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BlackDiamond クライミングスキンに待望のスプリットボード用が登場 G3もモデルチェンジ

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今までスキー用しか発売されていなかったブラックダイヤモンドから、
いよいよスプリットボード用のクライミングスキンが登場する。

本来、貼り流しが主流だったクライミングスキンのテール部分に、
スキーにより強く固定させるためのフックが装備されたのは
そんなに昔のことではない。
このテールのフックは、たとえ山中でクライミングスキンの圧着力が落ちても、
外れずに歩き続けることができるための、ある意味保険的な機能だが、
これによる精神定な安心感はかなり高い。

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テールフックを含めて、これまではスキー用のクライミングスキンを流用していた
スプリットボードでしたが、専用のものを見かけるようになったのはごく最近のこと。
スキーとはまったく形状の異なるスプリットボードへの留め方には、
各社スキー用の開発以上の苦労が伺える。

果たして、後発のブラックダイヤモンドが採った策は、
スチール製クリップをスプリットボード用に大型化したG3とは違って、
ナイロンベルトの部分をT字に分岐するというアイデアでありました。

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ベルトの先には金具が2つも着くので、
重量的にG3よりも軽量化が果たされているとは思えないのだが、
ベルトの柔軟性によるボードの個々のフォルムに対する対応力の広さと、
高い固定力、そして折り畳みがし易いことなどがメリットとしては思い浮かぶ。


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そして、この分野では先行するG3も「UNIVERSAL」「GRIP」「GRIDE」と
シールの特性を3種類選べるようにラインナップを拡張したことは前にも書いたが、
ブラックダイヤモンドの追従を知ってか知らずか、
変更したばかりのクリップ類を今季更に修正してきた。

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画像だと分かりづらいが、一番後側のフックはレバーでベルトを引っ張り上げる
前からあるタイプで、BDのようにこちらもT字にされていた。
想像だがゴムのベルトを腕で引っ張って伸ばして装着するより
レバーを使ったテコの原理で引き伸ばす方が引っ張り強度が増し、
より強固に固定できるのだろう。

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それと、素直にボードサイズに合わせて長さを選ぶと、
場合によっては滑走面のかなり内側にだけシールエリアが来ていたG3であったが、
シールエリアを広めにとることもできるように
オーバーラップサイズも修正してきた様子。抜け目ないな。

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これらのテールフックは、
あくまでも一般的なラウンドテールのスプリットボードの場合の話で、
フィッシュテールや、STINGRAYのようなハーフムーンテールなど、
特殊なテール形状にはそぐわない。

そういったテールの場合はフックが歩くときの内側(股側)に来るため、
歩行時足が重なるときに鉄製のテールフックで
逆足のボードのサイドウォールに引っかけてしまい、
場合によってはデッキにまで被害が及ぶケースもあり、
実際私もそんな悲劇を目の当たりにしたことがある。

ラウンドテールのSLASHERではこのテのフックを使えているが、
MAGIC38 Splitではテールフックを諦めて、今では貼り流しで使っている。
フィッシュテールでも歩くときの外側にフックを留めておけるような方策を
考え中でありますが、どこかのメーカーも考えてくれないかと切に願うばかり。

というわけで、私にとってラウンドテール用に進化したテールフックは
あまり関係がないのですが、
こういった日進月歩を体感すること自体はとても楽しみですので、
ブラックダイヤモンドにせよG3にせよ、
早いとこニュータイプを拝んでみたいものであります。
  

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2018.11.21 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

SPARK R&D TIP & TAIL CLIPS

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「VOILE式」のスプリットボードのモードチェンジ様式が登場してから、
すでにどれくらい経つのかは知らんが、
私の知る限り、ここのクリップだけは一切進化してこなかった。

確かに、スプリット・フックの強度の差ほど剛性感に係わるパーツではないが、
ここが外れているとスプリット・フックの結合力の弱いタイプを使う以上に
滑りへの影響は大きく、しかも一旦バインディングを外して
ボードから降りないとここを填められないので、
滑り出してからここが外れていることに気づいても手遅れ。

それくらいに重要なパーツなのに外れやすい。
旧態依然としたモノしかなかったのは誠に不思議な話だ。

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小さいし安いものだが、
わたくし的には一番待ち望んだパーツと言っても過言ではない。
そんなわけで、発売開始と同時に
MAGIC38とSLASHER用に2セット一気に購入した。
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ちなみに、Karakoramからもロック機構付のチップクリップが登場したようだが、
ロックレバーを操作するするぶん手間が多そうだし、
何より、すぐ部品を増やして対処するやり方が、
単に故障の可能性を増やすだけに思えてしまう私は
シンプルなSPARK R&Dの方にした。
ただ、ハイクモードのときにもこのロック機構が効くのはいいかもしれん。



取り付け方法はこちらの動画に詳しいので割愛させていただくが、
今まで取り付けにコツの必要だったカシメるタイプだったものが
ネジとナットに変えられたので、取り付けに際して難しい部分はほとんどない。

それと、今後スプリットボードをチューンナップに出すときに
このパーツも外せるので、端から端まで滑走面をキレイにしてもらえそうだ。

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あえて装着上の難点を言うと、そもそも着いていたクリップを外す際に、
ドリルでカシメた部分を壊して外すのですが、
ここがドリルと供回りして歯が立たなくなってしまうので、
軸芯が回らないように押さえておく必要がある。

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普通のプライヤーでも固定できるが、
贅沢を言えば、この『ネジザウルス』のような、
潰れたネジでも強固に掴んで回すことのできるプライヤーがあると作業が捗る。

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さておき、古い方を外してしまえば、9割方の作業は完了だ。

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ナットにはコア材に食い込んで回らないように
先端には爪が設けられており、
最初に穴に差し込むときに抵抗感が強いが、
回しながら差し込んだり、無理にこじったりせずに
慎重に押し込んでやれば問題はない。

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元来ここがカシメられていたのは、もちろんパーツの紛失を未然に防ぐため。
そんなわけで、緩み止め剤は必須(新品は塗布されています)。

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カチッと固定されるまでレバーを押し込めばここが外れる心配はまずない。
う〜〜〜ん、これは待った甲斐があったな。

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というわけで、暖冬とか言われて例年以上にやる気の起きなかった
ワックスがけやら、道具のチェックやら、いそいそとはじめております。
早く雪降らないかなぁ〜〜あー楽しみ。
  

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2018.11.14 | コメント(4) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

ODE to MUIR 〜THE HIGH SIERRA〜



先週末行われる予定だったMotoGP イギリスGPは
なんと前代未聞の雨天中止。月曜日への振り替え開催すらされなかった。
コースの水捌けの悪さが原因との報道もあるが、
それにしたって今までこんなことなかったわけだから
世界的な異常気象と無関係ではないと思う。

異常気象にもいいかげん慣れっこなくらい、
異常が通常になりつつある今日この頃でありますが、
こちら東京でも、昨日のゲリラ雷雨にはさすがに驚かされた。
異常がぐんぐんバージョンアップしているように思うのは私だけか。
果たして、今冬はどうなるのでありましょう。

とか、すでに冬の心配をはじめておりますが、
お茶の水のスキー街でも、店頭の展示を夏のアクティビティから
スノー用品に切り換えだしたお店も出はじめた。
そんなちょっとばかり気の早いスノーマニアに向けて
メディアの方もシーズンインに向けた動きを見せ始めている。

ちなみに。
『DIGGIN' MAGAZINE』の今季の第一号は明日29日(水)発売。
カタログ号とのことなので、こちらも楽しみでありますが、
THE PRODUCT BOOK(8月29日発売)
NISEKO ISSUE    (10月26日発売)
THE SESSION STORY(12月20日発売)と、
今シーズンリリースされる3号を予約購読するとスノーシューバッグが
プレゼントされるお得なキャンペーンもやっているので、
私はそちらにしてみました。どうせ全部買うしな。


さておき、
今秋公開予定のTeton Gravityの最新作「Ode To Muir」であります。
ご存じジェレミー・ジョーンズとX Games 女子ハーフパイプの金メダリスト、
エレナ・ハイトがカリフォルニアのJohn Muir Wildernessに遠征した
40マイルに及ぶ旅の模様が収められているとのこと。

そしてそれは、この地への森林伐採・ダム建設計画に対し
命懸けで抵抗しシエラネバダの大自然を守り続けた人物、
『自然保護の父』と呼ばれたジョン・ミューア(John Muir 1838-1914)
へのリスペクトの旅であるという。

Protect Our Winters(POW)の創始者でもあるジェレミー・ジョーンズなので、
自然保護へのアピールも大いに含まれているのだろう。
近ごろは大部分でパタゴニアの活動とかぶるジョーンズさんであります。

さておき、バックカントリーとスプリットボードという
大きなジェネレーションが私に押し寄せたのは、
何はさておき『Deeper』が発端と言っても過言ではない。

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自分の滑り降りるぶんは、自分の足で雪山を登って稼ぐ。
そんな原始的で根源的な行為は、
それ以来、私の中心付近に置かれているわけだが、
それがそのままの位置で今も固定されているのかというと
それはそれでかなり怪しい。
その熱量はすでに、良い意味でも悪い意味でも
「スープの冷めない関係」くらいで維持されたままだ。

こういった行為を流行廃りで捉えるのは
決して褒められたことではないが、
すでにブームな時期は過ぎ、より日常的な行為として
私の中では認識及び整理されている物事だ。

私にとってバックカントリーという行為が
自然への入口であった時代から、
自身と自然との関わり合いをより深めるための行為へと移行する。
そういう時季が訪れている予感を強く感じる。

自然との強い関わりを持つバックカントリー愛好家
(そして、サーファーに、オフロード・ライダーも)こそ、
昨今の気候変動に対してもっとセンシティブにならなければ
おかしいと思う。

そういったタイミングで発表された
ジェレミー・ジョーンズの新作なので私的な興味は尽きない。
  

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2018.08.28 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

SPARK R&D 2019 カタログ ナナメ読み

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ISPOで発表されたSPARK R&Dの2019年モデルの話は以前にもしたが、
いよいよ日本語版のカタログが公開されたのでシェアしたい。

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まず2019モデルの目玉は『PRO』と名付けられた軽量バーション。
アルミボルトの使用とカーボン強化ナイロンハイバックを採用し
軽量化されていることはお知らせしたが、
アンクルストラップ類もFull Pebax®プラスチックとかいう素材を使用して
強度を増しながらも20%程度の軽量化を果たされているのだそうだ。

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それと、ツーリング・ブラケットも
アルミ製からプラスチックのモールド成形に変更され
今まで真鍮製のピボットホールが圧入されていたが
それも排除され40%!の軽量化が果たされているのだそう。
こちらは5,000円(税別)でパーツ購入可。
既存モデルで使えるようだ。

ただ、
カスタム時代を生きたオールドスクールなオートバイ乗りなら
誰でも同じ気持ちだと思うが、
私はアルミ削り出しパーツへの憧れが強いので
軽量化が果たされているとは言えプラパーツはちょっと抵抗がある。

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これに関連してちょっと気になるのは
『PRO』のピボットがアルミ製に変更されたこと。
こちらは摩耗性を考慮して、上の新しいプラスチック製ブラケットの使用が
必須のようなのだが、何よりここは要の部分なので
こういう場所のアップデートは正直怖い。
Teslaシステムが登場した年にもここに不具合があったと記憶しているので
一年は様子を見たいところだ。って、
私に買い換える予定は一切ないので余計なお世話だけど・・・

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クランポンも軽量化バージョンが追加されたが、そのお値段19,500円(税別)。
ノーマルモデルより4,500円も高く設定されるかなりの贅沢品だ。
もちろんこちらも買い換える気はないのでこれまた余計なお世話だ・・・

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ソリッドボードに転用できるアダプターも
『SOLID BOARD PUCKS』に名前を変えモデルチェンジ。9,000円(税別)。

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私が去年買った旧型より見た目が良くなっているだけでなく、
100g以上軽量化されているようだ。
これでBURTON GENESISと重量的にほとんど変わらなくなったことになる。
結局先シーズンは使わなかったのでこいつを待てば良かった。

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さておき、私的に一番の注目物件はやはりこの『TIP & TAIL CLIPS』
2,750円(税別)。お値段もお手頃じゃないですか!
Karakoramみたいに5,000円とかブッコんで来るじゃないかと
ヒヤヒヤしてましたが納得の値段設定に一安心だ。
取り付けもカシメるタイプではないようなので取り付けの手間もなさそう。
そのぶん外れてしまう危険性も高まるので、
緩み止め剤を塗布するなど気を付けたいところではある。

よし。これはMAGIC用とSLASHER用に2セット買っちゃおう。
  

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2018.06.21 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

立山 2018春 Day2【別山:後編】

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真砂側か、室堂側か・・・・
かなり悩ましい選択のはずが、結論は意外なほどあっさりと出た。

記憶に残る(かもしれない)
センターラインを征こう!

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しかして、
「いいんですか?ほんとに」と、
多数決を採っておいて疑心暗鬼の旭ガイド。
どうやらゲスト達がそこを滑って面白いと感じるかどうかは、
ガイドとしてはかなりの賭けだったようだ。
何より、滑り手としての自分は狭いシュートの方を滑りたかったらしく、
それもあってゲストにごり押しはしたくなかったようだ。

しかして、
「ガイドツアーでここを落とそうとはなかなか思わない」
という一言に、ハイリスク、ハイリターンを好む今回参加の変態達は
強く反応してしまったわけだ。

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11:20
というわけで、別山山頂直下のセンターラインへドロップ開始。

出足の斜度はなかなかのもので、足元のノールの先は一切見えない。
もちろん雪の状態も分からないので「転んだらそこそこ滑落するかもしれない」
とか思うと滑り出しにはかなりビビる。

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しかして、滑ってみますれば。

思わず クゥ〜〜〜〜〜!

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めくるめくスリルとサスペンス!!!

雪は少々グズついていたが、だからこそ狭くて斜度のある斜面は
攻略性が高くてかなりシビれた!

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2ラン目は少しだけ広くなったが、
そのぶん石が顔を出している箇所も増えるので気が抜けないまま。
それでも誰一人として転倒や、軽率なミスを犯すゲストはおらず、
尚更にパーティーは盛り上がった。

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なんともハートにジンジンくるタイプの斜面!
すんごい滑り甲斐!こっちにして大正解でありました!

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3ラン目は大走りに途中から合流するロングライド。

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今回は黒部ダムに滑り込むルートではなく、
扇沢まではまたバス〜ロープウェイ〜ケーブルカー〜バスで帰るので、
余分な荷物はすべて雷鳥荘に置いて来た。
それもあって日帰りと同様の軽めの装備で来られたのも
この成功の大きな要因だ。

まだどこも手つかずの面ツル斜面ばかりならある意味ガイディングも簡単だ。
でも、オープンからすでに数日が過ぎ、
目立ったラインにはすでにスキー場のように多くのトラックが刻まれていて、
真夏の太陽が刻一刻と雪質を変化させている選択肢の少ないタイミングで
登りも滑りもビンビンに刺激してくるツアーってなかなかできないと思う。

中身濃すぎで中毒性高し!とにかくスゴかった!
立山の別の一面を垣間見た気がした。まさに記憶に残る一本だ。

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まさに立山のセンターライン。

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ゲスト全員、大大大大満足であります!
実験的とはいえ、「ここに案内してみよう」と思った旭さんも流石だが、
こういったライン取りに反応できる乗り手ばかりでホントよかった。
様々な運が味方して結実したツアーとなりました。

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13:20
一旦雷鳥荘に荷物を引き揚げに戻って、
みくりヶ池温泉のデッキで思わず祝杯!
まさに祝いたくなるような一本でありました。
(OYくん、運転よろしく!)

あえて登り返す案や、ここから一ノ越し〜東一ノ越しに上がって、
タンボ平〜黒部ダムへ滑り込むという案もあるにはあったのですが、
大人は欲張って美しい思い出にケチをつけたりはしない。
完全な一本勝負に勝ったのだから、これで潔くお開きにしよう。

っていうか、
単にクソ暑くてビールが飲みたかっただけとも言うけどね・・・

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そんなわけで、14時過ぎには室堂駅で解散となった。
いやはや、両日ともにメリハリの利いた素晴らしいツアーとなりました。

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旭さん、ご一緒させていただいたみなさん。
今回こそこのメンツでなければ味わえなかった旅となりました。
本当に皆さんに会えて良かった!
心の底から楽しかった〜〜〜〜!
また是非ご一緒させてください!


こんな思いをしたあとに他の山を登ろうなんて思いもよらない。
というわけで、(ゲレンデはまだもう少しだけ滑るけど)
これにて今シーズンのバックカントリーは完結です。
今季はこれを含めて6日しかバックカントリーに出なかったけれど、
どれもそれぞれに思い出深い山行となったことに何より感謝だ。

運もよかったのだろうが、数が少ないぶん濃密になったのだとも思う。
いい思い出だけを持って、来シーズンに臨みたいと思う。
  

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2018.05.10 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

立山 2018春 Day2【別山:前編】

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前夜は夕飯のあと、今回のゲストの皆さんと部屋呑みに興じた。
滑り終えた斜面を肴に飲む酒は格別だ。
その時間を、同じ穴の狢たちと共有するのだから尚のこと酒はすすむ。
そんなわけで、22時にはばったりと落ちるように寝てしまった。

それもそのはず、私でさえ前夜は午前3時に家を出たわけで、
遠く大阪や滋賀、名古屋からお越しの皆さんは更に早かったことだろう。
加えて、前日は登り5時間を含む9時間行動だったので余計だ。
かなり深く眠れた気がするが、5時にはぱっちりと目が醒めた。
超健康的山小屋生活。

8:00
雷鳥沢に向け雷鳥荘の目の前の斜面をテント場に向け滑走する。
というわけで、この日向かうのは雷鳥沢を詰めてから
稜線沿いを渡って行く、はじめての別山。

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雷鳥沢を登るのは久しぶりだ。
とにかく景色に変化がない「同じ味攻撃」が辛かった記憶が蘇る。
景色に変わり映えのない東北道を走るのに似たあの感覚。
食べ放題に嫌気がさすあの感覚。

飽きるほど変化の乏しい登り斜面が続く。
とにかく「いつか着く」と無心になって足を前に運ぶことに集中する。
ちなみに、私は一ノ越しに向かうときも、すぐに歩くことに飽きてしまう。

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どういったわけか私はこれまで雷鳥を見ることが叶わず、
このときはじめて雷鳥を見ることができた。
雷鳥沢ではじめて雷鳥に出くわすなんて、これ以上の雷鳥体験もない。
祝・初雷鳥。

さすがの雷鳥もこの暑さで表に出てきてくれたのかもしれない。
暑さは肌が灼ける匂いがしたように感じたほど、
二日目のこの日の方が前日よりも陽差しが強かった。

この日は壊れたハイドレーションの代わりに、
500mLのペットボトルを3本積載。それでも足りるのか不安になるほどの暑さ。
ここまで暑いともう冬山なんて風情では決してない。

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剱御前小舎まであと少しの所にある狭いリッジから
雷鳥沢とは逆側の絶壁を見下ろす。ちょっと足が震える。

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9:50
剱御前小舎に到着。
ここまで2時間切ってる。意外と速かったな。
稜線に出ると風が強まって気温がグッと下がるが、
それでちょうどいいくらい。

画像の野鳥ははあとで調べたら『イワヒバリ』と判明。
やたらと人なつっこくて、かなりそばまで近寄って来てくれた。
癒やし系のかわいいやつだ。これも山の恵み。

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剱御前小舎から別山まではアイゼンに履き替えて
岩場と氷がミックスされた稜線を往く。

風がやや強く吹いていたいこともあり、
背中にボードを背負うのに気を遣わされたが、意外と私の足取りは軽やかだった。
ここまでで結構ヘバっていたので、これには自分でも驚いた。
案外オレはアイゼンの方が向いてるのか???
そういえば以前にもそういうことがあったことを思い出す。
本当はスプリット向いてないのかな?

いずれにせよ足元がガッチリと確保されるアイゼンの方が安心感が高く、
しかも足取りも軽くなり疲れにくいようにも感じた。
思い込みや勘違いもまた、山での武器になるのでこんなことも見逃せない。
これも明日に繋がる良い経験だ。

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登山道らしい登山道を往く。
なんかちょっとカッコいい感じ。
自分に酔える景観だ。

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ここの道中、左手にはずっと剱岳が鎮座している。
剱岳も滑れるそうだが、私は遠慮しておきます。

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10:45
別山(2,880m)登頂。
言ったように、ウンザリするほど長〜〜い斜面と、
稜線づたいのオトコマエな登山道を来たこともあり、達成感は異様に高い。
そしてここからは、遠く白馬の山々まで裏側から覗くことができる。
スゴイ景色のオンパレード。大満足の山行だ。

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浄土、立山、別山という立山三山は、立山信仰により
浄土山は過去の山
雄山、大汝山、富士ノ折立を含む立山三峰は現在の山
そして、ここ別山は未来の山を顕しているのだという。

浄土山には何度か行っているのですが、
雄山にも、大汝山にも、富士ノ折立にも登ったことがないので、
現在をとばして未来に来てしまったことになるがまあいいだろう。
正直もう現在のことはあまり考えたくないし・・・

と、ここで旭さんから緊急会議が招集された。

当初は日陰になる裏側の真砂沢の方に落として登り返すつもりだったようだが、
ここまで来て実際に雪の状態を見るに、別山から室堂側に落とす
狭いシュート状のセンターラインも行けそうだと踏んだらしい。

立山らしいオープンパーンを文句なしに味わえる真砂沢側を落とすか、

雪質は出たとこ勝負、しかも岩場に挟まれた急峻な斜面で
少々心臓が縮むような思いをしてでも記憶に残る(かもしれない)
室堂側の狭いシュートを落とすのか??

加えて、室堂側に落とすと言うことは、
そのまま真っ直ぐテント場の方に出てしまうため、
時間的にも、この日の日射による雪質の変化具合を考えても、
下から登り返してもう一本滑っても、これ以上楽しめる可能性はかなり低く、
真砂沢側に落とせば、もちろん稜線までまた登り返す必要があるので、
雪質はさておき、自動的に大走りあたりをもう一本滑ることができる。

といった旭さんからの2方向のプレゼンテーション後に
ゲストの多数決が採られた・・・

・・・果たして・・・(後編につづく)
  

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2018.05.09 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

立山 2018春 Day1【雄山編】

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14:00
午前中、室堂〜国見岳〜天狗平をメイクしてバスで室堂駅に戻り、
一旦この日の宿である雷鳥荘に余分な荷物をデポするために立ち寄った。
プライベートだったらこのまま打ち上げにしてもいい時間なのだが
ここから更にもう1本行こうとか思えるほど、
目の前に並ぶ無数のラインに囲まれているのが立山という場所で、
それらを前にして指をくわえて見ているわけにはいかないわけだ。

「とりあえず」雄山の方を目指すことだけ決めて、
どこまで行くか(行けるか)は、時間と体力と雪の状況変化次第。
でも「アイゼンは置いていきましょう」と、
今回ガイドをお願いしたリズムワークスの旭さん言ったのは、
アイゼンを持ってると無理して詰めてしまうからで、
つまり、そういう場所までは行かないという意志表明でもあり
それを聞くと文字通りに少し肩の荷が下りて助かる。

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どうやら旭さんはサンセット・ライドを狙っているようだ。

「ようだ」というのもおかしく聞こえるかもしれないが、
昨年の蓮華温泉のツアーの時にも書いたように、
旭さんはガイドである前にライダーだ。
特にエキスパートツアーの場合、
行き先の選択においては観光視点よりもライダー目線が優先され
それ故にその場その場での現場判断を重視する傾向がある。

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サンセットのタイミングにどこにいられるのか、
そしてそこの雪の状態はどうなのか?
もちろんある程度の予測をして向かうわけだが、
なにぶん自然相手の遊びだ、ゲストの体調を含め
想定外なんて日常茶飯事なわけで、
夕陽はきれいでもそこまで辿り着けなかったり、
雪がストップスノーだったり、クラストしていたりしたら台無しだ。

そういったガイドの仕方を優柔不断に思う人もいるかもしれない。
山行において、ましてや立山というアルパインエリアにおいては、
心を先回りさせる気持ちの準備が大切なのは言うまでもない。
ガイドはそういった状況変化を予め見越した上で、
確実に施行される行程を前もってゲストに伝えた方が良いとも確かに思う。

でも、ピークハントや有名無名峰とかにあまり興味のない私の場合、
設定された目的地まで行けば、半分の契約は完了といったツアーより、
多少ハズレくじの確率が高まっても
ライダー視点でもって「サンセットライド狙い」と言われる方が好みだ。

もちろんこれだけ天気も視界も良くて、風もない日だからこそ
遊び心のあるガイディングができているとも言えるし、
そういった滑り手として選べるチャンスを最大限に活かそうと
試みる姿勢は、私は嫌いではない。

そして、この旭さんの方法論が、この翌日の山行で
更に花開くことになるとはこの時の私には知る由もない・・・

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16:30
ロウソク岩の直下に到着。
ゴールデンタイムまではまだ少し時間が余ったが、
これ以上標高上げても良いことなさそうなので登りはここまで。

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とはいえ、ここでジッとしていても仕方がないので、
クラストし始めないうちに一段だけ落とす。
画像は壁に当て込むライダーズレフトのラインを選択したOYくん、

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私はライダーズライトを狙ったのだが、日射が強かったせいか、
ちょっと止まり気味な箇所が混ざっていた。
左目に行けば良かったかな。目論見が外れた。

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中腹で舞台装置(サンセットと雪が締まる)が揃うのを
バンクに当て込みながら待つ。
私は疲れるので見てるだけ。
OYくんはさておき、ONさんも元気だ。

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遠く夕陽に照らされる富山湾を臨む。
立山に来る度に絶景という言葉の意味と、
この惑星の尊大さを再確認させられる。

これを見ても尚、これがすべて我々のものだなんて
思い上がったことを言える人間などいないと思う。
我々はここに間借りしているだけの、
ただ生かされているだけの存在だということを痛感する。

海にいると人間の小ささを痛感し、
山に来ると地球の大きさを痛感する。

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17:30
そうしていよいよ夕陽に赤く染まる斜面を駆け下りる時間がやって来た。

旭さんは場合によっては滑走中であっても、
ボトムから無線で滑走面を指示してくれるので、
上から覗いては窺い知ることのできないきれいな面へ躊躇なく向かえる。
これはスラッシャー向きの地形だ。ありがたい!

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待った甲斐があった。
気温の低下に伴って雪は締まり始めていた。やたらとよく走る雪。
そして、オープンから6日が経ったあとでも残る面ツル斜面。
ガイドツアー冥利に尽きる1本でありました。
立山万歳!!リズムワークス万歳!

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夕飯の時間は18時30分から。
さあ急いで雷鳥荘に戻らねば。

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そうして夕飯の時間ギリギリに無事雷鳥荘に帰着。
それでも食事の前に『君の名は。』で言うところの・・・

昼でも夜でもない時間。
人の輪郭がぼやけて、彼が誰だか分からなくなる時間。
人ならざるものに出あうかもしれない時間。


黄昏時の語源でもある「誰そ彼」の時間を
展望浴室の湯船から眺めたことは言うまでもない。
もちろん、風呂上がりの生ビールが
これ以上ない美味さであったこともまた言うまでもない。
(Day2につづく)

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2018.05.08 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

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オートバイと
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近ごろ波乗り。

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