するが、
とにかく事業を大きくしようと画策するクロックと
品質管理に賭けるプライドに関しては一歩も譲らない兄弟と
度々衝突してしまう。

それでもクロックは、品質を下げずにフランチャイズを増やす秘策を生み出し
順調にビジネスを推移させ結果を出していく。
そうしてひとつ結果が出て、更に次の段階へ進もうとすれば
また兄弟と衝突して〜〜を繰り返すうちに、
クロックは兄弟と交わした契約を無視するような秘策に打って出てしまう。

それによって最低限残っていた互いの信頼感も潰えてしまい
マクドナルド兄弟との関係は一気に冷え込んでしまうのだが、
クロックはすでに田舎町のレストラン経営者では
到底太刀打ちできないほどの存在になってしまっており、
いよいよ商標もクロックに売り渡さざるを得ない状況にまで
追い込まれてしまう。

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そうしてついにクロックはマクドナルドの全ての経営権を
手中に収めるのだが、クロックの肩書きはCEOではなく、
「ファウンダー/創立者」であった・・・

ハンバーガーを15セントで30秒で提供するという
ビジネスモデルを生み出したのはマクドナルド兄弟であることは
誰の目にも明らかなことなのに、
それでも創立者という肩書きにこだわるところに
レイ・クロックという男の本性が窺い知れて、
それはそのへんのホラー映画よりもおぞましい
人間の奥底に潜む闇の部分を見せられるようで心底ゾッとさせられる。

そして、観る者誰もが不思議に思うであろう
疑問への答が最後に明かされます。

それは、気の良いマクドナルド兄弟は最初にクロックに会ったときに
手の内と手法論をすべてクロックに話しており、
ある意味彼らのノウハウはすべて伝授してしまっていた。
なのになぜクロックは黙ってその手法をよそで展開しなかったのか???

「手の内をバラしたのはオレが最初じゃないんだろ?
 だったらこの手法を真似て成功したヤツが他にいたのかい?
 いないんだろう?
 その理由を教えてやるよ『マクドナルド』って名前じゃないからさ!」

「おれはマクドナルドっていう名前が欲しかったんだよ」


情熱的なビジネスマンほど、
血も涙もない吸血鬼のようになってしまうことはどこにでもある話だし、
それくらい冷徹になれなければ成功などできないのかもしれない。

でも、このレイ・クロックという男の特筆すべき才能は
そんな冷徹さ以上に、この先見性にこそあったのだということが、
映画の最後に明かされ、更に背筋に冷たいものが伝っていきます・・・

その歴史にとんでもない暗部を抱えているのだと知ると
子供たちが喜んで食べているお店の様子も違って見えてきますね。

『ファウンダー』、かなり強烈な嘘みたいな実話です。
(オススメ度:70)

テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画

2018.07.13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー

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『SOLO: a Star Wars Story』ですが、
北米での興行成績が『Rogue One: a Star Wars Story』に較べ
低調な滑り出しで、それが期待していたほどではなかったことから
「スターウォーズ疲れ」という現象まで危惧されているのだそうだ。

それは『Star Wars / The Last Jedi』から
数ヶ月しか経っていない時点での、矢継ぎ早の本作の公開であったことから
「スターウォーズ疲れ」が進んだという見解らしいのだが、
私の意見を言わせてもらえれば
それは『Episode-9以降の新三部作』の発表のせいだと思う。

ご存じの通り、2019年12月20日公開予定の『Episode-9』をもって
いわゆる『スカイウォーカー・サーガ』が完結するわけだが、
新三部作はそれ以降の物語となるらしい。

私にとってのスターウォーズは、スカイウォーカーの物語だから
もはやスターウォーズですらないように思えてしまう。
もちろん、カイロ・レン(ベン・ソロ)は
スカイウィーカーの血を引く最後の一人なので、
それをしてスカイウォーカーの物語が続くと言えるのかも知れないが、
それはそれでいかがなものだろうか??とも思う。

そんな、なんとも煮え切らない気持ちでいたところに
今作の公開がやって来てしまったことも原因のひとつなのだろうと思う。

そんなわけで、少々複雑な心境での鑑賞となったが、
ハン・ソロの物語はスカイウォーカー・サーガの重要な一部なので、
もちろんファンの私は四の五の言わずに拝見させていただくことにする。

『ローグ・ワン』はスターウォーズのもつおとぎ話のような世界を
裏側で支えた一兵卒たちの「命を省みない小さな作戦」という筋書きが
戦争というフォーマットの中で映えていたと思う。
それと較べると『ハン・ソロ』という人物とそれを取り巻く世界観は
いわゆる “ギャングスター" もので、まさにおとぎ話そのものだ。
それをどれだけ魅力的な物語にできているのか?が
この作品を評価をする上でのポイントだと思う。

soloastarwars2.jpg

んで、結論を言うと、北米での興行収入が示すとおり、
確かに『ローグ・ワン』の方がよくできていると感じてしまった。

なぜハン・ソロという人間がギャングやマフィアに借金作って
逃げ回りながらも、自身の自由は絶対に束縛させない
“クールなギャングスター" になったのか?について
残念ながらあまり魅力的、もしくは意外な解答は示されず
予定調和的なある意味ファンが想定できる範囲内で
物語は済まされてしまっていた。

そして何より、ハリソン・フォードのハン・ソロは
まさしく別格だったのだとここへ来て再認識。

つまり、ハリソン・フォード以外に
ハン・ソロを演じられる人物などいないし、
もっと言うとハリソン・フォード自体がハン・ソロであったということが、
図らずもこれで明らかになってしまったというわけだ。

ただ、そういったこと(事前情報や愛故の期待感)を抜きにして観れれば
なかなかよくできた冒険活劇として楽しめたのかな、とは思う。

コアなファンとしても、ラストシーンに隠された
もしかして今後につながる布石のようなものも垣間見えた
(気がしないでもない)。


今作の興行成績が芳しくなかったことから、以前から計画されていた
『オビ=ワン・ケノービ』、『ボバ・フェット』などの
その他のスターウォーズ・ストーリーの計画も
白紙に戻されたとの報道も一部にはあったが
その後、ルーカス・フィルムからは計画は変わらず続行されるとの発表もされた。

ディスニーがルーカス・フィルムを買収した時点で
様々な心配事や憶測が流れたが、
個人的には『フォースの覚醒』、『ローグ・ワン』を観て、
一旦はこの買収劇は良い方に向かうものと思っていた。
しかして、『最後のジェダイ』、そして、このタイミングでの新三部作の発表、
そして何より各エピソードの担当監督が一部ずつストーリーを作り上げる
リレー方式の採用による顛末の整合性のなさなど粗も多く見えてきており、
正直この買収が良い方向に進んでいるとは思えなくなった。

なんかスティーブ・ジョブズ亡きあとのアップルと似てる。
かといって、ここでジョージ・ルーカスにやらせてもダメなんだろうけど。

(オススメ度:60)

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

2018.07.06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画

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埼玉のへそ曲がり

Author:埼玉のへそ曲がり
オートバイと
スノーボード。
近ごろ波乗り。

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