2018-19 スプリットボード事情

来季のスプリットボード事情を、
Splitboard MagazineさんのISPOを取材された投稿を中心に、
ごくごく私的な興味のみでピックアップしたぶんをお知らせしておきたい。

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まずはSPARK R&D。
来季モデルの推しは、「PRO」と名付けられた軽量モデル。
『Arc』で片側75gの軽量化が施されている様子。
カーボン製ハイバックとの噂もあるが、詳細は不明。
見たところ鋳造しているようなので、そうだとしても、
Karakoramのようにガーボン・ファイバーを積層させたものではなく、
炭素素材配合プラスチックといったところか。いずれにせよ硬そうだ。

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ネジなどの金属部品に、カラーアルマイト加工が施されていることから、
軽量なアルミ素材が使用されているものと思われる。
それと、明らかにストラップ類の素材がノーマルと違って見えるので、
そちらでも軽量化が図られている様子。

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クランポンの『IBEX』にも軽量化バージョン「PRO」が追加。
片側で35gの軽量化を達成している。
コネクティング・ロッドに軽量な素材が使用されているように見えるが
こちらも軽量化された箇所に関しての詳細は不明。
軽量金属は概して脆いものなので、
耐久性を含めて、強度的にちょっと気になる。

さておき、バインディング本体にせよ、クランポンにせよ、
グラム単位の軽量化とはまさに「プロ」仕様。
確かにメーカーのこういったこだわりには惹かれるが、
「シロウト」の私にとって、買い換えのための理由としては訴求力に欠ける。

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いよいよSPARKもハードブーツ用のシステムも打ち出してきた。
スキー用のDynafit TLTのパーツを流用していたことに較べれば、
スプリットボードの専業メーカーがリリースするのだから、軽さを含め、
よりスプリットボードとの相性の良い造りになっているのだろう。

特に、ツーリングブラケットは、
取り付け穴が最初からスプリットボード用に設定されているので、
スキー用を取り付けるための加工による無駄な重量増と、
追加の穴開けによるボード自体の剛性低下を防げるのは効果が大きいと思う。

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なぜかヒールリフターは、Surge、Arcのように、
ベースプレートに格納せずに、オーソドクスなヒールプレートの
前後に高・低二つのワイヤーのリフターが用意されていた。
その方がハードブーツの場合は使い勝手が良いのか??

ハードブーツのメリットはもちろん足元の剛性感の高さによる
ハイク時のエッジグリップ力の強化に他ならない。
直登できないような急斜面で、ジグを切りながら冷や汗をかいた経験のある
スプリットボーダーも多いことだろう。
ハードブーツにすれば、そんな不安感が緩和されることは間違いない。
ただ、代わりに滑りの楽しさの方が
かなりスポイルされてしまうこともまた間違いようのない事実だ。

とか、ソフトブーツ用の「PRO」仕様には興味がないのに、
さらに不必要なこちらに興味が沸いてしまうのはなぜだろう・・・

・・・なんて、考えるまでもなく、やはり道具は男のロマンなのだ。

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SPARK R&Dで一番の注目はこのチップフック。
細々と進化を続けるスプリットボード・パーツですが、
この部分こそ最後に残された改良すべき点、
まさにラストフロンティアだ。

ここが外れるとまあまあ滑走性に影響が出るのに、
かっちりとロックされるパーツがなかったのは、
ホントに不思議なくらいだった。
取り付けに際し、カシメるのではなくネジ留めされている点も気になる。
ゼヒ試してみたい。



新しいヒールロッカーも発表された。
今までの簡易的な構造とはちがって、
かなりガッツリ留まってくれそうなことが動画からも伝わって来るが、
例によってメカメカしさが倍増している。
どんどんシンプルさから遠ざかっているように思えてならない。
こうなるとなぜかロマンを感じないへそ曲がりな私だ。

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G3のクライミング・スキンにも新製品の様子。
「GRIP」、「GLIDE」、「UNIVERSAL」とは分かりやすいネーミングだが、
こう言われると「UNIVERSAL」を買ってしまうであろう
極めて日本人的な選択しかできない私にはあまり意味がないか。

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DEELUXEからは『SPARK XV』と『XVe』の2機種。
『XVe』はダブルBoaになった以外にも、
ふくらはぎ側に回されたベルトが注目点。
『SPARK XV』もふくらはぎの自由度の高そうな、
低い開口部が見受けられるが、『XVe』はこのベルトを解除すれば、
ウォークモード的にさらに足首を垂直側へ使えるものと推測される。
とはいえ、いずれにせよデザインがカッコ悪い・・・

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カッコ良さだけで言えば、
私はダンゼン『THIRTYTWO』のBC系ブーツの方が気になる。
中でも『JONES MTB』(画像左)にはかなり惹かれる。
そこらへんで気軽に試せるような代物ではないので、
おかげさんで気持ちを抑えられているが、足を入れたら最後、
どうなるのかは自分自身でも分からないヤバい予感に溢れている。
とにかく見た目的には私のナンバーワン物件。

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シューレースなので履くのはめんどくさそうだが、かなりガッチリしていそう。
ヤバイ場所になればなるほど歩きやすそうな雰囲気。

ふくらはぎを解放することで歩きやすさを確保したのは
(たぶん)こちらが本家。
ここが解放されるとどれだけ歩き易さに影響が出るのか分からないが、
富士山の登山道の長〜〜い下り坂で、前傾されたスノーボードブーツで
死にそうな思いをした私の目には、かなり魅力的に映る。

こちらのブーツ全体を覆う正面のカバーは、
K2 TT SnowSurferのように保温のためにあるのではなく、
徒渉用の防水カバーという噂だ。
つまり、川でも何でも越えていく気マンマン。
今季モデルで8マン越え・・・と、
その心意気に比例してお値段もかなりガチ目な逸品であります。
  

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2018.02.06 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

かぐら【1/13】今季初BC

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すでに1月も中盤。そろそろ登っておかないとなりません。

と、バックカントリーの話をし始めたところで、
こんなコトを言うのは申し訳ない気もするが、
近ごろの私は、スノーボードはゲレンデを滑る方が楽しい。

私の場合、バックカントリーに行くようになったのは、
ゲレンデ滑走に飽きたと言う理由が大半を占めていたことに改めて気づく。
なので、ゲレンデが楽しい場合、BCに出るのはつい二の次になってしまう。

とはいえ、バックカントリーに飽きたわけでも、
つまらなくなったわけでもない。
BCにはBCでしか味わえない楽しみがあるので、
今季ももちろんバックカントリーも楽しませていただくわけだが、
もしも「どっちの方が?」と問われれば、
今の私ならゲレンデ滑走と答えるだろう。

しかして、そんなコトばかり言っていると、
いざって時に必要になる登り筋が鍛えられない。
パーティーで行動することの多いバックカントリーの場合、
足を引っぱったり、最悪、ツアーを中断させてしまったり、
他人様に迷惑をかけることだけは避けなければならない。

もちろん、スプリットボードの場合は特に、
道具を事前にフィールドでチェックすることも重要な作業だ。
そのための準備は怠ってはならない。と、
心配性なオジサンなりに思う。

そんなわけで、私の初BCは毎シーズン、お決まりのかぐらで、
心も身体も、そして道具もほぐしていくのがルーティンだ。

今回はマッツン、ユカチン夫妻に、コモさんが付き合ってくれることになった。

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7時のリフト券発売開始時間に準備を完了させるべく、
5時前に埼玉を出発する。この日もマイカー出勤。
慣れた関越道ならお手の物だ。ドライブは楽しい。

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この日の予報は晴れ。
前日からの降雪もほとんどなく、
駐車場からすでにゆったりとした雰囲気が漂う。
降雪のあった翌日は、ロープウェイ乗り場に長蛇の列ができるほど、
ほとんど戦場のような殺伐とした空気が漂うので、
この日のような緩〜〜い空気感の方が私は好きだ。

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さておき、最強寒波はまだ日本海上空に居座っていて、
この日の気温もマイナス12℃!!!
私には、かぐらでこれほど気温が下がった記憶はない。

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7時半の始発ロープウェイで上山。
ロープウェイを降りて最初に目に入ってくる大会バーンも、
いつもより、ピステンが柔らかに見える。
そんなヨダレモノの誘惑を振り切って、かぐらエリアに向かう。

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ゲートオープンの時間まで、かぐらメインゲレンデで足慣らし。
しかして、この1本目のかぐらメインが最高だった!

見た目にきれいにピステンがかかっているように見えても、
風に叩かれる中腹部は特に、コーデュロイのまま
硬く凍っていることが多いのだが、
この日のピステンは、まさにピステン!(っておかしな言い方ですが)
こんなかぐらメイン滑ったことないっす!イッツ・ミラクル!

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とはいえ、そんな奇跡もこの一本だけで、2本目からはいつも通りに
ガタついてしまいましたが、だからこそのミラクル!
思い出更新だ。

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そのあとは、これまたいつも通りに、
この日のバックカントリーエリアを想像しながらコース脇に逃げ込む。
あとで聞いたのだが、数日前に雨が降ったようで、
軽い雪の下には硬く凍った層があり、たまにガリッと足下をすくわれる。
BCエリアでは尚のこと、これは気を付けないといけない。

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人も少なかったので、9時の5ロマの運行開始は避けて、
ゆったり9時半頃にハイクスタート。
それにしても良い天気。視界が良いと気分も良い。何より安心感が高い。

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この日は、見晴らしも今まで見たことないってくらいに
遠〜〜〜〜くまで見渡せるほど空気が澄んでいた。
先週の志賀に続いて、この日のかぐらもナイスビュー!

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途中、ツボ足で膝くらいまで埋まる場所を軽くラッセルしたが、
雪はとても軽い。

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視界も良いし、天候も崩れそうにないし、
何より雪もイイしで、なかなか狙えない「三角」まで行くことに決めた。

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久々に三角を真下から見上がる。
ここまでなんと1時間。速っ!!
すでにトレースラインができていたとはいえ、
いつもより30分以上速い。なかなかのペースだ。

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ご覧のように雪の結晶もきれいで、かなり軽い。

そして、ここから斜度がキツくなるのだが、
この日の雪は踏みしめやすく、とても登りやすかった。
何より、何事もなく1時間程度のハイクをこなせるだけの
登り筋もできていたようで、まずは一安心。
この感じなら3時間程度のハイクは確実にイケる手応えだ。

しかして、このあとになかなかの修行が待っているとは、
この時はまだ知る由もない・・・

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三角登頂!
気温の上昇とともに、日本海側がかすみ始めてしまっていたが、
それでもここからの見晴らしは、
いつも通り(三角には晴天の時にしか来られない)に素晴らしいものだった。

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今回は、私とコモさんがスプリットで、マッツン夫妻はスノーシュー。
三角くらいなら、っていうか、かぐらの場合はどちらでもあまり差はない。

そして、山頂でこのブログをお読みになっている方に声をかけていただいた。
三角の山頂でお会いするのも奇遇とも言えるが、
山頂くらいモロモロの濃度が高い方しか来られない場所ならば、
このブログの場合はさもありなん。ではありますかな。
さておき、これからもよろしくお願いいたします。

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11時30分、ドロップ!

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登ると滑るのとではやはり大違いで、
日射の影響で、滑るには少々ミルキーな足応えでしたが、
それでもやはり、三角の大斜面を滑るのは気持ちいいっ!

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ただし。
30cmほどの新雪の下に、凍った雪面のある部分もあり、注意も必要でした。

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この日の相棒は『MAGIC38』。
試しに、先日のTT165で調子の良かったセッティングにしてみた。
乗れなくもないが、やはりMAGICでは取り回しが重くなってしまった。
何本も乗り換えるような使い方をしていると、こういう問題が発生する。
ボードの良さを引き出しながら、自分の滑りを見つけるのは、ほんと難しい。
でも、それもまた楽しい。

さておき、三角のようなオープンバーンを滑るときに、
MAGIC38以上に気持ちの良いボードはないってくらいに気持ちイイ。
MAGICにして良かった!

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そして、途中で中尾根に登り返せばいいものを、
欲張って滑り降りてしまったのですが、
噂通りに沢はまだ埋まってはおらず、ボトムにも落とせずに、
中途半端なトラバースでムダに体力を削る修行系となってしまった。
ふくらはぎ痙りそう・・・き、きつい・・・

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というわけで、登り返して二巡目に突入する気マンマンだったのですが、
見事に心を折られてしまった・・・
でも、あとから気がついたのですが、
スキー場管理区域外へのゲートにつながる第5ロマンスリフトの
営業時間は、なんと12時まで。
管理区域外へ出る時間を制限したいのだろうが、
それにしたって早すぎやしないか??
これだと、中尾根か、反射板など、近場でないと、
事実上5ロマでの登り返しは不可能だ。
せめて13時にして欲しい。

まあ、この日はトラバースに体力を削られて、
それどころじゃあなかったので、エラそうなことも言えませんが・・・

ランチのあとは、いつものとおりにみつまたの大会バーンで
カービングに勤しむも、2時には足パンッパンッでギブアップ・・・

逃げるように温泉に浸かって、
日曜日に備えたコトは言うまでもない・・・

そのあと、休日出勤から解放されたOYくんも合流し、
かぐらにある飲み屋で、遅くまで飲み明かした。
さて、明日はどうしようか。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ 閑話休題 _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

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みなさんは今シーズンから運用が開始された
『TREK TRACK』をご存じだろうか。
詳しくはホームページをお読みいただきたいが、
IoT通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」を活用した、
位置情報サービス。ってところかな。
このサービスの開発にマッツンが携わっていて、
それもあって今回使ってみることにした。

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このように、アプリで現在位置と、
進行中のトラックをリアルタイムに見ることもできる。

まだ認知されていないこともあり、記念すべき利用者第一号。
人の命に係わることなので、技術的なこと以上に、
これによってもたらされる安全と、もしもの時の責任の所在が
まだ不確定な状況で、そういった意味でもまだ発展途上の感は否めない。

でも、このようにIoT技術を駆使して山の安全を確保する試みは、
どんどん応援していきたいと思うし、様々なハードルのある中、
よくやってくれた!と、心からの賛辞を贈りたい。

はじめなければ、何もはじまらないのだ!

ニセコでの運用も予定されるなど、
今後の進化が期待されるサービスだ。
  

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2018.01.22 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

SPARK R&D MAGNETO[BLACK : Lサイズ]組み立て

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二日続けてバインディングの話で恐縮です。
今日は先日お話ししたハイバック、ヒールカップ、ベースプレートと、
パーツをバラバラに揃えたSPARK R&D MAGNETOを組み上げたお話です。

新たに用意したベースプレートのサイズがLサイズで、
ヒールカップはそれまでMサイズのベースプレートに装着されていたのですが、
難なく装着することが出来た。
まあ同じSPARK R&Dの製品同士だし、元より面倒な構造などでは
決してない単純なパーツなので、ここまでは無問題。

問題になるのは『BURTON DIODE』から移植するストラップ類の方だ。

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アンクルスライダー、アンクルタンを、ハイバックと共締めで留めるネジは、
Karakoramのハイバックを買ったときに付いてきたネジを使う。

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この部分のヒールカップに空けられた穴は、
供回りを防ぐため、○ではなく□い穴が空けられている。
この部分は、穴のサイズも、ネジのサイズも、SPARK、Karakoram共に
同一サイズなので、SPARKのヒールカップでも問題なく使える。

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上の画像は『BURTON HITCHHIKER』専用の
BURTONオリジナルのダブルテイク仕様のスライダーを
わざわざSPARK用に改良したもの。
画像のように、ワッシャと、それを受ける部分には、
回り止めのための細かいギアが刻まれ、
ストラップが安易に動きすぎないための半固定式にするという
とても手の込んだ構造が採用されている。

なので、DIODEのハンモック・ストラップを流用する場合、
本音を言えばHITCHHIKER専用のこれらのパーツを取り寄せて
ここにも使いたいのですが、とりあえず今回は我慢。
しかして、Karakoramのネジ部には複雑なギア構造などないので、
逆にBURTONのソリッドボード用バインディングの
純正スライダーを無加工でそのまま着けられてしまう。
もちろんギアが刻まれていないぶん、
ストラップは抵抗なく動いてしまうが、まあいいだろう。

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今回自分で組み立ててみて、BURTONのソリッド用バインディングの
トゥ側のスライダーも、このタイプのものなら、
そのままSPARKのベースプレートに着けられることが分かった。

そもそも両方とも持っているのに、なぜに今まで試さなかったのか?
疑問に思われる方もいるかも知れない。
実はSPARKのトゥ側のスライダーは、破断したときに
上から断面を叩かないと外れないようにできている。
つまり、切断しないと、スライダーをベースプレートから外せないので、
今まで試そうにも試せなかったというわけだ。

BURTON製のタンの方(ストラップ側)も、
ヒンジ部の筒状の出っ張り部分が大きい(出っ張りが長い)ので、
一度填めたら破断するまで外せなくなる。スライダーの方も
途中で太くなるので、そこで引っかかって抜け落ちることはないが、
引っかかる箇所までは逆にスカスカなくらい緩い。
それと、BURTON製のつま先側のスライダーは、
ヒンジ部の筒状の出っ張り部分が外れる仕組みになっていて、
これを外すとスライダーをベースから抜き取れるようになっているのですが、
この筒状のパーツが外れやすいので注意が必要

といった具合に、手持ちのBUTONソリッドボード用の純正パーツで、
問題なく組み立ては済んだ。
SPARKに手に入りやすいBURTON純正のスライダー類を流用する場合、
私のようにKarakoramのネジ/ナットがなければ、
アンクル側の付け根の穴の大きさを2mmほど拡大すれば、
SPARKのネジ/ナットのままで装着できる。
言ったように、トゥ側はそのまま無加工で流用が可能だ。
(BURTONのスライダー類も年代毎に形状が違うので注意)

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組み立ての話とは無関係だが、ヒールリフターの出し入れをラクにするために、
私はこのように、ベースプレートの設置部分を削って
リフターがスムースに動くようにしている。
削りすぎると固定感がなくなるのでご注意あれ。

そして、話は懸案のサイズ感の方に移りますが、
前回言ったように、全長はまったくの同サイズなので、
違うのはヒールカップと、トゥストラップ間の幅だけだ。

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画像では分かりづらいかも知れないが、
まあこの程度の違いしかない。
ヒールカップとブーツの間に余裕が感じられますが、
ハイバックのフィット感にはほとんど差はない。
むしろ、ブーツ表面の黒い部分にネジが当たって削れてしまっていた部分が、
Lサイズでは当たらなくなっているので、
これは改善と言っていいかもしれん。

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つま先側もスライダーがブーツに干渉しなくなった。
これによって故障の原因を減らせたのかもしれないが、
余裕が生まれたぶん、バインディングの中で
ブーツが動いてしまうかも知れないので、これは試してみるしかない。

これらは、このゴツい『DEELUXE SPARK SUMMIT』と
SPARKのLサイズの組合わせに限った話でもあるので、
28cmを超すサイズであっても、比較的シェルが小型のブーツだと
話は変わってくるように思う。

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やっぱり、MAXFORCEには黒いバインディングの方が似合うな〜〜
というわけで、2年越しの果てしない自己満足の世界はこれにて一件落着。
これでもうしばらくスプリット用のバインディングは要らない(はずだ)。

長い旅路でありましたが、苦労の甲斐あって、むしろその経過を楽しめた。
まるでディアゴスティーニの小分けにして送られてくる組み立てキットのようだが、
まさしくこれこそ男の玩具だ。
まあ使ってみないと、本当の意味で一件落着とはいかないんですけど、
ひとまずはお疲れさまでした。ということで(完)。
   

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2017.11.14 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

SPARK R&D MAGNETO 黒いベースプレートをゲット

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飛びつくようにして買った『BURTON HITCHHIKER』のレイトモデルでしたが、
肝心の派手なデザインの施されたハイバックに飽きてしまい、
SPARKから出た新しい『Rip'N'Flipハイバック』が
気になっていたこともあって、それを青く塗装して装着したりもしました。

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そうして完成した私だけの青いスプリット・バインディグは、
もちろんエメラルド系のMAGIC38には相性抜群で、
Flyfiskまではまあ我慢できていたのですが、後から手に入れた
シブいブラウントーンの『MAXFORCE Split』に関しては、残念ながら、
青いバインディグがまったく似合わないという、悲しいオチがついてしまった。

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そうして、結局先シーズンの最後には
SPARK R&D製の黒いハイバックとヒールカップを個別に購入して、
青いベースプレートに装着する
という、暫定的でパッチワーク的な、
なんともツギハギな状態となってしまっておりました。

まったくもって限定モデルを買った意味がないが、
様々なボードに使い回そうとしたら、
やはりバインディングは黒が一番無難な選択だ。
要は最初から黒いHITCHHIKERを買っておけば済んだってだけの話なのだが、
いざ買うってなると、そんなコンサバな選択に違和感を感じて、
結局黒いバインディングって買えない私であります。
加えて「限定」の2文字にも滅法弱いし。

実は以前にも、真っ赤な『AFTERBURNER』を見た目だけで買ってしまい、
そのあと黒い『AFTERBURNER』を買い直した前科が私にはある・・・
馬鹿は死ななきゃ治らない。とは、まさに私のことですね。

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というわけで、今シーズンはいっそ、ストラップがBURTONのOEMパーツから、
SPARK独自のものに換装された新しい『ARC』に買い直すことも考えたが、
今の私に、ここに¥57,000(税別)もの投資は出来ない。

ストラップ類は以前使っていた『BURTON DIODE』のものを流用しており、
黒いベースプレートさえ手に入れれば、まるっと一式揃うことになるので、
できれば安く済ませられるそちらのプランで行きたいのだが、
今、ベースプレートだけを買い直すにしても『Tesla T1』になり、
しかも、ベースだけなのに¥32,000(税別)もする。

『MAGIC38』『MAXFORCE』など、数台のスプリットボードで
バインディングを使い回したいので、T1用のセカンドボードキットに、
クランポンもT1用の『IBEX』が必要になったり、
追加経費も嵩むので意外と割安感がない。
それならば、MAGNETOの黒いのが、ヤフオクに出てくるのを待とうとか、
結局決めきれなかったりした。

とか、あれこれ悩んでいたら、スプリットボーダーの駆け込み寺、
白馬のサンライズヒルに『MAGNETO』ベースプレートのLサイズが残っていた。
しかも、破格の1万円(税別)!
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問い合わせると、LとMサイズで全長はまったくの同一で、
主に左右幅の数ミリの差違しかないことが判明。

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そもそも28cmほどのブーツを使う私の場合、
バインディングはいつも、LとMの境目になってしまうので、
「問題はなかろう」と判断して、素直にこの幸運に飛びついた。
もしものときは、ヒールカップの取り付け台の部分を削ってしまえば、
踵部の幅は調整できるし。
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何より私は、このクソデカいヒールレストを装着しないとならない
Tesla T1が正直に好みではないので、このLサイズのベースプレートが、
旧Teslaシステムを装備するMAGNETOであることも
とても重要なポイントでありました。

といった資金的な理由や、見た目の話を別にしても、
何より、今使っている『Tesla』で、何の問題もないわけで、
これはまさに渡りに船。待てば海路の日和あり。

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そんなわけで、(DIODEのストラップ類の値段は入っていませんが)
結果的に3万円弱で一式揃えることができた。
遠回りしたせいで3万円(とDIODE1セットが)余計にかかったとも言えるが、
失敗からのリカバリーショットだと捉えれば、
素直にこれは幸運だったのだと思うようにしよう。

さて、これから個々のパーツを、新たに手に入れたベースプレートに
組み着けていくわけだが、青い方は青い方でこれからも併用していく
つもりなので、そもそもHITCHHIKERに着いてきたパーツは
全てそちらに戻さないとならない。今回は、スライダー類など、
SPARK R&D専用のものを用意するつもりはないので、
手持ちのBURTONの純正パーツで済ませる予定だ。

果たして、BURTONの純正パーツで組み上げられるのか?
そして、気になるLサイズのフィット感など、詳細はまた来週。
(つづく)  

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2017.11.06 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

SPARK Crossbar Clips

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まだまだ発展途上にあるスプリットボードというシステムは、
それ故に進化の余地を多く残している。
そういった日進月歩する様を、自ら経験することを楽しみにもできるが、
試行錯誤が繰り返されるが故に、残念ながら退化していると感じるものも
その中には含まれてしまう。
そういった紆余曲折も含めて、自ら歴史を体現していることになるのですが、
そんな歴史に付き合うには、それなりに無駄な出費も覚悟する必要がある。
スプリットの新しいアイテムを買うときには、毎度そういった心配が伴うが、
果たして今回はどうなのだろうか・・・

完全に独立したインターフェース・デザインを打ち出してきた
Karakoramとは違って、SPARK R&Dは、スプリットシステムの
元祖と言っていい、Voile(ボレー)のインターフェースを採用(流用)し、
すでに確立された方法論と安定度を引き継ぎながら、
そこに独自デザインによって快適性や滑走性能を高めた
バインディングをリリースしてこれまで進化してきた。

その後、流用していたヒールリフターを独自のものに改め、
核心部であるVoileのインターフェースを更に進化させた独自の製品
SPARK Pucks』を発売し、システムの考え方はVoileから引き継ぎながらも、
独自の製品群によってシステムのすべてを構成する方向性を打ち出してきた。

そしていよいよ、今まで手つかずだったスプリットフックにも、
SPARK R&Dはオリジナルの製品を送り出し、
これによって、先端を留めるチップフックを除き、
自社製品で統一して賄えるようになったというわけだ。

というわけで、「これはなんでしょう?」第2問の答え
『SPARK Crossbar Clips』でした。

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装着は、ネジ4つだけなので、ここに書くまでもないが、
構造が複雑なので、その作用を理解するのには、
少しばかり余計に時間が要るかもしれない。

話は逸れるが、前々からうっすらと気づいてはいたが、
私のMAGIC38に空けられたこの部分の穴は曲がっている・・・・
今回の『SPARK Crossbar Clips』によって、余計にその曲がり具合が
際立つ格好となってしまった。
このMAGIC38を手に入れたときは、まだスプリットの加工に対応できる
ショップも少なかった過渡期の名残だ。これももた歴史の一部・・・

さておき、スプリットフックの役割は言わずもがな、
2つに分割されるスプリットボードを連結させることだが、
結合に関して、一番負担を受け持っているのはもちろんバインディングだ。
トップもテールも、バインディングよりも外側になる部分の
剛性を担うのがスプリットフックの分担となる。

つまり、雪面に対してトップがどう入り、テールがどう抜けていくのか?を
想像しながらこのフックの構造を考えると良いと思う。

それまで、“これ以上離れないように” していただけの部分に、
ボード同士が「引き寄せ合う」という作用をはじめて加えたのが
Karakoram Clips』。
この方法による剛性感は体感できるほどに強固でしたが、その構造的に、
結合力を強めすぎると、ボードがデッキ側にコンケーブ(V字に凹む)
してしまうという弱点も併せ持っていた。それと、
ハイク中に解放されたフックが、カチャカチャと音をたてるのも
細かいことだが気になるマイナスポイントでありました。

それらを改善してきたのが、5年の時を経て同じKarakoramから登場した
Karakoram Ultra Clips』で、
フックが横に平行に引き寄せられるので、コンケーブを抑えることができた。

2017_0123-33.jpg

しかして、このスプリットフックという部品は、樹脂と木材でできた合板に、
剛性部材として金具を留めるという根本的な問題を、そもそも抱えている。
昨シーズンあたりから出始めた、デッキ側に雌ねじを格納する
インビスタイプの固定方法ならば、固定力に問題がないのかも知れないが、
古くからの滑走面から雄ねじを貫通させてナットで固定するタイプだと、
固定力が低いため固定位置を調整するフックが使用中にズレてしまい、
結局結合力を維持できないこともあった。

『SPARK Crossbar Clips』はもちろん、
後発らしくそんな問題点を解決してきている。

2017_1017-7.gif
2017_1017-16b.jpg
見た目はややこしいが、
ひと度理解さえしてしまえば、その構造はいたって単純。
フックを固定するバーの、回転軸から外の部分が卵形に偏心されていて、
バーを倒すと膨らんだ部分が逆側のフックを押し出し、
自らをもう一方に引き寄せる構造となっている。

2017_1017-2.jpg
2017_1017-3.jpg

そして、キモはここ。
2ピースに別けることで、受け側のフックを可動式にしており、

2017_1017-4.jpg

こちらのネジによってフック同士の距離を変えることで、
引っ張り強度を調整できるようになっている。これにより、
旧来の貫通式ボルト留めでも固定力を維持することが可能になった。

2017_1017-14.jpg

ハイク時はこのように畳むことができ、
動きに抵抗感を生み出せる仕組みなので、
パーツがグラグラと動き回ることはない。そして何より、
ボードデッキからパーツがはみ出さないことも重要なポイント。
そうそうあることではないが、ハイク中、外に出っ張ったフックが、
木や枝、氷などに引っかかるなんてこともなくはない。
足取りが乱れるということ以上に、破損原因にもなるので、
案外、大切な部分。

2017_1017-5.jpg

意外なことに、Karakoram Ultra Clipsよりも軽量。
構造がよりシンプルなKarakoram Clipsでも48gだったので、
それよりも更に軽量にできているのは驚きだ。

と、いいことづくめではあるのですが・・・

2017_1017-18b.jpg

構造が複雑で、本来裏方であるべきモノが
表側に見切れちゃってる感じがカッコ悪い・・・
とにかく「洗練」とはほど遠い印象だ。
機能的には90点あげたいけど、この見た目に及第点はあげられないな。

それと、モードチェンジのときに、2本に割れたボードを両手で持って、
合わせ面を上下にスライドさせて、まずは固定位置に移動させるのは
VoileやPlumの『WOW HOOK』と同様に、現場で重宝しそうに思えるが、
固定力を強めに調整すると、固定位置への抵抗感は強めで、
そこまですんなりと導くことができず、立ったままで行うのは無理っぽい。
まあこれに関してはKarakoramも同様なのですが、
この構造だと立ったまま合わせられると思った方も多いと思いますので、
念のためお知らせしておきます。

2017_1017-13.jpg

細かい話ですが、
私のMAGIC38のフックの取り付け穴の位置だと、
畳んだときに後側にハミ出してしまうのもちょっと悲しい。

そもそもVoile用に設定された穴の位置を前提としたスプリットフックで、
先述したような問題点を解決しながら、コンパクトネスも含めた
機能的な美しさを追求するのは、もう限界なのではないかと私は思う。

2017_1017-12.jpg

ここまで来ると、もう「黒歴史」。
わたし的にはPLUMのフックで、結合力を調節できるものがあったら
最高だと思うのですが、みなさんはいがかがでしょうか?
いずれにせよ、スプリットボードの歴史は、まだまだ途上にあるようです
・・・・Never Ending Story.
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2017.10.23 | コメント(2) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

さて、これはなんでしょう??? 第2問

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調子にのって第2問です。
って、見る人が見ればクイズにもなってませんかね〜〜〜

残念ながら(?)今年はサーフアイテムに手を出しすぎたため、
例年ほどにスノーボードアイテムには手が出せません(たぶん)。
なので、今シーズンは主にこういった小物類で、
バージョンアップを進めていきたい、熟成の年と位置づけております。

まあ、そんな資金的な問題を横に置いても、
やはりのこパーツは試さないわけにはいきません。
装着したらまたお知らせいたします!
乞うご期待!
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2017.10.10 | コメント(0) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

富士山チャレンジ【後編】

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11時45分:標高3,400m
スプリット・ボードの私とONさんは、
大事を取って3,000m付近からアイゼンに履き替える。

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痙りはじめた左足だが、IK隊長にもらったタブレットのおかげか、
そのあと症状は出なくなった。飲んですぐ効くなんて、すごい即効性だ。
(ちなみにこれで「つらん」と読むらしい。ベタだが分かりやすい)
サプリメントの大切さを身をもって知る。
もちろん下山してすぐに買い求めた。

さておき、実はONさん、
仕事の関係で前日は1時間しか寝ていない・・・
口には出さないが、かなりキツかったはずだ。
それなのに前を歩いて足場を作りながら、
「あとは何も考えずに一歩一歩足を前に出していれば着いちゃうから」と、
私のペースに付き合ってくれた。こちらの副隊長も
ガイド並(もしくはそれ以上)のホスピタリティの高さを誇っている。
否、フォースの強さを持っている。

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富士吉田口登山道が近づいてきた。
上の画像に見えるのは8合目の山小屋。下は9合目の鳥居。
ちなみに、この二枚の画像の間には1時間が経過している・・・
いつまで経っても景色が変わらん。

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12時45分:標高3,600m
このあたりまで来ると、滑り始める準備などほぼ不可能になるので、
「もう登るしかない」と、いっそハラが決まる。
あまり上を見ないように心がけるが、やはり、ついつい見てしまう。
眼下の景色と同様に、頂上も一向に近づいては来ない・・・
何時間登っても、頂上の山小屋の見た目のサイズは変わらないままそこにある。
かなり残酷な目の錯覚だ。

出発してからすでに7時間が経過しようとしている。
もはや、自分が限界なのかどうかさえ分からない。
かといって、無我夢中になれるわけでもなく、
冷静に苦しさと向き合わされる、苦行と言っていい修行系。
そんな正念場が5分おきに訪れる。

ちなみに、アイゼンに履き替えることなく、
シールのままスタスタと登り詰めてしまったIK隊長は、
この時すでに登頂を果たしていて、
山頂で1時間以上もの間、我々を待っていてくれた。
連休中も3,000m級の山々を連日登っていたらしく、それもあって絶好調の様子。
本人曰く「今日はやけに身体が軽いわ〜〜〜」。

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人生ゲームのようにマスを入れ替えられるルールがあれば。と、真剣に願う。
というのも、IK隊長は、この翌日曜日も吉田口から登頂を果たした。
二日続けて富士山詰めるって、どんだけ〜〜〜〜〜!!
それだけ体力が有り余ってたら、
1時間くらい登りを交代してもらってもバチは当たらんだろう。とか、
もはや、それくらいのことしか頭に浮かんでこない。

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13時17分:標高3,710m 登頂!
須走口から7時間半、標高差1,800mにある吉田・須走口山頂に到着。
のど元過ぎればなんとやら。
辛かったことはさっさと忘れて、現金に達成感に酔いしれてみる。
成せば成る。成さねば成らぬ、何事も。

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まさか登頂できるとは思いもよらなかった。
おかしな言い方だが、絶対に途中で諦める自信があった。
特に最後の部分は、後から考えればたったの30分の出来事だったのだが、
「もう二度と来るかコンチクショー!」、
「これが最後。これが最後・・・」と、呪文のように唱えつづけ、
まるで永遠のように感じられた時間を過ごした。

「信じられない」なんて、人生で何度言う機会があるだろう。
流石は日本一の山。とんでもない達成感だ。

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30分ほど休憩したら、サッサと気持ちを切り換えて滑走準備開始。
ドロップポイントへの移動がてら、
今までテレビか写真でしか見たことのなかった火口を見渡す。
もちろんお釜も滑ることができる。
ボトムからは1時間程度の登り返しとのこと。

正面に見えているのが剣が峰。最高地点3,775.6mだ。
吉田・須走口頂上から剣が峰まで、
お鉢をどちら周りしても50分程度かかるらしい。
お釜の中を滑る方々も見えたが、剣が峰も、お釜も、
この際1mmも羨ましくないし、まったく未練もない。
ご自由にどうぞ。私はサッサと下山させていただきます。

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お鉢を南側に10分ほど歩いて、
登ってきたラインより、御殿場口寄りの面を滑ることにした。

ここは須走口と、御殿場口の中間にある『不浄流し』と呼ばれる滑降ライン。
裾野の広い富士山の場合、真っ直ぐに降りれば降りるほど、
放射状に登山道からは遠ざかってしまう。
なので、須走、御殿場と、どちらに滑り込むのもややこしくなるため、
めったに落とさないラインなのだそうだ。
風向き、日射の影響を考えた隊長の決断でこちらに決定。
(本当はもう一本手前の斜面を狙っていたのだが、間違えた)

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今回、「富士山に登ってもいいかな」と思えた理由の一つに、
MAXFORCE Splitの存在があったことは否定できない。
道具が与えてくれる「自信」の大切さを痛感する。
買い物って大切だ。

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14時23分。IK隊長ドロップイン!!!!!

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続いてON副隊長ドロップ!!!!

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最後に私がドロップ!
雪面はちょっと深めのシャウダー。
ザラメが深すぎてエッジが噛みづらいので、荷重がすっぽ抜ける。
2ターン様子を見て、行けると踏んだ3ターン目に、
大きく回しすぎて一瞬尻餅をついたが、
そこからは倒し込めるギリギリでターンを繋げる。

それでもこの巨大な斜面の100分の1も横幅を使っていない。
本当なら倍以上のターン弧でもってハイスピードターンに持ち込みたいのだが、
その荷重を支えられるような雪ではもはやない。
この広い斜面がモッタイナイ。

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ほんと現金なもので、さっきまでのヘナチョコな自分は何処へ??
とうに限界は超したものとばかり思っていたが、
案外「滑りは別腹」なのだと思い至る。

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ところで、標高3,700mの景色とは、一体どんなものかと思っていたが、
少々モヤがかかっていることもあって、期待していたほどでもない。
空気が澄んで、遠くまで見渡せる真冬ならば、眺めも変わってくるのだろうが、
「スゴすぎてかえって普通」と言うのが正直な感想。
IK隊長曰く、「富士山は、登るより、眺める方が楽しい山。」
較べるようなものでもないが、個人的には立山の景観の方が何倍も壮観だと思う。

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なんて、言ってはみても、ここはやっぱり日本一の山だ。
眺めはさておき、滑れども滑れども斜面が終わらない。
登りの時に感じた目の錯覚はそのまま下りでも当てはまって、
どれだけ滑っても、先行したIK隊長が近づいてこない。
しまいには膝とモモが乳酸でパンパンに張ってくる。

2017_0522-37.jpg

最後に、元の登山道に向かってトラバースを開始する。

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しかして、すでに大きく目測を誤っていたようで、
3箇所ほど土の上を横移動しても、まだ登ってきた雪渓に辿り着かず。
最後は雪の上が石ころだらけになって滑走終了。
ここからはまた歩くのみ。

ちなみに、帰ってから確認したら、滑走面はすでに傷だらけだった。
まあ、来季までにチューンナップに出すつもりだったので、
良いっちゃあ良いのだが、富士山には、もしあるのであれば、
傷付いても気にならないセカンドボードを持って来た方が良さそうだ。

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立山の浄土平を「月面みたいだ」と言ったが訂正する。月面はこっちだ。
登りの時は富士山しか視界に入らないが、下りだと、
疲れがピークであることも重なって、荒涼とした風景しか目に入ってこない。

さておき、「下りだし少しはラクに降りられるだろう」という皮算用は、
ここに来てあっさりと覆された・・・

ご覧のように、ここは着いた足許から崩れるような、土の多い砂利道だ。
そこに拳大の溶岩石かゴロゴロと転がっていて、
一歩一歩慎重に足を着ける必要がある。そして、
前傾のつけられたスノーボード・ブーツだと、膝を伸ばしきれないので、
軽い中腰で歩くことになり、太ももへの負担がすごい。
スキーのハードブーツもキツいだろうが、AT系のブーツなら、
足首が解放できるので少しは楽になるように思える。
隣の芝生は青く見えるってだけかもしれないが。

ちなみにスキーヤーのIK隊長は、土の上はスキーブーツも担いで、
トレッキングシューズで歩いていた。

そんなわけで、最初の1時間で苦しんだ登りの方が、いっそ数倍ラクだった。
疲れ切った下半身に、この仕打ちはあまりにムゴい。
最後は靴擦れまで起こしてしまい、文字通りの満身創痍で下山した。


2017_0522-41.jpg

17時30分:須走口駐車場帰着

下山してすでに一週間が経とうとしているが、
しこりのような筋肉痛がまだ残っている。
なんともスゴイ経験をしたものだと、改めて思う。
苦しかったことと、だからこその達成感という、
両極端な記憶しか残っていない。

富士という山は、滑るためだけに行く場所ではない。
果たされた苦労が滑り応えで報われる山では決してない。
滑るべき斜面、そのために登るべき山は、他にもっとたくさんある。
残念だが、それだけは確かだ。

少なくとも私にとっての富士山は、
登頂しなければ、自分の中に何も残らない山だと思った。
でも、もし登頂できれば、その達成感はそれだけでかなりのものとなる。
やはりここは特別な山だ。
登頂するためだけにある山が存在することを、この日初めて知った。

たぶん、山と人間には何か特別な “繋がり” がある。
山に登る事は、現代人にとって余暇にする遊びでしかないが、
きっと山に登ることは、天界に一番近い場所へ行こうとする、
人間としての根源的で、遺伝子レベルの理由があるのだと
「日本一」の山に登って感じた。

もちろんその理由が何であるのかは、私には分からない。
山岳信仰を含めた神聖な感覚なのかも知れないし、
単に「馬鹿と煙は高い所にのぼる」というレベルの話かもしれない。

それを今一度確認したくなる自分が発症してしまいそうで、
そっちの方が怖い。

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結果、きっちり12時間行動。
私のペースに合わせたせいで、
お二人には2時間以上も余計に使わせてしまったことになる。
いつにも増して、IKさんと、ONさんにはお世話になった。
(三人のウェアの色が信号機のようなのも、きっと何かの縁だろう。
 私がイケイケの「青」ってところがウケますが・・・)

この二人とでなければ、途中で諦めて引き返していたことはまず間違いない。
お二人にはこの場を借りてお礼を申し上げたい。


さて、これでやっと2016-17シーズンを締めくくることができる。
燃え尽き症候群になりそうで怖いほど、
今シーズンも、私にとって心より誇りに思えるシーズンになりました。
今シーズンの振り返りは、また改めてしたいと思うが、
まずは、怪我もなく、無事に滑り切れたことに感謝をしたい。
  

テーマ:スノーボード - ジャンル:スポーツ

2017.05.30 | コメント(4) | トラックバック(0) | スプリット・ボード

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